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離乳食における鶏卵摂取の考え方 ~鶏卵アレルギー予防のために~

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「離乳食を始めるにあたり、食物アレルギーが心配!」というお声とご質問をいただく機会が多いので、こちらでは皆さまにぜひ知っておいていただきたい内容をピックアップいたしました。
食物アレルギーの中でも一番多くみられる卵アレルギー(即時型鶏卵アレルギー)について、これまで当センターで行った臨床研究結果や実際の臨床現場での経験を基にお答えしておりますので、ぜひご一読ください。

2023年10月12日現在

Q1.即時型鶏卵アレルギーの予防のために、早めに鶏卵を食べ始めた方がよいと聞きましたが、本当ですか?

A1:はい。成育医療研究センターでは、生後4~5か月時点でアトピー性皮膚炎を発症している食物アレルギーのハイリスク児を対象に、生後5~6か月から少量の加熱全卵(卵黄+卵白)を摂取すると1歳時点の即時型鶏卵アレルギー発症を8~9割予防できることを臨床試験で実証しました(PETIT研究 Lancet. 2017 Jan 21;389(10066):276-286. )。
※プレスリリースの詳細は、「離乳期早期の鶏卵摂取は鶏卵アレルギー発症を予防することを発見」をご参照ください。

Q2.まずゆで「卵黄」少量から試したほうがよいのでしょうか?

A2:鶏卵の卵白、卵黄のうち、即時型の鶏卵アレルギーのアレルゲンがたくさん含まれているのは卵白なので、卵黄からゆっくり与え始めると、卵白の摂取開始が遅くなってしまいます。
PETIT研究では最初から「全卵(卵黄+卵白)」の微量の早期摂取を行い、卵白も早期から摂取を開始していました。
当アレルギーセンターでは、医師が問題ないと判断すれば卵白を微量から摂取することを推奨しており、卵黄から開始することにこだわらず、外来指導をしています。


Q3.微量の卵とはどのくらいの量ですか?赤ちゃんにどのように食べさせればいいですか?

A3:当アレルギーセンターでは、ゆで卵白そのものを微量に用意していただくか、市販の全卵加熱パウダーによる摂取を指導しています。ゆで卵白そのものを摂取するのであれば、赤ちゃんにも摂取できるようにゆで卵をすりつぶして与える必要があります。PETIT研究では加熱全卵約0.2gを生後6~8か月、約1.1gを生後9~11か月で摂取していましたが、これをゆで卵白のみに換算して安全面を考慮し研究より少なめの量で設定したのが以下の摂取方法です。

ゆで卵白の摂取方法

※当センターで通院中の方については、市販の鶏卵パウダーを希望する場合、医師の許可の下、鶏卵パウダーを購入することが可能です。外来主治医にご相談ください。

Q4. 離乳食開始前から湿疹があり、なかなか治りません。卵を与え始めてもいいですか?

A4:乳児湿疹やアトピー性皮膚炎を発症している赤ちゃんは食物アレルギーのハイリスクと考えられます。医師とよく相談しましょう。
アトピー性皮膚炎の加療をしっかりと行いお肌の状態をよくすることを優先し、その後、アレルギー検査陰性であれば卵白から始める指導を考慮しています。
血液検査陽性になっている場合は、すでに即時型の鶏卵アレルギーを発症している可能性がありますので、勝手に食べず医師と相談して進めるようにしてください。血液検査陽性でもPETIT研究ではお肌の状態がよければ鶏卵の微量早期摂取が可能でした。負荷試験をする必要性があるかどうかも含めて、医師と相談してすすめていきましょう。



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