国立研究開発法人 国立成育医療研究センター National Center for Child Health and Development

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世界初!産後の自殺予防対策プログラム「長野モデル」を開発 ~産後の母親への自殺予防効果が証明される~

国立成育医療研究センター(所在地:世田谷区大蔵 理事長:五十嵐隆)こころの診療部 乳幼児メンタルヘルス診療科の立花良之診療部長らの厚生労働科学研究班グループは、長野県長野市の母子保健関係者と協働し、妊産婦の自殺予防のための地域母子保健システム「長野モデル」を開発しました。これは、地域母子保健の中で、産後の全ての母親に対して自殺予防に留意したスクリーニングと、必要に応じた介入を行うものです。このような産後自殺予防対策プログラムの開発は、世界で初めてとなります。さらに、「長野モデル」のシステム開始により、産後の母親の自殺念慮(自殺を考えること)、産後のメンタルヘルスが統計的に有意に改善し(図1)、その有効性が実証されました。
「長野モデル」では、まず、新生児訪問時に保健師がエジンバラ産後うつ病質問票1)を使って、全ての母親に対し自殺念慮のアセスメント(評価)を行います。次に、そこで自殺念慮を認めた際には心理的危機介入を行い、保健師・精神科医・産科医・助産師・看護師・小児科医・医療ソーシャルワーカーなど、多職種のチームでフォローアップを行うものです。(図2)
「長野モデル」のような、自殺念慮に対する早期の、さらに多職種による介入が広がっていくことで、産後うつ病などによる多くの妊産婦の自殺を減らし、母子心中などによる乳児の命を救うことができると考えます。
この論文は、国際学術雑誌「BMC Psychiatry」に掲載されました。
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プレスリリースのポイント

・「長野モデル」は、妊娠期から多職種が連携して介入する自殺予防対策のための母子保健システムで、世界初のモデルです。

・「長野モデル」では、地域全体の産後の母親の自殺念慮を改善し、また産後のメンタルヘルスを向上させる効果が明らかになりました。

・産後のメンタルヘルス向上の効果は、産後3〜4ヶ月時にとどまらず、産後7〜8ヶ月時まで持続していました。

・自殺予防学の知見を母子保健の領域に応用し、保健師などが自殺念慮を認めた母親に心理的に寄り添い、支えるということも新しい取り組みです。

・「長野モデル」は、新たな資源や資金(新たな保健師などの増員や、妊産婦自殺対策の予算、対策のための建物)を必要とするものではなく、現在の母子保健システムのリソースを活用するだけで、妊産婦の自殺予防やメンタルヘルスを向上させる効果が期待できます。

・「長野モデル」が行っている、早期の、多職種による妊産婦への介入が国内多くの地域にに浸透していくことで、妊産婦の自殺を防止、また母子心中による乳児の命を救う効果も期待されます。

発表論文情報

・著者:立花良之1、 小泉典章2、 三上剛史3、 鹿田加奈4、 山下さや香4、清水三重子4、町田和世4、 伊藤弘人5

・所属:1国立成育医療研究センターこころの診療部乳幼児メンタルヘルス診療科、
2長野県精神保健福祉センター、
3国立成育医療研究センター臨床研究センターデータ管理室、4長野市保健所、
5労働者健康安全機構

・題名:An integrated community mental healthcare program to reduce suicidal ideation and improve maternal mental health during the postnatal period: The findings from the Nagano trial.

・掲載誌:BMC Psychiatry (Accepted)

担当診療科


本件に関する取材連絡先

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