国立研究開発法人 国立成育医療研究センター National Center for Child Health and Development

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妊娠中の抗精神病薬使用は、胎児の形態異常リスクと関連しない ~データベースを活用した日本初の観察研究で、妊婦の薬物療法を支える~

国立成育医療研究センター(所在地:東京都世田谷区大蔵、理事長:五十嵐隆)の「妊娠と薬情報センター」(センター長:村島温子)薬剤師・八鍬奈穂 らのチームは、同センターへの相談例をもとにした妊娠中の薬剤の内服症例のデータベースを用いて、第二世代非定型抗精神病薬(SGAs, second-generation antipsychotics)の妊娠中使用に関する安全性について解析を行いました。これは、妊娠中のSGAsの安全性情報として対照群と比較.を行った日本で初めての観察研究です。
本研究は、“SGAsを妊娠初期に服用した妊婦”から出生した子ども351例と、“SGAsを妊娠中に服用していない妊婦”から出生した子ども3,899例で、先天異常(出生前から生じる形態学的な異常)の発生率を比較しました。その結果、SGAsを使用しても先天異常の発生率を上昇させないこと が示されました。
海外の研究では、妊娠初期のSGAsの使用は先天異常の発生率の上昇とは関連しないという結果が複数出ています。安全性評価には異なる情報源や異なる研究デザインを用いて行われた複数の研究を総合的に判断することが求められるため、本研究成果は、SGAsの妊娠中使用の安全性評価において、日本のみならず世界的にも大きな貢献といえます。
本研究の成果は、国際的な学術誌「Journal of Clinical Psychiatry」に掲載されました。本論文はコメンタリー にも取り上げられ、妊娠中の薬剤曝露症例データを前向きに調査し解析を行う「妊娠と薬情報センター」の取り組みや、SGAsの妊娠中使用の安全性情報蓄積の必要性について評価されました。
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【妊娠中の非定型抗精神病薬の使用と児の先天異常の発生リスク】

プレスリリースのポイント

  • 生殖年齢女性のSGAsの使用は世界的に増加しており、妊娠中使用の安全性評価は喫緊の課題です。本研究は妊娠中のSGAsの安全性情報として対照群と比較を行った日本で初めての観察研究です。
  • SGAsを使用した妊婦、SGAsを妊娠中に服用していない妊婦から出生した子どもの先天異常発生率はそれぞれ0.9%、1.8%であり、有意な差は認められませんでした。
  • 本研究は妊娠中もSGAsの使用が必要な女性にとって、使用を検討する際の安全性情報のひとつとして重要な情報源となります。
  • 妊娠中の薬剤曝露症例のデータを前向きに調査し解析を行う「妊娠と薬情報センター」の取り組みや、妊娠中の薬剤使用の安全性情報の必要性が評価されており、今後も取り組みによるさらなる成果が期待されます。

発表論文情報

タイトル:Pregnancy Outcomes With Exposure to Second-Generation Antipsychotics During the First Trimester

著者:Naho Yakuwa, Kunihiko Takahashi, Tatsuhiko Anzai, Naoki Ito, Mikako Goto,
Sachi Koinuma, Chiaki Uno, Tomo Suzuki, Omi Watanabe, Akimasa Yamatani,
Atsuko Murashima

掲載誌:Journal of Clinical Psychiatry
DOI:10.4088/JCP.21m14081.


本件に関する取材連絡先

国立成育医療研究センター 企画戦略局 広報企画室

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koho@ncchd.go.jp

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