国立研究開発法人 国立成育医療研究センター National Center for Child Health and Development

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マウスの分娩開始の時期を支配する新たな因子を解明

国立成育医療研究センターの宮戸真美研究員・深見真紀分子内分泌研究部長と浜松医大緒方勤教授の研究グループは、マウスの分娩開始時期を支配する新たな因子を見出しました。

本プレスリリースのポイント

  • 妊娠マウスでは、血液中のプロゲステロンというホルモンの濃度が下がることによって、分娩が始まります。今回、私たちは、妊娠後期になっても血液中のプロゲステロン濃度の高い状態が続き、分娩開始が遅れる遺伝子欠損マウスを同定しました。
  • この遺伝子欠損マウスでは、MAMLD1という蛋白の機能低下によって、卵巣でのホルモン代謝に異常が生じていることがわかりました。
  • この研究の成果は、ヒトを含む哺乳類の妊娠や分娩の調節機構の理解につながります。

背景

女性ホルモンのひとつであるプロゲステロンは、哺乳類の妊娠の維持に必須です。ヒトでは妊娠初期において、マウスでは全妊娠期間を通して、プロゲステロンは主に卵巣で作られます。マウスの分娩が始まるには、プロゲステロン代謝によって血液中のプロゲステロン濃度が低下する必要があります。妊娠後期にプロゲステロンは、20α-HSDという酵素によって不活性型のホルモン(20α-OHP)に変えられます。20α-HSDが欠損した妊娠マウスでは、プロゲステロン代謝が正常に起こらず、分娩開始が遅れることが報告されています。
Mastermind-like domain containing 1(MAMLD1)は、私たちが発見したヒトの尿道下裂(尿道形成の異常)の責任遺伝子です。男性(雄性)において、MAMLD1は胎生期の男性ホルモンの産生に関与していることがわかっています。しかし、女性(雌性)において、MAMLD1がどのような役割をもっているのかはわかっていませんでした。

研究手法と成果

私たちは、生まれつきMamld1を持たないマウスを作製し、観察しました。その結果、Mamld1欠損妊娠マウスでは、分娩開始が遅れる母親の数が多いことがわかりました。また、Mamld1欠損妊娠マウスから生まれた仔を観察すると、生まれた翌日に死亡している仔の数が多いことが明らかになりました。
次に、Mamld1欠損妊娠マウスと野生型妊娠マウスを用いて、血液中のプロゲステロンと20α-OHPの濃度を測定しました。また、プロゲステロン代謝に関与する20α-HSD酵素を作っている20α-Hsd遺伝子について、卵巣で発現する量を解析しました。その結果、野生型妊娠マウスと比べて、Mamld1欠損妊娠マウスでは、血液中のプロゲステロン濃度が高く、20α-OHP濃度が低いことがわかりました。また、Mamld1欠損妊娠マウスでは、卵巣で発現する20α-Hsd遺伝子の量が少なく、卵巣機能に異常があることが判明しました。これによって、MAMLD1が分娩開始に重要な因子であることが明らかになりました。

今後の展望・コメント

私たちは、生まれつきMamld1を持たないマウスを作製し、観察しました。その結果、Mamld1欠損妊娠マウスでは、分娩開始が遅れる母親の数が多いことがわかりました。また、Mamld1欠損妊娠マウスから生まれた仔を観察すると、生まれた翌日に死亡している仔の数が多いことが明らかになりました。
次に、Mamld1欠損妊娠マウスと野生型妊娠マウスを用いて、血液中のプロゲステロンと20α-OHPの濃度を測定しました。また、プロゲステロン代謝に関与する20α-HSD酵素を作っている20α-Hsd遺伝子について、卵巣で発現する量を解析しました。その結果、野生型妊娠マウスと比べて、Mamld1欠損妊娠マウスでは、血液中のプロゲステロン濃度が高く、20α-OHP濃度が低いことがわかりました。また、Mamld1欠損妊娠マウスでは、卵巣で発現する20α-Hsd遺伝子の量が少なく、卵巣機能に異常があることが判明しました。これによって、MAMLD1が分娩開始に重要な因子であることが明らかになりました。

論文名および著者

  • 論文名:Parturition failure in mice lacking Mamld1
  • 著者:Mami Miyado, Kenji Miyado, Momori Katsumi, Kazuki Saito, Akihiro Nakamura, Daizou Shihara, Tsutomu Ogata and Maki Fukami.
  • 掲載雑誌:Scientific Reports

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