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授乳中の薬の使用について
「授乳中に安全に使用できると考えられる薬」
「授乳中の使用には適さないと考えられる薬」
- この表は授乳中の薬の使用に関する国内外の様々な最新の医学的研究に基づいて作成しています。
- 「授乳中安全に使用できると考えられる薬」は、妊娠と薬情報センターの【授乳中のお薬相談】に多く相談がよせられた薬剤について、これまでの研究情報をもとに評価を行い、授乳期でも安全に使用できると考えた薬を載せています。ただし、注射で大量に使用するような場合には注意が必要な薬もあります。
- 授乳中の使用に関する研究がないためこの表に記載していない薬であっても、同じような効果のある薬の情報などから検討すると、授乳中にも安全に使用できると考えられる薬もあると考えています。
- 抗悪性腫瘍薬については情報が非常に限られていること、重篤な副作用がある薬が多いことなどから、安全性の評価は難しいため表には記載していません。
- 精神科系の薬については、複数の薬を使用している場合が多いこと、治療量や使用状況について個人差が大きいことなどから、安全性の評価が難しいため表には記載していません。しかし、中には、母乳中濃度を測定した研究がたくさんおこなわれており、赤ちゃんにも問題はみられなかったとして、授乳中であっても安心して使用できる可能性があると考えられている薬もあります。
- お薬の使用や中止については、自己判断ではなく、必ず医師と相談して決めることが大切です。
授乳中に安全に使用できると考えられる薬
授乳中の使用には適さないと考えられる薬
※表の作成にあたって
この表は初回作成時、授乳中の薬剤使用に関する最新の情報を発信している米国国立衛生研究所(NIH: National Institutes of Health)が運営するウェブサイトト「Lactmed」を参考にしました。Lactmedには薬剤の乳汁移行濃度を調べたデータが掲載されており、その中から授乳中も比較的安全に使用できると思われるとの見解が示されている薬剤を掲載しました。
2010年の表改訂では、同年に日本で発売されている薬についてLactMedの記載内容を確認し、乳汁移行や乳児への安全性情報に関する記載に基づいて、薬剤を追記しました。
2018年の表改訂では、2012年~2017年10月までに妊娠と薬情報センターの授乳電話相談に申し込みのあった5,226件の相談例を解析し、その中で5回以上の相談があった薬剤を対象に、LactMed、専門書籍、国内外の公表論文および研究報告から乳汁移行や乳児の安全性に関する情報を確認しました。その情報に基づいて専門医が評価し、新たな薬剤を追記しました。
今回の2025年の表改訂にあたっては、2012年~2022年3月までに妊娠と薬情報センターの授乳電話相談に申し込みのあった7,398件の相談例を解析し、同様に5回以上の相談があった薬剤を対象としました。これらの薬剤について、LactMed、専門書籍、国内外の公表論文等から乳汁移行や乳児の安全性に関する情報を確認し、その情報に基づいて専門医が評価し、薬剤を追記しました。また、これまでの掲載していた薬剤についても見直しを行い、新たな知見等を踏まえて一部の薬剤を削除しました。
なお、2018年の改訂時から、患者さん向けのQ&Aを作成して、相談頻度が高い薬剤グループについて、解説しています。
妊娠と薬情報センターでは患者様からのお電話での授乳相談や対面での授乳相談も行っておりますので、お申し込み方法などは妊娠と薬情報センターのホームページをご確認ください。