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不育診療科・妊娠免疫科

基本情報

不育症とは?

妊娠はするものの流産や死産を繰り返して、生児を得ることができない病態を不育症といいます。既往流産2回の場合は反復流産、3回以上は習慣流産ともいわれています。1人目を正常に分娩した後に、不育症となることもあります。女性の年齢にもよりますが、妊娠の約15%は流産になり、不育症の頻度は約5%と報告されています。なお、妊娠反応のみが陽性で子宮の中に赤ちゃんの袋がみえる前に流産してしまう生化学妊娠は、現在は不育症の流産回数には含めていません。

不育症の原因と治療

不育症の原因しては下記のようなものが考えられていますが、現在のところ確立した検査や治療法は限られています。そのため不育症の検査や治療を行う際は、その意義に関して十分注意して行う必要があります。

  1. 免疫学的異常
    • 抗リン脂質抗体陽性
    • 同種免疫異常
  2. 内分泌学的異常
    • 甲状腺機能異常
    • 糖代謝異常
    • プロラクチン分泌異常
  3. 子宮形態異常
  4. 両親の染色体異常

診療内容・業務内容

当センターでは以下の不育症検査結果に基づいて診療を行っています。

妊娠前に行う検査

低温期(生理3日目頃)に行う検査

  1. 女性ホルモン検査 FSH、LH、E2、PRL 
  2. 甲状腺機能検査  FT3、FT4、TSH、抗サイグロブリン抗体、抗TPO抗体

※卵巣機能や甲状腺機能に対するホルモン検査です。

高温期中頃に行う検査

  1. 超音波検査
    ※子宮形態・内膜の厚さ・卵巣などをチェックします。
  2. 保険診療で行う検査

    黄体ホルモン、凝固検査(プロテインC抗原/活性、プロテインS抗原/活性、血小板、XII因子活性)、抗核抗体、抗リン脂質抗体パネル検査(抗カルジオリピン抗体IgG/IgM、抗β2GPI抗体IgG/IgM)、ループスアンチコアグラント(蛇毒法)

    ※流産に関与する凝固検査ならびに抗リン脂質抗体などの検査となります。
    ※凝固検査は妊娠歴を参考にご希望に応じて行っています。

    自費診療で行う検査

    ループスアンチコアグラント(リン脂質中和法)、APTT、抗フォスファチジールエタノールアミン抗体IgG / IgM、抗プロトロンビン抗体、25ヒドロキシビタミンD

    ※自費検査はご希望に応じて行っています。

随時検査

  1. 夫婦染色体検査 
    ※ご夫婦の同意が得られた場合に、ご夫婦一緒に行っています。
  2. 糖尿病検査(空腹時血糖、インスリン、HbA1c)
    ※結果により糖負荷試験などを追加します。

妊娠確認後に行っている検査

  1. 超音波検査、hCG検査
    胎児発育をチェックするために行います。
  2. 流産絨毛染色体検査(G分染法、SNPアレイ法)
    流産となった場合、染色体異常による流産かどうか判断するために行います。

治療について

当科はセンター内の母性内科、不妊診療科、産科、胎児診療科、遺伝診療科等と綿密に連携しており、妊娠成立から出産、その後の育児までサポートする包括的な診療が可能です。抗リン脂質抗体症候群や凝固因子異常では、抗血栓療法(アスピリン内服やヘパリン注射)を行っています。甲状腺機能異常や糖尿病などの内分泌学的異常の場合や染色体異常など遺伝学的異常の場合は、各々内科専門医や遺伝診療専門医と連携して診療を行っています。また、こころの診療部と協力し、患者の「こころ」のケアについても、十分に配慮した診療を心掛けています。
手術治療や免疫治療が必要となる場合は、他の病院を紹介させて頂くことがあります。

※診療結果を学会や論文等で発表することがありますが、プライバシーの保護に関しては十分留意させて頂きます。


診療実績

­ 2020 2021 2022
初診数 97 105 132
妊娠数 78 55 70
生児数
(%)
47
(60%)
44
(80%)
54
(77%)

受診方法

受診にはすべて予約が必要です。予約は予約センターに連絡して行うことができます。
初めて受診(初診)する場合、医療機関(医院、病院)からの紹介であれば紹介状を持参してください。再診の方で予約を変更される場合や緊急に受診される場合も、予約センターで対応しています。曜日毎に担当医が決まっているため、担当医の希望があれば、予約時にお伝えください。

外来診療は、毎週月曜日から木曜日の午前中に行っています。担当は月曜日・火曜日は小澤伸晃、水曜日・木曜日は三井真理となります。学会などにより変更することもあります。

初診

  1. 問診
    今までの妊娠歴を中心に問診を行います。前医での検査データ等があれば、持参してください。
  2. 検査計画
    月経周期に合わせた検査計画を立てます。全ての検査が終了するまで1~2ヶ月程度かかります。

2回目以降の診察

  1. 不育症一般検査
    流産や死産の原因を調べます。
  2. 検査結果の確認と治療方針の検討
    これまでの妊娠歴や検査結果に基づいて、次回妊娠への治療方針を相談して決定します。
  3. 診察
    内診や超音波検査等で子宮や卵巣の形状を調べます。
  4. 妊娠後検診
    妊娠成立後は、必要に応じて頻繁の外来管理や入院管理を行っています。

スタッフ紹介

診療科 診療部長
不育診療科 三井 真理
妊娠免疫科

研修プログラムについて

母体・胎児プログラム(産婦人科医を対象)について、詳しくはこちらをご確認ください。

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