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ANR (advanced neuroblastoma research)参加報告

小児がんセンター長
松本 公一

ANR (advanced neuroblastoma research) は世界中の神経芽腫の研究者が2年に1回集結する国際学会で、内科、外科、そして研究者のよいハーモニーのもとに、小児がんの代表である神経芽腫の治癒を目指そうとしています。今年は、ケルン大学のBerthold先生の主催で、5月13日から16日まで、ケルン国際会議場で行われました。参加者は世界中から600名あまり。日本は、50名近くの参加があり、ドイツ、アメリカに次いで3番目に多い出席者数でした。
話題は、神経芽腫の免疫療法です。ヨーロッパのグループと、アメリカのグループからGD2抗体の臨床試験の結果が報告されていましたが、免疫療法の限界についても考えさせられる発表内容でした。レチノイン酸との併用は、海外ではスタンダードですが、日本では、レチノイン酸すら保険で認められていません。先ごろようやく、GD2抗体の臨床試験が始まったばかりで、その意味では周回遅れの印象があります。COGの成績を発表されたAlice Yu先生とは、GD2ワクチンの共同研究の可能性について議論を交わしました。
JNBSG(日本神経芽腫研究グループ)としては、遅延局所療法の発表とNB-HR07の成績を報告してきました。また、当院フェローの山崎文登医師が、成育医療研究センターにおける高リスク治療の経験を報告しました。日本の場合、いろいろとリソースの制限はありますが、治療成績は海外の報告に匹敵すると考えられます。何よりも喜ばしかったのは、名古屋大学の高橋義行先生が、ポスターアワードを受賞したことです。日本ではKIRミスマッチの臍帯血移植が進んでおり、その先駆的な取り組みが評価されたのです。
ケルン大聖堂は作り上げるまでに600年以上かかったと言います。時間をかけても、よいものを作ってゆくという精神を、私たちは見習うべきであると感じました。次回のANR2016は、オーストラリアのケアンズで行われます。日本から、よい発表ができるように今から準備が始まります。

懇親会場にてBerthold会長(中央)、Garrett先生、Pearson先生との画像
懇親会場にてBerthold会長(中央)、Garrett先生、Pearson先生と

 ロサンゼルス小児病院Shimada先生(中央)との画像
ロサンゼルス小児病院Shimada先生(中央)と

Yu先生、Chan先生(左より)とともにの画像
Yu先生、Chan先生(左より)とともに

ポスター発表にての画像
ポスター発表にて
 の画像
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