国立研究開発法人 国立成育医療研究センター National Center for Child Health and Development

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一人で乳幼児を育てているシングルマザーの 約9人に1人が「こころの不調」の可能性 ~社会から孤立しているため、積極的な支援が必要~

国立成育医療研究センター(所在地:東京都世田谷区大蔵、理事長:五十嵐隆)研究所社会医学研究部の加藤承彦室長らの研究グループは、乳幼児を養育する母親の健康状態を、ふたり親・ひとり親、それぞれの三世代同居(祖父母、親、子の同居)のありなしで分けて分析を行いました。分析には、厚生労働省が実施している国民生活基礎調査の2016年データを用いました。対象者は、全国の5歳以下の子どもがいる19,139世帯の母親で、内訳は、「ふたり親世帯」で「三世代同居なし」が80%、「あり」が15%、「シングルマザー世帯」で「三世代同居なし」が3%、「あり」が2%です。
 こころの健康状態を評価するK6尺度*を用いて分析した結果、こころの不調の割合は、一人で乳幼児を養育しているシングルマザーの群では11%で、親と同居しているシングルマザーや、ふたり親世帯の母親と比べて高い傾向がありました。また、ひとりで養育しているシングルマザーは、お金等に関する悩みやストレスがあっても、家族に頼ることができず、相談相手がいない傾向も明らかになりました。
 健康状態が悪く、社会から孤立した状態で乳幼児を一人で養育しているシングルマザーにさらなる自助努力を求めることは現実的でないため、行政が自治体のデータを活用してアウトリーチ(支援を必要としている人のところに出向いて働きかけること)をする必要が示唆されました。

*K6尺度:うつ病・不安障害などの精神疾患をスクリーニングすることを目的として、米国の Kessler らによって開発された6項目からなる尺度。合計得点が13点以上の場合、こころの不調がある可能性が高いとされる
シングルマザー図の画像

プレスリリースのポイント

  • 良好でない健康状態、睡眠不足、喫煙などの生活習慣の割合は、三世代同居でないシングルマザーの群で突出して高い
  • 三世代同居でないシングルマザーは、悩みやストレスがあると答えている割合が高く、かつ、相談できる相手がいない(家族を含む)と答えている割合が高い 健康状態や就業状況、何らかの事情で家族に頼ることができず孤立した状況で養育していることを鑑みると、三世代同居でないシングルマザーにさらなる自助努力を期待するのは、現実的ではない
  • 養育者のこころの不調や喫煙などは、子どもの成長に好ましくないことが分かっており、次世代への影響を避けるためにも自治体の積極的なアウトリーチ(支援)が必要

発表論文情報

【著者】加藤承彦1)、竹原健二2)、須藤茉衣子2)、三瓶舞紀子1)、浦山ケビン1)
【所属】1)国立成育医療研究センター研究所社会医学研究部2)国立成育医療研究センター研究所政策科学研究部
【題名】Psychological distress and living conditions among Japanese single-mothers with preschool-age children: An analysis of 2016 Comprehensive Survey of Living Conditions.
【掲載誌】Journal of Affective Disorders (2021)

本件に関する取材連絡先

国立成育医療研究センター 企画戦略局 広報企画室

03-3416-0181(代表)

koho@ncchd.go.jp

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