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吐き気止めに使われる薬・ドンペリドンの"妊婦禁忌"解除へ ~薬を服用した妊婦さんが、安心して妊娠を継続できる環境の整備へ貢献~

国立成育医療研究センター(東京都世田谷区大蔵、理事長:五十嵐 隆)の「妊娠と薬情報センター」(センター長:山口 晃史)は、これまで妊婦への投与が禁忌とされていた吐き気止め「ドンペリドン」について、妊娠中の使用による胎児への影響を調査・評価し、報告書を厚生労働省に提出しました。その結果、妊婦禁忌解除の妥当性が認められ、医薬品添付文書の禁忌欄から「妊婦」が除外されることになりました。
今回の妊婦禁忌の解除は、2025年4月25日に開催された厚生労働省薬事審議会 医薬品等安全対策部会 安全対策調査会において審議され、「ドンペリドンが妊娠初期に投与された場合でも、胎児の先天異常のリスクを高める可能性は低い」とした妊娠と薬情報センターの報告書が大きく貢献しています。
ドンペリドンは、主に慢性胃炎に伴う消化器症状(吐き気、胃もたれなど)の改善を目的に使用される薬です。しかし、実際の医療現場では投与された後に妊娠が判明し、その消化器症状が「つわり」に伴う症状であることが少なくありませんでした。そのような背景から、「妊婦禁忌」の表記が、医療現場や患者に不安と混乱を与えていました。
今回の禁忌解除により、妊娠に気づく前にドンペリドンを服用した女性が、過度に不安を感じることなく妊娠を継続できる環境が整えられました。なお、「つわり」はドンペリドンの適応症ではなく、禁忌解除後も積極的に「つわり」の治療に用いるものではありません。

※添付文書:医薬品などに添付され、使用上の注意や用法・用量、効能、副作用などを記載している書面。

妊娠と薬情報センターについて

妊娠と薬情報センターは、2005年10月に厚生労働省事業の一環として国立成育医療研究センター内に設立され、妊娠中および授乳中の薬物治療に関する不安を持つ女性からの相談に対応しています。また、「妊婦・授乳婦を対象とした薬の適正使用推進事業」のもと、情報提供ワーキンググループを設置し、データを分析・評価した報告書をとりまとめ、厚生労働省に提出しています。これまでに、以下の医薬品について妊婦禁忌が解除されています。
  • 免疫抑制剤:シクロスポリン、タクロリムス、アザチオプリン
  • カルシウム拮抗薬:ニフェジピン、アムロジピン
  • β遮断薬:ビソプロロール、カルベジロール

これにより、妊娠中でもこれらの薬剤の使用が必要とされる女性が、医学的根拠に基づいた治療選択を検討できるようになっています。

本件に関する取材連絡先

国立成育医療研究センター 企画戦略局 広報企画室

03-3416-0181(代表)

koho@ncchd.go.jp

月~金曜日(祝祭日を除く)9時〜17時


※医療関係者・報道関係者以外のお問い合わせは、受け付けておりません。

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