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お子さんが注射を受けることになったとき
お子さんへの説明について
こどもが採血や注射をうけることになったときどうしていますか?こどもをスムーズに病院へ連れて行くにはと考えて『散歩』と言って連れ出したり、病院の先生や看護師さんに迷惑をかけないようにと思い『おもちゃを買ってあげるからいい子にしなさい』と、こどもに言い聞かせたり、痛いのはかわいそうだけど甘やかしてもいけないと思い泣いているわが子を叱ったり・・・親としてどうしたらよかったのだろうと悩んだことはありますか?
この体験をこども側から見ると、親にだまされたことで、もう誰も信じられないという不信感を抱いたり、何をされるのか分からない中で注射されたことで怒りを感じたりしているかもしれません。「何をされるか知らない」よりも「何をするか知っている」方が恐怖心が少なく、痛みも軽減するといわれています。また、「やられた」ではなく「できたよ」という自信をもつことができれば、その体験はポジティブなものとなりえます。
どうせ話をしてもわからない、泣かれたら困ると最初からあきらめるのではなく、年齢にあった伝え方を工夫し感情を分かち合い一緒に乗り越えようとしてみてください。きっと、こどもにとっても、ご両親にとっても、前よりポジティブな体験になると思います。
採血や注射が少しでもポジティブな体験になるポイント
いつ、どのように伝えたらよいのでしょうか?
突然ほど怖いことはありません。こどもに前もって注射があることを伝えるようにしましょう。(最低でも、2~3歳には数時間前、4~6歳は前日、小学生以上には1週間前)
説明の例
インフルエンザ・・・悪い風邪から守ってくれるんだよ。
予防注射・・・悪い病気がうつらないように守ってくれるんだよ。
採血・・・血を少しとる検査だよ。血を調べると体のことがいろいろわかるんだよ
自覚症状がある場合:なんで頭が痛くなるのか調べるんだよ など
「言うこと聞かないとお医者さんにお注射してもらうよ!」というような脅しはけっしてしないでください。こどもに誤ったメッセージや恐怖を与えかねません。
より分かりやすく伝えるにはどのような方法があるのでしょうか?
特に2~7歳までのこどもさんは言葉だけでなく、ごっこ遊びを通して理解することを得意とします。こどもに医療者役になってもらい、人形の診察をしたり、注射をしたり、優しくお世話をしてあげるごっこ遊びをしてみましょう。遊びを通して、こどもは検査の流れや経験する感覚(手をだして、ツーンとしたにおいのアルコール綿でふいて、予防注射の場合は腕をつままれ、チクリと注射を受ける)を知ることができたり、人形の役割(手を動かさない)がとても大切なことであること、病院はこどもの健康を守るところということがわかるようになります。このような遊びは、リハーサルにもなり、実際のときに何が行われているのか把握しやすく、自分がどのような役割を担えばよいのか思い出す手助けとなります。
「注射痛いから嫌だ!」と嫌がってしまったらどのようにすればいいのでしょうか?
当然の気持ちです。まずは、「痛いから嫌なのね。」「大切だって分かっているけど、注射が怖いのね。」とこどもの気持ちを受け止めてあげてください。
実際の採血や注射ではどのようにこどもをサポートできるのでしょうか?
採血や注射をするときに両親が同席できる場合は、こどもを抱っこしたり、おもちゃで遊んだり、採血室に飾ってあるものを探すクイズを出しあったりなど気を紛らせることも痛みを軽減する上で効果的です。 風車を吹いたり、体をなでたりしてリラックスするお手伝いもいいでしょう。 「手はまっすぐにね」と穏やかな口調で思い出せるように声かけもしましょう。 手の固定はプロに委ね、両親はこどものこころのサポートに徹していいのです。 痛いとき、怖いときに泣くのは当然のことです。 大切なことは手を動かさないことです。 こどもが泣いたとしても腕を動かさないでいられたのなら、「手をまっすぐしていられたね。」とできたことを認めてあげてください。 手を動かしてしまったとしても、「お注射できたね。」とやり終えたことを認めてあげてください。 そして、ぎゅっと抱きしめて安心させてあげてください。 そうすることで、こどもは『ダメな自分、恥ずかしい自分』ではなく、『できる自分、頑張れる自分』『愛され、見守られている自分』を確認し安心することができるのです。