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ランゲルハンス細胞組織球症に続発する神経変性症の病変が改善〜中枢神経移行性の高いMAPK阻害薬による治療に成功〜

国立成育医療研究センター(所在地:東京都世田谷区大蔵、理事長:五十嵐隆)神経内科の早川格、放射線診療部の堤義之、薬剤部の歌野智之、小児がんセンターの坂本謙一、塩田曜子らの研究グループは、ランゲルハンス細胞組織球症に続発する神経変性症に対し、中枢神経移行性の高いMAPK阻害薬による神経症状の改善に成功しました。
ランゲルハンス細胞組織球症(LCH)は、免疫系の一部である「ランゲルハンス細胞」という細胞が異常に増殖し、骨・皮膚・臓器などに集まって、肉芽腫などの病変を形成する疾患です。多くの場合、マイトジェン活性化プロテインキナーゼ(MAPK)経路の遺伝子変異が原因となって引き起こされます。LCH関連神経変性疾患(LCH-ND)は、ランゲルハンス細胞組織球症(LCH)発症から数年後に発症する進行性の神経変性疾患で、脊髄・小脳・基底核などに病変が発生し、ふらつきや歩行障害、言語障害が発生し、患者さんの日常生活に大きく影響します。近年、LCH-NDに対するMAPK阻害薬の有効性を示す報告がいくつかあります。しかし、利用可能な多くのMAPK阻害薬の中で、どの選択肢が適切かは不明なままでした。
今回の研究では、LCH-NDの小児患者さんに対し、MAPK阻害薬をこれまで使用されてきたベムラフェニブ(Vem)からダブラフェニブ(Dab)とトラメチニブ(Tra)の併用療法に変更したところ、頭部MRI画像および臨床症状に明らかな改善が認められました。
本研究成果は、国際的な学術誌「Pediatric Blood and Cancer」に掲載されました。

プレスリリースのポイント

  • ベムラフェニブ(Vem)による維持療法中にLCH-NDを発症し、ベムラフェニブ(Vem)からダブラフェニブ(Dab)とトラメチニブ(Tra)の併用療法に切り替えたところ、明らかな改善が見られました。
  • 神経変性疾患は一度傷付くと戻らないのが原則ですが、今回の症例では病変に改善が見られたことが大きな特徴です。
  • Vem と比較して、Dabは高い中枢神経移行性を示します。また、Traも優先的な中枢神経移行性を示します 。LCH-NDに対するVemとDab、またはDabとTraの併用療法の直接比較はありませんが、過去の報告や本症例の経過から得られた知見は、LCH-NDに対するMAPK阻害薬としては、VemよりもDabまたはDabとTraの併用の方が有効である可能性を示唆しています。

今後の展望・発表者のコメント

組織球症に続発する神経変性症(詳細:https://lch-nd.ncchd.go.jp/research/)は、患者さんの日常生活に大きく影響します。今回有効であったDabとTraの併用療法も含めて、組織球症に続発する神経変性症に対する治療成績をさらに向上させるためには、治療後の薬物動態やバイオマーカーのデータを伴う症例蓄積と、長期の有効性、安全性の評価が重要です。

発表論文情報

タイトル:Combination therapy with dabrafenib and trametinib for Langerhans cell histiocytosis associated neurodegenerative disease
執筆者:Itaru Hayakawa, M.D.1, Kenichi Sakamoto M.D., Ph.D2,3*, Nobuaki Tsuiki M.D.1,4, Shiho Yasue M.D. , Ph.D5, Yoshihiro Gocho M.D., Ph.D3, Tomoyuki Utano Ph.D6,Ko Kudo M.D., Ph.D7, Yoshiyuki Tsutsumi M.D.8, Yoko Shioda M.D., Ph.D3
所属:
1. Division of Neurology, Department of Medical Subspecialties, National Center
for Child Health and Development, Tokyo, Japan
2. Department of Pediatrics, Shinshu University School of Medicine, Matsumoto,Japan
3. Children's Cancer Center, National Center for Child Health and Development,Tokyo, Japan
4. Department of Pediatrics, National Rehabilitation Center for Children with Disabilities
5. Department of Pediatrics, Gifu University Graduate School of Medicine, Gifu,Japan
6. Department of Pharmacy, National Center for Child Health and Development, Tokyo,Japan.
7. Department of Pediatrics, Hirosaki University Graduate School of Medicine,Hirosaki, Japan.
8. Department of Radiology, National Center for Child Health and Development,Tokyo, Japan.
掲載誌:Pediatric Blood and Cancer
DOI:10.1002/1545-5017.70034

本件に関する取材連絡先

国立成育医療研究センター 企画戦略局 広報企画室

03-3416-0181(代表)

koho@ncchd.go.jp

月~金曜日(祝祭日を除く)9時〜17時


※医療関係者・報道関係者以外のお問い合わせは、受け付けておりません。

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