代表: 03-3416-0181 / 予約センター(病院): 03-5494-7300
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免疫科



基本情報

免疫科は、「風邪(感染症)にかかりやすい」あるいは「なかなか感染症が治らない」子どもの診療を行っています。
一般に、子どもはよく風邪をひきますが、ほとんどの場合、薬の内服等で自然に治ります。しかし、一部の子どもは風邪にかかるとなかなか治らず、病気が重くなり、肺炎など重症な感染症を引き起こすことがあります。

このような状態を易感染性とよび、身体を守るしくみ(免疫機能)の一部に何らかの障害をきたしている場合があります。具体的に、以下のような症状があげられます。症状が続く場合はより詳しい検査を行い、適切な治療を受ける必要があります。

  • 同じ感染症に何回もかかる
  • 一度治っても、すぐに別の感染症にかかる
  • 普段はかからないような弱い菌が原因で、感染症をおこす(日和見感染)
  • 治療を受けても、感染症がなかなか治らない
  • 肺炎や髄膜炎など、重い感染症にかかりやすい

診療内容・業務内容

主に、以下のような疾患について診療を行っています。

  • 免疫不全症
    • 慢性肉芽腫症
    • 無ガンマグロブリン血症
    • ADA欠損症
    • 高IgE症候群
    • 自己炎症性疾患(クリオピリン関連周期性症候群、家族性地中海熱など)
    • 好中球減少症
    • X連鎖重症複合免疫不全症
    • Wiskott-Aldrich症候群
    • 高IgM症候群
    • Ataxia-Telangiectasia
    • 分類不能型免疫不全症
  • 免疫に異常を認める疾患
    • 自己免疫疾患

専門分野

研究と先端治療

免疫科は「診断から治療まで」を基本理念として、上記疾患の病態解析を行い、遺伝子診断を含む早期診断法の確立並びにその結果を基にした先端医療の導入を試みています。
具体的には、慢性肉芽腫症が疑われる方にフローサイトメトリ法による細胞機能の解析を行い、異常が疑われた場合は、ご家族の同意を得た後、遺伝子解析を行っています。また、原因不明の好中球減少症について、WHIM症候群の遺伝子解析と細胞機能検査を実施しています。また、無ガンマグロブリン血症については、疾患の原因となる蛋白の発現をフローサイトメトリ法で評価しています。

先端医療としては、以下のような特殊治療法の導入を試みています。

  • ガンマグロブリン補充療法
  • 酵素補充療法
  • サイトカイン療法
  • 抗免疫抑制剤療法
  • 重症免疫不全症に対する造血幹細胞移植
  • 造血幹細胞遺伝子治療

臨床研究への参加者募集

免疫科では、患者の日常診療で生じる疑問や課題を解決し、新たな治療法を開発するため、臨床研究を行っています。全ての臨床研究は、当センター倫理審査委員会で倫理的、社会的、医学的、及び科学的な妥当性について審査され、承認を得た上で実施しています。難病の患者に最善の診療を行うとともに、国内外の同じ難病の患者に役立つ情報を発信するため、研究を行っています。
研究への参加は、患者・家族の自由意志を尊重しており、強制されるものではありません。診療の際に臨床研究へのご協力についてご案内することがありますので、ご理解のほどよろしくお願いいたします。

慢性肉芽腫症に対する遺伝子治療

2014年からX連鎖慢性肉芽腫症(gp91phox欠損症)に対する造血幹細胞遺伝子治療臨床研究を米国国立衛生研究所と共同で開始しました。参加を希望される5例の方に対して、順次、治療を行います。

原発性免疫不全症の診断と病態解析および遺伝子解析

免疫反応に携わる細胞の性質や機能を調べ、原因となる遺伝子の異常を探索していきます。また、iPS細胞を作成し遺伝子の異常によって生じる細胞の変化を検討します。

慢性肉芽腫症関連腸炎に対するサリドマイド治療

従来の治療で改善しない難治性腸炎の患者を対象にサリドマイド治療を行います。本研究はサリドマイド安全管理手順(TERMS)の承認を得て、TERMSを遵守し実施しています。

新生児の原発性免疫不全症スクリーニング

国立成育医療研究センターで出生した正常体重で、周産期に異常が指摘されていない新生児を対象に行っています。


診療実績

­ 2020 2021 2022
慢性肉芽腫症 20 20 16
ADA欠損症(重症複合免疫不全症) 2 2 1
高IgE症候群 6 6 6
低ガンマグロブリン血症 15 18 20
活性化PI3K-δ症候群 0 0 0
ウィスコット・アルドリッチ症候群 2 3 4
好中球減少症 12 10 15
クリオピリン関連周期熱症候群 3 4 4
若年性特発性関節炎 5 6 4
若年性皮膚筋炎 4 4 4
全身性エリテマトーデス 2 2 1

受診方法

受診には予約が必要です。予約センターに連絡し、予約してください。予約の変更も予約センターで対応します。初めて受診(初診)する場合は、医療機関(医院、病院)からの紹介状が必要です。

再診の方は、予約センターで予約してください。曜日毎に担当医が決まっているため、担当医の希望があれば、予約時に伝えてください。

スタッフ紹介

診療部長 医員 フェロー
河合 利尚
小野寺 雅史(併)
内山 徹(併)
石川 尊士
藤森 健太郎

(併)=併任、(非)=非常勤

医療従事者の方へ

診療概要と対象疾患

小児の遺伝性難病は稀少疾患で、大規模な調査に基づくエビデンスは少ないのが現状です。しかし、原発性免疫不全症は治療せず自然に軽快することはなく、突然、生命危機に瀕する状況に陥ることがあります。免疫科では、一般的な治療を行うとともに、病態の解明、新たな治療法の開発など、遺伝性難病の克服に向けた医療の実現に貢献することが責務であると考えています。
免疫科では、患者・家族の不安や負担が大きいことを十分理解し、科学的な根拠に基づく医療を行っています。また、当センター内外の機関とも連携し、より良い医療を提供します。
原発性免疫不全症を中心とした以下の免疫の異常症について診療を行っています。

  • 原発性免疫不全症
  • 慢性肉芽腫症
  • 無ガンマグロブリン血症
  • ADA欠損症
  • 高IgE症候群
  • 自己炎症性疾患(クリオピリン関連周期性症候群、家族性地中海熱など)
  • 好中球減少症
  • X連鎖重症複合免疫不全症
  • Wiskott-Aldrich症候群
  • 高IgM症候群
  • Ataxia-Telangiectasia
  • 分類不能型免疫不全症
  • 免疫に異常を認める疾患
  • 自己免疫疾患

研究概要

免疫科では、原発性免疫不全症の診断、病態解析、治療法の開発に関する研究を行っています。遺伝子解析、フローサイトメトリ解析、ELISA、iPS細胞の樹立など、基礎的な研究については、当センター研究所成育遺伝研究部とともに行っています。疾患の病態が明らかになっていない場合、遺伝子変異が細胞機能や生体へ与える変化について詳細に検討を行います。
免疫学的な解析として、以下の検査を中心に実施しています。また、他科および外部施設で免疫の異常症が疑われた場合、当科で併診し免疫学的な評価を行い日常診療へ速やかに還元しています。

  • リンパ球サブセット解析
  • 活性酸素産生能
  • 慢性肉芽腫症の関連蛋白発現解析
  • アポトーシス解析
  • サイトカイン測定
  • 遺伝子解析

また、以下の臨床研究を実施しており、参加者を募集しています。

  • 慢性肉芽腫症に対する造血幹細胞を標的とした遺伝子治療臨床研究
  • 慢性肉芽腫症関連腸炎に対するサリドマイド治療臨床研究
  • ADA欠損症に対する酵素補充療法
  • 新生児の原発性免疫不全症スクリーニング

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