代表: 03-3416-0181 / 予約センター(病院): 03-5494-7300
〈月~金曜日(祝祭日を除く)9時〜17時〉

  • アクセス・交通案内
  • 予約センター
  • MENU

コロナ禍の今、あらためて伝えたいお子さんと妊婦さんのためのQ&A

新型コロナウイルスの流行から、約2年。先の見えない不安や生活様式の変化に、大きなストレスを感じている方も多いと思います。そこで、感染対策や症状、こころについてなど、皆さんが疑問に思っていることついてあらためて情報発信できたらと考えています。是非ご覧下さい。


※2022年2月現在の情報を元に公開しています。

感染対策について(感染症科)

こころについて ~子どもとご家族~(こころの診療部)

身体について(眼科、耳鼻咽喉科)

妊婦さんについて(妊娠と薬情報センター)

感染対策について(感染症科)

これまでのデータから分かるコロナウイルスについて教えてください。(症状や感染対策、変異株、コロナ初期と変わったことなど)

流行初期の頃と比べると、感染力が強いデルタ株が主流となった第5波ではたくさんの方が感染しました。高齢者を中心に新型コロナワクチンが普及したことで、高齢の患者が減り、相対的に20-30代の若い成人に感染の中心が移りました。第5波では10代、10才未満の小児患者の割合も、それ以前より高くなりました。
一方、デルタ株よりもさらに感染力が強いオミクロン株が主流となった第6波(2022年1月~)では、これまでとは比べものにならない速さで感染拡大が起こり、感染者数も急激に増加しています。感染の中心もより若年に移っており、小児や妊婦さんでの感染拡大が大きな問題となっています。
症状に関しては流行初期から大きくは変わっておらず、発熱、咳、鼻汁などの一般的な風邪症状に加え、頭痛、倦怠感、下痢などの症状も認めることがあります。また特徴的な症状としては嗅覚・味覚の異常があり、これは小児にも認めうることがわかっています。また第6波以降、小児では新型コロナに伴うクループ症候群や熱性けいれんなども経験するようになってきました。とはいえ、小児は成人に比べると全体的に軽症で、無症状の場合も多いことに変わりはありません。
※自宅療養をされている方は、「新型コロナウイルスに感染したお子さんが「自宅療養」される際のポイント」のページをご覧ください。

マスクができない子どもへの感染症対策はどうすればいいですか?

2歳未満のお子さんへは、呼吸などへの負担も大きいのでマスクの着用は厳禁です。それ以上の年齢のお子さんはマスクを着用できますが、小さなお子さんの場合は大人が見守れる環境でつけるようにしましょう。マスクを嫌がるお子さんもいらっしゃると思います。マスクを嫌がって外すために顔を必要以上に触ってしまうと、感染リスクを高めてしまう場合もあります。マスクを嫌がらないように、可愛い柄のものや、耳が痛くなりにくいゴムのものなどを選んでもよいかもしれません。どうしてもマスクを嫌がる場合は、無理につけさせず、密をさける、外出時・帰宅時・食事前後などタイミングをみて手洗いをしっかりする、まわりの大人が飛沫を飛ばさないようにマスクをしっかりつける、など通常の感染症対策を心掛けてください。

マスクに効果はあるのですか?

2021年度にスーパーコンピューター「富岳」を使った「市販マスクの性能」を調べる調査では、下記のような結果が示されました。不織布マスク(マスクを隙間なく顔に当てた場合)では、吐き出しで82%の飛沫を防げ、吸い込みでは75%防げるようです。新型コロナウイルスの主な感染経路は、飛沫感染なので、マスクには一定の予防効果があると言えます。また、学校でのマスク着用が新型コロナ感染症を半減させる効果があったとする研究結果もでています。布マスクやウレタンマスクの効果は限定的ですので、できるだけ不織布マスクを、隙間なく顔にフィットさせるように着用するようにしましょう。

マスクの種類ごとの飛沫を防ぐ効果の表

【マスクの種類ごとの飛沫を防ぐ効果】

(提供:豊橋技科大)

医療的ケア児の感染対策で、特に気を付けた方がいいことはありますか?

子供の感染経路で最も多いのは家族からの感染です。医療的ケア児は、ケアに伴う接触が濃厚となりやすく、養育者がコロナに感染するとウイルスを移してしまうリスクも高まる可能性があります。保護者の皆様含め、同居家族の方は基本的な感染対策(できるだけ密を避ける、外出時は、不織布マスクを着用する、こまめに手洗いをするなど)を徹底し、できるだけ家庭内にウイルスを持ち込まないようにしましょう。また、医療的ケア児は新型コロナウイルス感染症にかかった場合に、重症になりやすい可能性があります。体調が悪そうなときは早めにかかりつけ医に相談して下さい。

子どものワクチン接種について教えてください。(安全性や副反応、リスクについて)

新型コロナワクチンには何種類かありますが、現在日本でもっとも一般的に使用されているのはメッセンジャーRNAワクチンというタイプのワクチンです。新型コロナウイルスに感染することを防ぐ効果、感染したとしても発症するのを防ぐ効果、発症したとしても重症化を防ぐ効果は極めて高いことがわかっています。現在の主流であるオミクロン株についても、成人においては発症予防効果や入院予防効果が確認されています。
一方で接種後の発熱や接種部位の痛みはそれなりの頻度で発生することもわかっています。重篤な副反応が起こることは極めて稀であり、少なくとも成人に関しては接種するメリットがデメリットをはるかに上回る状況ですので、接種をご考慮下さい。稀な副反応としてワクチンに伴う心筋炎・心膜炎の可能性が指摘されて、ご心配な方もいらっしゃるかと思います。こちらは10-20代の男性に多いことがわかっていますが、それでも頻度としては10万-数十万接種に1例と極めて稀であること、新型コロナウイルス感染症に罹患した場合はもっと高い頻度で心筋炎・心膜炎がおこることが知られていることから、引き続きワクチンの接種が推奨されています。モデルナ社のワクチンに比べてファイザー社のワクチンの方が頻度が低いため、10~20代の男性はファイザー社のワクチンを接種することが推奨されています。女性の方、男性でも30代以上では発生頻度が低く、どちらのワクチンでもよいとされています。また5歳~11歳については、12歳以上に比べて、発熱や心筋炎などの副反応は少ないことがわかっています。

子どももワクチンを打ったほうがいいですか?

新型コロナワクチン接種が可能なのは5歳以上お子さんです。(接種可能な年齢については今後変わる可能性があります)。一言で「子ども」と言ってもそれぞれ状況は違うと思います。例えば、基礎疾患のあるお子さんなら、新型コロナウイルスに感染した際の重症化リスクが高くなるため、主治医と相談の上ワクチン接種の検討をお勧めします。日本小児科医会が、「新型コロナウイルスワクチン接種に関する、小児の基礎疾患の考え方および接種にあたり考慮すべき小児の基礎疾患等」というページを公開していますので、ご参考になさってください。

また基礎疾患がなくても、例えば「受験がある」といった人生における重要なイベントが控えている場合などは、ワクチン接種を検討してもよいかもしれません。現在主流となっているオミクロン株では、10歳未満の感染者の割合が増加しています。感染者数が増加すれば、それに伴って重症化してしまうお子さんも増えてくる可能性があります。こういった感染状況を考慮することも大切です。
健康なお子さんたちに広く新型コロナワクチンを接種すべきなのかについては現在検討が進められているところです。5歳~11歳に対する接種の考え方については日本小児科学会の提言がでていますので参考にしていただければと思います。
子どもは家庭内で感染することが多いことからも、まずは、お子さんに感染させないためにも大人がワクチン接種を進めていく事が重要です。お子さんの接種を考える場合には、メリット・デメリットをお子さん本人に分かる言葉で十分に説明し、本人の意思を尊重して、お子さんと保護者が一緒に接種するかどうかを決めることが重要と考えます。

手洗いや消毒をよくすることによって、自己免疫の低下といった影響はあるのでしょうか?

手洗いや消毒によってご自身の免疫力が低下するということはありません。新型コロナウイルス感染症や他の風邪にかからないために、しっかりと感染防御に取り組んでいただければと思います。

子どもが熱を出した時はどうしたらいいですか?普通に病院に行っていいでしょうか?

お子さんは急に熱を出すことも多く、とても心配が多いと思います。また、新型コロナウイルスに感染しているかもしれないという不安もあるとなおさらです。まずは落ち着いて、かかりつけ医や発熱相談センターなどに電話して状況を伝え、指示に従って行動してください。子どもは新型コロナウイルス感染症にかかっても、軽症なことが多く過度な心配は必要ありません。ただ、第6波となってから新型コロナウイルス感染症に伴ってクループ症候群や、熱性けいれんを伴うお子さんをみかけるようになってきました。
そして、基礎疾患がある場合や、新型コロナウイルス以外の感染症にかかっている場合には早急な治療が必要な場合もありますので、具合が悪そうな時や、顔色が悪い時、息苦しそうな時、食事や水分が充分とれていない時、遊ぶ元気がない時、いつもと様子が違って心配と思われる時などの場合はすみやかに病院を受診するようにしてください。

オミクロン株で子どもの感染者も増えていましたが、子どもでも重症化するのでしょうか?

現在の主流であるオミクロン株については、成人も小児も重症化リスクは低いとされています。ただし、オミクロン株は感染力がデルタ株よりも強く、感染者数が急激に増えました。感染者全体に占める小児患者の割合も増加しているため、小児の感染者数の絶対数が増えると、重症化してしまうお子さんの絶対数も増える可能性があります。
また、オミクロン株ではクループ症候群や、熱性けいれんを伴うお子さんをみかけるようになってきました。これらは、小児の患者さんにおいては注意が必要ですので、自宅療養をされている場合は、しっかりとお子さんの様子を観察することが大切です。

子どもの感染者は、どのような症状がでますか?

お子さんの感染者にみられる症状は、発熱、咳、鼻水など、成人の感染者と同じです。ただし、小児は成人に比べてこれらの症状が出現する頻度は少なく、無症状の場合も多いことがわかっています。また新型コロナウイルス感染症に特徴的といわれている嗅覚・味覚の異常は、10代の子どもでは成人と同じくらいの頻度でみられる可能性があります。
オミクロン株流行期の特徴としては、クループ症候群※1や、熱性けいれん※2を伴うお子さんをみかけるようになってきました。お子さんのご機嫌、食欲、顔色、呼吸のようす(息苦しそうでないか、胸がべこべこへこむような呼吸になっていないか)、意識はおかしくないかなどを観察して、少しでも違和感がある場合はすみやかにかかりつけ医に相談してください。

※1:クループ症候群

のどの奥(声をだすための声帯があるあたり)が感染により腫れてしまうことで、声がかすれたり、息を吸うときにヒューヒューする音がでたり、犬の鳴き声のようなケンケンするかん高い咳がでたりする病気です。生後6か月から3歳くらいまでのお子さんに多い病気です。いろいろな呼吸器ウイルスの感染が原因となりますが、新型コロナウイルスでも起こりうることが報告されています。ひどくなると息苦しくなってしまい、空気の通り道を広げるための吸入や、炎症をおさえるステロイドを投与するなどの治療が必要となります。クループ症候群を疑う症状がでた場合は、はやめに病院を受診しましょう。

※2:熱性けいれん

お子さんが発熱した際におこる、けいれん発作です。多くの場合は数分程度でおさまり、後遺症なども残さないので過剰な心配は不要ですが、髄膜炎など別の病気が隠れていないか判断する必要があるのでけいれんした場合はすぐに病院を受診しましょう(救急車を呼んでかまいません)。けいれんした場合はできるだけ落ち着いて、お子さんを横向きに寝かせ、もし吐いてしまった時に吐物で気道をふさがないようにしましょう。通常の熱性けいれんは5歳くらいまでが多く、特に1歳~2歳が最も起こりやすいといわれています。ただし、新型コロナウイルス感染症に関連して6歳を越える年長児の熱性けいれんを経験しておりますので、お子さんの年齢に関わらず気を付けていただければと思います。

子どもが感染した場合の治療はどのように行われるのですか?治療薬はありますか?

お子さんが感染しても、多くの場合は軽症か無症状なので、対処療法以外の治療が必要になるケースはかなり少ないと考えられます。ただ、基礎疾患をお持ちなど、重症化するリスクがある場合は注意が必要です。稀ですが呼吸が苦しくなった場合は酸素投与をしたり、新型コロナウイルス感染症に対する治療薬を使用したりすることもあります。抗ウイルス薬の「レムデシビル」やステロイド薬である「デキサメサゾン」は小児にも投与可能です。また新型コロナウイルスに対する抗体製剤である「カシリビマブ/イミデミマブ」や「ソトロビマブ」は12歳以上に投与可能とされています。ただし繰り返しになりますが小児の新型コロナウイルス感染症でこのような治療が必要になるケースは稀ですので過剰な心配をする必要はありません。お子さんに対する治療では、それぞれのお子さんの基礎疾患や症状をみて、治療薬を使うことのメリットとデメリットを考えながら判断することになります。

子どもが感染した場合の自宅療養について教えてください。

当センターでは、お子さんが新型コロナウイルスに感染した場合を想定した、「新型コロナウイルスに感染したお子さんが「自宅療養」される際のポイント」のページを制作しています。ご覧ください。

こころについて~子どもとご家族~(こころの診療部)

友達と話せなかったり、自由に外で遊べなかったり、コロナ禍のストレスは子どもの心に将来的にどんな影響を及ぼしますか?

ここまで長期間に渡って子ども達の心にストレスがかかり続ける状況はあまりなく、残念ながらエビデンスのある解答はまだできません。ただ、9月に報告されたメタ解析の結果では、子どもの不安と抑うつはコロナ前と比較し2倍に増えた、という報告もあります。今、お子さんたちのためにできることは、子どもが出しているSOSを見落とさずに気づいてあげることです。落ち込んでいる、学校へ行きたがらない、ご飯を食べない・食べて吐く、イライラしている、自分を責めるなど、普段と違ったことが少しでもあったら、資料「とどけ こころをつなぐ 子どものケア(前半)」「とどけ こころをつなぐ 子どものケア(後半)」をご参照ください。コロナ禍でストレスもたまり、不安を抱えている中でも、お子さんのために安心できる場所を作ってあげることが大切です。

フィジカルディスタンスやマスクを常につける生活で、子どもとのコミュニケーションがうまく取れないこともあります。どうしたらいいですか?

この心配は多くの方がされています。マスクが子どもたちのコミュニケーションに及ぼす影響については、まだお答えするのが難しい段階です。ただ、人と人とのコミュニケーションは口鼻周りの表情だけではないので、声のトーン、抑揚ある話し方、アイコンタクト、ジェスチャー、スキンシップといったコミュニケーション方法を以前よりも大事にされるといいと思います。

子どもが新型コロナウイルスをとても怖がっています。どうしたらいいですか?

このような先行きが予測不能で生活変化を強いられる状況では子どもも不安になります。大人も同じです。まずは、子どもに新型コロナウィルスのことをしっかり説明しましょう。そのうえで、みんなでできる予防対策に関して子どもと一緒に話し合ってみましょう。その中に子どもの誤解があれば丁寧に修正してみてください。さらに子どもが年少であるほど、大人の不安が子どもに影響します。かかわる大人自身のセルフケアを心がけていただくことも重要です。

ストレス発散法を教えてください。

こころの診療部では、ストレスとはなにか?その発散方法はどうやったいいのか?といったリーフレットをまとめています。ご覧ください。詳しくは、「新型コロナウイルスと子どものストレスについて」のページをご覧ください。

子どもがネットを情報源としていて、時に間違った情報を信じています。どうしたらいいですか?

いまいちど、SNSリテラシーに関して子どもと話しあってみてください。 また、間違った情報を調べ信じていることに気づいた場合は、頭ごなしにそれを否定するのではなく、一緒に話し合い正しい情報を取り入れられるように援助してみてください。

子どもがコロナ太りを気にしてあまりご飯を食べてくれません。どうしたらいいですか?

コロナ禍でも変わりない日常を大切にしていくことはとても大事です。3食の食事、睡眠、適度なレクレーションなどが日常にあたるかもしれません。食事をとる=コロナ太り、ではないことを確認し、その認知を修正しながら、適切な栄養を楽しくとれるような食環境を整えられるよう心掛けてみてください。それでも、体重減少が著しく、食べない状況が続く場合は、かかりつけの小児科に相談してみてください。

保護者の不安やストレス解消法について教えてください。

当センターでは「親子でできるストレス発散法」や、「子育て中の方に向けたリーフレット」を制作しています。是非、ご覧ください。

テレワークと休校などが重なった時は、子どもとずっと一緒にいてストレスが溜まり子どもを叱ってしまうこともありました。ダメな親でしょうか?

このようなコロナ禍では大人のストレスもたまります。しかも仕事と育児を同時にこなさないとならない状況は本当に大変なこととお察しします。ぜひ、子どもと一緒の時間以外に、セルフケアとして一人の時間を大切になさってください。子どもに「ちょっとストレス発散してくるね、待っててね」とか「その間、これをしていてね」などと話し、子どもにも役割をもってもらうこともよい方法です。子どもが待ってくれたらたくさんほめてあげてください。そして、セルフケアしているご自身にも自信をもってほしいと思います。

子どもが生まれたばかりで新型コロナになり、怖くて外に出られず気分が沈んでしまいます。どうしたらいいですか?

ご出産されたばかりなのですね。心身ともに負荷がかかってもおかしくはないかとお察しします。ご自身の好きなことや、つながっている友人や親族、ご主人にも相談しながら、屋内でもできるセルフケアなどをお勧めします。 ただ、1日中気分が沈んでこれまで楽しめていたことに関心や興味がなくなるなどという状況が2週間ほど続く場合、うつ病なども心配です。このときは、必ずおひとりで抱え込まず、ご出産された産科医や心療内科、保健師などにご相談ください。


身体について(眼科、耳鼻咽喉科)

オンライン授業になったり、また、ゲームをするためにスマホやタブレットばかり見ています。子どもの視力などに影響はありませんか?

6歳までのお子さんは、さまざまな視覚の機能が未発達です。感受性の高い乳幼児期から6歳までは、小さな画面ばかりを長時間凝視することで、正常な視機能の発達が損なわれるおそれがあります。そうしますと、将来、眼鏡をかけても良く見えない、立体的にものをとらえるのが苦手、眼を動かしたり、ピントを合わせるのが不得意、などの困った症状が一生続くことになりかねません。

とくに注意したいのは、スマホやタブレットなど、画面の小さいデジタルデバイスを過剰に使用することがきっかけで起こる「急性内斜視」です。「急性内斜視」は、目の内側と外側の筋肉のバランスが崩れて、黒目が内側に寄ってしまう疾患です。放置すると、両眼でものを立体的にみることができなくなってしまいます。当センターの眼科でも、コロナ前からスマホなどの使用により「急性内斜視」で外来を訪れる患者さんが増えています。デジタルデバイスを使う際は、下記のことに十分注意してください。

  • 2歳までは使わせない、6歳までは一人で機器を持たせず家族と一緒に視聴する
  • できる限り大きな画面で見る
  • 画面と目は、25センチ以上離す
  • 30分使用したら、5~10分休憩をとる

一方、学校に入るころには、視機能の発達はおおかた完了していますが、この時期にスマホやタブレットを多用することで近視が進んでしまうことがわかっています。特に6~8歳頃までは目の奥行き(眼軸)が伸びて近視が急速に進む感受性期間にあたり、悪い生活習慣を続けないよう十分な注意が必要です。近視が進むと、大人になってから緑内障や黄斑変性など、失明の危険のある病気になる確率が高くなってしまいます。

また、「ブルーライトカットのメガネをすると目に良い」と考えられている保護者の方も多いかもしれません。ただ最新の研究では、ブルーライトカットのメガネに眼精疲労などを軽減させる効果はないことが報告されています。デジタルデバイスなどから発せられるブルーライトは、曇りや窓越しの自然光よりもはるかに少ないため、必要のないブルーライトカットメガネを子どもにつけさせることは、子どもの発育に悪影響が出る可能性もあるので注意して下さい。

子どもが部屋でゲームをするときなど、イヤホンを長時間使っています。聴力への影響はありますか?

イヤホンやヘッドホンで耳を閉鎖した状態で音を聞くと、音響外傷(ヘッドホン難聴)になることがあります。聞こえの仕組みは、音の振動が鼓膜や耳小骨を揺らして大きな振動となり、それが内耳に伝わります。振動は内耳の中にある有毛細胞の聴毛を動かし、音の振動を電気信号に変換して脳に伝達します。長時間大きな音を聴くことは、大きな振動に長時間さらされることになるため、聴毛が傷ついてしまうことがあり、音が聞こえにくくなったり、耳鳴りがするようになります。一度傷ついた有毛細胞が再生することはありませんので、聞こえが改善することもありません。お子さんが長時間イヤホンやヘッドホンを使用しないように、大人がしっかり見守ってあげることが大切です。

音量はdB(デシベル)で表し、数が大きいほど大きな音になります。私たちが普通に会話する音量が50-70dB程度ですが、80dBというとかなり大きな声や交差点の騒音くらいになります。このくらいの音を数時間続けて聞くと耳の症状が出現する可能性が高くなってきます。目安としてはイヤホンで音を聴いていても会話ができる程度まで音量をさげましょう。

  • いつも一定の音量(普段の会話程度)以下に下げてイヤホンを使う
  • 小さなお子さんの場合は、なるべくイヤホンやヘッドホンは使わない
  • 騒がしい所では使わないようにする
  • 長時間使用することのないように適宜耳を休ませる
などに注意して、耳に違和感があるようなら早めに耳鼻咽喉科を受診させるようにしましょう。


妊婦さんについて(妊娠と薬情報センター)

妊娠中、授乳中にワクチン接種をしてもいいですか?

妊婦さんが新型コロナウイルスに感染すると、感染していない妊婦さんと比べて重症化する割合や早産などが多いとの報告もあり、ワクチン接種が勧められます。日本産科婦人科学会や厚生労働省の提言では、妊婦さんは、妊娠のいずれの時期であってもワクチンを接種することが推奨されています。また、授乳中のワクチン接種も可能です。妊娠と薬情報センターでは、妊婦さん、授乳婦さんがワクチン接種を考える時に参考にしていただける専用のページを設けていますのでご覧ください。

今、妊娠しても大丈夫でしょうか?

妊娠を計画中の方にとっては、今、妊娠してもいいのか悩ましいと思います。しかし、妊娠中に新型コロナウイルスに感染した場合であっても、流産や赤ちゃんの先天異常の頻度が高くなったという報告はこれまでにありません。ただし、妊娠中後期の感染では、早産(37週未満)の頻度が高かった、新生児がNICU(新生児集中治療室)への入室を必要とする事例が多かったと報告されていますので、妊娠を希望される場合は、できるだけ妊娠前に家族皆でワクチン接種を行うなどの、しっかりとした感染症対策を行いましょう。
※より詳細な、妊婦さんに向けたFAQもありますのでご覧ください。

ページトップへ戻る