
成育のアンサングシンデレラ・アンサングヒーロー(薬剤師のご紹介)
病院薬剤師が主人公のドラマ「アンサング・シンデレラ 病院薬剤師の処方箋」が7月16日から放送されます。病院で働く薬剤師はどんな仕事をしているのかご存じですか?
小児・周産期の病院である当センターで働く若手薬剤師、吉澤なぎさん、_橋勇人さんをご紹介します。

病院薬剤師の業務
1)調剤業務、製剤業務
2)服薬指導、薬歴管理
1日の業務の流れ
8:30~9:00 | 病棟カンファレンス |
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9:00~11:00 | 新入院患者確認、診療情報提供書記載、持参薬確認・入力、投薬前指導 |
11:00~12:00 | 入院患者の投薬・注射などの確認 |
12:00~13:00 | 調剤室業務 |
13:00~14:00 | 昼食 |
14:00~15:00 | 注射薬混注 |
15:00~16:00 | 薬剤管理指導 |
16:00~17:00 | 薬剤管理指導記録記載 |
16:00~17:15 | 病棟日誌記載 |
インタビュー
Q.ご担当のお仕事の内容は?
PICU(小児集中治療室)を担当しています。PICUには術後を含め、全身管理や集中治療が必要な患者さんがいます。
投与する薬の種類が多いので、投与方法に配合変化の起きる組み合わせはないか、薬の効果が落ちたり、反対に強く出たりする組み合わせはないかなど、慎重に管理しています。PICUにいる患者さんでは薬物動態(薬物が体内に投与されてから排泄されるまでの過程)が通常とは異なることも多いので、状況に応じて抗生剤など薬剤の投与設計を行っています。
_橋さん
10階西病棟を担当しています 。重症の患者さんも多いため、リスクの高い薬を何のためにどういう量で使うか、どんなことに注意したらよいかを患者さんや保護者の方に説明しています。説明の際には、基本的には病名は言わないように心がけています。自分の病気を知っている子どもに説明する時にも、周囲に同じ疾患で告知をされていない子どもや保護者の方がいるので配慮しています。
注射や粉薬は大人と同じものを、子どもにあわせた量に変えて使用することができますが、錠剤は砕いて出す必要があります。その際、粉末が飛散して自分のみならず、周囲の環境に飛散すると様々なところに暴露のリスクができてしまいますので、細心の注意を払って業務にあたっています。

Q.どうして小児の薬剤師になろうと思ったのですか?
以前から子どもが好きで、子どものためなることをしたいという思いはありましたが、大学で成育医療研究センターの前薬剤部長の講義を受け、子どもの薬物治療の情報が少ないことを知り興味を持ちました。大学卒業後、大学病院で2年半勤務していましたが、やはり子どもの薬に関する情報量は少ないと感じました。成育では大人用の薬剤の錠剤をつぶして、子どもに適した量を与えていますが、どの病院でもできる訳ではありません。小児の勉強をしたい、小児への投薬についてどうしたら良いのか分からない人に情報を発信できるようになりたいと思い、成育で働くことにしました。

Q.この仕事でやりがいを感じる時は?
吉澤さん
子どもとご家族に説明している内に、薬剤師の「吉澤さん」と認識して相談してくれるようになったり、退院した後外来で会った時に声をかけてくれたり、ありがとうと言ってもらえたりした時です。また、PICUでは、医師や看護師と連携をとり、チームの一員としてより良い薬物治療の提案ができたときにもやっていてよかったと思います。
_橋さん
患者さんからの薬の相談にのるなどしている内に、関係も深くなって、一緒に写真をとったり、手紙を下さったり。そんな時にやりがいを感じます。
只今、当センターでは薬剤師を募集しています。ご興味ある方は、ぜひこちらをご覧ください。