国立研究開発法人 国立成育医療研究センター National Center for Child Health and Development

代表: 03-3416-0181 / 予約センター(病院): 03-5494-7300
〈月~金曜日(祝祭日を除く)9時〜17時〉

  • アクセス・交通案内
  • 予約センター
  • MENU

患者・ご家族の方へ Patient & Family

患者・ご家族の方へ Patient & Family

ムコ多糖症 | 子どもの病気

laughter-449781_1280の画像

ムコ多糖症とは

ムコ多糖症は、細胞内でのムコ多糖の分解に必要な酵素が生まれつき足りないために、全身の細胞にムコ多糖が蓄積する先天代謝異常症です。ムコ多糖症は7型に分類されており、それぞれの型の症状は異なります。また同じ型でも患者さんによって症状はさまざまです。よく見られる症状は、発達の遅れ、低身長、骨変形、特異な顔つき、固い関節、お腹の膨れ(肝脾腫)、臍・鼠径ヘルニア、心弁膜症(心雑音)、中耳炎、難聴などです。これらの症状は赤ちゃんの頃は目立たず、3-5歳頃になるとはっきりしてきます。重症の患者さんは、徐々に症状が進行していき10歳代になると、歩けなくなる、自分で食事ができなくなる、自発呼吸が困難になる、寝たきりになるなどの状態になります。また軽症の患者さんは、軽度の低身長や心雑音のみで大人になるまで診断されないこともあります。

ムコ多糖症の分類と症状 (5つの型のみ提示)

精神運動
発達遅滞
角膜混濁骨変形関節症状特異顔貌肝脾腫その他の合併症
ムコ多糖症I型
(ハーラー症候群)
(-)~(⧻)(⧻)(+)~(⧻)(⧺)(+)~(⧻)(⧻)慢性中耳炎、臍・鼠径ヘルニア、睡眠時無呼吸、心弁膜症、脳室拡大
ムコ多糖症II型
(ハンター症候群)
(-)~(⧻)(-)(+)~(⧺)(⧺)(+)~(⧻)(⧻)慢性中耳炎、臍・鼠径ヘルニア、睡眠時無呼吸、心弁膜症、脳室拡大
ムコ多糖症III型
(サンフィリッポ症候群)
(⧻)(-)(-)~(+)(-)~(+)(-)~(+)(+)痙攣発作、睡眠障害
ムコ多糖症IV型
(モルキオ症候群)
(-)(⧺)(⧻)(⧻)(-)~(+)(+)難聴、睡眠時無呼吸
ムコ多糖症VI型
(マロトーラミー症候群)
(-)(⧻)(⧺)(⧺)(+)~(⧻)(⧻)慢性中耳炎、臍・鼠径ヘルニア、睡眠時無呼吸、心弁膜症
(-):症状がない (⧻):症状が重い

ムコ多糖症の治療方針

ムコ多糖症を診断する検査には、尿のムコ多糖量測定、酵素活性測定、遺伝子検査などがあります。一般の血液検査では診断できません。当センターでは、ムコ多糖症が疑わしい患者さんには、特徴的な症状の有無を確認して、診断のための各種検査を行います。
ムコ多糖症の治療方針は、まず各診療科と協力して、ムコ多糖症の合併症の検査を行い、すでに見られる症状に対しては薬の内服、処置、手術などによる治療を行います。またムコ多糖症I型、II型、IV型、VI型に対しては酵素補充療法という治療法があります。これは酵素製剤を点滴注射により毎週投与することで不足している酵素を補充する治療法です。この治療法により、呼吸状態の改善、お腹の膨れ(肝脾腫)の正常化、固い皮膚・関節症状の改善などに効果があります。しかし、この治療法は骨の変形や脳への治療効果は芳しくないため、将来的には脳室内に直接、酵素製剤を補充する方法が考えられています。酵素補充療法は、比較的安全ですが、ときどき発熱、蕁麻疹、喘鳴などのアレルギー反応が見られることがあります。アレルギー反応には、酵素製剤の投与速度、抗アレルギー薬剤の投与などで対応します。また病気の型、年齢、重症度などの条件によっては骨髄移植が有効なこともあります。
ムコ多糖症は遺伝病です。患者さんのきょうだいや家系内におけるムコ多糖症患者の可能性や次のお子さんのご心配などに対して、ムコ多糖症の遺伝について詳しい情報を提供します。

国立成育医療研究センターの診療体制

ムコ多糖症は症状がさまざまな領域にわたるので以下の各診療科と連携して、合併症に対する検査や治療を行います。
総合診療部(呼吸障害、感染症)、耳鼻咽喉科(中耳炎、難聴、呼吸障害)、循環器科(心雑音、弁膜症)、神経内科(痙攣、行動異常)眼科(角膜混濁、緑内障)、整形外科(骨変形)、リハビリテーション科(固い関節)、遺伝診療科(遺伝カウンセリング)、麻酔科(睡眠時無呼吸発作、手術前診察)など。

ムコ多糖症の診療実績

平成26年度に当センターで酵素補充療法を受けたムコ多糖症患者数は、ムコ多糖症I型4名、ムコ多糖症II型13名、ムコ多糖症IV型3名、ムコ多糖症VI型1名です。その他20名程度のムコ多糖症患者が、診断、検査、経過観察を目的に岩手県や愛知県などの地方からも当センターを受診しています。

国立成育医療研究センターを受診するには

ムコ多糖症が疑われる場合あるいはすでにムコ多糖症と診断されている場合は、かかりつけ医と相談し、当センター宛の紹介状を作成してもらってください。火曜日の午前中のライソゾーム病センター外来もしくは水曜日午後の遺伝診療科外来をかかりつけ医を通じて当センター医師にご連絡いただくか、ご自分で予約センターを通じてご予約ください。遠方等で上記外来日に受診ができない場合は当センター医師にご相談ください。
  • 外来は、すべて予約制ですので、当院で受診される方は『事前予約』が必要です。
国立成育医療研究センターでは、事前予約制を導入しております。当院での受診を希望の方は他院からの診療情報提供書(紹介状)をお手元にご用意の上、予約センター(電話 03-5494-7300)で予約をお取りになってからご来院ください(予約取得時に、紹介状の確認をしております)。詳しくは、予約センターにお問い合わせください。

予約センター (直通)

03-5494-7300

月~金9時~17時 (祝祭日を除く)にお電話ください。

※他施設入院中の患者さんへ
  • 当院受診時に他施設入院中の患者さんの診察料は自費扱いとなります。
  • ご家族のみでご来院の場合も、同様の扱いとなります。
  • 他施設で診断され、当院への受診を希望される場合は、主治医の先生と相談し、当院へ紹介していただくようお願い致します。紹介状は、必ずご持参くださいますようお願いいたします。

他の医療機関からの問い合わせ先(患者転院の御依頼)