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ウィスコット・アルドリッチ症候群

ウィスコット・アルドリッチ症候群とは

ウィスコット・アルドリッチ症候群(Wiskott-Aldrich syndrome: WAS)は、易感染性、サイズの減少を伴う血小板減少、湿疹を3主徴とし、その他にも自己免疫疾患や悪性疾患も合併する原発性免疫不全症です。遺伝形式はX連鎖性であり、X染色体上に存在するWASP 遺伝子の変異によって引き起こされます。WASP遺伝子によりコードされるWASP(WASタンパク)は細胞骨格やシグナル伝達に重要であることが明らかになっています。

ほぼすべての患者で血小板減少が認められ、またT細胞の機能異常を中心とした免疫異常から細胞外寄生菌やウイルスへの易感染性が出現します。湿疹はアトピー性湿疹様で難治性であり、その他にも様々な自己免疫疾患(自己免疫性溶血性貧血や血管炎など)を合併します。その他に注意が必要なこととして、特に10歳以上の患者さんではリンパ腫などの悪性疾患の発症を認めるようになります。

ウィスコット・アルドリッチ症候群の治療指針

支持療法

支持療法として、出血への対症療法(重大出血時の輸血)や感染症への抗菌薬、ガンマグロブリンの補充を行います。

造血幹細胞移植

感染症や出血、悪性疾患はWASの患者さんの予後を大きく低下させることから、これらの症状を呈する場合には、根治的治療が必要となります。根治的治療は造血幹細胞移植であり、これによってWASの様々な症状の改善、消失が期待できます。現在では、5歳以下で造血幹細胞移植を行った場合には、その長期生存率は良好であるとわかっています。同時に、5歳以上では様々な合併症からその成績が低下することもわかっていますので、このような場合には患者の状態や、移植のドナーの状況(HLAの一致した血縁者ドナーの有無など)を十分に検討した上で治療方針を決定します。

造血幹細胞遺伝子治療

上述したように、根治的治療である造血幹細胞移植が安全に行えない患者さんへの治療法として、近年自分の造血幹細胞(骨髄細胞)を利用した遺伝子治療が行われるようになりました。特にイタリアのグループによる治療法の報告では、7例のWAS患者さんに対して遺伝子治療が行われ、ほぼすべての患者さんで副作用を認めずに症状が改善しています。現在日本ではまだ行われていませんが、私たちはイタリアのグループとの共同研究として、このような造血幹細胞移植の最適なドナーがいない患者さんを対象とした遺伝子治療の開始に向け、準備を行っています。


国立成育医療研究センターの診療体制

免疫科の医師が中心となり診療を担当します。また、根治的治療である造血幹細胞移植については小児がんセンター血液腫瘍科の医師との連携のもと行っています。このように研究所および病院が一丸となり診断から治療まで行っております。


診療実績


受診方法

※過去10日以内に発熱(37.5℃以上)している場合には、まずは救急センターへお越しください。


外来は、救急センターを除いてすべて予約制ですので、当院で受診される方は『事前予約』が必要です。

国立成育医療研究センターでは、事前予約制を導入しております。当院での受診を希望の方は他院からの診療情報提供書(紹介状)をお手元にご用意の上、予約センター(電話 03-5494-7300)で予約をお取りになってからご来院ください(予約取得時に、紹介状の確認をしております)。紹介状をお持ちでない場合、別途選定療養費がかかります。詳しくは、予約センターにお問い合わせください。

なお、現在他の病院で治療を受けている場合や緊急で受診が必要なときは、現在かかっている医療機関の医師から直接、医療連携室(TEL:03-5494-5486 (月~金 祝祭日を除く 8時30分から16時30分))へご連絡をお願い致します。

※救急センターは24時間365日診療をおこなっています。診療をご希望の方は、直接救急センターへお越しください。

予約センター(代表)

03-5494-7300

月~金曜日(祝祭日を除く)9時〜17時

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