代表: 03-3416-0181 / 予約センター(病院): 03-5494-7300
〈月~金曜日(祝祭日を除く)9時〜17時〉

  • アクセス・交通案内
  • 予約センター
  • MENU
  • トップ
  • > プレスリリース
  • > 2026
  • > 無痛分娩の麻酔薬が赤ちゃんに与える影響を評価 臍帯静脈血の麻酔薬濃度・健康状態を測定し、安全性を再確認

無痛分娩の麻酔薬が赤ちゃんに与える影響を評価 臍帯静脈血の麻酔薬濃度・健康状態を測定し、安全性を再確認

国立成育医療研究センター(所在地:東京都世田谷区大蔵 理事長:五十嵐隆)産科麻酔科 の伊集院亜梨紗、佐藤正規、山下陽子、産科の梅原永能、新生児科の甘利昭一郎、薬剤部の齊藤順平らによる研究グループは、無痛分娩の麻酔薬が赤ちゃんにどのような影響を与えるのかについて研究を行いました。
本研究では、現在の無痛分娩で主流となっているPIEB(間欠的定時投与法)[1]とPCEA(患者自己調節鎮痛法)[2]という投与方法で生まれた赤ちゃんの臍帯静脈血(へその緒の中にある、胎盤から赤ちゃんへと向かう静脈血)麻酔薬濃度の測定や、赤ちゃんの健康状態などを見ることで、無痛分娩の安全性を評価しました。
その結果、PIEBとPCEAによる無痛分娩で生まれた赤ちゃんの臍帯静脈血麻酔薬濃度は、赤ちゃんの呼吸を抑制させる濃度ではなく、安全性を再確認できました。
また、持続投与で無痛分娩を行ったこれまでの研究よりも、本研究で明らかになった臍帯静脈血麻酔薬濃度は低く、PIEBやPCEAのようなボーラス投与[3]による無痛分娩は臍帯静脈血麻酔薬濃度を低くさせることに有用である可能性も示唆されました。
本研究成果は、カナダの麻酔科学会誌である「Canadian Journal of Anesthesia/Journal canadien d'anesthe´sie.」に掲載されています。

[1] PIEB(間欠的定時投与法):一定時間ごとに、決まった量の麻酔薬を機械で自動的に投与する方法。
[2] PCEA(患者自己調節鎮痛法):痛みを感じたら、妊婦さん自身がボタン操作を行うことで麻酔薬を硬膜外腔に投与する方法。ボタン1回押した場合の投与量、一定時間以内に再度ボタンを押しても投与されないロックアウト時間、1時間当たりの最大投与量が設定されている。
[3] ボーラス投与:薬を短時間にまとまった量で一気に投与する方法。

麻酔薬と無痛分娩時間の関係

プレスリリースのポイント

  • 現在主流となっている、PIEB(間欠的定時投与法)とPCEA(患者自己調節鎮痛法)という方法を用いて低濃度(これまでの約半分程度)の麻酔薬を投与する無痛分娩において、胎盤から赤ちゃんへと流れる臍帯静脈血の麻酔薬濃度を測定し、赤ちゃんに与える影響について調べました。
  • その結果、低濃度の麻酔薬を用いたPIEBとPCEAによる無痛分娩で出生した赤ちゃんの臍帯静脈血麻酔薬濃度は、赤ちゃんの呼吸を抑制させる濃度ではないことが分かり、安全性を再確認できました。
  • 出生直後の赤ちゃんの全身状態を評価する国際的な指標であるアプガースコア[4]では、出生5分後にこのスコアが7未満だった赤ちゃんはおらず、対象の新生児は全員良好な状態でした。
    お産の間、継続的に麻酔薬を投与し続ける無痛分娩で行ったこれまでの研究よりも、臍帯静脈血麻酔薬濃度は低く、PIEBやPCEAのようなボーラス投与による無痛分娩は臍帯静脈血麻酔薬濃度を低くさせることに有用である可能性も示唆されました。

[4] アプガースコア:新生児の全身状態を迅速に評価するために国際的に用いられている指標。Appearance(皮膚の色)、Pulse(心拍数)、Grimace(刺激への反応)、Activity(筋緊張)、Respiration(呼吸)の頭文字をとってAPGAR(アプガー)スコアという。各項目について、0~2で点数をつけ、7点以上を良好な状態としている。

赤ちゃんの健康状態の評価

研究概要

  • 前向き観察研究
  • 研究対象:無痛分娩で経腟分娩をした、妊娠合併症のない正期産単胎妊娠(妊娠37週以上~42週未満)の妊婦50人
  • 研究期間:2022年7月~9月
  • 麻酔方法:まず、脊髄くも膜下硬膜外併用麻酔(フェンタニル25µg)で麻酔導入。次に0.08%ロピバカインとフェンタニル2µg/mlの混合液をPIEB(45分ごとに7ml)とPCEA(7ml ロックアウト時間15分)で投与し維持管理。必要時に麻酔科医により追加投与を行う。
  • 評価指標:出生後の臍帯静脈血麻酔薬濃度、赤ちゃんの健康状態(アプガースコア、局所麻酔薬の全身毒性(徐脈、無呼吸、発作など)、呼吸補助の発生率など)

発表論文情報

タイトル:Umbilical analgesic concentrations after labour analgesia with programmed intermittent epidural bolus: a prospective observational study

執筆者:伊集院亜梨紗1、佐藤正規1、梅原永能2、甘利昭一郎3、齊藤順平4、阿部真友子1、松永渉1、山下陽子1、鈴木康之1・5、増井健一6

所属:
1:国立成育医療研究センター 産科麻酔科
2:国立成育医療研究センター 産科
3:国立成育医療研究センター 新生児科
4:国立成育医療研究センター 薬剤部
5:国立成育医療研究センター 東京女子医科大学麻酔科
6:国立成育医療研究センター 横浜市立大学麻酔科学教室

掲載誌:Canadian Journal of Anesthesia/Journal canadien d'anesthe´sie.

DOI:10.1007/s12630-025-02975-7

本件に関する取材連絡先

国立成育医療研究センター 企画戦略局 広報企画室

03-3416-0181(代表)

koho@ncchd.go.jp

月~金曜日(祝祭日を除く)9時〜17時


※医療関係者・報道関係者以外のお問い合わせは、受け付けておりません。

ページトップへ戻る