国立研究開発法人 国立成育医療研究センター National Center for Child Health and Development

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鶏卵アレルギーの発症を予防し 炎症皮膚から侵入しても感作されにくい卵白分解物を発見

< お詫びと訂正について >

本リリースの本文おきまして、一部誤解をまねく表現がありました。深くお詫び申し上げるとともに以下のように訂正させていただきます。

【1ページ 4行目】
(訂正前)「食品加工用のたんぱく分解酵素で分解した卵白は未分解の卵白より安全であり~」

(訂正後)「食品加工用のたんぱく分解酵素で分解した卵白は、鶏卵アレルギーモデルマウスに投与した場合に未分解の卵白より症状が誘発されにくく~」


国立成育医療研究センター研究所(所在地:東京都世田谷区、理事長:五十嵐 隆)の免疫アレルギー・感染研究部 松本 健治部長、日本ハム株式会社(本社:大阪市北区、代表取締役社長:畑 佳秀)および、高知大学医学部小児思春期医学教室(所在地:高知県南国市、藤枝 幹也教授)らは、マウスを使った共同研究により、食品加工用のたんぱく分解酵素で分解した卵白は、鶏卵アレルギーモデルマウスに投与した場合に未分解の卵白より症状が誘発されにくく、かつ未分解の卵白と同等の鶏卵アレルギー発症予防効果を持つことを明らかにしました。
この卵白分解物は、既に鶏卵アレルギーを発症しているマウスに投与しても未分解の卵白に比べてアレルギー症状を起こしにくく、さらに皮膚から体内に侵入してもアレルギー症状を引き起こす原因となるIgE抗体を作りにくいといった特長があることを明らかにしました。今後、より安全性の高い食物アレルギー予防法の確立に貢献するものと期待されます。
なお、本研究成果は、2022年4月18日に国際学術雑誌「Allergology International」にてオンライン公開されました。

研究成果の概要

  • 本研究では、卵白を食品加工用のたんぱく質分解酵素で加水分解することにより様々な卵白分解物を作製し、それらを動物モデル(マウス)を用いて検証しました。すると、① 離乳時期のマウスに経口投与することで、鶏卵アレルギーの発症を抑制する卵白分解物を見出しました(図1)。
  • さらに検証を進めた結果、②既に鶏卵アレルギーを発症しているマウスに投与しても、分解前の卵白に比べてアレルギー症状を引き起こしにくく(図2)、③炎症を人為的に引き起こした皮膚に貼付しても、IgE抗体を産生しにくい(図3)ことを確認しました。
  • 最終的に、上記①~③の3つの要素が揃った卵白分解物2種を同定しました。
  • これまでにも、アレルゲンを酵素で加水分解するとアレルギー症状の低減効果があることは知られていましたが、アレルギーの発症を予防し、かつ炎症皮膚から侵入しても感作されにくい卵白分解物を明らかにしたのは本研究成果が初めてです。
  • 今回発見した卵白分解物は、より安全性の高い食物アレルギー予防法の確立に繋がる可能性があります。
鶏卵アレルギーの発症を予防し 炎症皮膚から侵入しても感作されにくい卵白分解物を発見

発表論文情報

タイトル:「Protease-digested egg-white products induce oral tolerance in mice but elicit little IgE production upon epicutaneous exposure」

著者:Ayako Yamada a,b), Takanori Hasegawa b), Mikiya Fujieda c), Hideaki Morita a,d), Kenji Matsumoto a)

所属:a) Department of Allergy and Clinical Immunology, National Research Institute for Child Health and Development, Tokyo, b) R&D Center, NH Foods Ltd., Ibaraki,  c) Department of Pediatrics, Kochi Medical School, Kochi University, Kochi, d) Allergy Center, National Center for Child Health and Development, Tokyo, Japan

DOI:https://doi.org/10.1016/j.alit.2022.03.006

掲載誌:Allergology International