「第8回 健康寿命をのばそう!アワード〈母子保健分野〉 」で厚生労働大臣最優秀賞を受賞

当センターこころの診療部 乳幼児メンタルヘルス診療科の立花良之診療部長ら、厚労科研研究班が行った長野県須坂市での取り組みが、「第8回 健康寿命をのばそう!アワード〈母子保健分野〉 」で厚生労働大臣最優秀賞を受賞しました。
この表彰制度は、企業、団体、自治体などにおいて、適度な運動、適切な食生活、禁煙、健診・検診の受診という4つのテーマを中心に、 健康増進・生活習慣病予防への貢献に資する優れた啓発活動・取組の奨励・普及を図ることを目的に行われているものです。
立花医師は須坂市の母子保健関係者と協働して、平成26年より妊娠期からの切れ目のない支援の地域母子保健システム「須坂モデル」の構築を行い、その効果を検証しました。須坂モデルでは、妊娠届を出した全ての妊婦を対象に保健師が面接を行い、心理社会的アセスメントを行います。さらに、心理社会的リスクのある親子に対し、多職種の地域連携会議で支援方針を検討しフォローアップします。この母子保健システムが地域全体の産婦のメンタルヘルスを向上させ、産後うつ予防に効果があることが示されました。
この成果は、国際学術雑誌 BMC Pregnancy and Childbirthで公表されました。また、須坂モデルのマニュアルは、他地域の関係者も実践できるように書籍化されています。このように科学的に有効性の実証された妊娠期からの切れ目のない支援についての地域母子保健システムは、「須坂モデル」が世界で初めてとなります。そして現在は、「須坂モデル」のような取り組みが日本の多くの自治体に広がりつつあります。
立花医師は、当センターで母子保健関係者向けの研修会を開催するなどして、このようなエビデンスに基づく有効な母子保健システムの均てん化をさらに進めていきたいと考えています。