共同研究管理室
研究室紹介
当センターにおける各研究者の研究活動が円滑に進むよう、共同研究設備・共通研究機器の管理運営および共同研究の調整を行っています。研究面では小児期の発育形成異常疾患や小児腫瘍の原因遺伝子の機能と作用機序を解析することで、遺伝子診断・治療への応用研究に貢献したいと考えています。研究所の共同研究区域を有効かつ効果的に利用できるよう、支援を行っています。共同研究区域の管理業務の一環として、全研究職員の協力のもとに、運営を行っています。さらに、最新技術や最新機器(有用な共通機器、技術、ソフトウェア)を紹介しています。
研究内容
- 発育形成不全の原因遺伝子の解明と機能解析
小児期の発育形成異常疾患は、発生・分化の異常によるものが多く、その責任遺伝子の同定・機能解析等の基礎的研究は、疾患の解明・診断治療に不可欠な要素の1つと考えられます。眼や腎などの形成不全症、神経変性疾患などについて責任遺伝子を探求し、変異を同定して病態との関係性を解析しています。特に、発生・分化時に作動する転写調節因子の変異が多様な病態を呈する事実を見出し、その作用機序を解析しています。 - 小児腫瘍の原因遺伝子の機能解析
小児腫瘍の1つであるウィルムス腫瘍や網膜芽細胞腫、神経芽細胞腫、白血病などについて原因遺伝子を探求し、変異を同定して病態との関連性、および遺伝子機能を解析しています。ウィルムス腫瘍の原因遺伝子WT1は泌尿生殖器系の他、網膜の発生・分化にも関わるとされ、組織特異的かつ一過性の発現をし、癌抑制遺伝子と癌遺伝子という二面性の機能をもっており、造血細胞のセルフリニューアルにも関わっています。p53は、網膜芽細胞腫の原因遺伝子Rbと共に普遍的に発現する癌抑制遺伝子であり、両者は、iPS細胞やES細胞の再プログラミングの抑制、細胞系譜の運命決定にも関わっています。