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胎児頻脈性不整脈に対する世界初の多施設共同臨床試験

国立成育医療研究センター(所在地:東京都世田谷区大蔵、理事長:五十嵐隆)、国立循環器病研究センター、久留米大学病院、三重大学医学部附属病院など15施設のグループは、胎児頻脈性不整脈に対して、多くの施設で協力して臨床試験を行う「多施設共同臨床試験」を世界で初めて行いました。

胎児頻脈性不整脈とは、胎児の心臓の拍動が正常から外れて速くなる状態を言います。今回の臨床試験では、母親に抗不整脈薬を投与して胎内で治療するプロトコール治療(研究計画に基づいた治療方法)の有効性および安全性を評価しました。その結果、約90%の胎児頻脈性不整脈が消失し、プロトコール治療の高い有効性が確認できました。

今回の研究成果は、抗不整脈薬を用いた胎内治療の有効性および安全性を示すだけではなく、今後、安全に胎内治療を行っていく体制整備の促進に大きく貢献します。

プロトコール治療の有効性(奏効率)
プロトコール治療の有効性(奏効率)

プレスリリースのポイント

  • 世界的にも大規模な多施設共同臨床試験の結果、約90%で胎児頻脈性不整脈が消失し、プロトコール治療の高い有効性が確認されました。
  • 胎内治療で効果が見られても、新生児期に約30%で頻脈性不整脈が再発しており、出生後2週間は特に注意深い観察が必要と考えられました。
  • 母体の有害事象(治療中に出現した好ましくない症状や検査値の異常)として治療薬剤との関連が否定できないものが高頻度で認められました。しかし、重篤なものはまれで薬剤減量などにより治療の継続が可能でした。
  • 胎児では、治療薬剤との関連が否定できない有害事象が約25%で確認されました。胎児死亡例(2例)および早期娩出となった症例(2例)が含まれていたことから、産科、小児循環器科、新生児科の共同による慎重な管理および迅速な対応が必要と考えられます。

発表論文情報

著者:
三好剛一、前野泰樹、_崎俊光、稲村 昇、安河内 聰、川滝元良、堀米仁志、与田仁志、竹田津未生、新居正基、萩原聡子、賀藤 均、清水 渉、白石 公、坂口平馬、上田恵子、桂木真司、山本晴子、左合治彦、池田智明(日本胎児不整脈班)
題名:
Antenatal Therapy for Fetal Supraventricular Tachyarrhythmias: Multicenter Trial
掲載誌:
Journal of the American College of Cardiology
本件に関する取材連絡先

国立成育医療研究センター 企画戦略局 広報企画室

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koho@ncchd.go.jp

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