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先天性下垂体機能低下症の症例で新たな遺伝子変異を同定 ~原因の分からない症例において、その解明に期待~

国立成育医療研究センター分子内分泌研究部の金城健一、宮戸真美、深見真紀、新潟大学小児科の長崎啓祐、大阪大学大学院理学研究科の長尾恒治らのグループは、複合型下垂体機能低下症を伴う中隔視神経異形成症の症例で、SMCHD1遺伝子変異を同定しました。SMCHD1は従来、筋ジストロフィーや無鼻小眼球症候群の原因遺伝子として知られていました。しかし、本研究によってSMCHD1遺伝子変異が、筋肉や鼻の異常を伴わない先天性下垂体機能低下症の原因となる可能性が見いだされました。これまで原因不明とされていた下垂体機能低下症の患者さんに、SMCHD1遺伝子変異を有する方が含まれている可能性があります。また、SMCHD1はDNAメチル化制御因子であることから、 SMCHD1遺伝子変異の病態の解明は遺伝子発現制御機構の理解に役立ちます。

プレスリリースのポイント

プレスリリースのポイント

先天性下垂体機能低下症は、しばしば目や脳の形態変化を伴います。SMCHD1はDNAメチル化を制御する因子で、これまで顔面肩甲上腕型筋ジストロフィー(FSHD)とBosma無鼻小眼球症候群(BAMS)の原因遺伝子として知られていました。
 われわれは、74例の先天性下垂体機能異常症例を対象にSMCHD1を解析し、中隔視神経異形成症の1例においてミスセンス変異(p.Asp398Asn)を同定しました。この変異は、FSHDやBAMSでは見られない新規の変異でした。遺伝子異常が同定された患者さんは、鼻や眼の構造は正常で、筋力低下はありませんでした。この患者さんの血液ではSMCHD1標的領域のDNAメチル化が低下していること、変異体タンパクは野生型タンパクと細胞核内分布が異なることが確認されました。

発表論文情報

著者:
Kenichi Kinjo, Keisuke Nagasaki, Koji Muroya, Erina Suzuki, Keisuke Ishiwata, Kazuhiko Nakabayashi, Atsushi Hattori, Koji Nagao, Ryu-Suke Nozawa, Chikashi Obuse, Kenji Miyado, Tsutomu Ogata, Maki Fukami & Mami Miyado
題名:
Rare variant of the epigenetic regulator SMCHD1 in a patient with pituitary hormone deficiency
掲載誌:
Scientific Reports. 2020 (in press)

担当研究部

国立成育医療研究センター 研究所 分子内分泌研究は、こちらからご覧ください。

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