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好酸球性胃腸炎の新たな食事療法を開発

国立成育医療センターの好酸球性消化管疾患研究室、永嶋早織共同研究員、野村伊知郎室長は、免疫アレルギー・感染研究部 松本健治部長、アレルギーセンター 大矢幸弘センター長、消化器科 新井勝大診療部長、栄養管理部齊藤由理室長らとともに、好酸球性胃腸炎の新たな食事療法を開発しました。

この研究は、国立成育医療研究センターにおいて食事療法を行った好酸球性胃腸炎19名のうち、1〜3種の食物除去で改善しなかった3名、6〜7種の食物除去で改善しなかった4名の合計7名に新たな食事療法(芋類、野菜、果物に加えて、アミノ酸栄養剤を摂取する「Rainbow食事療法」)を実施したものです。7名中6名は、2〜4週にわたる治療期間、Rainbow食事療法で提供される食事を摂取することができました。1名は7日目に決められた食品以外の食品を加えることを希望したため治療期間を満了できませんでした。しかし、途中離脱者を含む7名全員で、消化器症状は消失し、低下していた血清アルブミン値の正常化、増加していた血液中の好酸球数の正常化、上昇していた血清TARC値の正常化も見られました。栄養不足などの有害事象は認めませんでした。



【図1 7名の患者、Rainbow食事療法前後の血液検査所見

7名の患者、Rainbow食事療法前後の血液検査所見


5~17才の小児期発症症例は、数年から10年以上続く持続型が多いことがわかっています。現時点では、好酸球性胃腸炎の治療は経口ステロイドが大半を占めていますが、より副作用の少ない寛解導入維持治療の開発が重要と考えられています。この新たな食事療法が好酸球性胃腸炎の治療として確立されるよう、今後も研究を積み重ねていきます。

プレスリリースのポイント

  • これまで、好酸球性消化管疾患の食事療法は、主に重症者に対して6種食物除去が行われていました。しかし、日本の好酸球性胃腸炎に対しては効果が見られない場合があるため、新たな食事療法の開発が求められていました。
  • 厚労省研究班で食事療法を行った50名の調査では、芋類、野菜、果物に対する非即時型アレルギー反応を起こした患者は一人もいませんでした。このためこれらの食材と、アミノ酸栄養剤、特定の調味料だけを使用したRainbow食事療法を開発しました。
  • 各種治療によって改善しなかった、7名の持続型の好酸球性胃炎、十二指腸炎、2~17才の患者にRainbow食事療法を実施しました。
  • 7名中6名は2〜4週にわたる治療期間、Rainbow食事療法で提供される食事を摂取することができました。1名は7日目に途中離脱となりました。
  • 7名全員で、Rainbow食事療法開始後、消化器症状は消失、低下していた血清アルブミン値の正常化、増加していた血液中の好酸球数の正常化、上昇していた血清TARC値の正常化も見られました。栄養不足などの有害事象は認められませんでした。
  • 今回の研究で、安全性と忍容性が明らかとなりました。今後は、人数を増やして、効果の検証を行います。

発表論文情報

英文タイトル:「Tolerability and safety of a new elimination diet for pediatric eosinophilic gastritis and duodenitis

和文タイトル:「小児の好酸球性胃炎と十二指腸炎のための新たな食事療法の忍容性と安全性について」

著者名:永嶋早織1)、山本真由1)、犬塚祐介2)、苛原誠2)、宮地裕美子2)、只木弘美3)、伊藤秀一4)、益田静夏5)、伊東祥幸5)、齊藤由理5)、小林佐依子5)、森田英明6)、義岡孝子7)、清水泰岳8)、新井勝大2,8)、大矢幸弘2)、斎藤博久6)、松本健治6)、野村伊知郎1,2)

所属:

1) 国立成育医療研究センター研究所 好酸球性消化管疾患研究室

2) 国立成育医療研究センター アレルギーセンター

3) 国立病院機構横浜医療センター 小児科

4) 横浜市立大学 小児科学

5) 国立成育医療研究センター 栄養管理部

6) 国立成育医療研究センター研究所 免疫アレルギー・感染研究部

7) 国立成育医療研究センター 病理診断部

8) 国立成育医療研究センター 消化器科

掲載誌:Allergology International


DOI: https://doi.org/10.1016/j.alit.2022.11.001

本件に関する取材連絡先

国立成育医療研究センター 企画戦略局 広報企画室

03-3416-0181(代表)

koho@ncchd.go.jp

月~金曜日(祝祭日を除く)9時〜17時


※医療関係者・報道関係者以外のお問い合わせは、受け付けておりません。

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