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新生児の「聴診」を学べる教育システムを開発 ~周産期医療者のスキルアップで、新生児医療の向上に貢献~

国立成育医療研究センター(所在地:東京都世田谷区大蔵、理事⾧:五十嵐隆)と、株式会社テレメディカ(所在地:神奈川県横浜市青葉区、代表取締役:藤木清志)は共同研究を行い、新生児の聴診を学べる教育システムを開発しました。
「聴診」とは、心臓や呼吸器に異常がないかどうかを調べるために、心音や呼吸音などを聴くことです。例えば、心臓の弁がしっかり閉まらず血液の逆流などが起こっている場合などは、疾患の種類によってさまざまな雑音として聴こえてきます。今回の共同研究では、国立成育医療研究センターで生まれ、心臓や呼吸に何らかの異常のある新生児のべ50 人から心音や呼吸音を録音し、テレメディカがすでに開発している聴診学習システムに搭載しました。これにより、聴診を学ぶ医療従事者は、それぞれが持つデバイスを使って、いつでもどこでも、何らかの異常のある新生児の心音などを聴くことができるようになります。
これまで、新生児の心音や呼吸音をまとめた教育システムはなく、医療従事者は臨床の現場でスキルを磨くしかありませんでしたが、本教育システムで、異常のある新生児の聴診に関して効率的に学ぶことができるようになり、新生児医療の向上に貢献できると考えています。

プレスリリースのポイント

  • 心臓や呼吸器に何らかの異常のある新生児のべ50 人の、心音・呼吸音を録音し、医療従事者が繰り返し聴いてトレーニングをつめる教育システムを開発しました。
  • 録音されたものの中には、ファロー四徴症や動脈管開存、心室中隔欠損などの疾患のある新生児の心音・呼吸音もあります。
  • 新生児の心音・呼吸音は成人よりも速度が早く、また泣いたりじっとしていないなどさまざまなノイズが混ざることによって聴き取りづらいため、異常を見つけるのが難しくなっています。
  • 教育システムに搭載する際には、可能な限りノイズを除去し、医療従事者が聴き取りやすい編集を行っています。
  • 本教育システムでは、画面に表示された新生児を実際と同じように聴診する感覚で音が聴けるため、聴診部位と心音・呼吸音の関係も学ぶことができます。
  • 新生児の疾患や状態、心音の特徴を解説することで、より効率的に聴診について学ぶことができます。
  • これまで新生児の聴診に特化した教育システムはなく、新生児の異常を見抜くことができる医療従事者の育成に貢献できると考えています。
  • 本研究成果は、すでに世界展開している教育システムに搭載しているため、日本だけではなく、あらゆる地域で生まれる子どもの健康にも寄与できます。
本件に関する取材連絡先

国立成育医療研究センター 企画戦略局 広報企画室

03-3416-0181(代表)

koho@ncchd.go.jp

月~金曜日(祝祭日を除く)9時〜17時


※医療関係者・報道関係者以外のお問い合わせは、受け付けておりません。

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