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「"性"と妊娠・出産における光と影-「世界」を知り、日本の未来を描く」vol.3

国立成育医療研究センター プレコンセプションケアセンターは、2022年2月17日(木)に第7回プレコンセプションケア・オープンセミナー「"性"と妊娠・出産における光と影-「世界」を知り、日本の未来を描く」vol.2を開催いたしました。
プレコンセプションケア(略称:プレコン)は、世界保健機関で「妊娠前の女性とカップルに医学的・行動学的・社会的な保健介入を行うこと」と定義されています。その目的は、赤ちゃんを授かる以前から健康状態を改善し、未来の母児の健康に影響しうる行動や個人的・環境的要因を減らし、その短期的・長期的な健康を改善することです。不妊症やハイリスク妊娠の増加等、現代社会においてプレコンセプションケアの欠如が引き起こす問題は、世界中に広がっています。日本ではそこに包括的セクシュアリティ教育の非標準化、ヘルスリテラシーの低さ、ジェンダー格差等も加わり、特有の問題を抱えてしまっています。

今年度のセミナー最終回となる今回は、"日本でプレコンセプションケアを推進するために"をテーマに活発な議論が行われました。プレコンを実践してほしい世代の中でも、これから社会に出るZ世代代表としてAllesgood・勝見仁泰さん、行政や企業ですでに先進的な取り組みをされている北海道大学 COI『食と健康の達人』拠点・吉野正則さん、楽天グループ株式会社・小林正忠さんよりお話いただきました。また、国立成育医療研究センター母性内科の荒田尚子より中央行政の取組みが紹介されました。ディスカッションでは、姫路市長・清元秀泰さん、NPO法人妊婦のくらし・陳莉玲さんも加わり、プレコンセプションケアの今後のありかたについて、活発な議論が行われました。  
企業の視点からは、個人のライフプランとキャリアプラン双方を企業の問題としてとらえ、ライフプランに対する人的支援が十分に行われること、それらにより個人のみならず組織のWell-beingにつながること、プレコンや妊娠・出産を個人ごとではなく会社全体で取り組むことの重要性があがりました。行政の視点からは、プレコンをサイエンスとして伝え、親子・家族を含めた当事者と一緒に作り上げていく教育の重要性や、プレコンに関する制度のワンストップ化の提案等がされました。また、時代の変化に応じてどの世代にもわかりやすく伝えられるようなメディアリテラシー向上の必要性についても話題となりました。今まさに、成育基本法に基づいてプレコンセプションケア推進が政策の一つとして実施されようとしています。当事者であるプレコン世代を中心に、産官学金労言士が一体となり、たてとよこの糸を繋げながらスパイラルに日本のプレコンセプションケアを醸成していくことの重要性が示されました。

各専門家の講演動画

①「当事者の声 - ライフプランとキャリアプランを両立するために企業・行政に求めること -」
(株式会社 Allesgood 代表取締役CEO 勝見 仁泰)

②「「日本で一番母子にやさしい、市民が主役のまちづくり」北海道岩見沢市での取り組み」
(北海道大学 COI『食と健康の達人』拠点 プロジェクトリーダー 吉野 正則)

③「「会社でプレコンセプションケアを学ぶ」企業での取り組み」
(楽天グループ株式会社 常務執行役員 CWO (Chief Well-Being Officer) 小林 正忠)

④「「プレコンセプションケアを支える枠組みについて」中央行政での取り組み」
(国立成育医療研究センター周産期・母性診療センター母性内科 診療部長 荒田 尚子)

⑤「ディスカッション」

【主催】

国立成育医療研究センター プレコンセプションケアセンター

【共催】

国立研究開発法人 日本科学技術振興機構(JST)・共創の場形成支援プログラム『食と健康の達人』拠点 (北大COI)
LINK-J

【協力】

妊婦のくらし
SUNDRED
プラチナ構想NW

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