国立研究開発法人 国立成育医療研究センター National Center for Child Health and Development

代表: 03-3416-0181 / 予約センター(病院): 03-5494-7300
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胆汁鬱滞(うっ滞) | 子どもの病気

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胆汁うっ滞性肝疾患とは

胆汁うっ滞とは、肝細胞で作られた胆汁の分泌障害があり、肝内に胆汁物質がうっ滞し、体内に胆汁中成分が蓄積した状態のことをいいます。胆汁の生成・分泌までのいずれかの経路が障害され、胆汁うっ滞疾患をきたします。小児で肝移植の適応となる主な胆汁うっ滞性肝疾患は、以下に示す通りです。
  • 胆道閉鎖
  • アラジール症候群
  • 先天性肝線維症
  • カロリ病
  • 進行性家族性肝内胆汁うっ滞症(Ⅰ型、Ⅱ型)
  • 原発性硬化性胆管炎

胆汁うっ滞性肝疾患の治療方針

○胆道閉鎖症

肝門部空腸吻合術(葛西術)術後の胆道閉鎖症患者において、以下の症状を認めるときは肝移植を検討します。(減黄不良、成長障害、全身掻痒、消化管出血、肝肺症候群(肺内シャント、肺高血圧、難治性胆管炎))
胆道閉鎖症患者の場合、葛西手術を既に1回施行していますので、肝移植時のお腹の中の癒着の程度により手術の難易度が異なります。手術を繰り返すことにより難易度は増すため、初回の葛西術後の経過が思わしくない場合は一度私たちにご相談ください。胆道閉鎖症に対する治療方針は、臓器移植センター ホームページにも記載しておりますのでご覧下さい。

○アラジール症候群

主な臨床所見は、特徴的顔貌、心血管奇形(末梢性肺動脈狭窄)、胆汁うっ滞、椎体異常(蝶形椎体)、眼球異常(後部胎生環)で、遺伝子診断も可能です。著明な胆汁うっ滞やそれに伴う全身掻痒を認める場合は肝移植の適応となります。アラジール症候群の肝臓を顕微鏡でみると胆管が減少しており、時に肝外胆管の狭窄・閉塞を伴うことがあります。生体ドナーである家族の胆管を調べると、同様に胆管狭窄を認めることもあるため、生体ドナーの胆管病変がないかどうか検査が必要となります。

○先天性肝線維症・カロリ病

門脈圧亢進症状の悪化(消化管出血など)、肝肺症候群、難治性胆管炎を認める際には肝移植の適応となります。腎疾患(多発性嚢胞腎など)を合併する場合が多く、肝移植前に腎移植が選択される場合があります。肝移植時に腎機能障害がある場合、使用する免疫抑制剤の影響で腎機能が悪化することがあり、慎重な管理が必要となります。

○進行性家族性肝内胆汁うっ滞症Ⅰ型・Ⅱ型

進行性家族性肝内胆汁うっ滞症は、肝細胞から細胆管への胆汁酸の排泄を担う蛋白の異常で胆汁うっ滞をおこします。Ⅰ型、Ⅱ型ともに遺伝疾患であり、原因遺伝子が同定されています。
Ⅰ型では薬物療法にもかかわらず進行する胆汁うっ滞、全身掻痒を認める際には肝移植を検討しますが、肝移植後の難治性下痢や移植肝の脂肪肝を来すことが知られており、移植適応を慎重に検討する必要があります。胆汁を体外に排泄する手術(胆汁外ろう手術)や、大腸へ胆汁を排泄する術式(胆汁内ろう手術)の有効性が報告されています。
Ⅰ型よりもⅡ型の進行が早く、胆汁鬱滞から肝不全を来すことが知られています。これまではⅡ型において肝移植が根治手術であると考えられてきましたが、再発する症例も知られており、肝移植後免疫抑制療法を弱めすぎない事が重要です。

○原発性硬化性胆管炎

原発性硬化性胆管炎は原因不明の疾患であり、慢性炎症により胆管が細くなり、胆汁の流れが悪くなることにより肝障害を来す疾患です。胆汁うっ滞により肝不全となった症例では肝移植の適応となります。しかし、本邦での生体肝移植による再発率が高いと考えられており、脳死肝移植での移植が望ましいとされています。当院では、脳死肝移植を第一選択としますが、臓器提供が得られない場合には生体肝移植を施行しております。

国立成育医療研究センターの診療体制

医師8人と移植コーディネーター2人の10人体制で診療にあたっています。胆道閉鎖症に対する葛西手術は外科で行っています。
小児胆汁うっ滞性肝疾患は、確定診断が難しい疾患もありますが、病理検査部や遺伝診療科、消化器科など、複数科と協力し診療にあたります。

胆汁うっ滞性肝疾患の診療実績 (2005-2014年)

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  • 肝移植症例数 312例 (2005年11月~2014年12月)
  • 胆汁うっ滞性肝疾患 169例
  • -胆道閉鎖139例、先天性肝線維症10例、カロリ病6例、   
  • 進行性家族性肝内胆汁うっ滞症6例、アラジール症候群5例、 
  • 原発性硬化性胆管炎3例(うち脳死移植1例)、
胆道閉鎖症の患者の半数以上は、1歳未満の患者です。
  • 胆汁うっ滞性肝疾患に対する肝移植の生存率 92%
  • 胆道閉鎖症 94%

国立成育医療研究センターの診療のご案内

肝移植の適応があり主治医より当院での肝移植のお話があった際には、臓器移植センターへの紹介状の郵送、または、臓器移植センター 移植コーディネーターに直接ご連絡下さい。受診日の調整を行います。
胆道閉鎖症の葛西術後で、状態がなかなか改善しない、再手術を検討している場合など、肝移植の適応・肝移植の時期についての相談も随時受け付けております。   
肝移植が必要であると指摘され、移植施設を検討している際にもセカンドオピニオン外来でのご説明もいたしますので、いつでもご相談下さい。
  • 外来は、すべて予約 制ですので、当院で受診される方は『事前予約』が必要です。
国立成育医療研究センターでは、事前予約制を導入しております。当院での受診を希望の方は他院からの診療情報提供書(紹介状)をお手元にご用意の上、予約センター(電話 03-5494-7300)で予約をお取りになってからご来院ください(予約取得時に、紹介状の確認をしております)。詳しくは、予約センターにお問い合 わせください。

予約センター (直通)

03-5494-7300

月~金9時~17時 (祝祭日を除く)にお電話ください。

※他施設入院中の患者さんへ
  • 当院受診時に他施設入院中の患者さんの診察料は自費扱いとなります。
  • ご家族のみでご来院の場合も、同様の扱いとなります。
  • 他施設で診断され、当院への受診を希望される場合は、主治医の先生と相談し、当院へ紹介していただくようお願い致します。紹介状は、必ずご持参くださいますようお願いいたします。

他の医療機関からの問い合わせ先(患者転院の御依頼)

  • 臓器移植センター:笠原 群生(センター長)
  • 移植外科:福田 晃也(医長)
  • 移植コーディネーター:上遠野 雅美
転院に際して、以下の準備をお願いします。
  • 診療録(必要な情報を含む箇所)のコピー
  • 紹介状(時間的余裕がない場合は結構です。)
  • 血液検査結果、X線検査などの画像検査のコピー