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胆汁鬱滞(うっ滞)

胆汁うっ滞性肝疾患とは

胆汁うっ滞とは、肝細胞で作られた胆汁の分泌障害があり、肝内に胆汁物質がうっ滞し、体内に胆汁中成分が蓄積した状態のことをいいます。胆汁の生成・分泌までのいずれかの経路が障害され、胆汁うっ滞疾患をきたします。小児で肝移植の適応となる主な胆汁うっ滞性肝疾患は、以下に示す通りです。

  • 胆道閉鎖
  • アラジール症候群
  • 先天性肝線維症
  • カロリ病
  • 進行性家族性肝内胆汁うっ滞症(Ⅰ型、Ⅱ型)
  • 原発性硬化性胆管炎

胆汁うっ滞性肝疾患の治療と国立成育医療研究センターの方針

胆道閉鎖症

肝門部空腸吻合術(葛西術)術後の胆道閉鎖症患者において、以下の症状を認めるときは肝移植を検討します。(減黄不良、成長障害、全身掻痒、消化管出血、肝肺症候群(肺内シャント、肺高血圧、難治性胆管炎))
胆道閉鎖症患者の場合、葛西手術を既に1回施行していますので、肝移植時のお腹の中の癒着の程度により手術の難易度が異なります。手術を繰り返すことにより難易度は増すため、初回の葛西術後の経過が思わしくない場合は一度私たちにご相談ください。

胆道閉鎖症については、一般の方向けの資料をご用意しておりますので、こちらもご覧ください。

アラジール症候群

主な臨床所見は、特徴的顔貌、心血管奇形(末梢性肺動脈狭窄)、胆汁うっ滞、椎体異常(蝶形椎体)、眼球異常(後部胎生環)で、遺伝子診断も可能です。著明な胆汁うっ滞やそれに伴う全身掻痒を認める場合は肝移植の適応となります。アラジール症候群の肝臓を顕微鏡でみると胆管が減少しており、時に肝外胆管の狭窄・閉塞を伴うことがあります。生体ドナーである家族の胆管を調べると、同様に胆管狭窄を認めることもあるため、生体ドナーの胆管病変がないかどうか検査が必要となります。

先天性肝線維症・カロリ病

門脈圧亢進症状の悪化(消化管出血など)、肝肺症候群、難治性胆管炎を認める際には肝移植の適応となります。腎疾患(多発性嚢胞腎など)を合併する場合が多く、肝移植前に腎移植が選択される場合があります。肝移植時に腎機能障害がある場合、使用する免疫抑制剤の影響で腎機能が悪化することがあり、慎重な管理が必要となります。

進行性家族性肝内胆汁うっ滞症Ⅰ型・Ⅱ型

進行性家族性肝内胆汁うっ滞症は、肝細胞から細胆管への胆汁酸の排泄を担う蛋白の異常で胆汁うっ滞をおこします。Ⅰ型、Ⅱ型ともに遺伝疾患であり、原因遺伝子が同定されています。
Ⅰ型では薬物療法にもかかわらず進行する胆汁うっ滞、全身掻痒を認める際には肝移植を検討しますが、肝移植後の難治性下痢や移植肝の脂肪肝を来すことが知られており、移植適応を慎重に検討する必要があります。胆汁を体外に排泄する手術(胆汁外ろう手術)や、大腸へ胆汁を排泄する術式(胆汁内ろう手術)の有効性が報告されています。
Ⅰ型よりもⅡ型の進行が早く、胆汁鬱滞から肝不全を来すことが知られています。これまではⅡ型において肝移植が根治手術であると考えられてきましたが、再発する症例も知られており、肝移植後免疫抑制療法を弱めすぎない事が重要です。

原発性硬化性胆管炎

原発性硬化性胆管炎は原因不明の疾患であり、慢性炎症により胆管が細くなり、胆汁の流れが悪くなることにより肝障害を来す疾患です。胆汁うっ滞により肝不全となった症例では肝移植の適応となります。しかし、本邦での生体肝移植による再発率が高いと考えられており、脳死肝移植での移植が望ましいとされています。当院では、脳死肝移植を第一選択としますが、臓器提供が得られない場合には生体肝移植を施行しております。


国立成育医療研究センターの診療体制

臓器移植センターの医師と移植コーディネーターが中心となり、診療にあたっています。胆道閉鎖症に対する葛西手術は外科で行っています。
小児胆汁うっ滞性肝疾患は、確定診断が難しい疾患もありますが、 病理診断部 遺伝診療科消化器科など、複数科と協力し診療にあたります。


診療実績


受診方法

※過去10日以内に発熱(37.5℃以上)している場合には、まずは救急センターへお越しください。


外来は、救急センターを除いてすべて予約制ですので、当院で受診される方は『事前予約』が必要です。

国立成育医療研究センターでは、事前予約制を導入しております。当院での受診を希望の方は他院からの診療情報提供書(紹介状)をお手元にご用意の上、予約センター(電話 03-5494-7300)で予約をお取りになってからご来院ください(予約取得時に、紹介状の確認をしております)。紹介状をお持ちでない場合、別途選定療養費がかかります。詳しくは、予約センターにお問い合わせください。

なお、現在他の病院で治療を受けている場合や緊急で受診が必要なときは、現在かかっている医療機関の医師から直接、医療連携室(TEL:03-5494-5486 (月~金 祝祭日を除く 8時30分から16時30分))へご連絡をお願い致します。

※救急センターは24時間365日診療をおこなっています。診療をご希望の方は、直接救急センターへお越しください。

予約センター(代表)

03-5494-7300

月~金曜日(祝祭日を除く)9時〜17時


セカンドオピニオンについて

国立成育医療研究センターでは、セカンドオピニオンを求める患者さんやご家族に対して、当院の医師から参考となる情報や意見を提供するセカンドオピニオン外来を設置しています。また、いくつかの診療科ではオンラインによるセカンドオピニオン診療も実施しています。

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