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メディカルサポートセンター代表 ご挨拶

エコチル調査メディカルサポートセンター代表 深見 真紀

エコチル調査メディカルサポートセンター長を務めております国立成育医療研究センター研究所副所長の深見真紀です。

日本を含め先進国におけるこの数十年間の社会環境の変化は著しいものがあります。それに伴い、栄養失調や感染症で亡くなる子どもが減ったことはよい側面ですが、一方でアレルギー疾患のように昔よりも増えた病気があることはマイナスの側面です。ここで環境省を中心として、環境要因が与える子どもたちへの健康への影響を調べるために10万組の子どもたちとそのご両親に参加して頂く大規模な疫学調査「子どもの健康と環境に関する全国調査(略称:エコチル調査)」が2011年より開始され、2014年に10万組以上の参加登録を完了いたしました。2023年3月には環境省のエコチル調査基本計画が改定され、参加者であるお子さんが40歳程度になるまで調査を行っていくことを見据え、お子さんが18歳に達するまでの計画となりました。

この調査は、「胎児期から小児期にかけての化学物質曝露をはじめとする環境因子が、妊娠・生殖、先天奇形、精神神経発達、免疫・アレルギー、代謝・内分泌系統に影響を与えているのではないか」という大きな仮説(中心仮説)を解明することを目的とした出生コホート調査です(同じ集団のデータを経年的に追跡していく疫学調査をコホート調査といいます)。実際には、化学物質以外にも、遺伝要因、社会要因、生活習慣など様々な要因が考えられますので、そうした影響についても調べていきます。

国立成育医療研究センターでは参加者のリクルートは致しませんが、妊娠期の段階から小児期を経て思春期青年期に至る様々な疾患を対象に診療と研究をしている立場から、メディカルサポートセンターとしてエコチル事業のお手伝いをすることになりました。私たちには当センターにおける数千人規模の出生コホート研究の経験はありますが、「エコチル調査」のような大規模な出生コホート研究は、世界でも珍しいものです。国外でも同規模の研究が計画されていますが、日本がいち早くスタートし、世界からも注目されています。

この調査は病気をお持ちの方だけではなく健康な方の情報もとても重要です。病気の方と健康な方の環境や生活、そしてゲノム(遺伝情報)の違いを比較することで初めて解明されることが沢山あるからです。ですから、一人でも多くの国民の皆様のご理解とご協力を得て、一緒に調査を進めていきたいと考えています。

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