国立研究開発法人 国立成育医療研究センター National Center for Child Health and Development

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アデノシンデアミナーゼ欠損症(ADA欠損症) | 子どもの病気

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アデノシンデアミナーゼ欠損症(ADA欠損症)とは

アデノシンデアミナーゼ(Adenosine deaminase: ADA)は、細胞分裂の際に生じる核酸代謝産物であるデオキシアデノシンをデオキシイノシンへ変換する代謝酵素です。ADA遺伝子(20番染色体q13.11)の変異によるADA酵素活性の欠損によってデオキシアデノシンが細胞内に蓄積し、そのリン酸化産物であるdATPが胸腺においてリンパ球を障害するため、患者は生後より重篤な免疫不全(重症複合免疫不全、Severe combined immunodeficiency: SCID)を呈します(図1)。
常染色体劣性遺伝形式をとり、すべてのSCID(約5万人に1人)の中の約15%を占めると考えられています。臨床症状ではSCIDの特徴として、生後早期からニューモシスチスやウイルス、真菌、抗酸菌(結核)などによる感染が重症化しやすく、乳幼児において遷延する下痢や肺炎、口腔内カンジダ、体重増加不良およびBCGを含めた生ワクチンによる感染に遭遇した場合には、本疾患も含めたSCIDを念頭に検索を行う必要があります。

アデノシンデアミナーゼ欠損症(ADA欠損症)の治療方針

○感染症治療

ニューモシスチス、サイトメガロウイルス、真菌、抗酸菌などに対する十分な予防(ST合剤、抗真菌薬、ガンマグロブリンの補充)を行い、感染を認めた場合には速やかに濃厚な治療を開始します。
後述の造血幹細胞移植に向け、いかに感染症をコントロールするかが極めて重要です。

○造血幹細胞移植

一般的な根治的治療は造血幹細胞移植のみであり、感染症への治療開始とともに速やかに移植の準備に入らなければなりません。緊急の造血幹細胞移植という点からは、ドナーとしては血縁者もしくは臍帯血移植が選択されます。
これまでの報告では、HLA一致血縁ドナーからの移植では良好な成績が確認されます。HLA一致血縁ドナーが存在しない場合には、臍帯血を含めて十分な検討を行い、ドナーを決定いたします。

○酵素補充療法

ADA欠損症は、ADAの欠損という酵素欠損症でもあることから、1986年にウシ由来のADAをポリエチレン・グリコールにて包埋したPEG-ADA(ADAGEN)が開発されました。米国を初めとする海外で、現在までに150名を越える患者がADAGENを酵素補充療法として受けており、現在でも80名を越える患者がこのADAGENによる治療を行っています。
しかし、ADAGENは日本ではまだ未承認薬であることから一般的な使用は難しい状況です。このような状況から、最適な造血幹細胞移植ドナーが不在である患者に対するADAGENの安全且つ迅速な使用を可能にするために、当センター免疫科ではADA欠損症に対するADAGEN治療の臨床研究を行っており、患者で効果を認めています(図2)。今後、医師主導治験を実施することで、国内使用を可能にする医薬品承認申請を目指します。

国立成育医療研究センターの診療体制

免疫科の医師が中心となり診療を担当します。また、根治的治療である造血幹細胞移植については小児がんセンター血液腫瘍科の医師との連携のもと行っています。このように研究所および病院が一丸となり診断から治療まで行っております。
診療の中心メンバーは以下の5名です。

国立成育医療研究センターの診療のご案内

出生後早期からワクチン感染症を含む感染症状を繰り返したり、免疫不全症を疑われる時には、かかりつけ医にご相談の上、紹介状を持参して免疫科外来へお越し下さい。
また、すでにADA欠損症と診断され、当院での治療をご希望される場合は、主治医の先生と相談していただき、主治医の先生から当院への連絡をお願いしてください。
免疫科外来は月曜日午前、水曜日午前午後です。
  • 外来は、すべて予約制ですので、当院で受診される方は『事前予約』が必要です。
国立成育医療研究センターでは、事前予約制を導入しております。当院での受診を希望の方は他院からの診療情報提供書(紹介状)をお手元にご用意の上、予約センター(電話 03-5494-7300)で予約をお取りになってからご来院ください(予約取得時に、紹介状の確認をしております)。詳しくは、予約センターにお問い合わせください。 

他の医療機関からの問い合わせ先(ADA欠損症患者の転院のご依頼)