気管切開チューブのある生活

日常生活の制限と注意

食事について飲み込みの問題がなければ基本的に食事の制限はありません。主治医と相談しながら月齢に合わせて食事をすすめていきましょう。また、痰が固いときには水分を多めにとるようにします。
食事中に吸引が必要なときは、嘔吐させないように軽く吸引してください。経管栄養中はいったん注入をとめて吸引します。
*気管孔から食物が頻繁に出てくるときや誤嚥による肺炎を繰り返すときには口からの食事を禁止されることがあります。
入浴について髪を洗うときは、首周りにスタイ型のビニール製のエプロンを着けるなど、お湯が入らないような工夫が必要です。浴槽につかるときは胸までの高さにとどめましょう。気管切開孔がお湯につからないようにします。お子様の表情や顔色を観察しながら一緒に入浴しましょう。
就寝時掛物や敷布で気管カニューレがふさがれることがあります。また、人工鼻が外れて気管カニューレ詰まりがおきやすいのも夜間です。乳幼児期にはご家族が側で寝て異常がないか確認してあげましょう。
寝相の悪いきょうだいやペットにも注意が必要です。
衣類かぶりの衣類は着脱の時にひっかかって気管カニューレが抜けないように注意が必要です。
気管カニューレを上から覆わないような、襟元に余裕のある衣服を選びましょう。
乾燥対策冬は暖房を使用するため空気が乾燥して痰が固くなりやすいです。湿度計を置き、できれば湿度が60%以上になるように工夫しましょう。加湿器を使用する時は、カビの発生を避けるために貯水タンクの洗浄と水の交換をこまめにおこないましょう。
遊び乳幼児の遊びの中での制限は特にありません。首を大きくのけぞらせたりする姿勢(マット運動)や、激しく体がぶつかり合う競技はお勧めできません。
一緒に遊ぶごきょうだいやお友達には、気管カニューレや人工鼻が気になって触ったり引っ張ったりしないように、分かりやすく説明をしてあげてください。
通園・通学について医療的には問題がないことが多いですが、医療的ケアが必要なお子さんの受け入れの状況は進んでいるとはいえません。通園や通学の際は、あらかじめ園や学校の先生と十分話し合っていきましょう。特に、緊急時の対処や連絡方法などについては細かく話し合っておく必要があります。