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生命倫理研究室

生命倫理研究室では、成育医療領域における研究倫理および臨床倫理に関する諸課題について学問的に取り組むとともに、コンサルテーションも実施しています。また、当センターの先端医療技術等に関連した生命倫理にかかる政策の検討や、小児患者の権利擁護の観点から小児慢性疾病対策のあり方に関する政策検討に加え、小児患者のwell-being向上のための調査研究等も実施し、成育医療・保健政策の立案に資するエビデンスの構築にも取り組んでいます。

研究内容

臨床倫理

成育医療では、その対象が自らの医療に関して自己決定することのできない子ども(未成年者)であることから、つねに「代行判断(代諾)」の倫理的妥当性の問題や子どもの権利擁護の問題等に配慮が必要になります。特に、重篤な疾患を有する新生児等の治療拒否事例や、自律性の発達段階にある子どもの意思の尊重と身体保護のバランスといった「アセント(子ども自身による了解)」に関する問題等、多くの倫理的・法的・社会的問題が存在します。さらに、親権者等による医療ネグレクトを疑われる症例も多く報告される今日、医療者が個人で倫理的な事例に対応することは極めて困難です。このように、複雑かつ多岐にわたる成育医療領域における倫理的諸課題について、当研究室では、現場の医療従事者に対する倫理的支援として臨床倫理コンサルテーションを進めています。
さらに、成育医療特有の倫理的相談事例を収集、蓄積し、学問的に分析することにより、「法的同意能力を有していない小児に対する治療に関する選択・決定のプロセスにおける倫理的ガイドライン」等を示していくことを目指しています。
その他、医療行為の妥当性、生殖補助医療、出生前診断、胎児治療、新生児スクリーニング、発症前遺伝子診断、脳死判定、臓器移植、終末期医療、心肺蘇生の医学的適応とDNAR、宗教的信念と医療行為の選択、診療情報の研究利用と包括的同意等、さまざまな課題についても生命倫理の観点から検討を進めています。

研究倫理

臨床研究では、その前提として被験者の自発的な意思決定が求められますが、成育医療領域における臨床研究では、前述のようにまだ自己決定することができない子どもが研究対象のため、子どもの権利擁護の観点から特別な倫理的配慮、そしてより慎重な研究計画の審査等が必要となります。当研究室では、研究プロトコル作成時の研究者等への研究倫理に関するコンサルテーションも実施し、成育医療研究における倫理的課題についても学問的に検討を進めています。(研究倫理相談をご希望の方は→臨床研究相談・支援窓口
さらに、研究者、CRCをはじめとする研究支援者、倫理委員会委員および事務局等に対する倫理研修等を通して、成育医療研究の倫理的基盤の構築にも貢献しています。

生命倫理に関連する研究

また、当センターの先端医療技術等に関連した生命倫理にかかる政策の検討、小児患者の権利擁護の観点から小児慢性疾病対策のあり方に関する政策検討を進めるとともに、慢性疾患を有する子どものwell-being向上のための調査研究等も実施し、成育医療・保健政策の立案に資するエビデンスの構築にも取り組み、広義に生命倫理の観点から子どもたちのlifeを支援していきたいと考えています。

研究体制

当研究室では、センター内外の様々な専門家と連携し、幅広く生命倫理の課題に取り組んでいます。特に、当センター政策科学研究部と様々な共同研究を進めています。

スタッフ紹介

室長 掛江 直子

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