

総合アレルギー科,皮膚アレルギー科,消化管アレルギー科
お知らせ
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第25回 アレルギー臨床懇話会のご案内
令和3年2月4日(木)、第25回アレルギー臨床懇話会を開催します。本年度はZoom ウェビナーによるライブ配信で開催されます。ぜひ多くの先生方、メディカルスタッフの方々のご参加をお待ちしております。 -
アレルギーセンター食物経口負荷試験の再開について
新型コロナウイルス感染症対策のため、以前より検査人数を減らして実施していた食物経口負荷試験を、9月1日から全面的に再開しました。 -
2020年度「小児アレルギー診療短期重点型教育研修プログラム」への参加者募集は終了いたしました。
ご応募ありがとうございました。2021年度の募集案内は2021年3月~4月ごろ、こちらのページに掲載予定です。 -
アレルギーセンターを通院中の患者さん・ご家族の皆様へのお知らせ
国内施設で発生した急速経口免疫療法による重篤な有害事象について
診療内容・業務内容
アレルギーセンターでは小児のアトピー性皮膚炎、食物アレルギー、気管支喘息などをはじめとした様々な小児アレルギー疾患の診断治療を行っています。
- 気管支喘息およびそれに合併したアレルギー性鼻炎や副鼻腔炎
- アトピー性皮膚炎およびその合併症
- 食物アレルギー(食物依存性運動誘発アナフィラキシー、消化管アレルギーを含む)
- IgA欠損症、高IgE症候群など免疫異常を伴うアレルギー疾患
- ラテックスアレルギー、口腔アレルギー症候群
- 蕁麻疹、自家感作性皮膚炎、接触性皮膚炎、薬物アレルギー
- 昆虫アレルギー、動物アレルギー
- 血管性浮腫
- その他
患者への指導(患者教育)
アレルギーセンターでは、科学的根拠に基づいた治療ガイドラインに従って病気を持つ子どもたちの治療を行っています。しかし、患者・家族が治療内容を理解・納得しなければ、十分な効果は得ることはできません。そのため、病気について基本的な知識を理解する必要があります。アレルギーセンターではこのような患者への指導(患者教育)にも力を注いでいます。
特に初診の方には、時間をかけて疾患や治療法を説明する「教室」を全員に受講していただいています。必要に応じて複数の「教室」を受講していただくこともあります。
- アトピー教室
- ぜん息教室
- 食物アレルギー教室
- 乳児アレルギー教室
この他、夏休みなどに患者本人を対象にした「こども教室」を開講したり、看護師、薬剤師、管理栄養士による個別指導を行ったりしています。
成育アレルギー電話相談室
臨床研究
アレルギーセンターでは現在、アトピー性皮膚炎・気管支喘息・食物アレルギー・消化管アレルギーの各疾患についての臨床研究を行っています。私たちは、患者さん1人1人に対して最善の診療を行うのと同時に、このような研究活動によって最新のエビデンスを明らかにすることも責務と考えています。
専門分野
アレルギー
私たちの体には、細菌・ウィルス・寄生虫などの感染性微生物や異物などから、身を守るための「免疫」という仕組みがそなわっています。この免疫の働きが、現代文明による環境やライフサイクルの変化によって異常を起こし、くしゃみ、発疹、呼吸困難などの症状を起こしてしまう状態が「アレルギー」です。
アレルギー疾患には、食物アレルギー、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎(花粉症を含む)、アレルギー性結膜炎、気管支喘息(ぜんそく)、薬剤・昆虫アレルギーなど…症状・経過とも多様な疾患が含まれます。
食物アレルギー
食物アレルギーの定義は「食物によって引き起こされる抗原特異的な免疫学的機序を介して生体にとって不利益な症状が惹起される現象」です。簡単に言うと、「本来は体に害を与えない食べ物を異物と勘違いし、免疫反応が過敏に働いてしまう現象」です。その結果、蕁麻疹(じんましん)やかゆみ、咳などが引き起こされます。時に、アナフィラキシー(発症後、極めて短い時間のうちに全身性にアレルギー症状が出る反応のこと.血圧の低下や意識障害などを引き起こし、場合によっては生命を脅かす危険な状態になることもあります.この生命に危険な状態をアナフィラキシーショックといいます)という重い症状が出ることがあるため注意が必要です。
アトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎とは、かゆみのある湿疹が、慢性的に良くなったり悪くなったりを繰り返す病気です。アトピー性皮膚炎では、皮膚の“バリア機能”(外界のさまざまな刺激、乾燥などから体の内部を保護する機能)が低下していることが分かっています。そのため、外から抗原や刺激が入りやすくなっており、これらが免疫細胞と結びつき、アレルギー性の炎症を引き起こします。また、かゆみを感じる神経が皮膚の表面まで伸びてきて、かゆみを感じやすい状態となっており、掻くことによりさらにバリア機能が低下するという悪循環に陥ってしまいます。
気管支喘息(ぜんそく)
気管支喘息は、急に空気の通り道となる気管支が狭くなってしまい、「ヒューヒュー」「ゼーゼー」し始めて呼吸が苦しくなる状態(いわゆる発作)を繰り返す病気です。気管支喘息では、気管支に慢性的な炎症が起こっていることが分かっています。この炎症のために簡単な刺激が入っただけでも気管支の壁が腫れたり、粘液(痰)が分泌されたり、気管支の周りの筋肉が縮もうとしたりして気管支が狭くなってしまい発作が起こります。そのため、炎症を治さない限りいつまでも発作が出現します。さらに、長く炎症が続いてしまうと気管支自体が硬くなって治療が難しくなる「リモデリング」といった状態に陥ってしまいます。
アレルギー性鼻炎
アレルギー性鼻炎は、アレルゲンが鼻の粘膜から体内に侵入し、免疫反応が起こることによって、鼻水・鼻づまり・くしゃみなどの症状が引き起こされる病気です。通年性(一年中症状が出るタイプ)と、季節性(特定の季節に症状が出るタイプ、いわゆる花粉症)とがあります。
消化管アレルギー
消化管アレルギーは、1990年代の終わりころから、急増している食物アレルギーの1つです。年齢としては生まれたばかりの新生児期・乳児期での発症が多いですが、その他の年齢層でもみられます。原因となる食物(粉ミルクなど)を摂取してから、しばらくして(短くて1-2時間後、長いと数日後)嘔吐や血便、ひどい下痢などが起こります。他の症状がみられず体重が増えないだけの場合もあります。
好酸球性胃腸炎、好酸球性食道炎
アレルギーや寄生虫感染で増える「好酸球」という免疫細胞が消化管の粘膜に集まり、炎症を引き起こす疾患です。消化管由来の症状があると同時に、消化管内視鏡と組織検査によって、炎症の範囲が食道のみ限られている場合は「好酸球性食道炎」と診断され、それ以外に炎症がある場合は「好酸球性胃腸炎」と診断されます。日本では、好酸球性胃腸炎の患者さんが多いのですが、好酸球性食道炎の患者さんも増えつつあります。
入院患者数(疾患別)
2017 | 2018 | 2019 | |
---|---|---|---|
アトピー性皮膚炎 | 27 | 40 | 51 |
気管支喘息 | 8 | 9 | 12 |
消化管アレルギー | 34 | 43 | 33 |
食物アレルギー | 5 | - | - |
食物負荷試験 | 1131 | 1236 | 1525 |
アナフィラキシー | 8 | 9 | 1 |
薬剤アレルギー | 5 | 3 | 6 |
その他 | 0 | 6 | 5 |
合計 | 1218 | 1346 | 1633 |
初診患者数(予約枠別)
2017 | 2018 | 2019 | |
---|---|---|---|
アトピー性皮膚炎 | 109 | 94 | 90 |
食物アレルギー | 268 | 246 | 251 |
気管支喘息 | 27 | 32 | 36 |
乳児アレルギー | 154 | 173 | 152 |
消化管アレルギー | 28 | 30 | 38 |
薬剤アレルギー・その他 | 75 | 454 | 519 |
合計 | 661 | 1029 | 1086 |
再診患者数
2017 | 2018 | 2019 | |
---|---|---|---|
再診(のべ) | 10862 | 16677 | 17876 |
受診方法
受診には予約が必要です。予約センターに連絡し、予約してください。予約の変更も予約センターで対応します。初めて受診(初診)する場合は、医療機関(医院、病院)からの紹介状をご用意ください。紹介状をお持ちでない場合、別途特定療養費が必要です。
再診の方は、予約センターで予約してください。曜日毎に担当医が決まっているため、担当医の希望があれば、予約時に伝えてください。
初診の方へ
直接予約センターに電話で連絡をしていただくか、緊急で受診が必要なときはかかりつけの医療機関から医療連携室にご連絡ください。(受診目的の疾患によって初診の曜日が異なり、それぞれに合わせた教室を準備しています)
予約された後、事前にこのページの下にある該当する問診票等をA4サイズで印刷(片面でも両面でも可)してご記入の上、診察日にお持ちください。準備できない方には当日外来で問診票へのご記入をお願いしています。来院後に問診票をご記入いただく場合は、記入と確認に30分以上の時間を要します。当日のスムーズな診療のために、なるべく事前に問診票を記入していただくよう、ご協力をよろしくお願いいたします。
ご不明な点がありましたら、予約センターまでご連絡ください。
- 受診前に必ずご覧ください。
アレルギーセンターでは受診した患者様の診療データや写真データ、血液検査で余った検体などを活用して、アレルギー疾患の診療や研究に役立てたり、医学教育、患者様への説明などに使用したりしています。
このような調査・研究には皆様方のご理解とご協力が不可欠です。以下の説明・お願いをお読みいただき、調査・研究に同意いただける場合には、同意書へのご記入をお願いいたします。(受診当日にもご同意いただけます)
- データ活用・検体保存のお願い(閲覧用)
- 同意書1(印刷用)
初診の方は、事前に以下の質問票を印刷後に記入して、当日にお持ちください。(準備できない方は当日外来でご記入ください)
質問票では診療上重要となる情報をお聞きしています。質問票は疾患の発症や重症度・予後に影響を与える可能性がある多くの項目を含むため分量が多くなっておりますが、より適切な診療のためにご理解とご協力をお願いいたします。なお個人情報につきましては、医療従事者の守秘義務があるため、診療以外の目的で利用することはありません。回答できない・したくない項目については空欄のままでも結構です。
質問票は、患者様の年齢によって「0~3歳」、「4~7歳」、「8~12歳」、「13歳以上」の4種類があります。患者様ご本人の受診当日の年齢に合った質問票を下から選んで、ご記入ください。
- ①アレルギーセンター質問票(0~3歳)(印刷用)
- ②アレルギーセンター質問票(4~7歳)(印刷用)
- ③アレルギーセンター質問票(8~12歳)(印刷用)
- ④アレルギーセンター質問票(13歳以上)(印刷用)
現在、初診希望の方が非常に多く予約の取りづらい状態が続いており、大変ご迷惑をおかけしております。できるだけ多くの患者さんに受診していただけるよう努力しておりますので、ご了承くださいますようお願い致します。
スタッフ紹介
アレルギーセンター センター長 大矢 幸弘
診療科 | 診療部長 | 医長 | 医員 | フェロー |
---|---|---|---|---|
総合アレルギー科 | 大矢 幸弘(併) | 福家 辰樹 山本 貴和子 |
宮地 裕美子
樺島 重憲 野村 伊知郎(併) 齋藤 麻耶子(併・非) 佐藤 未織 (併・非) 宮田 真貴子(非) 豊國 賢治(非) 石川 史(非) 稲垣 真一郎(非) 犬塚 祐介(非) |
荻田 博也 木口 智之 遠藤 由理 島田 真実 平井 聖子 |
皮膚アレルギー科 | 吉田 和恵(併) | |||
消化管アレルギー科 | 新井 勝大(併) | |||
鼻アレルギー科 | 守本 倫子(併) | |||
視機能評価支援室 | 東 範行(併) | |||
免疫機能評価支援室 | 森田 英明(併) | |||
遺伝情報評価支援室 | 秦 健一郎(併) | |||
行動機能評価支援室 | 大矢 幸弘(併) |
(併)=併任、(非)=非常勤
お知らせ
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第25回 アレルギー臨床懇話会のご案内
令和3年2月4日(木)、第25回アレルギー臨床懇話会を開催します。本年度はZoom ウェビナーによるライブ配信で開催されます。ぜひ多くの先生方、メディカルスタッフの方々のご参加をお待ちしております。 -
2020年度「小児アレルギー診療短期重点型教育研修プログラム」への参加者募集は終了いたしました。
ご応募ありがとうございました。2021年度の募集案内は2021年3月~4月ごろ、こちらのページに掲載予定です。
患者紹介・医療連携
アレルギーセンターでは医療連携を重視し、他の医療機関等からの患者さんの紹介を積極的に受け入れています。疾患の重症度が高く、通常の治療ではうまくいかない症例を始め、環境要因、社会心理学的要因、アドヒアランスなどが問題で、コントロール不良になってしまう症例など、お困りの患者がいらっしゃいましたら、ぜひご紹介ください。
通常のご紹介
当院では初診も事前予約制です。患者さんに診療情報提供書(紹介状)を渡して、ご自身で電話予約をするようにお伝えください。初診日は疾患、年齢によって異なります。詳細につきましては予約センターにお尋ねください。(現状では疾患により初診の予約に数か月かかることもあります。)
早めに受診(入院)が必要な場合
医師の診断により早めに受診が必要な場合には、医療機関から医療連携室に直接ご連絡いただければ予約を早めにとることができます。緊急入院を要すると思われる重症な患者さんの場合にも、まずは医療連携室にご連絡ください。
ご紹介後の医療連携について
ご紹介いただいた患者さんについては当科での診断、治療を行うと同時に、必要に応じて紹介元の先生方にも診療をお願いしております。(症状悪化時の対応、処方薬不足時の追加処方など)紹介した患者さんの経過などご不明な点がありましたら、遠慮なくお問い合わせください。
さらに患者さんの症状が改善して長期的な治療方針が決定し安定した状態になりましたら、紹介元や近隣の医療機関への転院をお願いしております。重症でお困りの小児患者さんを速やかに診察するという当センターの使命をご理解いただき、ご協力いただければ幸いです。なお経過中に症状の悪化や再燃がある場合には、患者さんが電話で当科の再診の予約を取ることができます。
アレルギー科在籍医師がいる医療機関一覧
これまで当院アレルギー科に在籍していた医師が現在勤務している医療機関一覧です。医療連携にお役立てください。