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妊婦さんの新型コロナウイルス感染症について - 母性内科と妊娠と薬情報センターより -

妊婦さんの新型コロナウイルス感染症に関するFAQ

  • 00: 妊娠中や授乳中でも新型コロナワクチンは接種したほうがよいのでしょうか?
  • 接種すべきかどうかは安全性と効果のバランスで考えます。
    日本で最初に接種を予定されているワクチンは、ファイザー社のコミナティ筋注ワクチンになります。このワクチンはmRNAワクチンと呼ばれる新しいタイプのワクチンですが、生ワクチンではありませんから、接種による感染の心配はありません。おなかの赤ちゃんへの影響についても気になるところかと思います。動物試験では悪影響は見られていません。ひとでは調査が進行中です。
    妊婦さんが感染した場合には重症化する割合や、早産などの率が上昇するという報告があります。従って、妊娠中であることを理由に接種を控える必要はないと考えますが、可能であれば妊娠初期(妊娠12週まで)は避けることや、母児管理のできる産婦人科施設で接種することをお勧めします。
    母乳中への移行について現時点では調べられていませんが、成分の性質から母乳移行量は非常に少なくなると考えられています。また、多少のワクチン成分を含んだ母乳を赤ちゃんが飲んだとしても、その性質からは赤ちゃんに悪影響が及ぶとは考えられません。
    なお、妊娠を希望される女性は、可能であれば妊娠する前の接種が勧められます。
    また、ワクチン接種後もこれまでと同様、感染しないよう対策をとることは必要です。
    (2021年3月1日現在)
  • 01: 新型コロナ感染症に関して妊娠中に特に注意すべき点はありますか?
  • 一般的な感染対策(不要不急の外出を控える、マスク着用、頻回の手洗い・手指消毒、人混みを避ける、3つの「密」を避けるなど)を徹底してください。うがいにははっきりとした予防効果は認められておらず、特にイソジンの濫用は甲状腺機能異常をきたす可能性があるため推奨されません。
  • 02: 妊娠中は感染しやすい、感染した際に重症化しやすいということはありますか?
  • 妊娠中は重症化するリスクが高い可能性があります。正常の妊婦に共通して認められる心肺機能や内分泌機能の変化、血液凝固能の亢進といったことがこれらに寄与しているかもしれません。特に高齢(35歳以上)、肥満(BMIで30以上)、喫煙者、高血圧・糖尿病・喘息などの基礎疾患を持つ妊婦では重症化のリスクが高いことが報告されており注意が必要です。また妊娠後期に感染した場合、主治医の判断により帝王切開となる可能性があります。
  • 03: 家族内に感染者、感染疑いの人がでたらどうすればよいですか?
  • まずはかかりつけ医(当院かかりつけであれば当院)に相談してください。感染者、感染疑いの人とは別室で過ごすなど接触を避ける、タオルや食器の共用は避ける、家庭内でもマスクを着用し距離をあけるなどの感染対策を行ってください。 以下、参考までに厚労省のホームページから抜粋した注意点(一部改変)を挙げました。
    1. 感染者と他の同居者の部屋を可能な限り分ける。
    2. 感染者の世話をする人は、できるだけ限られた方(一人が望ましい)にする。
    3. できるだけ同居者全員がマスクを着用する。
    4. 小まめに手洗い・手指消毒をする。
    5. 日中はできるだけ換気をする。
    6. 取っ手、ドアノブなどの共有する部分を消毒する。
    7. 汚れたリネン、衣服を取り扱う場合は、手袋、マスクを使用し、一般的な家庭用洗剤で洗濯する。
    8. ゴミは密閉して捨てる。
  • 04: もし妊娠中に感染してしまった場合に赤ちゃんへの影響はないですか?
  • 現時点では、風疹あるいは2016年に流行したジカ熱のような児の先天性障害や流産のリスクが高いとする報告はありません。中後期の感染では、早産(37週未満)のリスクが高く、新生児についてはNICU(新生児集中治療室)への入室を必要とする事例が多かったと報告されています。しかしながら、死産あるいは新生児死亡のリスクは高くなかったようです。
  • 05: 発熱、咳嗽、倦怠感(体がだるい)、呼吸困難(息苦しい)などの症状がある場合はどうしたらよいですか?
  • まずはかかりつけ医に電話で相談して下さい。かかりつけ医がいない場合、相談する医療機関に迷う場合、土日や夜間等でかかりつけ医が休診の場合などは、各都道府県が公表している受診・相談センターへご相談下さい。
  • 06: 妊娠中でも胸部のレントゲン・CT撮影は可能ですか?
  • 胸部の場合には、妊娠のどの時期であっても検査を躊躇する必要はありません。これらの検査時に受ける胎児の被ばく線量は、流産、奇形、精神発達遅延の影響が現れる線量よりもはるかに低いことが知られており、胎児に影響を与える可能性はきわめて低いと考えられています。
  • 07: 母子感染のリスクはありませんか?
  • 母子感染には妊娠中の胎内感染、出産時の産道感染、出生後の経母乳感染があります。新生児の感染事例の多くは出生後に母親を含めた周囲からのウイルス曝露によるものと考えられていますが、上に示した胎内感染や産道感染を示唆する報告がいくつかあり母子感染のリスクについてはゼロとは言えません。母乳を介した感染があるかどうかについては明確には分かっていませんが、WHO(世界保健機関)では母乳栄養によるメリットはそのリスクを上回るとしており、感染した妊婦であっても母乳栄養(直接の授乳ではなく、搾乳による間接哺乳となります)を推奨しています。産後の母乳栄養については、主治医とよく相談して決めるようにして下さい。
  • 08: 感染した場合の治療薬がいくつかあるようですが、妊娠中も使用できますか?
  • 妊娠中かどうかに限らず、薬を使うかどうかは病気の重大性、薬の効果、安全性などを考慮して判断します。主な候補薬の妊娠中の安全性について以下の表に示します。効果については検証中の段階です。
    なお、以下2点についてご理解の上、本情報を活用ください。
    • 2021年2月12日現在の情報であり、今後変わっていく可能性があります。
    • 薬剤を使用しない場合でも、先天異常は数%(定義や観察期間によって幅がある)あります。
    個々の症例について相談が必要な場合は、妊娠と薬情報センターをご利用ください。

    主な候補薬の妊娠中の安全性について( 医療関係者向け詳細解説はこちら)

    ※有効性については最新の医学情報をご確認ください

    薬剤名 添付文書(妊婦の使用) 動物実験 人での使用経験報告 総合的評価
    副腎皮質ステロイド
    (デキサメタゾン、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン)
    有益性投与 催奇形性あり 大規模疫学研究でリスクの増加は示されていない※
    胎盤移行が少ないプレドニゾロンの使用がすすめられる
    ベクルリー®
    (レムデシビル)
    有益性投与 催奇形性なし 研究報告なし 特例承認の除外基準に妊婦が含まれている
    オルミエント®
    (バリシチニブ)
    禁忌(不可) 催奇形性あり 研究報告なし × ※※
    アビガン® 禁忌(不可) 催奇形性あり 研究報告なし × ※※
    フオイパン®
    フサン®
    (カモスタットメシル酸塩)
    有益性投与 催奇形性なし 研究報告なし
    ストロメクトール®
    (イベルメクチン)
    有益性投与 催奇形性あり リスクを示すものはない
    アクテムラ®
    (トシリズマブ)
    有益性投与 催奇形性なし 小規模な研究でリスクは示されていない
    ケブザラ®
    (サリルマブ)
    有益性投与 催奇形性なし 研究報告なし

    〇:疫学研究(人での使用経験報告)があって、リスクが示されていない
    △:疫学研究(人での使用経験報告)はないが、動物実験などからリスクはなさそうと考えられる
    ×:リスクが危惧される

    ※口唇口蓋裂との関連を指摘する報告もあるが、それを否定する報告もあり、結論は出ていない。
    ※※ヒトでの情報が限られるため、少なくとも妊娠初期は避けるべきである。