国立研究開発法人 国立成育医療研究センター National Center for Child Health and Development

代表: 03-3416-0181 / 予約センター(病院): 03-5494-7300
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患者・ご家族の方へ Patient & Family

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原発性高蓚酸尿症 | 子どもの病気

原発性高シュウ酸尿症とは

原発性高シュウ酸尿症は、先天的な代謝酵素の欠損によって肝臓でシュウ酸が過剰に産生される病気です。過剰に産生されたシュウ酸は、腎臓で結石や石灰化を生じ、次第に腎臓の機能を障害し、さらに進行すると末期の腎不全に至り透析を余儀なくされます。また、腎臓の機能が低下すると、骨、心臓、血管、眼の網膜など全身の臓器に沈着し始め、さまざまな障害を生じます。1型、2型、3型の3つのタイプに分類され、1型の頻度が最も高く、重症のタイプと言われています。進行すると致命的となる病気ですが、症状の程度や進行は個人差が極めて大きい病気です。以下は、原発性高シュウ酸尿症1型について記載します。
石灰化した腎臓(矢頭)
石灰化した腎臓(矢頭)の画像
網膜に沈着したシュウ酸(細かい白点)
網膜に沈着したシュウ酸(細かい白点)の画像

原発性高シュウ酸尿症の治療方針

○内科的な治療

大量飲水や結石予防薬によって腎臓の結石・石灰化を予防し、腎臓の機能が低下するのを防ぎます。また、ビタミンB6の内服によってシュウ酸の産生を抑制することができる場合がありますが、この治療に対する反応は個人差が大きく、非常に有効な場合とそうでない場合があります。

○移植治療

シュウ酸を過剰に産生している肝臓が悪さをしているため、肝臓を移植することで原因を除去することができ、腎臓の機能が残っている場合は完治することができます。
末期の腎不全に至っている患者さんの場合は、腎臓と肝臓を移植する肝腎移植を行います。この治療法は脳死移植が主体の海外で多く行われており、良好な成績が報告されています。しかしながら、生体移植が主体の日本では、多臓器にわたる移植は生体ドナーの負担やリスクを大きくするため、可能であれば腎臓の機能が残っているうちに肝移植を行い、腎移植を回避することが理想的と言えます。
末期の腎不全に至った患者さんに対し、腎臓の移植だけを行う治療法も報告されていますが、原因となっている肝臓はそのまま残っているため、移植した腎臓が再び腎不全に至るリスクが高いと言われています。
原発性高シュウ酸尿症は、肝移植によって完治することができますが、手術のリスクや、移植後の拒絶反応、免疫抑制剤内服のリスクが存在します。患者さんの中には内科的な治療だけで症状が進行せずに済む方もおり、このような方にとっては移植によるリスクのほうが大きくなってしまいます。現時点ではこのような病気の進行を予測する手段はなく、このことが移植のタイミングを非常に難しくしています。

国立成育医療研究センターでは以下のように腎障害の程度に応じて治療方針を決定しています。腎障害の程度は糸球体濾過量 Glomerular Filtration Rate(GFR, ml/min/1.73m2)によって判定しています。

○腎臓の機能が残っている場合 (GFRが60以上)

内科的な治療が原則となります。しかしながら、結石の反復・進行を認める場合や腎機能の低下が進行する場合は、将来病気が進行するリスクが高く、肝移植を検討します。

○腎障害がある程度進行している場合 (GFRが30以上60未満)

腎障害がある程度進行しGFRが40から50程度になると、内科的な治療により進行を防ぐことができなくなると言われています(ビタミンB6反応例を除く)。そのため、国立成育医療研究センターでは、GFRが30以上60未満でビタミンB6に反応しない患者さんに対しては、肝移植を積極的に行っています。ビタミンB6の治療を行う場合も、これ以上進行すると腎移植を回避できなくなる可能性があるため極めて慎重に行い、改善が見込めない場合は肝移植を積極的に行います。

○腎臓の機能があまり残っていない場合や末期の腎不全 (GFRが30未満)

末期の腎不全に至っている場合は、肝臓だけではなく腎移植も必要となります。また、残っている腎機能が非常に少ない場合も、腎移植が必要となることがほとんどです。
国立成育医療研究センターでは原則的に肝移植を先行して行い、その後に腎移植を行う二期的な移植を行っています。これによって、生体ドナーの負担を減らすだけでなく、残っている腎機能が改善し腎移植を回避できる可能性や、腎移植を先延ばしにできる可能性があります。また、乳児の場合は、体が小さいため肝臓と腎臓の二つの臓器を移植することが困難ですが、肝移植を先行して行い、体が大きくなるまで待つことで、待機中の合併症の進行を防ぐことができます。

国立成育医療研究センターの診療体制

腎臓・リウマチ・膠原病科、内分泌・代謝科、移植外科、泌尿器科、手術・集中治療科が連携して診療を行っています。移植手術では、手術前後の透析が必要となることが多く、非常に難しい管理となりますが、小児の各分野の専門家が連携し治療を行っています。また、肝臓と腎臓両方の移植を行っており、腎移植が必要な場合も、計画的に治療を行うことができ、同一施設で移植後の管理をすることができます。

国立成育医療研究センターの診療のご案内

  • 外来は、すべて予約制ですので、当院で受診される方は『事前予約』が必要です。
国立成育医療研究センターでは、事前予約制を導入しております。当院での受診を希望の方は他院からの診療情報提供書(紹介状)をお手元にご用意の上、予約センター(電話 03-5494-7300)で予約をお取りになってからご来院ください(予約取得時に、紹介状の確認をしております)。詳しくは、予約センターにお問い合わせください。

予約センター (直通)

03-5494-7300

月~金9時~17時 (祝祭日を除く)にお電話ください。

※他施設で診療・入院中の患者さんへ
  • 当院受診時に他施設入院中の患者さんの診察料は自費扱いとなります。
  • ご家族のみでご来院の場合も、同様の扱いとなります。
  • 他施設で診断され、当院への受診を希望される場合は、主治医の先生と相談し、当院へ紹介していただくようお願い致します。紹介状は、必ずご持参くださいますようお願いいたします。

他の医療機関からの問い合わせ先(患者転院の御依頼)

  • 臓器移植センター:笠原 群生(センター長)
  • 移植外科:福田 晃也(医長)
  • 移植コーディネーター:上遠野 雅美
  • 臓器移植センター 代表メールアドレス
臓器移植センター代表メールアドレスの画像

転院に際して、以下の準備をお願いします。
  • 診療録(必要な情報を含む箇所)のコピー
  • 紹介状(時間的余裕がない場合は結構です。)
  • 血液検査結果、X線検査などの画像検査のコピー