国立研究開発法人 国立成育医療研究センター National Center for Child Health and Development

代表: 03-3416-0181 / 予約センター(病院): 03-5494-7300
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患者・ご家族の方へ Patient & Family
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耳鼻咽喉科

基本情報

耳鼻咽喉科ではスタッフ3人とレジデント1人の4人体制で小児領域の耳鼻咽喉科疾患に関して、総合診療部や麻酔科、他の小児専門診療科との密接な連携を保ちつつ、病気になられたお子様の診療にあたっております。小児専門施設として、多くの診療所や病院はもちろん、大学からの紹介患者も数多く受け入れています。

診療内容・業務内容

外来

耳鼻咽喉科外来は、月・水曜日の午前・午後及び金曜日の午前に3~4診体制で行っております。
2014年度の1日平均(週5日間として)の外来患者数は約40名となっております。
外来は完全診療予約制を採用しております。初診予約枠は1日およそ8〜16名となっておりますが、緊急を要する場合などは直接医療機関からご連絡を頂ければ可能な範囲で早急な対応をとらせて頂いております。

主な小児耳鼻咽喉科疾患として当院では小児難聴と小児喉頭疾患、低年齢での小児睡眠時無呼吸症候群、また各種合併症のあるお子さんの治療に重点を置いております。
専門外来として「補聴器外来」と2002 年秋からは形成外科、リハビリテーション科、言語訓練部門と合同で「口蓋裂チーム外来」を行っております。

補聴器外来

毎週月・水曜日(一部金曜日)の午後に外来を開設しております。難聴児の診断および補聴器の適合・装用指導を行っております。当院では補聴器適合検査および更生医療の指定医療機関になっております。当院の常勤医師のうち2名は日本耳鼻咽喉科学会の補聴器相談医に認定されています。

口蓋裂チーム外来

毎月第1金曜日の午後に、口蓋裂術前・術後患者の構音評価を中心とした外来を形成外科他と合同で行っております。口蓋裂、鼻咽腔閉鎖不全の方の術前・術後評価などを中心に行います。

入院

入院患者は予定手術症例を中心に7 階西および東病棟(幼児)および10 階東病棟(学童)を中心に、状況に応じて他の病棟も利用しながら入院患者の治療を行っております。病棟患者で、全身的な合併疾患をもつ患者の場合には総合診療部のバックアップの元、診療を行っております。その他、耳鼻咽喉科領域の急性感染症・外傷などで、保存的治療を行う場合には、総合診療部が主な担当(主治医)となって、局所の診療について耳鼻咽喉科がサポートするという体制をとっております。

手術

当院では、新生児から思春期まで、小児期のほぼ全ての耳鼻咽喉科手術に対応し、2014年度は年間683件の手術を行っております。他の小児専門病院と同様に、アデノイド・扁桃手術および鼓膜チューブ留置術が多くなります。全身状態の良好なお子さんに対して日帰りでの全身麻酔手術も積極的に行っております。また、小児の中耳手術も当院の機能を生かした重要な診療と考えており、内視鏡を用いた低侵襲な鼓室形成術なども開始しています。人工内耳植込術も行っており、徐々に症例は増えています。当院は重度難聴に対し診断から人工内耳植込術、さらに聴覚言語リハビリテーション、言語発達の評価まで一貫して行っている数少ない病院の一つとなっております。


専門分野

小児難聴

当院では耳鼻咽喉科医、言語聴覚士、認定補聴器技能者などが連携をとってチーム診療をさせて頂いております。また、難聴に関わる検査体制も鎮静の必要なCT・MRIなどの画像検査から客観的聴覚検査であるABR、ASSRなどまで麻酔科医師の協力の下、安全な鎮静検査を行っております。その他、難聴遺伝子検査や先天性サイトメガロウイルス感染、先天性風疹ウイルス感染の検査も施行しております。
手術は鼓膜形成術、鼓室形成術、アブミ骨手術、人工内耳など耳科手術全般が行える体制となっております。また臨床心理士による発達検査を行い、聴覚言語リハビリテーションに役立てております。
また、周産期部門により、当院で出生された全新生児の聴覚スクリーニングを行っています。スクリーニングにて難聴の疑いありと判定された新生児は、耳鼻咽喉科でさらに精密な聴力評価を行い、難聴児の早期発見を目指す体制が構築されています。
精密聴力検査としては、当院ではABR・ASSR・OAE・幼児聴力検査(COR, VRA, peep show, play)・補聴器適合検査・人工内耳関連検査など、通常行われるすべての乳幼児聴力検査が可能となっております。

小児喉頭疾患

出生直後からの呼吸障害をきたすような喉頭軟弱症、喉頭狭窄から、小児の極めて稀な喉頭腫瘍に至るまで、呼吸器科や集中治療科、総合診療科と連携をとりながら診断、加療を行っております。
小児気管切開は年間40〜50件程度行っておりますが、治療または成長と共に全身状態をみながらカニューレ抜去、気切孔閉鎖につながることを目的に専門的な医療を行っています。なるべく侵襲の少ない方法で治療を行うようにしています。また、QOLの改善を目的として喉頭分離術なども行っております。

小児の気管切開は成人の気管切開とは異なります。お子様の状態によっては、気管切開をしながら走り回る子もいます。

睡眠時無呼吸症候群

小児睡眠時無呼吸の症状

  • ときどき呼吸がとまる
  • 胸が陥没している
  • 寝返りが激しい
  • 朝なかなか起きない
  • 日中もぼーっとしている

小児睡眠時無呼吸症候群の原因のほとんどは、アデノイド肥大や扁桃肥大であることが多いですが、時に中枢性(脳が呼吸をする指令を出すことをさぼってしまう)呼吸障害や、顎が小さい、のどがつぶれやすい(筋緊張低下)などの理由で寝ると呼吸が苦しくなることがあります。術前に自宅での簡易睡眠検査を行った後に、必要があれば入院での睡眠検査を行い、原因をきちんと検索した上でアデノイドや扁桃摘出術などの治療を行います。当院では2歳未満などの睡眠時無呼吸症候群の患者さんに対しても、麻酔科、集中治療室の協力の下、安全に手術が行えるよう体制を整え、積極的に手術を行っています。


小児耳鼻咽喉科領域で多いご相談内容について

片側難聴と診断された

片側がまったく聞こえなくても、もう片側が正常であれば、ほとんど不自由を感じないと思われます。正常の耳の聴力が変動していないか、定期的な聴力の検診は必要です。

両側難聴と診断された

両側難聴であった場合は、補聴器を使用する必要があります。
なるべく早めに装用を開始しますが、難聴の程度やそのお子様の成長発達の度合いに合わせて個人差があります。また、装用後の教育の仕方も異なりますので、耳鼻科専門医にご相談ください。
小さいお子さんは、みんな補聴器をつけるのを嫌がります。

実例のページは、両側中程度の難聴のあるお子さんが補聴器をどのようにうまくやっているのか、工夫している実例が紹介されています。
※このページは、当院患者様の祖父高橋徹様が作成された資料を参考に供して掲載したものです。

急性中耳炎を何回も繰り返す

小さいお子様は、体の抵抗力が弱いこともあり、特に1歳前後で急性中耳炎を何回も繰り返す患者様が増加しています。急性中耳炎後、鼓室内に滲出液が貯留する滲出性中耳炎に移行したまま治りきらないうちに再度感染を繰り返してしまうからです。急性中耳炎の後も鼓膜の状態が改善したか専門医にみてもらうことが必要です。急性中耳炎を繰り返していて、長い間薬を飲み続けていても滲出性中耳炎がなかなか良くならない場合には、鼓膜切開や鼓膜チューブ留置手術を行うことがあります。

正常鼓膜の画像
正常鼓膜
急性中耳炎の画像
急性中耳炎
滲出性中耳炎の画像
滲出性中耳炎
鼓膜チューブ留置後の画像
鼓膜チューブ留置後

滲出性中耳炎と診断されているが、なかなか治らない

小児は構造上鼓膜の内側(鼓室)に滲出液が貯留する滲出性中耳炎になりやすく、また鼻炎や感冒を繰り返すためになかなか治りにくいことがあります。7歳くらいになると自然に治ってくることが多いのですが、やはり言葉を覚える大事な時期ですので、治療により早く治してあげることが大切です。通常はしばらくの間、薬を内服したり、耳鼻科で鼻水を吸引したり、耳に空気を通す治療を行います。それでも滲出性中耳炎がなかなか良くならない場合は鼓膜切開や鼓膜チューブ留置手術を行うことがあります。
また、耳と鼻をつないでいる管(耳管)の開口部にはアデノイドと呼ばれるリンパ組織があり、これにより開口部が塞がれてしまい、耳への感染を起こし易くなっている場合には、滲出性中耳炎が遷延することがあります。このため、アデノイド切除も同時に行われることがあります。

最近聞こえが悪いようだ

突然聞こえが悪くなる病気と徐々に悪くなる病気があります。

  • 突発性難聴:内耳の血流障害あるいはウイルス感染により突然片耳の難聴を生じます。
    発症後2週間以内に治療を行わないと改善する可能性は低くなります。
  • ムンプス難聴:流行性耳下腺炎(おたふく風邪)のウイルスにより突然高度の難聴を引き起こします。頬が腫れなくて、気がつかないうちにかかっていることがあります。すぐに治療を始めても治る可能性は低いので、ムンプスの・予防接種を受けることをお勧めします。
  • 滲出性中耳炎:急性中耳炎の後や風邪をひいたあとに鼓膜の裏側(鼓室)に滲出液が貯留した状態です。薬の内服や、こまめに鼻水を吸引し、通気を行なうことで改善することもあります。しかし、なかなか治らない場合は鼓膜切開や鼓膜チューブ留置手術などが6必要となります。
  • 耳垢栓塞:耳垢が多量にたまって耳栓のようになってしまうことがあります。また、プールなどで耳垢がふやけて突然聞こえが悪くなることがあります。

健診で聞こえが悪いかもしれないといわれた

もしお子様に難聴があった場合、早期に発見されて早めに補聴器をつけるなどの対応をしてあげると、それだけ言葉の発達に違いが出てきます。このため健診ではちょっとでも疑わしい時には聴力の精密検査をお勧めするようになっています。小さいお子様の聴力の判定は大変難しく、小児専門の聴力検査に熟練した生理検査技師が検査を行う必要があります。また、さらに精密検査が必要な場合は睡眠薬下に聴性脳幹反応検査(ABR)を行うことがあります。当院では、この検査での睡眠薬によるリスクを避けるために、麻酔科専門の医師の協力を得て、安全に検査できる体制を準備しています。

他の子に比べて言葉が遅れている

言葉の発達が遅れる原因には、先天的に聴力障害があり、正常の聴力の子供に比べて音の刺激が少ないために遅れてしまう場合と、言葉を話す能力の発達障害がある場合の2つに分かれます。
子供の音に対する反応が良いと思われていても、片耳のみの難聴やある一定の周波数の音に対する難聴なども考えられますので、耳鼻咽喉科専門医にもご相談ください。精密検査が必要な場合は睡眠薬下に聴性脳幹反応検査(ABR)を行います。この検査では睡眠薬による危険が伴わないように、専門の医師の監督のもとで検査させていただいております。

アレルギー性鼻炎の薬を飲んでいるが、鼻詰りや鼻水がなかなか良くならない

アレルギー性鼻炎を根本的に治す方法はありません。このため、アレルギーの薬を内服して定期的に治療をしてもらうことが第一選択です。しかし、どんなに強い薬を飲んでも鼻呼吸できないくらいひどい状態が慢性的に続いている患者様がいます。このような方は、鼻腔粘膜焼灼術を行うことがあります。

いびきがひどい

小児で大人顔負けのいびきをかくことがあります。風邪をひいて鼻が詰まっていてもいびきをかくことがありますが、常にいびきをかいて、更に息が詰まったかのように数秒間呼吸が止まっていることがあります。この場合は要注意です。原因としては小児の場合はアデノイドや扁桃肥大によることが最も多いです。アデノイドや扁桃肥大は5歳ごろがピークで、7,8歳頃になると徐々に小さくなってきますが、それ以前に症状が強い場合全身麻酔下にアデノイド切除術、口蓋扁桃摘出術を行うことがあります。当院では合併症がある小児や2歳以下の小児に対してもこのような症状が認められた場合は、他科と連携しながら慎重に手術を行わせていただいております。

2014年度耳鼻咽喉科手術の実績(2014年4月~2015年3月、手術室分 全683件  同一症例に対する複数手術あり)
2014年度耳鼻咽喉科手術の実績(2014年4月~2015年3月、手術室分 全683件  同一症例に対する複数手術あり)の画像


診療実績

耳鼻咽喉科手術の内訳(2014年4月から2015年3月、手術室分)
2014 2015 合計
(月) 4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2 3
患者数 41 17 27 36 42 41 42 35 35 34 42 46 438
<術式別>
鼓膜チューブ留置 36 11 25 15 16 30 25 30 30 35 35 21 309
鼓室形成/アブミ骨手術 0 0 0 1 1 2 1 1 0 1 1 1 9
鼓膜形成 0 0 0 2 1 0 0 0 0 0 2 0 5
人工内耳/BAHA 1 0 2 0 1 0 1 0 1 1 0 0 7
耳瘻孔/副耳 0 0 0 0 1 0 0 4 1 0 0 0 6
外耳道腫瘍/外耳道閉鎖 0 0 0 0 0 0 0 1 0 2 0 0 3
アデノイド 8 5 5 7 10 9 12 4 5 7 10 12 94
扁桃摘出 8 5 6 14 11 12 13 4 12 10 9 13 117
舌小帯切除 0 0 0 1 0 0 0 0 0 0 0 0 1
舌根/喉頭蓋のう胞 0 0 0 0 1 0 0 1 0 0 0 0 2
後鼻孔閉鎖 0 0 0 1 0 0 1 1 0 0 0 2 5
喉頭 検査/手術 9 2 1 0 2 8 2 4 2 4 3 5 42
喉頭気管形成術/分離術 2 2 2 2 3 2 1 0 0 3 2 0 19
気管切開 3 0 2 2 1 0 3 1 1 1 2 1 17
下甲介/鼻中隔手術 2 1 0 1 3 0 1 0 1 0 2 0 11
鼻副鼻腔内視鏡手術 0 0 0 1 0 0 1 0 0 0 1 0 3
顔面/口腔/頚部腫瘍手術 0 0 0 0 1 0 4 0 0 0 1 2 8
異物(食道など) 0 0 0 0 3 0 0 1 0 0 0 2 6
その他 4 2 3 2 2 1 0 0 2 0 0 3 19
73 28 46 49 57 64 65 52 55 64 68 62 683
※ 同一患者で複数の術式が施行されていることがあります。

受診方法

受診には予約が必要です。予約センターに連絡し、予約してください。予約の変更も予約センターで対応します。初めて受診(初診)する場合は、医療機関(医院、病院)からの紹介状が必要です。

再診の方は、予約センターで予約してください。曜日毎に担当医が決まっているため、担当医の希望があれば、予約時に伝えてください。

  • 外来診療担当表は、こちらをご覧ください。
  • 受診方法については、こちらをご覧ください。

緊急の場合には医療機関を通してご連絡頂ければいつでも対応いたします。

スタッフ紹介

医長 医員 フェロー
守本 倫子 山口 宗太
角田 真弓
小森 学(非)
藤井 可絵

(併)=併任、(非)=非常勤

医療従事者の方へ

当科は日本耳鼻咽喉科学会の専門医研修認可施設になっております。2名の耳鼻咽喉科専門医が所属し、小児耳鼻咽喉科に興味を持って頂ける若手医師の教育・研修を行っております。

また、国立成育医療研究センター研究所が併設されており、各研究室と様々な連携をとり臨床研究をすすめることが可能となっております。

現在当科では臍帯からの先天性サイトメガロウイルス感染症、先天性風疹症候群の検査が可能となっております。研究所主催の研修なども数多く開催されており、スキルアップに役立てることが可能です。