国立研究開発法人 国立成育医療研究センター National Center for Child Health and Development

代表: 03-3416-0181 / 予約センター(病院): 03-5494-7300
〈月~金曜日(祝祭日を除く)9時~17時〉

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患者・ご家族の方へ Patient & Family
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不妊診療科

基本情報

オーダーメイド治療

全ての患者に、「1日でも早く赤ちゃんをその手に抱いていただきたい」という強い願いで、スタッフ一同、日々最善の努力をしています。不妊診療科は、ナショナルセンターでは初めて、一般不妊症、男性不妊症、体外受精、顕微授精が専門の診療科です。
不妊症と一言に言っても、妊娠しない原因は様々です。当センターでは、患者一人一人の状態を詳しく調べ、その患者の状態に最もよいと考えられる治療を行います。また、不妊総合診療においては、ご夫妻に十分な時間をかけこころのケアに配慮した診療を行っています。
当センターを受診し、体外受精や顕微授精の治療を受ける患者は、すでに他施設で当該治療を受けるも妊娠にいたらなかった難治性患者が多くを占めるため、漫然と治療を行うのではなく、最新の研究技術を導入し、治療中に当該治療成否の原因も探求し、その患者に対する最適な治療(オーダーメイド治療)を実施します。患者に応じた最適な治療を実現するため、当科では主治医制で診療を行っており、初診時より継続的に一人の医師が検査・治療を行います。
また、不妊の原因検索の結果、甲状腺機能異常や、耐糖能異常など、内科疾患を合併していることが少なくありません。当科では母性内科と連携しながら、そのような内科疾患合併の不妊症患者に対して、妊娠に向けて、内科的な治療を含む包括的な治療を行っています。同様に、不育症の患者に対しても、不育診療科と連携しながら、妊娠にむけて検査・治療を行い、妊娠後も切れ目のない継続的な治療を行っています。

診療内容・業務内容

一般不妊

患者の状態を把握するために、基礎体温の低温期に一度、高温期に一度、ホルモン検査を行います。また、低温期に子宮卵管造影検査も行います。超音波検査も月経周期全般に行い、卵胞の発育や子宮内膜の発育も検査します。その検査で異常を認める場合は、腹腔鏡・子宮鏡検査を追加します。
最初の1~2周期で、患者の状態を把握し、治療の個別化を図っていきます。不妊症と関連のある基礎疾患(高プロラクチン血症や甲状腺機能異常等)の有無を、採血検査・既往症から判断します。排卵障害を認める場合や、軽度の乏精子症・精子無力症に対しては、それぞれ排卵誘発剤(内服・注射)を行ったり、排卵時期に合わせて人工授精を行います。また、検査で黄体機能不全を認める場合は、高温期に黄体補充療法を行います。

体外受精

卵巣刺激を行う以前から、患者の状態を十分に把握し、最も良いと考える状態で治療へ臨めるように、超音波モニタリング、排卵誘発方法・薬剤の選択などを行います。採卵までの排卵誘発方法は患者様に応じて適切な方法を選択します。
当科では、ブセレキュアと呼ばれる点鼻薬を用いた刺激方法(ウルトラロング法、ロング法、ショート法)、セトロタイドと呼ばれる注射を用いたアンタゴニスト法、クロミッドを用いた刺激方法(クロミッド/クロミッド-HMG法)、自然周期での採卵を行っています。

顕微授精

精子の数や運動率が低い場合、また過去の体外受精において受精に問題が疑われる場合、卵子に直接精子を注入する顕微授精を行っています。今まで精液所見に問題がない場合でも、採卵日当日の精液所見が悪い場合は、顕微授精を行うことがあります。

胚の凍結

一度に多くの受精卵が得られた場合は、余剰の受精卵が得られるため、その受精卵を凍結・保存します。凍結した受精卵は、次周期以降に自然周期またはホルモン補充周期にて融解胚移植を行います。

不妊原因の解明

体外受精・顕微授精が成功しなかったため、「次回も同じことをする」という方法では、なかなか妊娠に至らない場合があります。
当センターでは、その不成功に終わった周期の原因を解明するために研究を行っています。体外受精の際に採取された卵子の付属物である、顆粒膜細胞、卵胞液などにはその卵子の状態を知る手がかりとなる情報が多く含まれています。
卵胞液、顆粒膜細胞の状態を調べることで、その患者の卵子の状態が把握でき、患者に即した治療法、薬物療法を選択することができます。その情報は、次回の治療に生かされ、より質の高い治療を行うことができます。

腹腔鏡下手術

当センターでは、最新の機器をそろえており、不妊症の診断・治療方針決定・治療のために腹腔鏡下手術を行っています。子宮筋腫、卵巣嚢腫、チョコレート嚢腫、骨盤内癒着などは腹腔鏡下に手術します。

子宮鏡下手術・卵管鏡下手術

子宮の中に発生した小さな筋腫やポリープを子宮鏡を用いて切除することができます。

カウンセリング

当センターは、不妊の患者のためのカウンセリング体制も整備しています。こころの診療部医師や臨床心理士などがカウンセリングを行います。
当院で体外受精・顕微授精を受ける方には、治療開始前にご夫婦で不妊カウンセリングを受けていただきます。

治療フローチャート

治療フローチャート

不妊診療科の治療では、まず初診において、各種医療スタッフが、必要に応じて対応します。次に不妊原因を特定するために検査を行います。その後、侵襲の少ない治療法から行っていくステップアップ法を用いて不妊治療を行います。もし、それでも妊娠に至らなかった場合は、体外受精等の生殖補助医療を行います。

専門分野

当科では、一般不妊治療や体外受精、顕微授精などの生殖補助医療、手術療法等、個々の患者に応じた治療を行っています。個々の治療方法については上記を参照してください。
また、卵子の付属物である、顆粒膜細胞、卵胞液を用いた研究や、日本の生殖補助医療の現状分析の研究等、今後の生殖補助医療の発展にむけた研究を積極的に行っています。

診療実績

治療実績 2013.4.1~2014.3.31
外来初診患者数:332人
平均年齢:38.6歳
手術実績:35例(腹腔鏡下手術(筋腫核出、子宮内膜症卵巣のう腫核出など)7例、子宮鏡下手術11例、子宮内容除去術15例、開腹手術2例)
採卵・融解胚移植件数
年度 2002~2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013
採卵件数 287 172 203 156 180 128 130 133 148
融解胚移植数
62 79 90 100 83 77 151 136

受診方法

受診には予約が必要です。予約センターに連絡し、予約してください。予約の変更も予約センターで対応します。

  • 外来診療担当表は、こちらをご覧ください。
  • 受診方法については、こちらをご覧ください。

初診

初めて受診(初診)する場合は、医療機関(医院、病院)からの紹介状が無くても受診できます。医療機関(医院、病院)からの紹介状がある場合は受診の際に提出してください。

再診

再診の方は、予約センターで予約してください。担当医が決まっているため、予約日時に伝えてください。土日祝日も午前中、再診の方を予約し診療しています。

スタッフ紹介

医長 医員 フェロー レジデント
齊藤 英和(併) 齊藤 隆和
網田 光善
田中 理恵子 西井 彰悟
岸田 賢治

医療従事者の方へ

当科で行われている研究を紹介します。

(1)日本における生殖補助医療の現状分析の研究

  1. Ishihara O, Kuwahara A, Saito H. Frozen-thawed blastocyst transfer reduces ectopic pregnancy risk: an analysis of single embryo transfer cycles in Japan. Fertil Steril 2011; 95: 1966-1969
  2. Nakashima A, Araki R, Tani H, Ishihara O, Kuwahara A, Irahara M, Yoshimura Y, Kuramoto T, Saito H, Nakaza A, Sakumoto T. Implications of assisted reproductive technologies on term singleton birth weight: an analysis of 25,777 children in the national assisted reproduction registry of Japan. Fertil Steril 2013;99:450-455
  3. Ishihara O, Araki R, Kuwahara A, Itakura A, Saito H, Adamson GD、Impact of frozen-thawed single-blastocyst transfer on maternal and neonatal outcome: an analysis of 277,042 single-embryo transfer cycles from 2008 to 2010 in Japan. Fertil Steril 2014 ; 101, 128-33
  4. Takeshima K, Saito H, Nakaza A, Kuwahara A, Ishihara O, Irahara M, Hirahara H, Yoshimura Y, Sakumoto T. Efficacy, safety, and trends in assisted reproductive technology in Japan-analysis of four-year data from the national registry system.  Assist Reprod Genet.  2014;31:477-84
  5. Nakasuji T, Saito H, Araki R, Nakaza A, Kuwahara A, Ishihara O, Irahara M, Kubota T, Yoshimura Y, Sakumoto T.","Validity for assisted hatching on pregnancy rate in assisted reproductive technology: analysis based on results of Japan Assisted Reproductive Technology Registry System 2010. J Obstet Gynaecol Res. 2014; 40: 1953-1660
  6. Nakasuji T, Saito H, Araki R, Nakaza A, Nakashima A, Kuwahara A, Ishihara O, Irahara M, Kubota T, Yoshimura Y, Sakumoto TThe incidence of monozygotic twinning in assisted reproductive technology: Analysis based on results from the 2010 Japanese ART national registry. J Assist Reprod Genet. 31(7)、803-807,2014

(2) 次世代シークエンサーを用いた卵胞に発現する遺伝子解析

体外受精の際に採取された卵子の付属物である、顆粒膜細胞、卵胞液などにはその卵子の状態を知る手がかりとなる情報が多く含まれています。
当院では、採卵の際に採取された卵胞液中の顆粒膜細胞を、次世代シークエンサーを用いて解析することで、卵胞発育に必要な遺伝子の解明のための研究を行っています。