国立研究開発法人 国立成育医療研究センター National Center for Child Health and Development

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国立成育医療研究センターについて About National Center for Child Health and Development

国立成育医療研究センターについて About National Center for Child Health and Development

中央分子診断

概要

国立成育医療研究センターでは、病理診断部と研究所小児血液・腫瘍研究部が協力して、日本小児がん研究グループ(JCCG)が実施している小児がん臨床研究の中央分子診断のうち、固形腫瘍の遺伝子診断と、血液腫瘍の細胞マーカー診断(抗体を用いて目印となる分子を検出する免疫学的診断)を担当しています。

血液腫瘍では、塗抹標本の形態と細胞化学検査による診断が基本ですが、形態のみでは診断が難しいことがあります。その場合に、細胞マーカーを検査することによって、正確な診断が可能な場合があります。また、もっとも頻度が高い急性リンパ芽球性白血病(Acute lymphoblastic leukemia, ALL)では、細胞マーカーによる診断と、タイプ分類が、治療法の選択の上で必須になります。

国内の小児血液腫瘍の治療は、JCCGの血液腫瘍分科会(JPLSG)が行っている臨床研究に統一されていますが、成育医療研究センターは三重大学、大阪大学(2017年3月20日まで)と協力、分担して、国内で発症するすべての小児血液腫瘍の患者さんを対象とする細胞マーカーの中央診断を担当しています。

JPLSGは、小児がん研究グループ (CCLSG)、日本小児白血病研究グループ (JACLS)、九州山口小児がん研究グループ (KYCCSG)、東京小児がん研究グループ (TCCSG)が連携して組織している治療研究グループですが、成育医療研究センターでは、このうちTCCSGとKYCCSGの参加施設の患者さんの中央診断を担当しています。

細胞マーカー中央診断では、JPLSG免疫診断ワーキンググループ(現 免疫診断委員会)、成育医療研究開発費26-20などの研究によって検討され、決定された、共通の解析項目を、完全に同じ試薬を使って解析しています。従って、国内で発症したすべての小児血液腫瘍の患者さんは、完全に同じ中央診断を受けることができます。


体制

小児血液腫瘍 細胞マーカー中央診断 担当分担


小児血液腫瘍 細胞マーカー中央診断 共通パネル

標準54項目

    FITC PE PC7 APC PerCP/KO
細胞表面  
1 IgG1 IgG1 IgG1 IgG1 CD45
(gating)
2 Kappa CD13 CD19 Lamda
3 CD65 7.1 CD10 CD33
4 CD66c CD24 CD34 HLA-DR
5 Mue CD22 CD20 CD56
6 CD58 CD11b CD117 CRLF2
7 CD4 CD8 CD3 CD5
8 CD36 CD42b CD61 CD14
9 CD99 CD7 CD2 CD38
10 CD21 CD64 CD41 CD1a
11 CD15 TCR-γ/δ CD235a TCR-α/β
15 CD263/DCR1, TRAIL-R3 CD261/DR4, TRAIL-R1 CD95/FAS CD133/1
16 CD264/DCR2, TRAIL-R4 CD262/DR5, TRAIL-R2 CD27 CD244
細胞内  
12 cy-IgG1 cy-IgG1 cy-IgG1 cy-IgG1 CD45
(gating)
13 cy-TdT cy-MPO cy-CD3 cy-CD79a
14 cy-Mue cy-CD22    

細胞マーカー中央診断では、完全に同じ試薬を用いて、共通の解析を行っています


JPLSG ALLの免疫学的診断基準

  • T-ALL

    CD3陽性 かつ CD2, CD5, CD7, CD8のうち1つ以上が陽性

  • B-lineage

    CD19, CD79a, CD20, CD22のうち 2つ以上が陽性

    1) B-precursor ALL

    IgκとIgλが陰性

    2) Pre-B ALL

    細胞質内μ鎖陽性、かつIgκとIgλが陰性

    3) B ALL

    Igκ または Igλ 陽性(μ鎖の発現は必須ではないが重要な参考所見とする)


成育医療研究センターで実施している小児固形腫瘍の遺伝子診断と その対象疾患 (診断確定に有用な染色体転座と融合遺伝子)

腫瘍名 転座 融合遺伝子 RT-PCR FISH 特異性
Ewing肉腫ファミリー腫瘍 t(11;22)(q24;q12) EWS-FLI1 ○EWS
t(21;22)(q22;q12) EWS-ERG ○EWS
t(7;22)(p24;q12) EWS-ETV1 ○EWS
t(17;22)(q12;q12) EWS-E1AF ○EWS
t(2;22)(q33;q12) EWS-FEV ○EWS
t(16;21)(p11;q22) FUS-ERG ○FUS
t(2;16)(q33;p11) FUS-FEV ○FUS
胞巣型横紋筋肉腫 t(2;13)(q35;q14) PAX3-FKHR ○FKHR
t(1;13)(p36;q12) PAX7-FKHR ○FKHR
小児腎細胞癌 t(X;1)(p11.2;q25) ASPL-TFE3 ○TFE3
t(X;1)(p11.2;q21) PRCC-TFE3 ○TFE3
t(X;1)(p11.2;p21) PSF-TFE3 ○TFE3
Inv(X)(p11;q12) NonO-TFE3 ○TFE3
t(X;17)(p11.2;q23) CLTC-TFE3 ○TFE3
t(6;11)(p21;q13) Alpha-TFEB  
先天性・乳児線維肉腫 t(12;15)(p13;q25) ETV6-NTRK3
先天性間葉芽腎腫 t(12;15)(p13;q25) ETV6-NTRK3
線維形成小細胞腫瘍 t(11;22)(p13;q12) EWS-WT1
滑膜肉腫 t(X;18)(p11;q11) SYT-SSX1
t(X;18)(p11;q11) SYT-SSX2
胞巣状軟部肉腫 t(X;17)(p11;q12) ASPL-TFE3 ○TFE3

病理所見に応じて、テーラーメイド的に必要な検査を実施しています


実績

※画像をクリックすると拡大します。

日本小児がん研究グループ 血液腫瘍分科会(JPLSG)小児血液腫瘍の全国統一中央分子診断 解析症例数

日本小児がん研究グループ 血液腫瘍分科会(JPLSG)小児血液腫瘍の全国統一中央分子診断 解析症例数=国内発症のほぼすべての小児血液腫瘍症例を診断

TCCSG マーカー診断統計 (2007)

TCCSG マーカー診断統計 (2007)

ご質問・お問合せ

国立研究開発法人 国立成育医療研究センター
研究所 小児血液•腫瘍研究部 (病理診断部併任)
清河 信敬 (きよかわ のぶたか)

Eメールアドレス: 

kiyokawa-n@ncchd.go.jp