国立研究開発法人 国立成育医療研究センター National Center for Child Health and Development

代表: 03-3416-0181 / 予約センター(病院): 03-5494-7300
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患者・ご家族の方へ Patient & Family

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口唇口蓋裂 | 子どもの病気

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口唇口蓋裂とは

口唇口蓋裂は、胎生期の組織欠損または癒合不全により、先天的に口唇(くちびる)、口蓋(くちの中の天井)、上顎(はぐき)に裂を認める病態です。口唇裂のみ、口蓋裂のみ、唇顎裂(口唇裂と顎裂)など、多様な病型があります。日本では500人に1人程度の頻度で生まれるとされています。
症状としては、口唇裂では多くの場合、顔面の変形は口唇にとどまらず外鼻(はな)にも及び、整容性(見た目)の問題のほか、摂食、言語の問題が生じます。口蓋裂では、食事や言葉が鼻から漏れることにより、摂食、言語の問題が生じます。また中耳炎になりやすい、中顔面の発育が抑制されうる、といった問題が生じます。顎裂では、はぐきの裂部に歯が生えないことによる、歯並びの問題が生じます。
出生時からの小児科、形成外科、耳鼻咽喉科、歯科などの多様な職種によるチーム医療が重要です。治療を行うことにより、多くのお子さんは他のお子さんと同様な生活を送ることが可能です。

口唇口蓋裂の治療方針

口唇口蓋裂(国立成育医療研究センター)の画像
口唇口蓋裂の治療方針は施設ごとに大きく異なります。

当センターでは、長期的に安定した成績が確認されている、比較的に古典的な治療方針として、口唇裂、口蓋裂、顎裂を3回に分けて治療する方針としています。

カッコが付いたものは、必要な場合に行う治療です。
出生後早期から、必要なお子さんにはHotz型口蓋床(ホッツがたこうがいしょう)やNAM(nasoalveolar molding、ナム)といった装置を用いて術前顎(および外鼻)矯正を開始します(図2)。3~6か月齢で口唇裂に対して口唇外鼻形成術を施行します(片側例ではMillard+小三角弁法、図2。両側例ではMulliken法、図4)。1歳台を目安に成長・発達の状況に応じて、口蓋裂に対して口蓋形成術を施行し(Furlow変法、図5)、1歳頃を目安にリハビリテーション科の言語聴覚士によるフォロー(評価、経過観察)を開始します。
滲出性中耳炎を合併していると聞こえにくく、言葉の遅れにつながることもありますので、必要に応じて鼓膜チューブ留置手術を行います。ミルクの飲み(哺乳)や離乳食に心配がある、またことばの発達が心配などの場合は、言語聴覚士が出生後早い時期からご相談・指導を行います。
就学前と思春期の成長終了後を目安に、要すれば口唇外鼻の修正術を行うことがあります。また声が鼻から漏れるなどの場合には、咽頭弁形成術を行うことがあります。お子さんの病型によって、必要な治療・手術は異なります。全身的な疾患がある場合には、全身状態の安定化を優先し、治療方針を変更することがあります。
なお顎裂に対する腸骨移植術については、当センターでは8~10歳頃に行う方針としていますが、歯科的な要素が強い治療であるため、現在は歯科専門施設に紹介し連携をとっています。
口蓋裂の手術にも種々の方法があります。当センターでは、良好な言語機能を獲得するためには、①口蓋を前後方向に延長すること、②口蓋を動かす左右の筋肉を後方に移動し、横方向に縫合することが重要と考え、軟口蓋(口蓋の後方部分)でZ形成(ジグザグの形に組織を入れ替える)を行う、Furlow法を採用しています。その変法として、両外側に切開を加えることで、Z形成が無理なく行える工夫をしています。中央の裂を「ふすまを閉じるように」閉鎖する過程で、両外側の切開は開いた状態になりますが、1か月程度で治癒します。
口蓋裂の手術後は、顎発育(顔面中央部の成長)への悪影響が懸念されていますが、当センターのまとめでは、口蓋裂のないお子さんと比較しても大きな問題はないことを確認しています(上顎発育の指標は平均から-1標準偏差程度)。
言語機能については、手術後は9割程度のお子さんが、日常生活に問題がない程度の鼻咽腔閉鎖機能(言語における口蓋の機能)を獲得しています。

国立成育医療研究センターの診療体制

形成外科が主たる科となり、治療計画を立てます。口唇裂、口蓋裂の手術などを行います。総合診療科では、全身的な疾患の検索や、成長・発達の評価などを行います。耳鼻咽喉科では、口蓋裂に合併しやすい滲出性中耳炎の診療と聴力の評価を行います、また発音がはっきりしない場合はのどの動きの評価を行うこともあります。
歯科では、Hotz床などの装置の作成・管理による術前顎(外鼻)矯正、齲歯(むしば)の診療や、顎発育の評価、矯正などを行います。
リハビリテーション科言語聴覚士は、言語の評価・指導のほか、必要な方には哺乳や離乳食などの食事(摂食)指導を行います。言語評価は、年齢や発達に応じて定期的に実施します。発音の練習が必要な場合には、就学までに正しい発音を獲得することを目標に練習を行います。遠方などで通院が困難な場合には、ご希望に応じて地域の練習施設を紹介し連携しています。その際でも定期的なフォローは当院で継続します。
通常の診察のほか月1回、口蓋裂チーム外来を設けています。チーム外来では、お子さんがよりよい言葉を獲得するために、形成外科、耳鼻咽喉科、歯科、リハビリテーション科言語聴覚士などチームが一同に集まり、お子さんを診察し、ご本人や保護者の方の希望をうかがいながら治療方針を決定しています。また、院内だけでなく、院外でお子さんの指導に携わる職種の方の見学を受け入れ、地域と連携しています。
必要に応じて、遺伝診療科での次のお子さんの妊娠を含めたご相談など、その他の科と連携してお子さんの診療にあたります。

口唇口蓋裂の診療実績

年間で口唇裂・口蓋裂関連の手術が50件前後あり、そのうち半数程度が初回の口唇裂・口蓋裂手術です。

国立成育医療研究センターの診療のご案内

口唇口蓋裂のお子さんの当センターでの初診は、形成外科となっております。形成外科の初診日は毎週水・金曜日の午前中です。出生後まもない口唇口蓋裂のお子さんについては、医療連携室を通じて可及的速やかな予約枠を確保しています。形成外科、耳鼻咽喉科、歯科は外来日が基本的には同じであり、通院回数を減らす体制づくりをしています。
  • 外来は、すべて予約制ですので、当院で受診される方は『事前予約』が必要です
国立成育医療研究センターでは、事前予約制を導入しております。当院での受診を希望の方は他院からの診療情報提供書(紹介状)をお手元にご用意の上、予約センター(電話 03-5494-7300)で予約をお取りになってからご来院ください(予約取得時に、紹介状の確認をしております)。詳しくは、予約センターにお問い合わせください。

予約センター (直通)

03-5494-7300

月~金9時~17時 (祝祭日を除く)にお電話ください。

※他施設入院中の患者さんへ
  • 当院受診時に他施設入院中の患者さんの診察料は自費扱いとなります。
  • ご家族のみでご来院の場合も、同様の扱いとなります。
  • 他施設で診断され、当院への受診を希望される場合は、主治医の先生と相談し、当院へ紹介していただくようお願い致します。紹介状は、必ずご持参くださいますようお願いいたします。

他の医療機関からの問い合わせ先(患者転院の御依頼)

出生後はできるだけ早期にご受診いただけますよう、診療情報提供書をご用意いただき、医療連携室にご連絡ください。

転院に際して、以下の準備をお願いします。
  • 診療録(必要な情報を含む箇所)のコピー
  • 紹介状(時間的余裕がない場合は結構です。)
  • 血液検査結果、X線検査などの画像検査のコピー