国立研究開発法人 国立成育医療研究センター National Center for Child Health and Development

代表: 03-3416-0181 / 予約センター(病院): 03-5494-7300
〈月~金曜日(祝祭日を除く)9時~17時〉

  • アクセス・交通案内
  • 予約センター
  • MENU
患者・ご家族の方へ Patient & Family
患者・ご家族の方へ Patient & Family

放射線治療科

基本情報

がん治療の中で放射線治療を適切に提供することが、放射線治療科の役割です。
病気の状況に応じた放射線治療の適応を判断し、治療方針を立て、安全で正確な放射線治療を提供する必要があります。また、患者・家族が病気や放射線治療の内容や目的を正確に理解できるよう、説明することも放射線治療医の役割です。小児では、放射線治療の内容や目的を患者・家族が理解することが、治療を円滑に進めるうえで、成人以上に重要と考えています。
 の画像

診療内容・業務内容

血液腫瘍科、小児外科、脳神経外科と協力して、小児に発生したがん全般の放射線治療を担当します。代表的な小児がんである脳腫瘍、神経芽腫、横紋筋肉腫、ユーイング腫瘍等が放射線治療の対象となります。白血病などの骨髄移植前処置の全身照射も行っています。
放射線治療科では、一人でも多くの小児がん患者が、放射線治療を理解し、安心して適切な治療を受けることができるように、セカンドオピニオン外来を積極的に行っています。
放射線治療科の画像

専門分野

放射線治療を理解し、安心して適切な治療を受けることができるように、小児がんの放射線治療の理解の手助けとして、“小児がんの放射線治療に関する疑問”、“国立成育医療研究センターの放射線治療”を紹介しています。

小児がんの放射線治療に関する疑問

放射線治療について
現在、がんの治療を受ける方の約4分の1は放射線治療を受けていると言われています。治すための放射線は、がんの治療において大きな役割を担っており、身近なものになっています。しかし、多くの方が放射線という言葉で思い浮かべることは、日常の環境で受ける放射線のことかも知れません。この二つの放射線を区別して考えなければ、放射線治療に対する不安がより大きいものになります。
日常の環境でうける放射線と異なり、放射線治療は患者の病気を治すというはっきりとした目的があります。病気を治すための放射線治療は、身体へのマイナスの影響もあるため、病気を治すメリットと、治療によるマイナスの影響のバランスを考えなければなりません。

放射線治療を選択することについて
多くの患者が、放射線治療は“がんを治す”目的で行われることを理解しています。しかし、放射線治療を避けることができないか、他の治療方法はないのかという質問をされる患者・家族は少なくありません。
小児がんでは、抗がん剤治療や放射線治療、手術等が行われます。手術は、がん細胞の塊である腫瘍を取り除きます。放射線治療は、腫瘍の周囲に浸み込むように存在するがん細胞を死滅させます。抗がん剤は、腫瘍と離れた部分や体全体に散らばっているがん細胞を死滅させます。小児がんでは病名や病状に応じて、これらの治療のいずれかを行ったり、これらの治療を組み合わせています。
病名や病状に応じて、お勧めできる治療が標準治療です。標準治療は現在、最も治療効果が高い一般的な治療です。放射線治療科では、放射線治療が標準治療の場合、放射線治療をお勧めします。放射線治療が標準治療とされている病名や病状で、放射線治療を行わないことは、最も効果の高い治療を選択しないことになります。手術後や抗がん剤治療後の放射線治療を“念のためにやる治療”、“本当は必要ないかもしれない治療”と考えている方がいます。手術後や抗がん剤治療後でも、その時期の放射線治療が標準治療であれば、最善の効果を得るために、放射線治療は欠くことのできないものです。

放射線治療の合併症について
小児がんの治療成績の向上により、現在80%の小児がんの患者が治癒するようになってきました。しかし、治療後、長期にわたり出現する合併症が問題になっています。小児がんは病状や検査結果に基づき、速やかに治療方針を決めていく必要があります。その際に、治療後の将来のことまで考えることは、難しいかもしれません。しかし、曖昧に合併症を理解していると、治療の目標が分からなくなったり、冷静に対処できなくなることがあります。
臓器によっては小児のみに生じる合併症があります。また、治療後、長期にわたり出現する合併症もあります。そのため、小児は成人よりも放射線治療の合併症が問題になりやすいといえます。放射線の合併症は、照射された臓器により異なります。また、照射された線量により、症状が変わってきます。病気や治療内容に応じ、患者ごとに合併症のリスクを理解する必要があります。

国立成育医療研究センターの放射線治療

子どもが嫌がらない放射線治療
放射線治療はリニアック室で行われ、6-30回の治療が行われます。1回の治療でリニアック室の中にいる時間は5-15分程度です。放射線が照射されている2-5分の間は、患者は部屋の中で一人になり、寝台の上で動かないようにする必要があります。
部屋の中に一人になることや、じっとしていることを嫌がる子どもの場合、正確な治療ができない可能性があります。予定された放射線治療を安全に行うためには、子どもが治療を嫌がらないような工夫が必要です。治療室を子どもになじみすいものにしたり、苦痛なく体の動きを制限する道具を使ったりしています。また、子どもが治療を楽しく思うことができ、達成感を感じることができるように、毎日の治療時にシールを渡すようなことも行っています。さらに、家族が治療の様子を観察することができるような工夫もしています。

治療を乗り越えていく子どもたち
放射線治療をうける患者は、連日リニアック室に通い、部屋の中に一人きりでじっとしていなければなりません。基本的に、目が覚めた状態で治療をするため、放射線治療が怖いものではなく、治療のために行っていることを子どもに理解してもらう必要があります。そのため、治療について段階的に理解し、適応させていくために、心理学的プレパレーションを行います。心理学的プレパレーションは、チャイルドライフ・スペシャリストを中心に、看護師、診療放射線技師が連携して行います。
心理学的プレパレーションにより、放射線治療ができるようになると、子どもはひとつの壁を越えることができます。治療のために主体的に行動し、何かを克服するという体験は、その後の治療や退院後の生活、治療後の合併症への対処等で役立つ経験になります。

低年齢児の安全な治療
低年齢児のように動かないようにすることが難しい子どもでは、麻酔をしながら治療をすることもあります。リニアック室には麻酔装置が整備されており、捜査室で生体モニターを観察することができます。
放射線治療のための麻酔は、手術の麻酔等よりも短時間の麻酔ですが、連日、数十回に及ぶため、確実かつ安全に行わなければなりません。そのため、経験豊富な麻酔医が状況に応じた方法で麻酔を行う必要があります。当センターでは、日頃より小児の麻酔に熟練した麻酔科医が放射線治療の麻酔を担当します。

診療実績

放射線治療科では年間約40人の患者の放射線治療を行っています。2014年に治療を行った疾患の内訳をグラフに示します。
2014年に治療を行った疾患の内訳の画像

受診方法

受診には予約が必要です。予約センターに連絡し、予約してください。予約の変更も予約センターで対応します。初めて受診(初診)する場合は、医療機関(医院、病院)からの紹介状が必要です。
再診の方は、予約センターで予約してください。曜日毎に担当医が決まっているため、担当医の希望があれば、予約時に伝えてください。

外来診療担当表は、こちらをご覧ください。
受診方法については、こちらをご覧ください。

セカンドオピニオンについて

小児がん治療チームが責任を持って治療にあたっており、この中で培われた経験を皆様と共有することが必要と考えています。
放射線治療だけではなく、化学療法および手術療法に関しても専門医のアドバイスを受けることができる環境が国立成育医療研究センターにはあります。
患者、あるいは放射線腫瘍医(放射線科治療医)からのご相談はいつでもお受けいたしますので、電子メールなどでご連絡ください。

スタッフ紹介

医長 医員
堤 義之
藤 浩
北村 正幸

医療従事者の方へ

放射線治療科では、小児の放射線治療技術の向上のため、情報収集・発信に努めています。
また、小児がんを対象とした全国的な臨床試験の支援を行っています。
医療従事者の施設見学や技術的課題に関する相談は、適時対応しています。

セカンドオピニオンについて

小児がん治療チームが責任を持って治療にあたっており、この中で培われた経験を皆様と共有することが必要と考えています。
放射線治療だけではなく、化学療法および手術療法に関しても専門医のアドバイスを受けることができる環境が国立成育医療研究センターにはあります。
患者、あるいは放射線腫瘍医(放射線科治療医)からのご相談はいつでもお受けいたしますので、電子メールなどでご連絡ください。