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風疹ウイルスに対する自然免疫応答の仕組みを解明 ~先天性風疹症候群(CRS)・風疹ウイルス脳炎の病態解明や臨床応用へ期待~

国立成育医療研究センター(所在地:東京都世田谷区大蔵、理事長:五十嵐隆)研究所 免疫アレルギー・感染研究部の中村浩幸室長らの研究グループは、風疹ウイルスがヒト神経系細胞に感染した際、細胞がどのように風疹ウイルスを感知し、ウイルスの増殖を抑制する働きがどのようにあらわれるのかを明らかにしました。 本研究では、培養したヒトの神経系細胞に風疹ウイルスを感染させ、細胞内でどのような変化があるかを分析しました。その結果、細胞内ではMDA5という蛋白質が風疹ウイルスを感知し、その後MAVSやTBK1/IKKεなどのタンパク質を介して抗ウイルス応答につながる情報を伝えていることが分かりました。さらに、風疹ウイルスを感知した細胞は、インターフェロン βを放出し、インターフェロン誘導遺伝子の発現を増強させるなどの応答を示しました。この応答は、風疹ウイルスの増殖を抑制する上で重要な役割を果たしていました。 風疹ウイルスには有効な抗ウイルス薬がまだ開発されておらず、本研究成果は、今後、創薬などの分野、先天性風疹症候群(CRS) の病態解明などでの貢献が期待されます。 研究成果は、スイス科学雑誌『International Journal of Molecular Sciences』のオンライン版に公開されています。
神経系細胞が風疹ウイルス感染を感知し、抗ウイルス応答を発動する仕組みの図

図1:神経系細胞が風疹ウイルス感染を感知し、抗ウイルス応答を発動する仕組み

背景・目的

  • 風疹ワクチンにより先天性風疹症候群(CRS)の患者数は減少しましたが、ワクチン接種率の低い地域においてはいまだ重要課題です。また、風疹ウイルスに有効な抗ウイルス薬はなく、細胞内での自然免疫応答の仕組みの解明が求められていました。
  • CRSは胎児期の脳障害の重要な原因の一つとなっており、出生後の風疹ウイルス脳炎も重篤であることから、神経系細胞が風疹ウイルス感染に対してどのように応答しながらウイルス増殖を抑制しているのか、を明らかにする目的で研究を行いました。

発表論文情報

題名:Rubella Virus Triggers Type I Interferon Antiviral Response in Cultured Human Neural Cells: Involvement in the Control of Viral Gene Expression and Infectious Progeny Production
著者:Sayuri Sakuragi, Huanan Liao, Kodai Yajima, Shigeyoshi Fujiwara, and Hiroyuki Nakamura
掲載誌:International Journal of Molecular Sciences
論文URL:https://doi.org/10.3390/ijms23179799
DOI:10.3390/ijms23179799

本件に関する取材連絡先

国立成育医療研究センター 企画戦略局 広報企画室

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