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リンケージデータベース

周産期医療や小児医療をより良いものにしていくために、ライフコースにわたる包括的な情報の収集と利活用が求められています。最新の周産期医療が児の成長や発達に与える影響について正しく理解するためには、成人に至るまで患者を追跡調査していく必要があります。また、小児期に発症する多くの難病は小児期には解決せず、思春期・成人を通じて適正な医療が継続的に行われる必要がありますが、適正な医療を実現するためには縦断的なデータ収集が欠かせないものと考えられます。しかし、患者を長期にわたり追跡しデータを集めていくことは極めて困難であり、多くの医療分野において達成されていません。
現代を生きる私たちは、データに囲まれて生活していると言えます。医療に関連したデータについても、実施された診療についてのデータが各医療機関において日々刻々と作り出され、政府や自治体により人口動態をはじめとした多くのデータが集められています。また、研究を目的として医学団体や研究者が収集したデータにも様々なものが存在します。これらのデータは、個々のデータではその利用価値が限定されていますが、複数のデータをうまく連結(リンケージ)した「リンケージデータベース」を作り出すことで、ライフコースにわたる包括的な情報収集に近づくことができます。実際に北欧を中心とした国々では、医療健康データを含むあらゆるデータを連携させたビッグデータを利活用することで、医療をはじめとした多くの領域で成果を得ています。
日本で周産期・小児領域の医学研究のためにリンケージデータベースを実現するには、散在したデータを連結するための手法の開発や各データの二次利用の実現、個人情報保護など、多くの課題があります。私たちはこれまでに、各種の政府統計や医学団体や研究者が所有するデータベースを連結・解析し、リンケージ手法の開発や倫理的・科学的な妥当性を検証する研究を行ってきました。
今後も診療請求情報を軸としたライフコースにわたるリンケージデータベースを実現するために、学会をはじめとした医学団体と連携をとりながら、基盤データベースの開発と運用や人材育成を行い、より良い医療の実現に資する良質な医学研究の基盤構築を行っていきたいと考えています。

リンケージデータベースの画像

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