総合診療科
基本情報
「子どもの総合医」である総合診療科では、Bio-Psycho-Social Model(身体的・精神的・社会的)の視点から、乳幼児期から思春期にかけての子どもとその家族を包括的に支援し、救急疾患から慢性疾患まで子どものあらゆる疾患に対して幅広く診療・支援を行っています。 子ども病院の各専門診療科を「縦糸」に例えるならば、私たち総合診療科は「横糸」として、専門診療科の「縦糸」と織りなす医療の布で、子どもとその家族をやさしく包みます。診療内容・業務内容
当科の診療内容の特徴
- 急性期疾患・慢性期疾患の入院管理に加え、外科系専門診療部に入院中の患者に対しても、必要に応じて併診を行い、診療の円滑な遂行に努めています。
- 病棟の特徴を生かしながら3つの病棟チーム(7階・8階東、8階西・9階、10階・11階東)と、外来チームを合わせた4つの診療チームで、子どもの総合医としての診療を展開しています。
- 医療機関から紹介いただいた患者さんに対しては、緊密な医療連携のもと診療を行います。退院後は原則として地域の医療機関やかかりつけ医に再紹介いたします。
- 教育機関でもある当センターでは、教育研修センターと連携し、小児医療系レジデントの研修・教育にも中心的な役割を担っています。
診療内容の具体的内容
1)総合診療科病棟
【急性期管理・未診断への対応】- 救急診療部からの入院患者への24時間体制での対応
- 専門診療科と連携した高度な診断・治療を要する患者への対応
- 未診断患者への診療的アプローチ
- 集中治療(PICU)から回復した患者の継続的管理および退院調整
- 外科的介入が必要な症例への術前・術後の内科的全身管理およびコンサルテーション対応
- 高度な医療的ケアを必要とする包括的な入院対応(原疾患および合併症の診断・管理、医療的デバイスの管理、家族への包括的支援など)
- NICUから転棟した患者の継続的な管理と退院調整
- 長期入院患者の退院支援・移行医療への支援
- 複数の疾患をもつ患者には、発育や発達、家族支援の視点から全人的に対応し、在宅診療科とともに他の医療機関や社会資源と連携
- 各種福祉制度の利用支援
- 遠隔地域への退院や転院に向けた支援
2)総合診療科外来
- 地域から紹介された初診の患者や、院内から紹介される患者の診療
- 発達の遅れや偏りをもつ児への評価と支援を行う外来診療
- 1か月健診、2週間健診、及び育児指導
- 起立性調節障害、頭痛、不定愁訴などの機能性疾患に対する総合的な対応
- 医療的ケア児や重症心身障害児に対する継続的な診療と在宅支援の調整
- 川崎病の急性期後フォローアップと長期的な心臓評価を行う専門外来
- 多様な外来症例を通じたレジデント、フェローへの実践的な教育
診療実績
入院患者数
| 2021 | 2022 | 2023 |
---|---|---|---|
入院患者数 | 1390 | 1701 | 1956 |
疾患別入院患者数
| 2021 | 2022 | 2023 |
---|---|---|---|
COVID-19 | 214 | 244 | 100 |
気管支喘息発作 | 158 | 212 | 157 |
RSウイルス細気管支炎・細気管支炎 | 152 | 163 | 202 |
尿路感染症 | 147 | 132 | 129 |
川崎病 | 131 | 90 | 157 |
ウイルス性気管支炎 | 81 | 120 | 182 |
係留脊髄 | 79 | 48 | 29 |
熱性けいれん | 55 | 35 | 85 |
細菌性肺炎 | 42 | 39 | 47 |
誤嚥性肺炎 | 33 | 24 | 17 |
外来初診
各年における外来延べ初診患者数
2021 | 2022 | 2023 | |
---|---|---|---|
外来延べ初診患者数 | 468 | 730 | 725 |
各年齢による紹介疾患もしくは症状(多いものから3つを記載)
| 乳児 | 幼児 | 学童期/思春期 |
---|---|---|---|
1 | 体重増加不良 | 発達遅滞 | 起立性調節障害 |
2 | 発達遅滞 | 成長障害 | 慢性頭痛 |
3 | 頭囲拡大 | 発達障害 | 慢性腹痛 |
受診方法
受診には予約が必要です。予約センターに連絡し、予約してください。予約の変更も予約センターで対応します。なお、初めて受診(初診)する場合は、医療機関(医院、病院)からの紹介状が必要です。-
外来診療担当表は、こちらをご覧ください。
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受診方法については、こちらをご覧ください。
医療従事者の方へ
総合診療科では、後期研修医を修了された方を対象に、「総合診療フェロープログラム」を作成し、令和元年度後半から運用を開始しました。総合診療科フェローの2〜3年の間に、日本の小児の総合診療を担うためのサブスペシャリティ持つ小児科医を養成したいと思います。
サブスペシャリティとして以下の6つを準備しました。それぞれのサブスペシャリティのシラバスをご覧下さい。そして、もしも以下のプログラムを「やってみたい」とお考えになられましたら、是非、「採用・募集」のページから「総合診療科 専門修練医(常勤職員)」に御応募下さい。
総合診療フェロープログラム
① | 「発達・ヘルスプロモーション」専攻フェロー | |
② | 「小児の食と栄養」専攻フェロー | |
③ | 「川崎病」専攻フェロー | |
④ | 「子ども虐待」専攻フェロー | |
⑤ | 「小児在宅医療」専攻フェロー | |
⑥ | 「小児の緩和ケア」専攻フェロー |