国立研究開発法人 国立成育医療研究センター National Center for Child Health and Development

代表: 03-3416-0181 / 予約センター(病院): 03-5494-7300
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患者・ご家族の方へ Patient & Family

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慢性肉芽腫症

慢性肉芽腫症とは

原発性免疫不全症(生まれながらに、身体の抵抗力が弱い病気)の中で、最も多い病気です。身体に侵入してきた病原体をこわす(殺菌)ためには、活性酸素が必要です。しかし、慢性肉芽腫症の好中球(白血球の一部)は活性酸素を作ることができず、病原体が殺菌されないため、身体の中で増え続けて感染症を起こします。

さらに、慢性肉芽腫症では身体のいたるところに肉芽腫といわれる一種の“こぶ”のようなものができやすく、まわりの正常な組織を圧迫して臓器を障害することがあります。また、免疫のバランスが悪く約半数の方が慢性の腸炎(肉芽腫性腸炎)を合併します。

肺真菌症

肉芽腫

肉芽腫性腸炎


慢性肉芽腫症の症状

細菌や真菌(カビ)などの病原体が身体の中に入ってきた時、身体を守るしくみを免疫といいます。その免疫の中で重要な役割を果たしているのが、血液の中にいる好中球です。この好中球は、病原体が身体に侵入してきた時、持っている酵素(NADPHオキシダーゼ)を使って、活性酸素をつくり、病原体をこわします(殺菌)。ところが、この好中球がNADPHオキシダーゼを持っていないと、活性酸素が作られず、病原体を殺菌することができません。このように好中球が活性酸素を作れない病気を慢性肉芽腫症といいます。慢性肉芽腫症の主な症状は、感染症、肉芽腫、肉芽腫性腸炎です。

感染症

発熱や咳(肺炎)、リンパ節の腫れ(リンパ節炎)、皮膚の膿瘍、肛門周囲の膿瘍、下痢や腹痛(腸炎)などの症状がみられ、このような症状をしばしば繰り返すこともあります。そのほか、肝臓や骨に膿(うみ)がたまることもあります。さらに、細菌や真菌などによる感染症が悪化すると、全身に病原体が広がり(敗血症)、複数の抗生剤を使っても感染症がおさまらず、治療が困難になります。

肉芽腫

感染症によって、リンパ節や肺、肝臓、脊髄神経など、身体のいろいろなところに肉芽腫ができます。肉芽腫ができると抗生剤の効果が弱くなることや、まわりの正常な組織を圧迫して臓器が正常に機能しなくなることがあります。

肉芽腫性腸炎

慢性肉芽腫症の約半数の方は、肉芽腫性腸炎を合併するといわれています。下痢、血便、腹痛などお腹の症状が数週間以上続く時は、慢性肉芽腫症に関連した肉芽腫性腸炎の可能性があります。


慢性肉芽腫症の治療方針

感染症の予防

重い感染症にかからないためには、日頃から薬を飲んで、感染症を予防する必要があります。細菌感染症に対するST合剤やアスペルギルスなど真菌感染症を予防する抗真菌剤を毎日服用します。また、約3割の慢性肉芽腫症の方に、インターフェロン・ガンマの注射が感染予防として効果的です。

対症療法

日頃から予防治療を受けていても、感染症にかかることがあります。抗生剤などを服用しても症状が落ち着かない場合には、入院して抗生剤や抗真菌剤の点滴を行います。
また、肉芽腫によって周りの組織を圧迫して下痢や麻痺などを起こす場合は、ステロイドによって炎症を抑えて肉芽腫を小さくすることや、手術によって切除することがあります。

病気を根本から完全に治すことができる治療を、根治療法といいます。現在、慢性肉芽腫症に対する根治療法は、骨髄移植や臍帯血移植などの「造血幹細胞移植」です。造血幹細胞は「血液細胞の源」の細胞です。健康な方から造血幹細胞を採取し、患者さんへ点滴すると、これら造血幹細胞は患者さんの骨髄に移動します。造血幹細胞が骨髄に定着すると、再び、患者さんの身体の中で健康な赤血球、血小板、白血球などを生み出すことになります。

※ 予防接種は、BCGワクチンを接種することは禁忌ですが、それ以外はすべて受けてかまいません。
※ 日常生活での真菌(カビ)対策や食事など、どのように気をつけたら良いか心配がありましたら、免疫科の外来でご相談ください。


国立成育医療研究センターの診療体制

免疫科の医師たちが中心となり、複数の専門診療科と連携してチーム医療を推進します。特に、慢性肉芽腫症は肉芽腫性腸炎を合併する頻度が高いことから、小児消化器専門医とともに専門的な診断・治療を行います。また、造血幹細胞移植は、小児がんセンターの小児血液専門医が中心となり、治療を行います。

慢性肉芽腫症の診療に携わる主なメンバーは以下の通りです。


慢性肉芽腫症の診療実績

(2017年時点)計42名
X連鎖慢性肉芽腫症  34名
常染色体劣性遺伝慢性肉芽腫症  8名


国立成育医療研究センターの診療のご案内

免疫が弱い可能性がある方は、かかりつけ医からの紹介状を持参し免疫科外来へお越しください。すでに慢性肉芽腫症と診断され、国立成育医療研究センターでの治療をご希望される場合は、主治医の先生と相談していただき、主治医の先生から国立成育医療研究センターへの連絡をお願いしてください。

免疫科外来は月曜日午前、水曜日午前午後、金曜日午後です。あらかじめ、ご予約をお願いいたします。

外来は、すべて予約制ですので、当院で受診される方は『事前予約』が必要です。

国立成育医療研究センターでは、事前予約制を導入しております。国立成育医療研究センターでの受診を希望の方は他院からの診療情報提供書(紹介状)をお手元にご用意の上、予約センター(電話 03-5494-7300)で予約をお取りになってからご来院ください(予約取得時に、紹介状の確認をしております)。詳しくは、予約センターにお問い合わせください。

予約センター (直通)

03-5494-7300

月~金9時~17時 (祝祭日を除く)にお電話ください。

※他施設入院中の患者さんへ

  • 国立成育医療研究センター受診時に他施設入院中の患者さんの診察料は自費扱いとなります。
  • ご家族のみでご来院の場合も、同様の扱いとなります。
  • 他施設で診断され、国立成育医療研究センターへの受診を希望される場合は、主治医の先生と相談し、国立成育医療研究センターへ紹介していただくようお願い致します。紹介状は、必ずご持参くださいますようお願いいたします。

他の医療機関からの問い合わせ先(患者転院の御依頼)

転院に際して、以下の準備をお願いします。

  • 診療録(必要な情報を含む箇所)のコピー
  • 紹介状(時間的余裕がない場合は結構です。)
  • 血液検査結果、X線検査などの画像検査のコピー