国立研究開発法人 国立成育医療研究センター National Center for Child Health and Development

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成育すこやかジャーナル 平成23年度

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    成育すこやかジャーナル     No.109(2012/3/29)
 
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━━━━━━━━━━━━━━━━■ 目   次 ■━━━━━━━━━━━━━━━
 
●乳幼児期に血便をきたす病気
                         消化器・肝臓科 清水 泰岳
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●小児外科系病棟について
                         7階西病棟 看護師長 木曽 一代
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●新人医師の紹介
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●トピックス
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●乳幼児期に血便をきたす病気
                               消化器・肝臓科 清水 泰岳

赤ちゃんや幼児期のお子さんの便に、血液が混じっていたら、どんな原因が考えられる
のでしょうか?今回は乳幼児期に見られる血便について、お話しします。

消化管は、口から肛門に向けて体の中を通り抜ける一本のトンネルです。そのどこかか
ら血が出ると、出口(口または肛門)から出てくることになり、口から出れば吐血、肛門
から出れば下血(血便)となります。下血の場合、通常は、食道や胃などの上部消化管か
らの出血は時間が経ち酸化されることにより黒い便になり(タール便と呼ばれます)、小
腸や大腸などの下部消化管からの出血は暗い赤色~鮮やかな赤色の血便となります。

以下に、血便を起こす代表的な病気について、ご説明します。
乳幼児に血便を起こす病気の中で、特に急を要するものとして「腸重積」という病気が
あります。腸重積は、服を脱ぐ時に袖が入り込んでしまった時のように、腸が腸の中に入
り込んで、つまった状態になる病気です。特徴的な症状として、1.間歇的な(良くなっ
たり悪くなったりを繰り返す)強い腹痛、2.嘔吐、3.「イチゴゼリー便」と呼ばれるド
ロッとした粘血便が知られていますが、全部の症状が揃わないこともあります。腹部エコー
やX線透視によって診断と治療を行いますが、重症な場合や発症後時間が経過した場合に
は、外科的な手術が必要になることもあります。

 新生児~乳児では、「消化管アレルギー」が血便の原因であることもあります。一口に
「消化管アレルギー」と言っても、血便のみの場合もあれば、嘔吐や下痢を伴う場合もあ
るようです。多くの場合、母乳やミルクの適切な変更により症状は消失しますし、成長と
共に改善していくことが多いと考えられています。ただし、過度の食事制限は小児の成長
・発達に悪影響を及ぼす可能性もありますので、自己判断せずに小児科専門医にご相談さ
れると良いでしょう。

 幼児期以降の血便の原因として、最も多いのは「感染性腸炎」です。発熱、下痢や嘔吐、
腹痛を伴って鮮血便が見られることが多いです。原因菌としては、キャンピロバクター菌
(鶏肉、バーベキュー)やサルモネラ菌(食肉、卵、マヨネーズ、犬・猫・ミドリガメと
の接触)、病原性大腸菌(牛肉)が三大起炎菌と言われます。特に腸管出血性大腸菌によ
る出血性腸炎は重症化することがあるため注意が必要です。昨今、焼肉店での食中毒が大
きく報道されましたが、生や加熱不十分な牛肉は食べないようにしましょう。

 腹痛を伴わずに、突然の大量の血便を認めたら、「メッケル憩室(けいしつ)」からの
出血かもしれません。通常は2歳以下の乳幼児に多いと言われていますが、小学校高学年
になって診断される方もいらっしゃいます。この「メッケル憩室」とは、お子さんがまだ
お母さんのお腹の中にいた時に、赤ちゃんに栄養を送るために使われていた管(卵黄腸管)
が生まれてくるまでに消えてなくならずに、小腸の終わりの部分に袋状に残ってしまった
ものです。そこには胃の粘膜が混じっていることがあって、胃酸を作りだしてしまうと周
りの粘膜から出血してしまうのです。「メッケル憩室」は、約2%の人にあると言われて
いますが、出血だけでなく腸閉塞や腸重積などの原因にもなります。胃の粘膜を持つ「メッ
ケル憩室」の有無はシンチグラフィという検査で調べることができます。診断がついたら、
外科的な手術が行われます(最近は腹腔鏡手術が行われる場合もあります)。

 幼児期以降に多い病気に、「血管性紫斑病(アレルギー性紫斑病)」と呼ばれるものが
あります。この病気は、1.皮膚症状(下肢に紫斑と呼ばれる細かい発疹がでる)、2.関節
症状(関節痛、関節の腫れ)、3.消化器症状(腹痛、血便、嘔吐)が特徴ですが、腹痛や
血便が先に出て、後から他の症状が出てくる場合もあります。腎臓に影響がでることもあ
るので注意が必要です。

 普通便の表面に真っ赤な鮮血が付着している場合には、便秘によって肛門が切れてしま
う「裂肛」が疑われます。特に、便を出す際にきばってなかなか出せない場合、硬い便が
出ている場合などでは、お尻が切れていないか見てみることも大切です。

 乳幼児であっても、大腸に「若年性ポリープ」と呼ばれるポリープができて、便がこす
れることで出血することもあります。この場合、便の表面にドロッとした粘血が付着する
ことが多いですが、ポリープが粘膜から自然に脱落してしまうと、そこから大量に出血す
ることもあります。また、ポリープが腸重積の原因になることもあります。ポリープと診
断された場合は、内視鏡的に切除します。

 このように乳幼児期に下血を起こす病気には、実は様々なものがあります。特に、腸重
積を疑わせるような症状(間歇的腹痛、嘔吐、イチゴゼリー便)があるときや、血液の量
が多く顔色が悪いとき、腹痛が強いときなどは、早めに病院を受診した方がよいでしょう。
また、実際に小児科医が便を見ることで診断の参考になることもありますので、血便が出
たときには、オムツごと持参するか、携帯電話やデジカメなどで写真を撮って、受診され
るとよいでしょう。


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●小児外科系病棟について
                       7階西病棟 看護師長 木曽 一代

 国立成育医療研究センターでは、感染対策、子どもの安全、治療の専門性などを踏まえ、
平成22年より病棟再編成を行ってきました。その中で、手術を受ける小児外科系の子ど
もが入院している病棟が、7階病棟です。今回は、手術を受ける子どもとご家族、また私
たち看護師の子どもへの関わりについて、ご紹介したいと思います。

 小児外科系は、小児外科、脳神経外科、形成外科、整形外科、泌尿器科、耳鼻科、眼科
など幅広く、病棟では様々な手術を受ける子どもの看護を行っています。手術は、年間約
1500件行われ、入院する子どもの平均年齢は、2歳9ヶ月です。

 手術は、子どもにとってもご家族にとっても大きな出来事と言えます。子どもは、「手術
を受ける」という未知のことに対して子どもなりに理解をしていますが、そのうえで「こ
わい」「いやだ」「ママと離れるのがさみしい」と感じることも多く、ご家族はこわがって
いる子どもを目の前に、どうしたらよいのかと戸惑います。看護師は、子どもの「こわい」
「いやだ」をキャッチして、何が「こわい」と感じているのかを子どもとともに探り、子
どもが「大丈夫」と感じるよう努めています。例えば、ママと離れるけどまた会えること
や、いつ頃に点滴がとれるのかなど、子どもの年齢に合わせて理解できるように話してい
ます。また、手術室で家族と離れるときは、「バイバイ」ではなく、「いってらっしゃい」
という言葉が、子どものこわい思いを和らげるようです。そのため、ご家族とともに「い
ってらっしゃい」と声をかけ、ママが待っているから、頑張って早くママに会おうと話し
ています。そうすると、子どもは笑顔で手を振り、手術室に入っていきます。

 子どもが、「これなら自分にもできる」という自信や、「できるだけ痛くない、こわくな
いようにしてくれるんだ」という安心を感じられると、主体的に自分の力を発揮すること
ができると感じています。

 手術を受けた子どものお母様が、「手術後が心配だったけど、子どもが自分で受け止めて、
こんなに頑張れるなんて驚きました。」と、話してくださいました。子どもは「こわい」
「いやだ」と感じつつ、その反面、これからどうなるのかイメージすることで自信や安心
感につながり、前向きになる力を持っていることは、本当に素晴らしいと思います。
私達、小児外科系病棟の看護師は、少しでも子どもとご家族が安心して手術に望めるよ
う、これからもお手伝いをしていきたいと思います。

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●新任医師の紹介
臓器・運動器病態外科部 外科     医長 渕本 康史
こころの診療部     育児心理科  医長 立花 良之

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●トピックス

ボランティアの会10周年記念公演の「大人と子供のための読みきかせの会」による
「つりばしゆらゆら」の公演が行われました。

http://www.ncchd.go.jp/center/information/event/2012yomikikase.html

保育士によるひなまつり会が行われました。

http://www.ncchd.go.jp/hospital/support/hoiku/1203hinamatsuri.html

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『成育すこやかジャーナル第109号』いかがでしたか?

 以前からあったのかもしれませんが、最近スーパーマーケットなどでよく生産者の顔の見
える●○といった野菜などを見かけます。今や農家の方たちもITの時代らしく、農園の管
理も全てPCで(生産から出荷、栽培状況まで)している方が増えているようです。
 安心がお金で買えるというのは語弊があるかもしれませんが、若干割高なものでも少し
頑張って子どもたちに食べさせてあげたいと思いました。

       成育医療研究センターのホームページも是非ご覧下さい。
                http://www.ncchd.go.jp

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        成育すこやかジャーナル     No.108(2012/2/9)

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 ●妊孕性は何故低下するのか?妊孕力を推測することはできるのであろうか? 

                                          不妊診療科 齊藤 隆和
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 ●胎児診療科のご紹介
                                           胎児診療科 住江 正大
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 ●新人看護師を育てるための看護体制の強化について
                                            7階東病棟 松本 有子
 ………………………………………………………………………………………………………

 ●新人医師の紹介
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 ●トピックス
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●妊孕性は何故低下するのか?妊孕力を推測することはできるのであろうか?

                                      不妊診療科 齊藤 隆和
 

 前回(メルマガ95号)にて女性の妊孕性(妊娠する能力)は閉経することによりいき
なり途絶えるのでなく、閉経するずっと前より気がつかない内に衰えていること、そして
月経があるうちは妊娠の成立が年齢に関係なく一様に達成されるのではないと言うことを
お話しさせて頂きました。女性の妊孕性は年齢に依存し、30歳前後から低下し始めてい
ます。

 女性の妊孕性は30歳をすぎると年齢を重ねるごとに低下してくるものであり、臨床上
顕著となるのは35歳を過ぎてからと言われています。年齢に依存した大きな流れはある
ものの、同じ年齢の人が同等の妊孕性を持つとは言えず、個人差は存在しています。個々
のもつ妊孕力の把握は大事な点であり、挙児を希望して通院治療される方には、その能力
を把握することは治療の第一歩とも言えます。

 女性の妊孕力を左右する一番の要因は、卵巣内に存在する、卵子及び卵子の素(原始卵
胞)です。卵子の素になる物は、自分が胎児の時にすでに作り上げられており、一時休止
状態に入り誕生を迎えます。思春期になるとその一時休止状態の中から卵の発育が再開さ
れ排卵へと向かいます。妊娠が成立する際の卵巣の潜在能力を推測する手段として、これ
まで臨床上検討されてきた項目は、年齢、血液中のFSH(卵胞刺激ホルモン)値や卵巣
ホルモン値、超音波による卵胞数計測や卵巣径計測などであります。これらは月経周期に
よる変動がみられ、その変動を考慮した判断が必要となります。近年、月経周期などによ
る変動が少ないとされるマーカーが臨床応用され始めました。抗ミューラー管ホルモン(A
MH)といわれるもので、卵子を取り巻く細胞より分泌されるホルモンであり、この値は
卵巣予備能力をより正確に表す測定値であるとされています。

 AMHの測定は不妊治療の可能性や方向性に役立つと、最近多くの知見が報告されてき
ており、現時点で保険適応にはなっていない検査ではありますが、計測され治療に役立ち
始めております。

 女性の妊孕性については、若い時より認識しておくことが必要であると思われます。こ
れまで、挙児希望に対する数々の検査法や治療が開発されてきてはいますが、やはり同じ
治療をしていても、年齢が若い患者ほど妊娠率が高いのは変わらない事実であり、若い内
に妊娠することを自覚すること、若い内に妊娠できるような環境(社会)にすることがよ
り一層望まれています。


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 ●胎児診療科のご紹介
                                     胎児診療科 住江 正大



 私たちの胎児診療科は妊婦さんのお腹の中にいる赤ちゃん(胎児)を専門にしている診
療科です。成育医療研究センターが開設された2002年に日本で初めて胎児を専門に診
療する専門科として設けられました。

 診療の内容としては、主に超音波診断を中心とし、胎児の異常を診断して生まれた後の
治療に繋げる役割をしたり、場合によっては子宮の中で治療できる病気であれば胎児治療
と呼ばれるお腹の中での治療を行ったりしています。また、染色体検査や遺伝子検査を行
うために必要な羊水検査や絨毛検査といった検査にも積極的に取り組んでいます。

 昨年度は375例の胎児異常がある(あるいは疑われる)妊婦さんの診療を行いました。
まだまだ法律的にも分娩して生まれてくるまではお母さんの付属物としてしか認識されて
いない胎児ですが、生まれてくる前に的確に診断して、きちんと治療を行えば治る(ある
いは産まれた後の経過がよくなる)病気もたくさんあります。

 もちろん他の診療科との連携なしでは最善の医療は提供できません。当センターでは産
科、新生児科、小児外科、循環器科、放射線科、遺伝診療科など各専門診療科と協力し、
最善の出生前の管理や出生後の治療を提供しています。


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 ●新人看護師を育てるための看護体制の強化について
                                    7階東病棟 松本 有子



  7階東病棟は、小児の外科病棟です。病床数は39床で、乳幼児から学童期の児を中心
として、手術を受ける患者さんが多く入院されています。配属の看護職員は看護師長1名、
副看護師長2名、看護師22名、看護助手1名、保育士1名です。

 7階東病棟では39の病床を、重症度や行われる治療内容などによって3つのエリアに
分け、このエリアに応じて看護師をA、B、Cの3チームに編成しています。1チーム当
たりの看護師数は7~8名で、各チームはリーダー、サブリーダー、メンバーで構成され
ています。各チームは自己のチームに入院される患者さんの特徴を考慮して年間のチーム
目標をたて、活動しています。リーダーはチーム運営の中心となり、リーダーシップを発
揮してチームをまとめる、他のチームとの調整を行うなどの役割があります。

 7階東病棟では、今年度から新たに各チームにサブリーダーを置くことにしました。こ
のサブリーダーの役割について述べたいと思います。
 病棟は毎年4月に新人看護師を迎えます。各チームには自己のチームに配置された新人
看護師を教育するという役割もあり、新人看護師が1日も早く職場に慣れ、患者さんに良
いケアを提供できるよう指導を行うことは、チーム活動の中でも大きな要素です。

 サブリーダーは、リーダーのチーム運営を補佐することが最大の役割ですが、今年度新
たにサブリーダーを置くにあたっては、新人教育に重点をおいて活動してもらうよう位置
づけました。新人看護師が病棟の一員として成長していくために、各チームがそれぞれの
チームに所属する新人看護師の指導を行いながら、病棟全体で新人看護師の教育に関われ
ることを目指しました。

 4月から、月1回を目安に教育担当の副看護師長と各チームのサブリーダーとの会議を
設定し、指導についての情報共有や指導方法の検討・評価を行っています。一例として、
経験不足の技術や学習が不十分なことについて、新人看護師個々の個性も考慮して指導方
法を話し合い、一緒に夜勤を行う他のチームの看護師にも伝達しました。新人看護師にと
って夜勤は特に強い緊張を強いられる業務ですが、学習進度や未経験技術を把握している
先輩と行うことで、ケアを提供する際の安全度を高め、新人自身の緊張も緩和してくれる
効果があったと思います。

 今後もよりよい看護を提供できるよう、看護体制の見直し、改善に努めていきたいと思
います。

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 ●新任医師の紹介

               手術・集中治療部    集中治療科     榎本 有希


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●トピックス

 

保育士さんのクリスマス会です。
http://www.ncchd.go.jp/hospital/support/hoiku/1112-xmas.html

成育庭園のイルミネーションです。
http://www.ncchd.go.jp/center/information/event/11winter.html

ボランテイァの会主催の新春コンサートです。
http://www.ncchd.go.jp/center/information/event/120111new-year.html

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『成育すこやかジャーナル第108号』いかがでしたか?

 新年を迎え、東京にも積雪があり凍った路面を怖々歩いた方も多いのではないでしょう
か?今年は6年ぶりの豪雪に各地で寒い冬を過ごしている方も多いと思います。
  世間では、ジンジャラーなる生姜好きな女性が多いそうです。私も、テレビで見た女優
さんの真似をして生姜紅茶にひと時凝りました。しかしこの生姜効果、ただ、生姜を食べ
れば冷え症が改善されるのではなく、摂取の仕方によって効果に違いがあるそうです。乾
燥させた生姜をお料理や飲み物に入れるとさらに体を温めてくれるそうですよ。
防寒グッズも色々な種類のものを目にします。ご自分にあった防寒方法を見つけて暖か
い冬を過ごせるといいですね。


         成育医療研究センターのホームページも是非ご覧下さい。

                http://www.ncchd.go.jp
 
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成育すこやかジャーナル     No.107(2012/1/12)

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●年頭にあたって

国立成育医療研究センター病院長     松井 陽
………………………………………………………………………………………………………
●眼科の全身麻酔下検査について
眼科 伊藤 牧子
………………………………………………………………………………………………………
●NICU退院後の継続的支援について
NICU看護師 伊原 仁子
………………………………………………………………………………………………………

 ●新人医師の紹介
………………………………………………………………………………………………………

 ●トピックス
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●年頭にあたって
                         国立成育医療研究センター病院長     松井 陽


 平成24年の年頭に当たり、読者の皆様に一言、ご挨拶を申し上げます。昨年は東日本
大震災と引き続く津波、原発の被害に多数の人々が甚大な影響を受けました。その影響は
現在も続いており、年賀状に年始を寿ぐことばを添えられないと思われた方も少なくなか
ったことでしょう。また国の内外で不況、円の1人高、政治不安が相次いでいます。そう
した影響は病院にも直接、間接に及んで、入院患者数の減少、分娩数の伸び悩み、その結
果として前年度にたてた計画に比べて収入の減少が明らかになっています。政府が計画し
ている消費税率の引き上げは、薬剤や医療機器を購入する病院にとっては支出増として跳
ね返ってくると思います。

 このような中で小児医療、周産期医療の担い手である私どもはどうしたらよいのでしょ
うか。当センターが6つのナショナルセンターの1つであるといっても、できることに限
りはあるでしょう。しかしそうは言っても未曾有の少子高齢化を放置していると、やがて
1人の勤労世代が1人のお年寄りをおんぶする時代になっていくことが予想されています。
その中で当センターが目指さなければならないのは、国や社会のニーズに応えて子どもや
妊婦を大切にする医療を行うことです。それには、順不同ですが、第一に成育医療におけ
る高度先駆的医療を展開し、第二に区や都に開かれた病院として、小児救急医療、集中医
療、周産期医療をモデル医療として提供することです。第三に患者さんおよび職員の満足
度を高め、第四に病院内の無駄な支出を抑えて収支改善に努めるしかないと思います。第
五に重い障害や病気を背負った患者さんとそのご家族を支援する体制の一端を担うことだ
と考えます。

 結びにあたって、皆様およびわが国にとって今年が復興の1年であることを祈念して、
年頭のご挨拶といたします。

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 ●眼科の全身麻酔下検査について

                                     眼科 伊藤 牧子

子どもは眼科の精密な検査に協力してもらえないことが多く、覚醒下で行うには限界が
あります。しかし、子どもの眼疾患には、症状に乏しく外見からは発見しにくいですが、
緑内障、網膜剥離、網膜芽細胞腫など的確に診断して緊急に治療を行わないと失明や生命
に関わる疾患もあります。また網膜色素変性症、レーベル先天黒内障、黄斑ジストロフィ
ーなど鑑別の難しい変性疾患や、多彩な先天性眼疾患があり、その診断・治療のため、全
身麻酔下検査が必要なことがあります。ここでは、その内容と目的についてご紹介したい
と思います。

・眼圧/隅角検査:緑内障が疑われる場合に、眼圧が高くないか、眼内の水が流れ出る部
分(隅角)の構造に異常がないか調べる検査です。子どもの緑内障の多くは、隅角の形成
異常が原因のため、診断がつけば早急に手術治療が必要となります。

・眼底検査:網膜剥離や網膜芽細胞腫が疑われる場合には、覚醒下で眼底のすべての範囲
を見ることは難しいため、全身麻酔下に眼球を圧迫しながら、網膜の隅々まで観察する必
要があります。次の蛍光眼底造影と組み合わせることによって、よりくわしく病態の把握
ができます。

・蛍光眼底造影検査:網膜血管の状態を知るための検査で、血管の構造や異常血管の有無
などをよりわかりやすくとらえることができます。蛍光造影剤を静脈注射し、眼内に入っ
てきたところで眼底写真を撮影します。血管の発育不全がある場合や新生血管から造影剤
が旺盛に漏れる場合などには、網膜剥離の予防のためレーザーによる網膜光凝固や網膜硝
子体手術が必要となることがあります。

・網膜電図検査:網膜の機能を知るための検査で、進行性の網膜変性症などの鑑別診断に
必須の検査です。光刺激が出る電極を直接黒目の上に置いて、刺激に対する網膜の反応(電
位変化)を波として記録します。20分の暗順応(部屋を真っ暗にします)のあと刺激し
て得られる杆体反応と、10分の明順応のあと刺激して得られる錐体反応とがあり、2種
類の視細胞の機能を判定できます。

・網膜光干渉断層計(OCT)検査:網膜の構造を知るための検査で、とくに視力と密接
にかかわる網膜の中心部(黄斑部)の構造を詳細にとらえることができます。

視力の発達期にある子どもの眼の病気は、早期発見・早期治療が重要です。これらの検
査によって重症な疾患のより早い段階での診断・治療が可能となり、よりよい視機能の維
持・獲得につながります。

なお、網膜の検査を行うためには、瞳孔(茶目)を開く目薬(ミドリンP)を点眼して、
事前に十分に散瞳する必要があります。ご家族・コメディカルのみなさまにも検査や点眼
の重要性をご理解いただきますようお願いいたします。

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 ●NICU退院後の継続的支援について
                                      NICU看護師 伊原 仁子



近年、出生数が減少の一途をたどりつつある日本で、出生体重が2,500g未満の低
出生体重児は増えつつあります。また、周産期、新生児医療の進歩により、これまで救命
できなかった早産児、超低出生体重児、先天性疾患をもつ新生児の救命が可能となってい
ます。これらの変化に併せて、当院のNICUは今年度からNICU加算(新生児特定集
中治療室管理料)の病床数を18床から21床へ増床し、GCU加算(新生児治療回復室
入院管理料)18床が起動し始めました。つまり、より多くの早産児、低出生体重児、先
天性疾患をもつ新生児の入院が可能となりました。我々は、日々そのような子どもたちの
成長発達を支え、促す看護や家族が新たな家族の一員を迎え、新たな家族として変化して
いく過程を支援しています。一方で、NICUを退院する子どもたちの多くは退院後もケ
アを要したり、長期に渡って発育、発達、愛着形成、育児における問題が継続することが
多く、外来や地域と連携して関わっていくことが重要と言われています。平成22年度の
診療報酬改定においても、NICU入院患者等に係る退院調整加算が新設されました。東
京都ではさらに、医療ケアが必要な入院児の円滑な退院に向けた支援体制の確保を図るこ
とを目的として、NICU入院児支援コーディネーターを置き、NICU退院支援モデル
事業が開始されています。現在当院のNICUでは、看護師長が入院患者のスクリーニン
グを行い、退院支援計画書を作成し、育児支援を行いながら退院調整を図っています。ま
た、週1回医療連携室の看護師長、副看護師長とNICU看護師長で、NICU、病棟、
外来と看護の提供する場が変わっても支援が切れ目なく継続的に行われるように、入退院
患者の情報共有と情報交換を行っています。

 このようにNICUでは入院中から退院後の生活を予測して、退院後も家族が子どもの
ケアが継続できるように支援を行い、関連部署との情報共有・交換を行っていますが、我々
NICUの看護師は退院後の子どもと家族の生活を知る機会が得られにくい状況にありま
す。退院後の子どもと家族の生活を知る一番の情報源である発達外来では、外来看護師と
ともにNICUの看護師も関わっています。しかし、外来受診者数が多く、患者の把握や
予測された問題の評価が難しい状況にあります。また、発達外来に関わるNICUの看護
師も固定していないため、必ずしも退院前の子どもと家族の状況を把握している看護師が
外来でも関わることができるとは限りません。退院後の外来では、退院後の育児生活の基
盤を整え、子どもの成長発達の変化に応じて、家族が自信を持って育児できるように必要
な育児支援を提供し、必要時には専門的な支援に繋げるためのコーディネーションを行う
ことが求められます。しかし、発達外来でのNICU看護師の役割を十分理解できていな
い看護師も少なくありません。そこで、NICU入院中の経過や情報を退院後の外来でも
活かして、入院中に予測していた問題の評価を行うことができるように、看護師の配置や
NICU看護師の意識変革、発達外来のあり方について外来看護師や医師とともに検討し
ていくことが今後の課題といえます。また、退院後の外来においてNICUの看護師が退
院後の子どもと家族にも関わり、生活の評価を行うことで、NICUでの看護に対するフ
ィードバックを受けることが可能となり、NICUにおける育児支援の改善やさらなる充
実化につながると考えます。

 医療の進歩、そして出生している子どもの変化に併せて、日本の医療体制にも動きがみ
られてきている昨今、国立成育医療研究センターのNICUとしても、NICUから退院
する子どもと家族が地域で健康に暮らしていくためのケア方法やフォローアップ体制を検
討し、子どもと家族のニーズに即した支援が提供できるように今後もスタッフ全員で考え、
実践していきたいと思います。


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 ●新任医師の紹介

               手術・集中治療部    麻酔科     小暮 泰大

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●トピックス

 12月19日(月)、豆の木広場にてボランティアの会主催の「クリスマスコンサート」
  が行われました。↓

 http://www.ncchd.go.jp/center/information/event/2011x'mas.html


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『成育すこやかジャーナル第107号』いかがでしたか?

 2012年の干支の辰の特徴は正義感と信用だそうです。

 日本では、海外では奇異な目で見られるマスクの着用率が年々上がってきているそうで
す。使用感も以前より息苦しくなくなり、子ども用女性用など様々なシチュエーションで
使えるように改良されたマスクをつけた人々を以前より多く見かけるようになりました。
いまや、風邪をひいたらマスク着用は常識のようです。人に移さないこころづかいは日本
人ならではだと思います。
 最近は、風邪、風邪予防以外でも寒さ対策、忙しい朝お化粧をし忘れた時につけるなど
本来の使用目的とは違った使い方も多いようですが、なるべく風邪をひかぬよううつさぬ
ように元気に今年も過ごせればよいなぁと思います。

         成育医療研究センターのホームページも是非ご覧下さい。

                http://www.ncchd.go.jp
 
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        成育すこやかジャーナル     No.106(2011/12/15)

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━━━━━━━━━━━━━━━━■ 目   次 ■━━━━━━━━━━━━━━━

 ●「産科の新しい取り組み-漫画を使用した説明文書の作成」

                                          産科 江川 真希子
 ………………………………………………………………………………………………………
 ●母乳育児支援を通して考えること
                                   6西病棟 看護師長 青木 智子
 ………………………………………………………………………………………………………
 
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 ●「産科の新しい取り組み-漫画を使用した説明文書の作成」

                                 産科 江川 真希子


 みなさま、こんにちは。
 今回はみなさまに産科の新しい取り組み、マンガを使用した説明文書についてご紹介い
たします。

 説明文書、たとえば新しく購入した機器の使用説明書など、難しいし、読みにくいし、
どこを読むのか分からないし、と思われたことはありませんか?私たちが使用する説明文
書に関しても、私たち医師自身も一般の方にとっては難しいのではないか、と思いながら
使用している場合もあります。

 産科でも外来診療、入院診療ともに、多くの説明文書、同意書を使用しています。本当
はゆっくり丁寧に、分かりやすい説明を、と心がけてはいますが、分娩の場面によっては
緊急事態のため、早く帝王切開手術が必要でゆっくり説明している時間がない、しかし手
術を行うには同意書のサインが必要、といった場面がよく発生します。

 このような場合には、お母さんと赤ちゃんと、二人の命がかかっている場合も多く、手
術を受けるご本人には状況をよく知って手術に臨んで頂きたいと思っています。また出産
の当日に初めて病院に来られ、医師と会ったようなご家族にも、十分理解していただきた
いと気をつけてはいますが、処置が優先となるため説明が行き届かず、状況が掴めないま
ま家族は置き去り、といった状況になってしまうこともあります。またこのような緊急事
態は誰にでも起こりうる可能性があるのです。

 そこで、私たちはマンガを使用した説明文書を作成することを始めました。内容がしっ
かりとしたものであっても、読みにくければ意味がないと考え、マンガというツールを利
用することにしました。私たち産科医師と、イラストレーターさん、ライターさんで、毎
号数時間かけて打ち合わせを行っています。毎回テーマを決め、事前に作成しておいた資
料を読みながら、内容をイラストレーターさん、ライターさんに伝えます。それを持ち帰
って、マンガと説明文書に作成していただき、その内容をまたみんなで検討していきます。
ここで私たちが内容を十分に伝えるのに、前もって予習し、産科の教科書も持参して来ら
れている方たちにですら数時間かかっています。医学用語を初めて聞くところから始まる
患者さんにご理解頂くことが、いかに難しいか、ということを痛感しています。

 毎号このように、一般の方と作成したマンガと説明文書は成育医療センターのホームペ
ージ上 http://www.ncchd.go.jp/hospital/section/perinatal/bunben.html に公開して
います。当センターの産科外来でも必要時に配布しており、多くの妊婦さんとそのご家族
に見ていただけると幸いです。自分には関係ないから、ではなく、妊娠・出産に関してこ
んなことも起こりうるんだな、と前もって読んで頂けると本当に嬉しいです。(このマン
ガのコラムは成育委託研究 左合班のサポートで作成しています)。

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 ●母乳育児支援を通して考えること

                                     6西病棟 看護師長 青木 智子

『ヒト』は哺乳類に属するので、母乳で赤ちゃんは育つのが当たり前とされていますが、
『人間』では、なかなか当たり前のようにいかないことがあります。その理由には、産後
の疲れが取れなくて赤ちゃんのことまで考えられない、母乳が思うように出てこない(出
ている感覚が感じられない)、泣くたびに吸いつかせているが自分が眠れなくて辛い、赤
ちゃんがうまく吸いついてくれない、赤ちゃんの体調が悪いため直接母乳を上げられない
等、お母さんの理由や赤ちゃんの理由など様々です。

 母乳育児の基本は、赤ちゃんが欲する時に好きなだけ吸わせること。特に生後24時間
以内に頻回に授乳することで母乳の分泌が促されます。また、頻回に吸いつくことで赤ち
ゃんの胃腸の活動が活発になり、わずかでも母乳を最初に体内に取り入れることで、初乳
の恩恵を最大限に得ることができます。

 今年4月に11階西病棟が開棟し、周産期病棟は4病棟になりました。この4病棟に看
護スタッフは約110名おり、産前・産後のお母さん方や生後間もない赤ちゃんのケアに
携わっています。

 どうしたら、すべてのお母さん・赤ちゃんがスムーズに母乳を通して楽しく育児ができ
るのだろうか?と、私たちは日々、母児に向き合いながら、それぞれの個別性に合わせ、
 また、病棟間の隔たりがないように協力しながらケアを提供しています。
 その中で感じることの一つは、妊娠が成立した時から、育児は始まっているのではない
かということです。赤ちゃんにとって、お母さんの胎内は全宇宙です。お母さん自身を頼
りに過ごしています。お母さんが体調を整えることで赤ちゃんの生活環境といえる胎内環
境が整えられます。産後のことを少しずつ考え対策を講じることで、よりスムーズに赤ち
ゃんとの生活ができるのではないかと思います。

 赤ちゃんにとって頼みの綱であるお母さんは、出生後もとても大切な存在です。泣いた
り愚図ったりしながら、お母さんの関心を引き、育ててもらう、これが赤ちゃんの生きて
いく術です。この赤ちゃんの意図を授乳したり、おむつを替えたり、お風呂に入れたりと
世話をすることで、少しずつお母さん自身も赤ちゃんの事を理解し、赤ちゃんも2カ月頃
には目と目を合わせてニコッと笑ったり、ウーッと声を出したりするようになり、育児の
楽しさが解ってきます。

 親子の関係が切れないように、育児・子育ては一生続きます。その中での母乳育児はほ
んの一時です。
 私たち周産期病棟のスタッフは、すべてのお母さんと赤ちゃんがお互いを尊重しながら
楽しく育児ができるように、サポートさせていただきます。


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『成育すこやかジャーナル第106号』いかがでしたか?

早いもので、今年もあと数週間となりました。今年は色々なことがありましたが、師走
といえば年賀状です?東日本大震災がおきた今年、被災地では年賀状の代わりに挨拶状を
送る動きが広がっているそうです。新年を祝うのではなく、近況報告や支援への感謝を伝
えるためだそうです。最近は、年末年始のご挨拶もメールで済ませる傾向がありますが、
今年は、久しぶりに手書きで近況を知らせるはがきを出そうと思います。


         成育医療研究センターのホームページも是非ご覧下さい。

                http://www.ncchd.go.jp
 
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        成育すこやかジャーナル     No.105(2011/11/10)

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━━━━━━━━━━━━━━━━■ 目   次 ■━━━━━━━━━━━━━━━
 ●麻酔について

                                          麻酔科   糟谷 周吾
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 ●「MFICUについて」

                                        6東病棟  都筑 美緒
 ………………………………………………………………………………………………………
 ●新任医師の紹介

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 ●麻酔について

                                 麻酔科     糟谷 周吾


日本では麻酔は医師が行っています。麻酔を“かける”と言われますが、より正確には
麻酔を“行う”となります。これは魔法の様に得体の知れない方法で煙に巻く様子の表現
かもしれません。実際麻酔の詳細な機序については科学的に解明されていません。しかし
過去世界中の多くの経験から、麻酔はほぼ安全な医療行為として認識されています。これ
は様々な麻酔薬や医療器材、モニター類の進歩によるものでもあり、偉大な先達の努力の
結果です。ここでは全身麻酔についてお話します。

小手術はあっても小麻酔はない、と言われます。小とはMinorの意味です。大手術
ではストレスも大きく危険が伴う事は容易に想像出来ます。しかし小手術であるから、そ
の麻酔が簡単とは限りません。なぜでしょうか。

全身麻酔とは、患者さんの意識をなくし(健忘)、痛みを取り(鎮痛)、動かない状態
(筋弛緩)にすることです。通常の睡眠の場合であれば、当然ですが呼吸や心臓が動かな
くなったりはしません。実際の手術を受ける本人の感覚としては、睡眠中か全身麻酔中で
も恐らく大きな違いはないと思います。

しかし実際に体内で起きる変化は大きく違います。全身麻酔薬を使用すると、意識がな
くなるだけでなく、舌が落ち込んで喉が閉塞しやすくなり、呼吸も停止し心臓の機能も抑
制され、血圧も低下します。そのため全身麻酔中に麻酔科医は、細いチューブを気管に挿
入し(気管挿管)、人工呼吸(圧力をかけた強制的換気)を行います。点滴を挿入して輸
液し、必要なら昇圧剤など様々な薬を使用することがあります。麻酔科医は、一時的に患
者さんの生命を安全に維持し、利益を代弁する役割を担うことになります。そして手術に
伴う体の様々な変動を監視して必要な介入を行います。殆どの患者さんは問題なく麻酔・
手術というストレスを乗り切ります。それは予備能力が充分あるためで、ストレスがかか
っても身体機能は破綻しません。

しかし、心疾患や呼吸器系疾患がある場合や慢性的疾患を背景に持つ患者さんに対する
全身麻酔は危険が高くなります。なぜなら麻酔中に気管挿管や人工呼吸が充分にできない、
あるいは麻酔薬に伴う血圧低下に耐えられない可能性もあるからです。腎臓・肝臓等があ
る場合も同様です。手術の手段ともいえる麻酔によって、かえって手術中やその後に状態
が悪くなる事は避けたいと誰もが思うでしょう。

すなわちどんな手術でも麻酔下ではその変動に伴う全身的管理を行う必要があり、予備
能力が乏しいほど麻酔は生命維持への挑戦になる事が小麻酔はないという所以でしょう。

複雑な病態を抱えた患者さんが、どこまでストレスに耐えられるか(すなわち手術可能
か)は、手術部位・内容・所要時間・術者の力量等によっては必要な予備能力が異なって
くるため判断が難しいのが現実です。また全身麻酔中の管理についても、気管挿管・人工
呼吸以外の方法で行う場合以外の方法を取ることもあります。手術内容も多様化し、どの
様な麻酔管理方法が最も適切かは、麻酔科医が各専門診療科と共に総合的に判断していま
す。

小児では、年齢でも違いますが成人の場合に局所麻酔で可能な処置であっても全身麻酔
が必要になります。それは安静維持や協力が難しいためです。当院ではMRIの一部や放
射線治療時の麻酔など、手術室外で麻酔が必要な患者さんに出張で全身麻酔を提供してい
ます。鎮静と全身麻酔の境界は曖昧なところがありますし、鎮静や一部の麻酔方法では麻
酔科医以外がその必要性にあった方法で行います。メディアでは時に鎮静・麻酔が混同さ
れて報道されますが、もし麻酔や鎮静について疑問点があれば麻酔科医に聞いてみるのも
1つの方法です。

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 ●「MFICUについて」

                                      6東病棟  都筑 美緒

近年リスクの高い妊娠の増加に伴い、母胎救命を目的とした設備の需要が高まっていま
す。周産期センタ―では2011年4月にMFICUを開棟し、当院のNICUと共に母
体救命・胎児救命・新生児救命に取り組んでいます。

MFICUとは重い妊娠中毒症、前置胎盤、合併症妊娠、切迫早産、胎児異常などハイ
リスク出産の危険度が高い妊娠を対象に、母体・胎児に対応する為の設備と医療スタッフ
が備えられた母体胎児集中治療室の略です。専任の常勤医師と専任の看護師が配置され、
24時間体制で母胎の治療、観察、ケアを行っています。

近年の背景として高齢妊娠の増加、帝王切開術率の増加、合併症妊娠でのリスクの高い
妊娠が増加しています。その為、妊娠経過と共に危険な状態に陥る可能性が高く、時には
救急対応が必要となる症例が多くあります。産科救急を要する状態では、胎盤が早い時期
にはがれてしまい出血が多くなったり、血圧が急激に高くなってしまうなどの妊娠中の救
急疾患、分娩中から多量に出血してしまう状態や感染の悪化などの産褥期の救急疾患、出
生前に児の疾患がわかり胎児治療を要する胎児救命、早産での未熟時や先天性疾患で蘇生
を必要とする新生児救命があります。当院では妊娠期から産後まで継続して対応できるよ
うに、産科・新生児科・麻酔科などの医療スタッフが協力しながら万全な体制を整えてい
ます。

現在、当院MFICUに入院されている患者さんは、多くが切迫早産治療を必要として
いる方です。切迫早産とは、妊娠37週未満の早い段階で子宮口が開いてきたり、破水な
どの症状が起こり、安静や治療が必要になることです。赤ちゃんはお母さんの子宮の中で
成長し、外の世界に出ても生活できるように身体の各器官が成熟していきます。ここまで
来るのに37週間は必要とされているのです。本来であれば出産の前後一週間程度の入院
で済むところが、早産にならないために早い時期からの入院となり、ひたすら安静を守る
しかない状況はお母さんには大きなストレスとなってきます。上のお子さんや御主人のこ
とも心配だし、日々大きくなっていくお腹や出産も不安、変化のない単調に思える毎日を
過ごすことも大変です。すでに頑張っている方達の気持ちが、安全な出産に向けて維持で
きるようにお話を聞いたり、時には励ましたりしています。また同時に育児に対する心構
えも持てるように、当院では外来から個人または集団を対象に保健指導による情報提供を
行い、支援を行っています。

MFICUに入院する場合、救急治療を必要とされる急性期の状況にあり、わが子の状
態への不安だけでなく不慣れな環境におかれる不安が出てきて、精神的に支援が必要とさ
れます。その為、私たちは、少しでも患者様の不安が軽減できるよう、患者様と同じ目線
で一対一の対話をし、安心・安全な環境を整えることで、母児が良好な状態で分娩に至れ
るような医療の場を提供できるように日々取り組んでいます。



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  ●新任医師の紹介

   総合診療部    小児期診療科   水口 浩一

 周産期センタ―  産科         上田 英梨子



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          『成育すこやかジャーナル第105号』いかがでしたか?

 先日、ボーイング787(ドリームライナー)が成田から香港への営業飛行を行ったそ
うです。旅行は楽しいけれど、行くまでの主要機関が悩みの種、出張が多いけれど、飛行
機嫌いの方にはこのボーイング787は救世主?のような存在になるかもしれません。
今までのフライトとの違いは、たくさんありますが、まず、飛行機といえばあの耳の痛み、
幼児は勿論、大人でも辛いものですが客室の気圧が高くなったためおこりずらくなったそ
うです。また、窓が大きくなったため圧迫感が軽減されたり、機内の乾燥がなくなったり、
などなど、旅行の予定はありませんが飛行機に乗ってどこかに旅をしてみたい気分になり
ました。


成育医療研究センターのホームページも是非ご覧下さい。
        http://www.ncchd.go.jp 

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        成育すこやかジャーナル     No.104(2011/10/13)

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━━━━━━━━━━━━━━━━■ 目   次 ■━━━━━━━━━━━━━━━
 ●小児の肝臓病と肝移植

                                臓器移植センター 移植外科  垣内 俊彦
 ………………………………………………………………………………………………………
 ●「中間ケア病床って何?」 

                              耳鼻咽喉科 三塚 沙希
 ………………………………………………………………………………………………………
 ●トピックス

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 ●小児の肝臓病と肝移植

                            臓器移植センター 移植外科  垣内 俊彦

 小児の肝臓病は、小児の病気の中で、気管支喘息、アトピー性皮膚炎などのアレルギー
性疾患、肺炎や腸炎などの感染症、心雑音などでみつかる心疾患などに比べ、数が少なく、
珍しい病気が多いと思います。

一般に肝臓病といえば、大人では「目や体が黄色くなり、おなかが腹水で大きくなる病
気」と想像される方も多いと思います。実際、胆石、B型肝炎、C型肝炎、肝臓がんなど
で肝硬変に至り、上記症状を呈し、亡くなる方も多い病気です。肝臓内科の外来を覗けば、
C型肝炎でインターフェロンを投与されている方、内科的に肝臓がんと闘っている患者様
がほとんどを占めています。

一方、小児肝臓病は、頻度が低い割には、原因が多岐にわたります。「肝臓は沈黙の臓
器」といわれるだけに、症状が出るときにはかなりのダメージを受けていることが多いで
す。また、肝臓は数多くの仕事をこなす臓器だけに、逆に悪くなったときには、なかなか
その原因を我々医師に告げてはくれません。生まれつきの病気(遺伝性疾患)、免疫・ア
レルギーの関与する病気、構造異常、全身の病気の一部、ウイルスなどの感染、いまだに
原因不明の病気、など肝臓を悪くする病気は数多く存在するのです。しかし、その中で、
我々の先輩医師達の努力のおかげで、医療の進歩にともない今まで原因不明であったなか
からその原因が次々に見つかるようになってきました。原因が判明すれば、治療法もおの
ずと分かってきますので、小児肝臓病に対する治療法も飛躍的に向上しております。

肝臓病のお子様は、小児特有の問題、たとえば成長発達、薬の影響、学校生活などの心
の問題、感染症や予防接種、ミルクなどの栄養、合併しているアレルギーなどその他の病
気、等において多岐にわたり医療者の評価・介入が必要となります。我々国立成育医療研
究センター移植外科では、2005年に笠原群生移植臓器センター長が始められた肝移植
医療に、現在では小児肝臓内科医、小児肝臓集中治療・麻酔医が加わり、小児肝臓病のオ
ールラウンドプレイヤーとなるべく日々努力をしています。各分野の小児専門医、看護師、
専門性の高いコメディカルの方々の助けを借りられるのも当センターならではなのです。

肝移植医療は、昨年7月に改正臓器移植法が施行され、当センターも認定施設となり、
小児でも脳死肝移植医療が現実的となりました。当センター
http://www.ncchd.go.jp/hospital/section/special/meneki.html でも現在までに数名
の患者様が恩恵を受けられ、元気に過ごされています。生体にしても、脳死肝移植医療に
しても、大きな手術ではありますが、「今まで普通にできていたことが、手術後数ヶ月も
すれば、また普通にできるようになる医療」です。決して、今後の生活に大きな、大きな
重荷を背負わせる医療ではありません。移植外科外来は、元気に走り回っている患者様で、
いつもにぎやかです。

最後になりましたが、私も小児肝臓内科医として、今後も小児肝移植医療に携わりなが
ら、尽力していけたらと考えております。今後ともどうぞよろしくお願いします。 


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 ●「中間ケア病床って何?」 


                                      9階東病棟 看護師長 野口 ゆう子

2年ほど前、救急搬送の妊婦さんが数か所の病院の産科で受け入れを断られ死亡すると
いう痛ましいニュースがありました。受け入れられなかった理由はNICUに空きがなか
ったということでした。周産期医療や新生児医療の進歩に伴い早期出産などの低出生体重
児は助かる命が増え現代医学の素晴らしさを実感します。ただ、その中にはいろいろな問
題を抱えて、NICUに長期間入院しなければならない赤ちゃんもいるためNICUは常
に満床状況にあります。

そこで当院はこの問題の対策として2010年12月1日に病棟編成を行い、9階東病
棟30床中8床を中間ケア病床としました。中間というのは、生命の危機的状況に対する
集中治療を行うICU、NICUとそのような状況は脱した患者さんが入院する一般病棟
との間という意味です。どのような患者さんが対象になるかというと、集中治療は終了し
たが、一般病棟へ移行するにはまだ密な観察を必要とする治療を行っており、また、多く
のケアを必要とする患者さん、人工呼吸器や酸素が常に必要となる患者さんなどです。今
まではそのような患者さんは一般病棟に移動できる状態になるまで、ICUやNICUに
いました。状態が落ち着くまでに数カ月要する時もあり、急性期の患者さんが入院できる
ベッドの確保に困難をきたすこともありました。中間ケア病床ではそのような患者さんの
治療を行うとともに、退院に向けて家族への指導をおこなっています。患者さんが自宅で
過ごせるようになるには、家族が痰の吸引や経管栄養の方法はもちろん、チューブ交換も
行い、ちょっとした状態の変化に対応していかなければなりません。自分たちの手に医療
ケアがゆだねられるという家族の不安も大きく指導には時間を要しますが、家族の方と看
護師がコミュニケーションをとり、家族や患者さんにあわせた計画を立てます。そして医
療者間でカンファレンスを毎週行い指導状況の確認をしています。家族が必要な技術の習
得ができたら、患者さんのケアを家族が自分たちで行っていけるか確認のための院内外泊
をします。次に実際に自宅での生活を試みる自宅外泊を行います。呼吸器を装着している
患者さんでは、初めての自宅外泊時に、医療者が同行し数時間をともに過ごして患者さん
や家族の状況を見せていただくこともあります。患者さんが実際に休む場所の確認や、入
浴を行うときの移動に問題はないか、酸素のチューブは届く場所に設置してあるかなど家
族とひとつひとつの問題を一緒に考え、家族、特にお母さんの不安の軽減に努めています。
また、NICUからの患者さんは、出産してすぐにNICU入院となるため、わが子と離
れている時間が長く育児に不安を持つお母さんもいます。医師、看護師と事前にカンファ
レンスを行い、情報を共有し、医療のみでなく育児支援も考えていきます。

中間ケア病床はまだ始まったばかりで課題もありますが、家族の「この子を家に連れて
帰りたい」という思いを大事にし、患者さんや家族が安心してお家で過ごせるよう支援し
ていきたいと思います。



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★・♯・~Åヽ・:.Å;☆・♯・~・:.ヽÅ。・;★・♯・~Åヽ・:.Å;☆・♯・~・

  ●トピックス

    9月6日に行われました。救急の日のイベントです。ご覧ください。

       http://www.ncchd.go.jp/center/information/event/110906kyukyu.html


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          『成育すこやかジャーナル第104号』いかがでしたか?

9月6日(火)、当センターで救急の日のイベントがありその見学をしてきました。
子どもの救急時の対応・事故防止グッズの展示及び心肺蘇生法(乳児・幼児)、窒息解除
法、AED実技講習が行われ、多くの方々が看護師の方々の指導のもと講習を熱心に受け
ていました。実際に講習を受けることができればいざという時に役立つかもしれないので、
機会があれば是非講習を受けてみる価値があると思いました。


成育医療研究センターのホームページも是非ご覧下さい。
        http://www.ncchd.go.jp 

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        成育すこやかジャーナル     No.103(2011/9/8)

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━━━━━━━━━━━━━━━━■ 目   次 ■━━━━━━━━━━━━━━━

 ●今、家族、父親(父性)
                                  発達心理科 中野 三津子

 ………………………………………………………………………………………………………

 ●小児・幼児の鼻炎と長期的な鼻水の対応

                                  耳鼻咽喉科 三塚 沙希
 ………………………………………………………………………………………………………

 ●「病棟感染管理~こどもと自分を守る~」

                                8東病棟 看護師 原口 昌宏

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 ●今、家族、父親(父性)
                             発達心理科 中野 三津子


 今、子どもたちはもっている力をどのくらい発揮できているのでしょうか。
 子どもたちは、どんなことを感じていて、どんなことを困っているのでしょうか。


幼稚園年代~学童期は、自分の抱えているストレスや困ったことを対象化し言語化する
ことは難しい年代です。言語化されないストレスは、身体症状や行動の問題に表れてくる
ことが多く、子どもの内面で起こっていることが分かりにくくなっています。親は子ども
との相互の関係の中に入り込んでいるために、かえって子どもの身体が感じているストレ
スを理解しにくくなっている面があるといえるかもしれません。

子どもは、子どもを取り巻く環境との関係の中で成長発達しており、子どもに表れる行
動の問題や身体症状の背景は、次の4つの因子で考えることができます。

第1は、本来子どもに備わっている資質、感受性。第2は、子どもが育ってきている養
育環境。両親のもって生まれた資質、育ってきた養育環境や子どもとの関係性を含みます。
第3は、子どもの成長の過程で、学校などの社会との関係の中で、獲得し成熟させていく
発達。第4は、思いがけず出会うさまざまなできごとや人との関わりの中で、子どもが獲
得する発達です。

診療の中で先ずおこなうのは、症状の評価とともに、本人や家族に関わりながらの第1
~第3への評価です。子どもの発達は、本人の資質が基盤となりますが、家族の子どもへ
の関わりに大きく影響されます。第1と第2の要因は相互に関わりあっており、子どもに
よって親が揺さぶられるために問題が生じていることもあります。診療の場では母親から
の情報が多く、もって生まれた子どもの資質、子どもが環境との関わりで獲得してきた力、
隠れた強さ、脆弱性、そして母親と子どもとの関係、母親が理解している子どもや父親の
像などを知ることから、治療を進めていきますが、最近父親の役割の大きさを実感するこ
とが多くなっています。

父親のあり方は、第2の要因の1つである家族の構造、第3の要因の家族全体が社会と
どのように関わるかという点で、大きな影響をもつようです。近年、子どもの成長や家族
との関わり方に関心を持って積極的に外来に来てくださる父親が増えています。母親だけ
でなく父親が子どもとの具体的なコミュニケーションスキルを得ることで、家族の構造や
関係性が変化していきます。その変化により、子どもの症状が軽快して、隠れていた力を
発揮することがあります。

家族の成員それぞれが持っている力を発揮する方向に向かうことが、子どもと家族の発
達であると考えて、今は特に父親の役割の大切さを実感しながら日常臨床を進めています。

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  ●小児・幼児の鼻炎と長期的な鼻水の対応

                                                                       耳鼻咽喉科 三塚 沙希

鼻炎といっても、・・・性鼻炎というように、たくさんの種類の鼻炎があります。簡単に
いくつかご紹介したいと思います。

子供が鼻水を急に垂らすようになったのであればまずは、ウィルス性の上気道炎いわゆ
る風邪が疑われます。風邪が治れば短期間で、鼻汁もおさまってくるでしょう。保育園に
通っているお子さんは風邪をひくことが多く、少し成長して抵抗力がつくまでは繰り返す
ことがあるかもしれません。また透明な鼻水がたらたら続くようであれば、アレルギー性
鼻炎も考えられます。これはアレルゲンの除去、もしくは内服薬の投与によって治療を行<
います。

膿性または粘液性の鼻汁が続くのであれば副鼻腔炎(いわゆる蓄膿症)が存在する可能
性があります。副鼻腔炎は、減少傾向であるとは言われていますが、耐性菌により治りに
くいものもありますので診断されれば抗菌薬などを内服し、鼻処置などが必要です。
また、粘液性のものがずっと続くようであれば慢性鼻炎と診断されることもあるでしょ
う。このように鼻炎でも、原因により治療法ももちろん変わってきます。

鼻炎以外にも、鼻汁が続く原因として意外と多いのがアデノイド肥大によるものです。
アデノイド肥大も低年齢化しており、いびきなどがひどい場合はアデノイドが大きくそれ
が長引く鼻水の原因としても考えられますので、耳鼻科で検査してもらうことが大切です。

長期的な鼻水の対応としては、耳鼻科に通い鼻を処置することで鼻腔内を清潔に保ち、
中耳炎なども予防できます。また、副鼻腔炎がある場合では、鼻処置の通院を行います。
当院では自宅でできる生理食塩水による鼻洗浄をすすめています。これは小さいお子さん
には少し難しいかもしれませんが小児の場合は、内服薬などの保存的な治療が中心となり、
家庭でのケアが重要になってくるからです。

さらに、どのような鼻炎に対しても鼻水を飲み込まないように、ティッシュなどを使い
片方ずつ静かにかむように訓練することも症状の改善につながります。乳幼児の場合には、
鼻水で鼻が詰まりやすくなるとミルクが飲みにくくなるため市販の鼻汁吸引器をうまく利
用するのがいいと思います。

以上のように、鼻水にはたくさんの治療法や対処法がありますがお子さんに合った方法
を見つけてあげることが大切と考えられます。

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 ●「病棟感染管理~こどもと自分を守る~」

                                                                    8東病棟 看護師 原口 昌宏

2010年12月11日病棟編成施行が行われました。8階フロアーは、免疫抑制剤使
用患者さんや風邪や下痢などに感染すると重篤な状態に陥る可能性が高い患者さんを中心
とする病棟へ変わりました。そのため、病棟内において感染が拡がらないための対策や日
々のスタッフの健康管理など感染管理が大切になってきます。そこで、当病棟では、次の
ような感染対策に力を入れて取り組んでいます。

--------
手洗い
--------
手洗いは、感染対策の基本であり、感染源(細菌やウイルスなど)の患者さんから患者
さんへの伝播を防ぐとともに医療従事者自身を守るためにも大切です。病院における手洗
いには日常的手洗い、衛生的手洗い、手術時手洗いの3種類があります。

* 手洗いの種類

日常的手洗い: 配膳、トイレなど日常的行為の前後の手洗い

衛生的手洗い: 注射、ガーゼ交換など医療行為の前後の手洗い

手術時手洗い: 手術に際しての手洗い

この3種類の手洗いを医療従事者はさまざまな場面に応じて正しく行わなくてはいけま
せん。そこで当病棟では、看護部感染対策委員会で行われている年2回の手洗いチェック
とともに、年2回、ブラックライトを用いた洗い残しチェックを行っています。(手洗い
前に低刺激性蛍光塗料塗り、良く伸ばし、普段と同じように手洗い施行。その後、ブラッ
クライトの中に手を入れ、白く光って見える部分『洗えていないところ』を確認。)さら
にどのような場面でどのような手洗いが必要であるかなどの勉強会も適宜開催し、正しい
知識の共有を行っています。

------------------------------------------------------
子どもたちが過ごす環境を整える
------------------------------------------------------
2007年アメリカ疾病管理予防センターより出された隔離予防策のガイドラインでは、
「ベッド柵や尿器など患者近辺の表面については、あらゆる患者ケア区域で清掃と消毒が
重要である。」と述べています。このように子どもたちが過ごす療養環境汚染は、医療従
事者の汚染につながり、さらに汚れた手が媒介となり子どもたちへ伝播するリスクがある
のです。そこで当病棟では、朝子どもたちやご家族に挨拶する際、必ずベッド柵やテーブ
ルなどの清掃、おもちゃなどの整理整頓など医療を提供する環境を整えることから取り組
んでいます。

------------------------------------------------
ご家族・ご面会者への協力
------------------------------------------------
病棟内での感染対策を充実するだけでは、どうしても防げないことがあります。それは、
市中感染(通常の社会生活を送っている健康な人に発症する急性の感染症)です。ご家族
(同胞の方を含む)の体調不良時はご面会を控えていただくことや病棟・病室の入り口で
手洗いをしていただくことで市中感染を防ぐことができます。当病棟としても、手洗いポ
スターの作成や積極的にご家族に声をかけて手洗いを誘導するなど感染防止に取り組んで
います。

---------------------------
さいごに・・・
----------------------------
このようにスタッフ・ご家族・ご面会の方が一丸となって正しい知識を持ち、手洗いな
どを励行することは感染予防の重要な対策となります。これからも「子どもたちと自分を
守る」をスローガンに病棟感染管理に取り組んでいきます。

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『成育すこやかジャーナル第103号』いかがでしたか?

少し、朝晩は涼しくなり蝉の鳴き声より虫の音が聞こえ始めました。今年も夏は暑く節
電とはいえ、エアコンに頼りっぱなしの夏となってしまいました。
秋の訪れとともに台風も猛威をふるっていますが、天候が安定するとスポーツの秋、芸術
の秋、読書の秋、食欲の秋がやってきます。皆さんはどのような秋を過ごすのでしょうか?

成育医療研究センターのホームページも是非ご覧下さい。
                     http://www.ncchd.go.jp 

 

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        成育すこやかジャーナル     No.102(2011/8/10)

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━━━━━━━━━━━━━━━━■ 目   次 ■━━━━━━━━━━━━━━━
 ●こどもの花粉症

                              アレルギー科   堀向 健太
 ………………………………………………………………………………………………………
 ●「歩行分析」

          臓器・運動器病態外科学 リハビリテーション科   宮村 紘平
 ………………………………………………………………………………………………………
 ●「救急の日」のイベントについて

                  10西救急センター 副看護師長   工藤 真奈美
………………………………………………………………………………………………………
 ●新任医師の紹介
………………………………………………………………………………………………………
 ●トピックス
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 ●こどもの花粉症

                                     アレルギー科 堀向 健太

 アレルギー性鼻炎は水っぽい鼻水(水性鼻漏)、くしゃみ、鼻づまり(鼻閉)の三つの
症状からなるアレルギー性疾患で、近年子どもでも増えてきました。一年中症状がある
「通年性アレルギー性鼻炎」と、特定の季節のみ症状のある「季節性アレルギー性鼻炎」
に分けられ、「花粉症」が季節性の代表です。患者さんからも、「花粉症」に関するご質
問が多いので、今回は「こどもの花粉症」に関してお話ししたいと思います。


 花粉症は、特定の花粉が飛散する時期にひどくなるアレルギー性鼻炎のことで、日本で
は「スギ花粉症」が最も有名です。スギ花粉症は1998年に16.2%であった全国平
均有病率が2008年には26.5%となりました。小児では5~9歳で13.7%,0
~4歳で1.1%という調査報告があります。 とても多くなったのは間違いありませんが、
4歳以下ではやはり多くはないのです。

【2011年のスギ花粉は多かった】
 前年の夏が暑かったり、花粉が少ない場合に、次の年のスギの花粉飛散量が多くなるそ
うです。2010年の春はスギ花粉が少なく、夏は記録的な猛暑でした。2011年は予
想通り、花粉が大量飛散し、悩まされた方も多かったでしょう。

【インペアード・パフォーマンス】
スギ花粉症の電子顕微鏡写真をみると、表面がとげとげで、みただけでかゆくなりそう
です。もちろん、実際はアレルギー反応でかゆくなるので、症状がある場合には抗ヒスタ
ミン薬やステロイド薬というアレルギーを抑えるお薬が使われます。

 ところで、「風邪薬はねむくなるから困る」というかたはいらっしゃいませんか?その
眠くなる症状は、風邪薬に入っている抗ヒスタミン薬の副作用であることが多いのです。
そして、「風邪薬を飲んでもねむくならないよ」という方のなかにも、「インペアード・
パフォーマンス」といって、「自覚に関わらず集中力・判断力・作業能率が低下した状態」
になっていることがあります。インペアード・パフォーマンスがでにくい新しい抗ヒスタ
ミン薬が小児にも使える時代になってきました。

【初期療法】
「初期療法」という言葉が一般的になってきました。症状が出る前から治療をスタート
することで、症状が出始めてから治療を開始するより効果が高くなります。例年、症状が
強い患者さんは、早めに治療を始めてもよいでしょう。
花粉情報協会(http://pollen-net.com/welcome.html)などの情報を見ながら、1月末か
ら内服していただくこともあります。スギ花粉の飛散開始は年々早くなってきているそう
ですよ。こんなところにも温暖化の影響が?!

【ステロイド薬あれこれ】
ひとことでステロイドといっても、飲むステロイドもあれば、鼻につかう点鼻薬、目に
使う点眼薬など色々あります。飲むステロイド薬は、長期間つかった場合の副作用が大き
く、症状が長く続く花粉症では、避けるべきです。ステロイド点眼薬も、眼圧があがる場
合があり、眼科医の診察を受けて処方を受ける薬剤です。一方で、鼻噴霧ステロイド薬は
副作用が極めて少なく効果が高い薬剤で、小児でも使うことができます。

【根本から治せる?免疫療法】
 免疫療法とは、簡単に言うと少しずつスギ花粉などを体に投与して、症状を軽くしてい
くという治療です。日本には、スギ、ブタクサ、ハウスダストしか薬剤がありません。し
かも、効果が不確実なこと、定期的に受診しなければならないこと、なにより痛みがとも
なうことから十分普及しておらず、当科でも基本的には行っていないのが実情です。最近、
舌下免疫療法といって、痛みをともなわない治療が開発されてきていますが、日本ではま
だまだこれからの治療で、研究目的以上では行われていません。舌下免疫療法の安全性が
高まれば、これから普及していくでしょう。

ところで、その年の夏が暑かった場合に秋にもスギ花粉が飛散することがあります。昨
年は、「なんか飛んでると思うんですけど」といわれる患者さんが多かったのは、もしか
すると・・・?どちらにせよ、毎年、花粉症に悩まされている患者さんは、早めの治療を
受けられることをお勧めいたします。

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★・♯・~Åヽ・:.Å;☆・♯・~・:.ヽÅ。・;★・♯・~Åヽ・:.Å;☆・♯・~・  

 ●「歩行分析」

              臓器・運動器病態外科学 リハビリテーション科  宮村 紘平

 哺乳類の中で唯一、直立二足歩行をするのはヒトのみと言われています。人類の祖先が、
かつての森林が徐々に草原化した際に木から降りて歩かざるを得なかったことを起源にし
ているといわれています。木を下りたサルが直立二足歩行を獲得したことで、喉の構造が
変化し両手が使えるようになったことが、ヒトに進化する程の知能発達を促すきっかけに
なったともいわれています。つまり、サルからヒトへの進化のきっかけは、サルが直立二
足歩行を獲得したことにある、との説が広く言われるようになっています。ヒトが直立二
足歩行を行う時、ヒトは足の裏でバランスを取って前後左右水平方向の姿勢を保持するこ
とで、安定した歩行が可能となります。つまり歩行や運動において、安定した平衡感覚を
保つためには足の裏からの刺激の入力が不可欠です。

ヒトが直立二足歩行をする際、足の筋力をより効率的に活用し、より安定させ、腰や膝
に過度な負担がかかりにくくするためには、踵が地面に着いてつま先が地面を蹴り出すま
での荷重移動がスムーズに行われている必要があります。

当院では昨年より歩行分析機(下肢荷重計)を導入しています。何らかの理由で歩行障
害があり装具などを必要としている患者さん達を対象に、歩行時の足の裏の荷重移動やバ
ランスに関する評価を行っています。これにより、装具を付けたことによる荷重移動やバ
ランスの変化、そして経時的な歩き方の変化が明らかになり装具使用による治療効果の判
定が可能になります。

歩行に関して、何か御心配なこと等がありましたら当院リハビリテーション科へ御相談
下さい。

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★・♯・~Åヽ・:.Å;☆・♯・~・:.ヽÅ。・;★・♯・~Åヽ・:.Å;☆・♯・~・

 ●「救急の日」のイベントについて

                        救急センター 副看護師長 工藤 真奈美

9月9日は「救急の日」です。「救急の日」は1982年に、救急業務や救急医療につ
いて一般の方々の理解と認識を深めるとともに救急医療関係者の士気を高める、という目
的で現在の厚生労働省と消防庁によって制定されました。

国立成育医療研究センターでも、この「救急の日」にちなんで救急センターが企画を担
当し、毎年イベントを行っています。今回は、当センターで行った「救急の日」のイベン
トについてご紹介したいと思います。

平成17年から開始している国立成育医療研究センター「救急の日」のイベントは、今
年で7回目を迎えます。救急センターの看護師が中心となり、乳幼児のお子さんを持つ保
護者の方や乳幼児の保育に携わる職業の方々等を対象に、事故予防・子どもの急病時の対
応について展示会や体験コーナー、また、乳幼児に対する心肺蘇生法の講演などを行って
きました。毎年、お子さまも含め300人ほどのご参加をいただき大変好評を頂いていま
す。乳幼児の心肺蘇生法に関しては、BLS(Based Life Support:一
次救命処置)を基本に一般の方向けの乳幼児の心肺蘇生法と窒息の解除方法、AED(A
utomated External Defibrillator)の使い方などを紹介
しています。先ず、救急診療科医師よりバイスタンダードCPR(Cardio Pul
monary Resuscitation)について、救急現場に居合わせた人(発見
者、同伴者など)が適切な処置ができる人員が到着するまでの間、救命のための処置を行
うことの重要性について講義を行います。その後、看護師によるデモンストレーションを
経て、実際に人形を使って人工呼吸や胸骨圧迫を行ってもらいます。また、実際にAED
に触れていただき、流れに沿って実施してもらいます。受講された方々からは、「大変よ
い体験になった」、「救急の日だけでなくてもっとやって欲しい」など、意欲的な感想を
たくさん頂き、企画した私たちも、皆さんに喜んで頂いて大変うれしく思っています。看
護師によるデモンストレーションは、救急センター以外の看護師に協力を得て実施してい
ますが、一般の方に教えることは、看護師自身のスキルを磨くよい機会となり、急変時の
対応における院内教育にも役立っています。

事故予防に関しては、家庭内で起こりやすい事故を紹介したポスターや事故予防グッズ
などを展示し、症状ごとにリーフレットを作成するなどしてその対応方法を説明していま
す。事故を未然に防ぐため、自転車に乗る際のヘルメット着用の重要性を唱え、正しいヘ
ルメットのサイジングや装着方法なども実際に体験してもらいながら紹介したりもしまし
た。

今年も更にたくさんの皆さんに喜んでいただき、緊急の事態に備えて役に立つような企
画を考えていきたいと思っています。近日中に、ホームページ等を利用してお知らせいた
しますのでご覧ください。そして、興味のある方は、是非、お気軽にご参加ください


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 ●新任医師の紹介

  平成23年8月1日付

 生体防御系内科部        感染症科 医長      宮入 烈

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 ●トピックス
 保育士による七夕会が行われました。(7月7日)↓
 http://www.ncchd.go.jp/hospital/support/hoiku/1107-tanabata.html

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『成育すこやかジャーナル第102号』いかがでしたか?

 今年は蝉の鳴き声が例年に比べて少ないような気がしますが、すっかり街の中は夏休み
モードです。長期のお休みが取れない方や遠出が難しい方にも、今、工場見学がブームな
ようです。工場といっても食べ物から飛行機など身近なものからめったに近くで見れない
ものまで幅広くあるので、どなたでも楽しめそうです。
 工場見学の多くは無料で、大人も子どもも目新しい体験ができるので今からの予約は難
しいかもしれませんが、機会があれば是非体験してみるとよい想い出になると思います。

                                            
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成育すこやかジャーナル     No.101(2011/7/7)

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━━━━━━━━━━━━━━━━■ 目   次 ■━━━━━━━━━━━━━━━
●授乳とくすり

周産期センター 産科/妊娠と薬情報センター 青木 宏明
………………………………………………………………………………………………………
●「腎臓・リウマチ・膠原病」という科について

腎臓・リウマチ・膠原病科 小椋 雅夫
………………………………………………………………………………………………………
●思春期病棟としての在宅移行について

10西病棟看護師長 渡邊 佐恵美
………………………………………………………………………………………………………
●新任医師の紹介
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 ●授乳とくすり

周産期センター 産科/妊娠と薬情報センター 青木 宏明

私は産科外来で妊婦さんをみているのと同時に妊娠と薬情報センターで妊娠中、授乳中
のくすりの相談外来を行っています。今回はその中でも「授乳とくすり」について書いて
みたいと思います。

最近、母乳のいろいろなメリット、たとえば赤ちゃんが感染症にかかりにくくなるとか
アレルギーを防ぐ効果があるなどがクローズアップされ、お母さんたちのあいだでも赤ち
ゃんに母乳をあげたい、母乳だけで育てたいというニーズが高まっています。当センター
産科でも母乳育児の推進を行っています。

「授乳中はくすりは飲んだらいけないんでしょ」とか「お医者さんに授乳中だからくす
りは出せないと言われました」といったことをよく聞きます。では本当に授乳中はくすり
を飲んではいけないのでしょうか。ほとんどのくすりの効能書きには、「授乳中の婦人に
は投与を避けることが望ましいが、やむを得ず投与する場合は、授乳を中止すること」の
ように書かれています。このため多くのお母さんがくすりを飲むために母乳をあきらめな
ければいけない、あるいは母乳をあげるために必要なくすりを飲まないということが起き
ています。

では、この効能書きにどういう根拠があるのかというと、実はほとんどありません。多
くは動物やヒトの母乳の中にくすりが出てきたというもので、その量が多い少ないは関係
ありません。つまり、母乳に出るくすりの量がものすごく少なくて、その母乳を赤ちゃん
がいくら飲んでもなんの影響もない場合もくすりの効能書きには上のように書かれてしま
うのです。

この問題を解決するため、授乳中にくすりを飲んだとき、母乳にどれだけそのくすりが
出ているかを測ることが行われています。その量を赤ちゃんの体重あたりで計算して、赤
ちゃんが母乳からそのくすりを飲む量がお母さんの飲む量のどれくらいにあたるのかによ
って安全性を推測するのです。当センターでもいくつかのくすりで実際に母乳中のくすり
の量を測って、授乳中の使用の安全性について検討しています。

もちろん、母乳に出る量が少ないからといって100%赤ちゃんに大丈夫という保証が
できるわけではありません。しかし、ごく一部のくすりを除いて母乳へのくすりの移行量
が少ない場合は母乳が赤ちゃんに与える良い点と授乳中のくすりが赤ちゃんに与える悪い
点を比べると、母乳の良い点のほうが大きいと考えます。

最終的には、くすりを飲んでいるお母さんと主治医の先生で相談していただいて、母乳
をつづけるのかそれとも中止するのかを決めていただきたいと思います。もし、くすりを
飲みながら母乳を続けることを選択した場合は、赤ちゃんのことを観察してもらって、眠
りがちになるとかいらいらするといった症状が出るようであれば病院で相談するといった
ように対処するのがいいのではないでしょうか。

当センターの妊娠と薬情報センターのホームページ内の「ママのためのお薬情報」の中
に「授乳とお薬」という欄がありますのでそちらも参考にしていただければと思います.
www.ncchd.go.jp/kusuri/lactation/index.html


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●「腎臓・リウマチ・膠原病」という科について


                    腎臓・リウマチ・膠原病科 小椋 雅夫

みなさん、こんにちは。本日は私たちの科の特徴についてふれたいと思います。
 私たちの科は「腎臓・リウマチ・膠原病科」となっています。腎臓病とリウマチ・膠原
病の両方を担当する専門診療科ということになります。まずは、それぞれがどのような病
気を対象とするのか紹介したいと思います。

「腎臓」はご存じのように尿をつくる臓器です。その機能は、体内の水分量管理、血液中
の電解質(塩分やカルシウムなど)や酸・アルカリ性の調整、老廃物の排泄、ホルモン
(血圧をあげるホルモンや血をつくるホルモン)分泌など、多くを担っています。

私たちがよくみる病気の中に、ネフローゼ症候群や慢性腎炎があります。放置すれば腎
臓がダメージを受けて腎機能が悪くなってしまう(慢性腎不全となる)可能性がある病気
です。その原因は免疫系の異常であろう、というところまでは分かっていますが詳細はは
っきりしていません。しかし、異常な免疫反応を抑えることが治療につながることがわか
っています。また、私たちは末期腎不全となり腎移植を行った子どもさんたちもみていま
すが、自分以外の臓器を移植するので、拒絶反応が起きないように免疫反応を抑えること
が欠かせません。つまり、これらの子どもさんたちには免疫を抑えるお薬であるステロイ
ド・免疫抑制薬が主要な治療薬剤となります。また、腎不全の治療として血液浄化療法も
行っていますが、似たような治療で血漿交換療法という異常な免疫反応や炎症を抑える治
療法も行っています。

他方、「リウマチ・膠原病」とは何でしょうか。「リウマチ」「膠原病」と聞くとお年
寄りの病気というイメージが強いかもしれません。「リウマチ・膠原病」は外敵から身を
守るためにある免疫が自らの体を攻撃してしまう病気です。確かにお年寄りに多い病気で
すが、子どもでもかかってしまうことがあります。具体的には若年性特発性関節炎、皮膚
筋炎、強皮症、全身性エリテマトーデス、などです。細菌やウイルスなどの感染がないの
に長期間熱が続くような場合は、膠原病が隠れている可能性があるわけです。免疫が勘違
いして自分の体を攻撃してしまうわけですから、こちらも異常な免疫反応を抑える治療、
すなわちステロイドや免疫抑制薬が必要になります。現在は、生物学的製剤という免疫の
しくみの一部分をピンポイントに抑える治療が急速に進歩しており、私たちの分野は医学
の最先端を扱っているといっても過言ではありません。

「腎臓・リウマチ・膠原病」という科は、一見異なる専門分野が連なって見えますが、
異常な免疫反応を抑える治療が主体となっていることでつながっています。ステロイドや
免疫抑制薬は副作用が強い薬剤でもあり注意して使用する必要があります。私たちは各薬
剤の効果・副作用をよく把握し、子どもたちに安全かつ効果的に使用できる方法を科学的
にも経験的にも知っています。

免疫抑制薬は日進月歩であり、最先端の薬について常に把握し、今後の診療に役立てて
いくのが私たちの使命です。腎臓病、膠原病どちらの病気であっても専門的に診療いたし
ますので、お気軽にご相談ください。

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★・♯・~Åヽ・:.Å;☆・♯・~・:.ヽÅ。・;★・♯・~Åヽ・:.Å;☆・♯・~・

●思春期病棟としての在宅移行について

                         10西病棟看護師長 渡邊 佐恵美

10西病棟は思春期病棟として外科系、内科系、こころの診療部等10診療科以上の患
者さんが入院しています。病床数は40床あり、そのうち個室は8室あります。発達段階
を考慮して4人床の各部屋入口にトイレが設置されており、各自に冷蔵庫が設置されてい
ることが特徴です。

患者さんは生まれた時から病気を持っている人、学童期、思春期から病気になった人と
病気の期間も様々であり、治療方法や期間も様々です。いろいろな経過、背景を持ってい
る患者さんがいますが、同じ年代であったり、病気と闘う同士だったりと仲間意識も強く
病棟内では仲良く生活しています。そんな子どもたちと仲良く笑ったり怒ったりして時間
を共有できるということは、思春期病棟で看護する楽しみであり、やりがいのあるところ
でもあります。
思春
期とは「人間の生殖機能、生理機能が成熟し、心身ともに子どもから大人に変化す
る時期」のことです。年齢でいうと12才~16才位をいいます。この時期は精神的にも
身体的にも変化が大きく、また社会的にも多くの人とのかかわりが出来てくる時期でもあ
ります。患者さんを理解していくうえで、家族からも様々な情報を収集して看護にあたっ
ていく必要があります。

今回は思春期患者の在宅移行についてお伝えしたいと思います。在宅移行とは「医療的
なケアを必要とする人が病院での生活から家庭(社会)での生活に移行する」ことを言い
ます。退院後、自宅で生活をするにも医療的なケアの継続が必要となるということです。
例えば、注射、経管栄養、ストマ管理等です。これらは、患者さんが自分一人で行うこと
もあれば家族と一緒に行うこともあります。また、医療連携室や在宅相談室と連携を図り、
訪問看護・医療、医療機器の貸し出し、医療材料についても検討をしています。

私達が一番時間をかけていることは、患者さんがまず病気や治療を受け入れるための支
援をすることです。医師より病気や治療の説明を受けて、今後の生活への不安を抱き怖い
なあと思ってしまうことも少なくありません。そんな時に身近にいる看護師は、知識を有
した専門家です。患者さん自身の関心や希望を捉え、時にはユーモアを交えながら患者さ
んの不安やストレスの軽減を図っていきます。病気や治療を受け入れてから医療的ケアの
習得をしていきます。患者さんのやる気と自立を促し、また発達段階に応じたわかりやす
い説明や指導が必要になります。例えば、糖尿病患者さんの血糖測定やインスリンの注射
の指導の実際ですが、患者さんと家族をそれぞれに分かれて指導していきます。そうする
ことによって患者さんの本音を正直に聞くことができますし、自分がやるんだという主体
性が現れるからです。家族より早く正確に手技を取得できると自信にもつながります。また、
インシュリンの実施については、各食前に注射するインスリンの量はわかりやすく記載し
て本人に渡し、注射する際も主体的にできるようにこちらからすぐに声をかけるのではなく
見守ります。次に、その時行ったことを振り返ってもらい、必要な事項があれば伝えます。
そして、自信をもってできるようになれば退院予定の日程が決まります。

退院前には、患者さんを取り巻く学校の先生、地域の関係者が一同に集まってカンファ
レンスを開催しています。そうすることによって患者さんの退院後の生活がより具体的に
提案されて、調整が足りない部分も明らかになり退院までにできるだけ不安がないように
調整できるからです。

私達看護師は、日々変化する心境や成長する患者さんの心に寄り添い、一緒に問題を解
決していくことで信頼関係を築いていけると思っています。その信頼があるからこそ不安
や疑問を表出しやすい関係となり、よりよい在宅移行につながっていくと思っています。

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●新任医師の紹介

  平成23年7月1日付

手術集中治療部        集中治療科           青木 一憲

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『成育すこやかジャーナル第101号』いかがでしたか?

 最近テレビを見ていたら、何と、唾液で癌かどうかがわかる(癌の種類によるそうです
が)ようになったそうです。検査の時に憂鬱になる胃レントゲンや胃カメラを将来的には
使わずに魚のような形をしたカメラが(タブレットのように小さい)開発されたり、健康
診断を受けるのが煩わしくなくなる日が近い将来にくると、積極的に検査を受けるように
なるかもしれません。
 ちなみに、米国では唾液に含まれるDNAから年齢を推定(誤差5歳程度)できる検査方
法が開発されたそうで、唾液ってなんだかすごいんだなぁと思ってしまいました。
 
           成育医療研究センターのホームページも是非ご覧下さい。
                http://www.ncchd.go.jp 
                                            
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                     成育すこやかジャーナル     No.100(2011/6/9)

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  ●小児の超音波検査
                                   放射線診療部 堤 義之
                                      

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  ●小児集中治療室「PICU」とは?

                                   救急診療科 久我 修二

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  ●産科遺伝外来について
                            周産期センター・産科  佐々木 愛子

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  ●新任医師の紹介

 

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  ●トピックス

 

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 ●小児の超音波検査

                           放射線診療部 堤 義之


人間の耳に聞こえる上限である約20000Hzより周波数が高い音は“超音波”と呼
ばれています。自然界で、イルカやコウモリが人間の耳には聞こえないこの“超音波“を
利用して生活していることは有名です。

超音波検査は、この超音波を人体に当て臓器などから反射がかえってくることを利用し
ています。人間の耳には聞こえない波ではありますが、“やまびこ“とおなじ原理で、エ
コーとも呼ばれています。

空気や骨があるとその先に超音波が進みにくいため、空気や骨に囲まれた病変の観察は
できないといった制約はありますが、肝臓などの実質臓器や体表に近い病変の診断などで
有用性が確立されています。体格が未発達な乳幼児では、年齢によっては骨の隙間から、
脳や脊髄といった成人では検査が難しい領域の検査も可能なことがあります。

X線CTや核磁気共鳴画像(MRI)では、検査する際にじっとしていなければならず、
乳幼児などでそれが難しい場合は、眠らせて検査しなければなりませんが、超音波ではリ
アルタイムで観察できるため、多少の体動には対応でき腹部(心臓は別)の検査に関して
は、ほとんどの場合、普通の(覚醒した)状態で検査が可能です。

その他の超音波の長所としては、検査時に痛みや放射線被曝を伴わない等が挙げられま
す。短時間で血流速度が計測できるのも長所の一つです。ベッドサイドで検査が行える数
少ない画像検査の一つで、小さな病変に対する治療を行うときなどに超音波で見ながら行
うこともあり、手術の際に用いられることもあります。

超音波ですべてのことがわかるとは限らず、場合によってはCTやMRI等の他検査を
組み合わせる必要なこともありますが、超音波は医学に非常に役立っており、特に小児で
は理想的な検査ということができるかもしれません。

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 ●小児集中治療室「PICU」とは?

                                救急診療科 久我 修二


生命が危険な状態にある重症の小児患者に対して、集中治療を行う場が小児集中治療室
「PICU」です。PICUとは小児(Pediatric)のIntensive Car
e Unitのことを指します。

当院のPICUは国内随一の小児集中治療専門施設です。24時間365日体制で、小
児専門の集中治療医27名と看護師50名で診療にあたります。PICUは病院の4階に
位置しており、病床数は20床です。

入院患者は毎年増加傾向にあり、2010年は1113人(月平均93人)でした。患者
内訳は、脳神経系、循環器系、消化器系、外因系(外傷)など多岐にわたり、各専門診療
科と協力しながら、緊急度に応じた的確な診療を行います。

他院からの紹介患者も多く、2010年は187人の受け入れを行いました。紹介元は
関東圏のみでなく、沖縄を含む九州から東北地方まで、時には海外(2010年は2件)
からの紹介もあります。全身状態が重篤な場合には、救急診療科と協力して患者搬送も積
極的に行っています(2010年は86件)。

教育面では、全国から若い医師を幅広く受け入れ、小児の重症疾患の全身管理、周術期
管理および救命救急患者の全身管理など、全ての小児集中治療および小児救命救急患者へ
の適切な対応ができる小児集中治療医を育成しています。

PICUは、小児重症患者にとって「最後の砦」であり、小児集中治療とチーム医療を
通して、生命予後の改善にあたっています。

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 ●産科遺伝外来について
   
                               周産期センター・産科 佐々木 愛子

今回は、産科遺伝外来についてご案内したいと思います。
当センターでは、高齢妊娠の妊婦さん、生まれたときにご病気のあるご親族をお持ちの
妊婦さんや、そのような理由がなくても前もって赤ちゃんに病気があるかどうかを積極的
に知っておきたい妊婦さんを対象に、遺伝診療科と共同で、産科遺伝外来を行っておりま
す。

生まれてくる前に赤ちゃんの病気を知る方法として、血液検査(母体血清マーカー検査、
当センターではクアトロテストと呼ばれています)、羊水検査、NT(後頸部浮腫)測定
がありますが、これらの検査は、日本では現在、自由診療(保険診療外)となっており、
受けるか受けないかは患者さんのご希望次第となっております。ですので、説明をされな
かったから受けなくてもいいというわけではなく、検査のご案内があったからといって勧
められたわけでもありません。

このような出生前検査は、現在の日本では、取り扱っていない病院・クリニックも多く、
欧米の先進諸国と比べて検査の受診率が低いとされています。その一つの要因としては、
分娩を行っている施設で、かつ、遺伝学(特に出生前)に関するお話を専門的に行う医師、
カウンセラーが常在し、カウンセリング体制が整っている施設が少ない、ということも挙
げられるでしょう。

その点において、当センターでは、周産期センターや遺伝診療科などに遺伝学の専門医
が複数名と専属の遺伝カウンセリングナースが1名所属しておりますので、出生前検査を
取り扱うにあたり、十分な診療体制をとって対応することが可能となっております。

ですが、このような検査は受けられる週数が限られているため、前もって検査の情報を
知らないと、ご夫婦で相談し選択できる時期を逸してしまいます。検査ご希望の方は(ま
ずはご相談のみご希望の方も)産科初診の時に初診担当医にご相談下さい。NT(後頸部
浮腫)測定は、胎児診療科とも連携を取り、専門外来(周産期遺伝外来)にて超音波検査
で計測を行っております。この検査は、妊娠13週以内に計測することとなっております
ので、初診外来を受けられた時期によっては、“次の産科診察の時に一緒に診てもらお
う・・・”では、遅すぎるということもありえます。

また、このような当院で行っております全部の検査を受けて頂いたとしても、全ての病
気が生まれる前に診断できるわけではありません。各検査方法によってわかることとわか
らないことの特徴がありますので、事前に遺伝カウンセリングを受けてお話を聞いて頂き、
ご夫婦・ご家族でご相談の上、検査を受けられるかどうか決めてください。ご夫婦の赤ち
ゃんのことですし、今後の家族計画の方針にもかかわってきますから、ご夫婦での遺伝カ
ウンセリング受診をお勧めします。

通常、“異常はありませんでした”ということを確認し、安心するために検査をご希望さ
れる方がほとんどで、実際ほとんどの場合は異常がないのですが、病気は万人に起こりう
ることですからご自分にも起こりうる可能性はあります。もし赤ちゃんの病気がわかった
場合どうするのか?ということまで考えておいて受けて頂くことでご自分・ご夫婦各々の
考え方を再認識して頂き、その上で知り得た検査結果をどう利用するのか、ご一緒に相談
し、考えて行きましょう。

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 ●新任医師の紹介

平成23年6月1日付

総合診療部           救急診療科        山本 しほ
臓器・運動器病態外科部   脳神経外科        萩原 英樹
感覚器・形態外科部      形成外科          小野田 聡
周産期センタ―         産科            小川 浩平

 

                
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 ●トピックス

5月13日(金)1階エントランスホールにて「看護の日」イベントが開催されました。
 詳しくはこちらから↓
http://www.ncchd.go.jp/center/information/event/110513kango.html

 保育士による「こどもの日会」です。↓
http://www.ncchd.go.jp/center/information/event/110513kango.html 

 

                
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『成育すこやかジャーナル第100号』いかがでしたか?

いよいよ、梅雨の季節がやってきます。本来なら、エアコンでしのぐ蒸し暑さですが、
今年は節電のためエアコンはあまり使いたくないと思います。太陽光発電を取り付けるの
に抵抗のある方向けに、今、屋根に苔を植えたり(個人では不可)、つる性植物を植えて
緑のカーテン作ったりする方法があるそうです。梅雨の晴れ間に、屋上の緑地化を考えた
り、プランターにゴーヤなどのつる性の植物を植えたり、気分転換にもなり、地球温暖化
防止のためになることをしてみるのはいかがでしょうか?
    成育医療研究センターのホームページも是非ご覧下さい。 
  
            http://www.ncchd.go.jp              

 


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                     成育すこやかジャーナル     No.99(2011/5/19)

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━━━━━━━━━━━━━━━━■ 目   次 ■━━━━━━━━━━━━━━━

 

  ●取るべきか取らざるべきか  -水いぼの話-

                                    皮膚科     野崎 誠
                                      

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  ●タバコ規制枠組条約(FCTC)を知ろう


        成育医療政策科学研究室長(総合診療部禁煙外来担当) 原田 正平

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  ●思春期の看護について~思春期の子ども達と一緒に歩むパートナーとして~

                              10階東病棟看護師 土屋 秋海

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  ●新任医師の紹介

 

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 ●取るべきか取らざるべきか  -水いぼの話-

                           皮膚科     野崎 誠


 初めに、東北地方太平洋沖地震を初めとする東日本大震災で、犠牲となられました皆様
に心から哀悼の意を表します。また、一日も早い復興を願っております。個人的な思い出
ですが、大学時代に東北に住んでいたころはよく常磐線を各駅停車で旅していました。春
のうららかな日に、仙台から福島県に入ったあたりに太平洋がぱあっと目に入る瞬間が大
好きでした。あの美しい風景が一日でも早く取り戻せるように願っております。

 東京でも震災の影響は停電という形でみられました。夏にも需給のアンバランスより停
電の可能性がアナウンスされています。暑い夏に停電になったらプールにでも入りたいと
いうのが人情でしょう。今回は夏に元気にプールに入ることができるよう、水いぼの話を
したいと思います。

 プールで水いぼ?と思われる方も多いかと思いますが密接な関係があります。プールで
水いぼがうつるという点と、水いぼがあるとプールに入れてくれないという点です。

 水いぼは、水いぼウイルスが原因です。子供のころにみんながかかります。公園で子供
たちが遊んでいれば、その中に一人は水いぼを持っている子供がいると考えてよいでしょ
う。特にかかりやすいのは保育園・幼稚園児です。感染するうちに免疫がつきますので、
大人にはめったにうつりません。接触感染しますので、肌の露出が多い春から夏にかけて
多く見られ、また、プールに通っている子にも多く見られます。多くの人は全く症状がな
いか少しかゆくなる程度で、数か月の間に水いぼはいなくなるために様子を見てもいいの
です。しかし、アトピー性皮膚炎や免疫不全の子にうつると無数の水いぼができることが
あります。その場合には治療を行わなければなりません。

 治療が最も問題となりますが、治療そのものは難しくありません。ピンセットでつまん
でしまえばいいのです。少し痛く、少し血も出ますが、それで抑えることができます。で
は何が問題か。そう、とるか取らないかを決めることなのです。取らなくてもいつかは消
えますから、取らないという考え方にも一理あります。

 取ることのデメリットは先に記した通りです。取らないことのデメリットは社会的な問
題です。特にプールについては、「水いぼお断り」のところが多いのです。法律上は学校
を休ませる必要はなく(※1)、専門家の間ではプールもタオルやビート板の共用を避け
るなどの配慮をすればOKと考えている(※2)のですが、実際にプールの管理者にダメと
言われてしまうとどうしようもないのが現状です。そこで診察室ではお母さんと一緒に頭
を悩ませることになるのです。
「取るべきか、取らざるべきか、それが問題だ。」

 あなたならどうしますか?

※1 学校保健安全法における学校感染症第三種に指定され、一般的には学校を休む必要
はありません。
※2 学校感染症に対する統一見解 http://www.jocd.org/img/top/infectious100731.pdf

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 ●タバコ規制枠組条約(FCTC)を知ろう

          成育医療政策科学研究室長(総合診療部禁煙外来担当) 原田 正平


世界の保健医療政策を推進している世界保健機関(WHO)は「タバコの規制に関する
世界保健機関枠組条約(略称:FCTC)を世界中の国々の総意として作り、FCTCが
発効した2005年2月以来、その実現のため加盟国に国内法の整備などを求めています。

世界の国々では、2004年のアイルランドを初めとして、レストランやパブなどの飲
食店も含んだ室内での喫煙を禁止する、罰則付きのいわゆる「禁煙法」が施行され、受動
喫煙防止によって心筋梗塞発症が減少した、という医学論文も多く見られるようになって
います。

 しかし、今でも世界中で毎年60万人もが受動喫煙により死亡していることが、WHO
の推計として報告されています(Lancet誌、2010年、
http://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736%2810%2961388-8/abstract
)。

また日本でも厚生労働省研究班の推計として、少なくとも毎年6,800人が受動喫煙
の影響で早期死亡しているとされています(2010年10月、
http://www.ncc.go.jp/jp/information/pdf/20101021_tobacco.pdf)
このように、FCTC発効後5年以上経っても、世界中で数多くの人が、受動喫煙によ
る命の危険と隣り合わせのままであることを危惧して、WHOは今年2011年5月31
日のWorld No Tobacco Dayのテーマを、The WHO Fram
ework Convention on Tobacco Control、つまりF
CTCそのもとしました。

 条約で決められた国が行うべきことは、次のように列挙されています。
・公衆衛生政策にタバコ会社などを関与させない
・タバコの消費を抑制するためタバコの値段や税金を上げる
・受動喫煙防止策を実施する
・タバコ製品の成分を規制する
・タバコ製品の成分を公開させる
・タバコ製品の包装を規制する
・タバコの宣伝、販売促進、後援活動を規制する
・ニコチン依存症治療を援助する
・タバコ製品の密輸を規制する
・未成年者への販売を禁止する
・タバコ栽培者の転作、転業を支援する

一つ一つは個人には無関係の項目のようですが、私たちにできることは沢山あります。
例えば、学校を含んだ公共の場所やそれに準ずる場所の全面禁煙化を求めること、全面
禁煙の飲食店を利用すること、通学路のタバコ自動販売機や灰皿の撤去を求めること、タ
バコ会社が子どもに関わる行事に参加することや資金提供をすることに異議を唱えること、
なにより自宅や自家用車も含め「子どもの周りは100%禁煙」とするなど、数多くあり
ます。

3月11日の東日本大震災で多くの命が奪われ、また避難場所で未だ多くの方たちが困
難に直面しています。そうした環境に、著名人がタバコを支援物資として送ったことが
「美談」であるかのように報道されてしまうことも、FCTCの精神が日本で理解されて
いない一つのあらわれでしょう。

同じ地震国であるニュージーランドは、国の政策として2025年までに“ a smo
kefree nation“を目指すことを決めています(2010年)。放射性物質
による長期の健康影響が危惧される今こそ、FCTCを知り、目の前にあるタバコのリス
クを正しく理解して、子どもたちに煙の無い、タバコの無い、健康に暮らせる社会を残し
てあげませんか。

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 ●「思春期の看護について~思春期の子ども達と一緒に歩むパートナーとして~
   
                               10階東病棟看護師 土屋 秋海

 10階東病棟には思春期の子どもたちが入院しています。

思春期の子ども達は自分の受けている治療について理解できる年齢です。入院中に薬の
自己管理に挑戦したり、一緒に病気のことや検査値について勉強しています。自分の健康
状態に関して正しい知識を持ち、自分で医師に直接質問をしたり、薬のことを薬剤師から
教えてもらったり、そうして自分で納得して治療を受けることや、今までは周りに頼って
いた部分をひとつひとつ自分でできるようになることは、これから病気とつきあっていく
うえでとても大切なことであると考えています。

また、思春期の子ども達は、体のホルモンバランスが大きく変化し、誰でも気持ちが不
安定になりやすく、また生活習慣も乱れやすくなり、病気に悪い影響を与えることがしば
しばあります。思春期に生じるストレスとうまくつきあうことは誰にとってもなかなか難
しいことです。私たちは多くを語らない子どものサイン(夜遅くまで起きていて眠れてい
ない、ご飯を食べられていないなど)を見逃さないようにしています。誰かに自分の気持
ちを話すことはストレス緩和のひとつの方法であることを伝え、日頃からコミュニケーシ
ョンをとり、いつでも声をかけてよいような雰囲気をもてるようスタッフ全員で努めてい
ます。

 なお、保護者の方もお子さんが思春期になる頃には、仕事のことや、親世代の健康問題
を抱えやすく、その中でお子さんの病気と向き合わなければならない状況にあり、心身と
もに健康問題を抱えやすいため、看護師はその背景を理解して援助することが必要である
と考えています。

それから、思春期の子ども達が入院するということはさまざまな問題を生じます。病気
のことだけではなく、特に学校の問題があり、たとえば受験の問題、学校行事に参加でき
ない、長期に欠席することで学習が遅れるのではないかという不安を抱えることがありま
す。当院には、そよかぜ分教室があり、手続きが可能な場合はそよ風分教室での授業を受
けることができます。また、退院の際には、少しでも安心して学校に戻れるよう、学校側
や関係部署との連携もとるようにしています。必要時、ご希望があれば、担任の先生や、
養護教諭との面談の機会をもつことができます。

最近、「成人移行期支援看護師」という看護師の資格ができ、私を含むスタッフ数名が
研修に参加しました。私たちは、ライフステージが変化していくときに遭遇するさまざま
な問題を把握し、特に危機に陥りやすい思春期の援助や、大人になっていくうえで必要な
情報を提供し、悩みや心配事があれば、解決できるようお手伝いをさせていただきます。

 小さい頃から病気と向き合い、頑張っている患者さん、ご家族の姿にはいつも励まされ
ます。私たちは、思春期を大人になっていく過程として捉え、悩んでいるとき、困ったと
き、将来を見越して一緒に考えていけるような存在でありたいと思っています。

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 ●新任医師の紹介
平成23年5月1日付

臓器・運動器病態外科      外科医長          金森 豊
 手術集中治療部         麻酔科           唐木 千晶

 

                
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『成育すこやかジャーナル第99号』いかがでしたか?

  ゴールデンウィークも終わり、新しい生活の生活の疲れが出てきたころではないでしょう
か?震災の後なかなかぐっすりと眠れなかった方も多いと思います。これからくるじめじめ
した季節に備えて、寝具を変えたり、自分のリラックスできる方法をさがしてぐっすり眠り、
元気に翌日を過ごせるようになれるといいですね。


    成育医療研究センターのホームページも是非ご覧下さい。 
  
            http://www.ncchd.go.jp              

 


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●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━▲
                                                                                

                     成育すこやかジャーナル     No.98(2011/4/21)

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3 月 11 日午後 2 時 46 分ごろ、マグニチュード 9.0 を記録する地震が東北
地方太平洋沖で発生しました。 この度の地震により被災された皆さまに謹んでお見舞い
申し上げます。

━━━━━━━━━━━━━━━━■ 目   次 ■━━━━━━━━━━━━━━━

 

  ●ご家族の皆様へ

   ~災害後の子どもたちの心を守るために~
                     こころの診療部 育児心理科 笠原 麻里
                                       奥山 眞紀子

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  ●子供の生活習慣病について

                          内分泌・代謝科 内木 康博

 ………………………………………………………………………………………………………

  ●NICUの看護について
                    新生児集中ケア認定看護師  阿部 知佳子

………………………………………………………………………………………………………

  ●「看護の日」イベントのご案内

   ~広げよう成育のこころ~

                         看護の日準備委員 川島 浩美

………………………………………………………………………………………………………

  ●新任医師の紹介

 ………………………………………………………………………………………………………

  ●トピックス

                     
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

 ●ご家族の皆様へ

         ~災害後の子どもたちの心を守るために~

                    こころの診療部 育児心理科 笠原 麻里
                                       奥山 眞紀子

 今回の大きな地震とその後の状況においては、皆様ご不安を抱えておられる中、それぞ
れに深慮された対応をしておられることと存じます。大人にとっても大変な状況ではあり
ますが、子供にとっては、地震等の災害に直接見舞われる体験はとてもこわいものです。
一方で、被害がそれ程大きくなく、子ども自身は特別に不安そうでもないという場合もあ
り、子どもの感じ方はそれぞれです。いずれにしても、不安がいたずらに大きくならない
ようにするために、以下のような接し方を心がけて下さい。

1)大きな揺れや停電など、子どもにとって不安な状況と思われる時には、穏やかに子ど
ものそばに寄り添うようにして下さい。できるだけ子どもを一人だけにしないようにしま
しょう。不安の強い時に抱きしめてあげることは、大きな安心を与えます。

2)子どもの話(怖い体験や心配や疑問も含みます)に耳を傾け、質問や不安には、子ど
もが理解できることばで、状況や被害の説明をしてあげてください。ただし、子どもの気
持ちを根掘り葉掘りきいたり、あまりにも詳細に説明しすぎるのは逆効果です。

3)体の病気はないのに、不安や怖さから体の症状(きもちわるい、嘔吐、頭が痛い、お
なかがいたい、息苦しいなど)を訴える場合もあります。体が楽になるように、さすった
り、暖めたり、汗をふいたり、静かな呼気(息を吐くこと。「フーってしてごらん」と言っ
て一緒に息を吐いて下さい。すると自然に深く吸うことができます。)を促し、その症状
が楽と感じるようにしてあげて下さい。

4)叱らないで下さい。不安状態であるときに、子どもは普段できていたことができなく
なったり、間違ってしまったりします。また、興奮しすぎる子どもやイライラする子ども
もいます。これらは、怖い体験をしたら当たり前に起きる反応です。それを叱られると、
不安が増してしまいますし、自分を悪い子と思ってしまいます。今は、子どもが失敗して
も、大きな声は出さず「こぼれただけだから大丈夫だよ」「怖かったから落ち着かないね」
など、ねぎらいや保障の言葉がけをしましょう。

5)災害のTV映像やリアルな報道番組などをずっと続けて繰り返し見ることは控えさせ
ましょう。幼い子どもや不安の強い子どもにとっては、たとえ映像であっても見ること自
体が体験になってしまい、不安やこわさを重ねて経験しているような状態に陥る危険があ
ります。代わりに、子ども用の番組や、穏やかに楽しめるDVDなどを見せることも一考
です。

6)絵を描く、子ども同士で遊ぶなど、できるだけ子どもらしい活動を確保してあげてく
ださい。

7)とはいえ、興奮するようなイベントは避けてください。たとえ楽しいことであっても、
不安を抱えた状態では、自分でコントロールできず、はしゃぎすぎてしまったり、無理を
して動き回ったあとに熱を出したり、注意力が散漫になって怪我をしてしまったりするこ
ともあります。できる限り、普段どおりの生活リズム(食事、入浴、睡眠の時間など)で
お過ごし下さい。

★・♯・~Åヽ・:.Å;☆・♯・~・:.ヽÅ。・;★・♯・~Åヽ・:.Å;☆・♯・~・

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 ●子供の生活習慣病について

                          内分泌・代謝科 内木 康博

 子供にもメタボリック症候群があるのはご存じですか?腹囲80cm以上、空腹時血糖
100mg/dl以上、中性脂肪120mg/dl以上またはHDLコレステロール40
mg/dl未満、血圧125/70mmHg以上のうち、2つ以上当てはまるものを言い
ます。現在世田谷区は小中学生を対象に生活習慣病健診を行っており、学校での身体測定
で肥満が認められる児童生徒は、医師会のほうで栄養指導と血液検査を受けます。そこで
血圧、腹囲、体脂肪率、肝機能、耐糖能、高脂血症を調べて、基準を越えた児童生徒には
詳しい検査と治療の目的で病院受診が勧められます。その紹介状を持って当科に紹介され
た場合、今までの身長体重の移り変わり、ご家族の体型や持病、本人の生活習慣など詳し
くお話を伺います。それと一緒に糖尿病の検査を含む血液尿検査とレントゲンによる骨年
齢の評価と体脂肪率の評価、内臓脂肪の量の測定、超音波を使って脂肪肝の評価、栄養士
による栄養指導を行います。また肥満がある子には不登校などの心の問題をかかえる子も
多く、必要があれば臨床心理士の面談も行っています。このような検査からこの子が今後
どれくらい背が伸びそうか、現在つきすぎている脂肪の程度はどうか、中でも悪玉の内臓
脂肪はどうか、糖尿病や脂肪肝、痛風、高脂血症などの生活習慣病がすでに出ていないか
がわかります。

 太っている子によくある悪い生活習慣として、朝食を食べなかったり、学校で給食のお
かわりをしたり、帰ってきてから夕食までの間の間食が多かったり、炭酸飲料が好きだっ
たり、夕食の副菜に肉や揚げ物が多かったり、副菜が家族みんなの分が大皿で盛られてい
たり、食事を早く食べたり、夕食後にも間食を摂るなどがあります。中には水泳などの運
動や塾など行っている子もいますが、運動後スポーツ飲料や間食を摂り過ぎや、夕食の時
間が遅くなってしまう子もよくいます。当科の生活習慣病外来ではこのように個々の生活
パターンを丁寧に聞くことで改善できる点を家族と一緒に探すよう栄養士と取り組んでい
ます。

 生活習慣病の治療において子供と大人との一番の違いは成長過程であるということです。
小児期に太りすぎていると思春期の背の伸びが少ないということがわかっていますし、マ
スコミに出ているような成人向きの無理なダイエットをしてしまうと、せっかくの背の伸
びも止まってしまいます。逆に大人と違ってうまく体重をコントロールできると、最終的
に伸びる身長がちょっとよくなるといううれしいおまけが付いています。外来ではそのよ
うに説明して現在の体重を維持するだけで背が追いついてくれるので無理に体重を落とさ
ないような指導をしています。

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 ●NICUの看護について
                    新生児集中ケア認定看護師  阿部 知佳子

 新生児集中治療室(NICU)には、生まれてすぐに何らかの医療的ケアを必要として
いる赤ちゃんが入院しています。早期産や低出生体重で生まれた赤ちゃん、病気を持って
生まれた赤ちゃん、生まれた後の環境適応がうまくいかない赤ちゃんなど、様々な赤ちゃ
んがNICUにいます。生まれたばかりで感染に対する抵抗力の少ない赤ちゃんが入院し
ているため、ご家族以外の入室を控えていて、なかなか見る機会のない場所だと思います。
  そんなNICUでどのような看護ケアが行われているのか、少しだけ紹介したいと思い
ます。

 NICUに入院したほとんどの赤ちゃんに「ポジショニング」をしています。ポジショ
ニングとは、赤ちゃんが安心できるような姿勢を保つことをいいます。お母さんの子宮の
中にいるようなイメージで赤ちゃんの周囲をロール状にしたタオルなどを使って囲ったり、
お母さんに抱っこされているようにバスタオルでくるんだり、お母さんの両手で包みこま
れているようにスナッグルと呼ばれる物品を使って、赤ちゃんがリラックスして過ごせる
ことを目的に実施しています。他にも、生まれたばかりで懸命に病気と闘って治療を受け
ている赤ちゃんに、少しでもリラックスできるような試みとして、室内の音や光の調整を
しています。面会は24時間可能、治療中でもできる限りご家族と赤ちゃんが触れあえる
ような時間を作っています。

 私は、赤ちゃんにとってやさしいケアってなんだろう、ということを常に考えてこれま
で働いてきました。昨年、新生児集中ケア認定看護師の資格をとり、ますます「赤ちゃん
にとってやさしいケア」について考えるようになりました。赤ちゃんの方から、「これやっ
て欲しい」と言ってもらえれば助かるのですが、赤ちゃんは話すことができません。でも、
赤ちゃんから常にサインが送られてきている、ということに気付きました。赤ちゃんは呼
吸数や心拍数などの身体からの反応や、動きや表情、睡眠・覚醒リズムなど、いろいろな
手段を使って私たちに話しかけてきてくれています。そういった赤ちゃんからの小さなサ
インを見逃すことのないように毎日赤ちゃんの訴えに耳を傾けて、ご家族とともに赤ちゃ
んの成長を見守っていきたいと思っています。赤ちゃんの黒くて透き通るようなキラキラ
した瞳で見つめられたら、どんな疲れも癒されてしまうくらいのパワーになるんです。

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 ●「看護の日」イベントのご案内
                ~広げよう成育のこころ~

                         看護の日準備委員 川島 浩美

 みなさん、こんにちは!
  突然ですが、5月12日は「看護の日」です。
「看護の日」ってなに? 看護師さんの日?・・・と思っていらっしゃるかたも少なくない
と思います。そこで「看護の日」についてと、当院で行われる「看護の日」の催し物につ
いて、少しだけご案内させていただきます。

 「看護の日」は、21世紀の高齢社会を支えていくために、看護の心、ケアの心、助け
合いの心を私たち一人ひとりが分かち合い、こうした心をだれもが育むきっかけとなるよ
う、1990年に制定されました。また、国民の、看護および看護職に対する理解を深め
るとともに、その社会的評価を高めていくための記念日でもあります。
  では、なぜ5月12日を「看護の日」としたのでしょうか。みなさんは、「フローレン
ス・ナイチンゲール」をご存知ですね? そうです、戦場でたくさんの負傷兵を看護し、
「白衣の天使」と呼ばれたあの「ナイチンゲール」です。その「ナイチンゲール」の誕生
日にちなみ、5月12日を「看護の日」としたのです。そして、12日を含む週の日曜日
から土曜日まで(今年は5/8~5/14)を「看護週間」としました。この期間は、全
国各地で気軽に看護にふれていただける楽しい行事が開催されます。

 国立成育医療研究センターでも、日頃どのような看護を行っているのか、その活動を地
域の皆様にご紹介するとともに、次世代を担っていく妊産婦さん、子育て奮闘中のおとう
さん、おかあさん、ご家族の方々と気軽にふれあう機会を作りたいと思い、催しを企画し
ています。
  今回は、「広げよう成育のこころ」をキャッチフレーズに、簡単な身体チェック、健康
増進のための栄養相談、育児相談、体験コーナーなど気軽に楽しめるものを用意しました。
お近くにおいでの際には、ぜひお立ち寄りください。

日時:平成23年5月13日(金曜日)
    10:00~13:00
場所:独立行政法人 国立成育医療研究センター 1階 エントランスホール

皆様にお会いできることを楽しみにしております。

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 ●新任医師の紹介

 平成23年4月1日付

総合診療部 小児期診療科 中舘 尚也
内科系専門診療部 循環器科 小野 博
  アレルギー科 堀向 健太
  神経内科 柏井 洋文
外科系専門診療部 耳鼻咽喉科 三塚 沙希
  移植外科 垣内 俊彦
    金澤 寛之
手術・集中治療部 麻酔科  佐藤 正規
    馬場 万里子
  集中治療科 山崎 治幸
    松本 正太朗
周産期診療部 産科 杉林 里佳
    上出 泰山
  胎児診療科 住江 正大
  新生児科 兼重 昌夫

                  
                
        
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 ●トピックス

  ・成育医療研究センターの青い空にこいのぼりがおよいでいます。

     http://www.ncchd.go.jp/center/information/event/11haru.html

 

  ・保育士主催の雛祭りが行われました。

     http://www.ncchd.go.jp/hospital/support/hoiku/1103hinamatsuri.html

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『成育すこやかジャーナル第98号』いかがでしたか?
 
桜のはなが開き、春らしい季節になってきました。
  今年はスギ花粉の飛散率が高く、我が家のベランダにも黄色い花粉が落ちていました。
街中にもマスク姿の方が例年より多く見受けられる気がします。
とてもお花見ムードではないですが、桜の花が咲き、新入生、新入社員の初々しい姿を
見ると和やかな気持ちになれます。
毎日の節電と無駄な買占めをしないように努力し、被災地の方々の復興の手助けのほん
の一部になれるといいなと思っています。

                             
  成育医療研究センターのホームページも是非ご覧下さい。   
      
     http://www.ncchd.go.jp                      



               




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