国立研究開発法人 国立成育医療研究センター National Center for Child Health and Development

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ヒト受精胚へのゲノム編集技術の臨床利用 意識調査 ~一般市民、患者関係者、医療従事者で意識が異なる傾向が明らかに~

国立成育医療研究センター(所在地:東京都世田谷区大蔵、理事長:五十嵐隆)研究所社会医学研究部の小林しのぶ研究員、政策科学研究部の竹原健二部長らの研究グループは、ヒト受精胚へのゲノム編集技術の臨床利用に対する認識を把握することを目的に、日本国内で一般市民、患者関係者、医療従事者の3つのグループ注 を対象にオンラインアンケートを実施し、合計3,511名(一般市民2060名、患者関係者497名、医療従事者954名)から回答を得ました。調査結果から、ヒト受精胚へのゲノム編集技術に対する一般市民の認知が低いこと、ヒト受精胚へのゲノム編集技術の臨床利用に対する意識がグループ間で異なることが示されました。
ゲノム編集技術の発展は目覚ましく、日本では専門委員会においてゲノム編集技術を用いたヒト受精胚の臨床利用についての法整備に向けた議論が進められています。今回の調査結果を踏まえ、法整備に向けた議論を進めていくうえで、今後、人々がゲノム編集技術について知る機会、そして考える機会が増えることが重要と考えられます。
図1の画像
【図1】「受精卵に対するゲノム編集技術」について知っている人の割合。質問「受精卵に対するゲノム編集について知っていましたか?」
図2の画像
【図2】4つの事例注2におけるゲノム編集技術の利用に対する許容態度。事例1「成人期発症の遺伝的疾患予防に対するゲノム編集技術の利用」。事例2「小児期発症の遺伝的疾患予防に対するゲノム編集技術の利用」。事例3「胎生致死を招く遺伝的疾患予防に対するゲノム編集技術の利用」・事例4
「エンハンスメント目的のゲノム編集技術の利用」

プレスリリースのポイント

  • 本調査は、ヒト受精胚へのゲノム編集技術の臨床利用に関する国民の意識について、一般市民、患者関係者、医療従事者の3つのグループに同一の質問票を用いて比較した初めての調査研究です。
  • 一般市民のうち、「ヒト受精胚へのゲノム編集技術」を説明できる人の割合は6%と低く、社会全体にはまだよく認知されていない現状が示されました。
  • どのグループにおいても、この技術を病気の治療目的に利用することについては賛否両論あったものの、ゲノム編集技術を病気などの治療以外の目的で利用するエンハンスメントについては、反対する意見が多数を占めました。
  • 患者関係者ではヒト受精胚へのゲノム編集技術の臨床利用について肯定的な意見が多いのに対し、医療従事者は慎重な意見が多いことがわかりました。一般市民は中立または判断が難しいとする傾向がみられました。
  • 国民の意見を踏まえ議論を深めるためにも、ゲノム編集技術の正しい知識を国民に幅広く普及させることが必要だと考えます。

発表論文情報

タイトル:Public attitudes in the clinical application of genome editing on human embryos in Japan: a cross-sectional survey across multiple stakeholders. 」
執筆者:Kobayashi S, Miyoshi T, Kobayashi T, Hayakawa I, Urayama KY, Uchiyama M, Muto K, Takeuchi Y, Taira M, Sago H, Takehara K. 
掲載誌:Journal of Human Genetics. 2022 May 9.


本件に関する取材連絡先

国立成育医療研究センター 企画戦略局 広報企画室

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koho@ncchd.go.jp

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