国立研究開発法人 国立成育医療研究センター National Center for Child Health and Development

代表: 03-3416-0181 / 予約センター(病院): 03-5494-7300
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成育すこやかジャーナル 平成20年度

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    成育すこやかジャーナル     No.75(2009/3/5)
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  ●気管支喘息の正しい診断と治療の重要性   第一専門診療部 アレルギー科  大石 拓
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  ●難治性ネフローゼの治療                第一専門診療部 腎臓科  亀井 宏一  ………………………………………………………………………………………………………
  ●「小児がんの子どもとご家族に関わる中で」  がん化学療法看護認定看護師  釼持 瞳  ………………………………………………………………………………………………………
 ●CKDという新しい概念について         第一専門診療部 腎臓科 医長  伊藤 秀一
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 ●気管支喘息の正しい診断と治療の重要性
                                    第一専門診療部 アレルギー科  大石 拓

 気管支喘息は、胸がゼーゼー、ヒューヒューと音が鳴り、さらに呼吸困難を伴う(小発作では呼吸
困難はないか軽度)疾患です。このような症状は、発作性に繰り返し出現し、 自然に軽快するか治
療によって改善します。とくに、 β2刺激薬という気管支拡張薬を使用すると症状が軽快します。
喘息発作時、気管支では、平滑筋の収縮、粘膜の腫れ、分泌 物(痰)の増加が見られます。
診断は、これらの症状から、症候学的に比較的容易にでき ますが、アレルギーの家族歴・既往歴、
血液や皮膚のアレルギー検査、肺機能検査、運動負荷試験・メサコリン負荷試験などの気道過敏
性試験、呼気一酸化窒素、喀痰中の好酸球 などを参考に、さらに確実なものにしていきます。
そして、喘息発作の頻度やその程度を 聞き、重症度判定をして、その重症度に応じた薬物療法を
行います。しかし、大切なこと は、鑑別診断を常に念頭におくことです。鑑別して除外しなければな
らない疾患には、血 管や心臓の異常、気道の解剖学的異常や、クループや肺炎などの感染症に
基づく喘鳴、その他に腫瘍による圧迫や声帯機能異常などがあります。ただし、これらの疾患は、
最初か らこれらの全てに対して精密検査を行って除外するのではなく、ある程度、経験的に診断
しながら、治療効果が不十分なときに本格的に精査を行います。
  このような、喘息類似疾患の鑑別を念頭に置かずに診断をしていると、過度な薬物治療 で、無
理やり症状を押さえ込もうとしてしまう危険性があります。実際に、当科には、重症持続型として十
分な治療薬を使用されながらも、たびたび喘息発作(と思っているだけ) を引き起こし、発作時薬を
濫用して副作用を認めて入院してくる方も少なくありません。
そして、入院後、気道過敏性試験など喘息に関する検査を行ってみると、確かに喘息はあ っても
軽症であったということもあります。この喘息類似疾患の中で、Vocal Cord Dysfunction(声帯機能
異常)とよばれる疾患があります。この疾患は、思春期以降に多く、 首周りや上半身の筋肉が緊張
すると起こりやすくなります。本人が気づかないうちになん らかのプレッシャーを感じていると、筋
肉が緊張し無意識のうちに声帯が内転し、主に息を吸うときに、首のあたりで喘鳴を聴取するのが
特徴です。臨床の現場では、難治喘息と 診断されていることがしばしばで、不必要に気管内挿管
や気管切開を施行された報告もあ ります。この疾患は、顔面や首、肩の筋肉の緊張をゆるめるリ
ラクゼーションを行うこと で改善します。
  小児気管支喘息の治療は小児気管支喘息 治療・管理ガイドライン2008で重症度に応じ て決
められておりますが、正確な診断のもと治療をしなければ、重症度の判定を誤り、過 度の薬物療法
をしてしまうだけでなく、新しい病気さえつくりだしかねないことを知って おく必要があります。

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●難治性ネフローゼの治療
                             第一専門診療部 腎臓科  亀井 宏一

 皆様こんにちは。腎臓科の亀井と申します。今日は、難治性ネフローゼ症候群について、 簡単に
お話ししたいと思います。
  ネフローゼという病気は、高度の蛋白尿に伴い低蛋白血症に陥り、浮腫や体重増加や乏尿をき
たす疾患です。80-90%の人はステロイドが効く(感受性)のですが、中には 効かない人もいま
す。ステロイドが効いても、そのうちで30-40%くらいの人は頻回 再発型(年4回以上の再発)か
ステロイド依存性(ステロイド減量中または中止後2週間 以内の再発が2回続くこと)となり、ステ
ロイドの長期投与に伴う副作用が問題となりま す。この場合は、組織診断(腎生検)を行いその後
の治療を検討していく必要があります。
  通常、再発予防の免疫抑制薬として、シクロスポリン、シクロフォスファミド、ミゾリ ビンなどが使
用され、ほとんどの例でステロイドからの離脱が可能です。ただ、これらの 薬の副作用のため、あ
るいは長期間投与した後などは、使用が困難となってきます。また、 効かなくなってくる方もいます。
  現在、リツキシマブ(抗CD20モノクローナル抗体)という、B細胞を枯渇させる生物学的製剤が
難治性ネフローゼ症候群に有用であることが分かってきました。このお薬は、 注射薬で、1泊2日
の入院が必要となります。2008年10月より、当センターを含む全国9施設で医師主導治験が開
始されました。これまで過去に免疫抑制薬を使用したこと のある方、免疫抑制薬投与中にステロイ
ド依存性や頻回再発型になってしまった方などが 対象となります。治験は限られた施設しか行って
おりません。興味がある方は、いつでも 御連絡下さい(kamei-k@ncchd.go.jp)。
  これら最先端の治療や、ネフローゼの機序についての解明、それ以外にも急性血液浄化、 年間
70-80例の腎生検、腎移植、腹膜透析、血液透析などなど、私たち腎臓科5名は 忙しい毎日で
すが、心身ともに健常な社会人になるべく子ども達の発育を支援していきた いと思っています。
今後もどうか宜しくお願いいたします。

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●「小児がんの子どもとご家族に関わる中で」
                                  がん化学療法看護認定看護師  釼持 瞳

 子どものがんはとても珍しい病気で、年間約2500人に発生していると言われていま す。子ども
のがんは発見が難しく、がん細胞が増えるのも速いのですが、大人に比べて化学療法や放射線
療法に対する効果がとても高いという特徴があります。治療は、複数の抗 がん剤を組み合わせて
行われる化学療法、がんを手術で取り除く外科療法、放射線療法、 造血幹細胞移植などがあります。
  抗がん剤による化学療法というと、吐き気が強かったり髪の毛が抜けてしまったりとい うイメージ
が浮かぶかもしれません。吐き気・便秘・下痢などの副作用は、様々なお薬を 使うことで予防でき、
食事の取り方や生活習慣を工夫することで改善につながります。抜けてしまった髪の毛は、最後の
抗がん剤治療から3~6か月後には再生が始まります。
  治療の間は、担当医・看護師だけではなくいろいろな職種の人が、チームで子どもとご 家族に関
わっています。私たち看護師は、入院している子どもとご家族の身近で接する病棟の看護師だけ
でなく、治療中・治療後に病院を受診する時に接する外来の看護師もいます。医師も担当医だけ
ではなく、診断・治療に伴っていろいろな専門の医師が関わります。
検査・処置を受ける子どもへの説明やこころのサポートが必要な時には、チャイルドライ フスペシャ
リストや臨床心理士らに相談できます。食欲がない時には栄養士に食事の取り 方や内容をアドバ
イスしてもらい、虫歯の予防のために歯磨きの仕方を歯科衛生士に教えてもらうこともあります。
子どもの成長発達に合わせ小児病棟では保育士が遊びや催し物 を行ったり、子どものベッドサイ
ドまで院内学級の先生が授業に来てくれたりもします。
いろいろな職種の人たちが協力し合い、それぞれの立場で子どもの治療や成長を支えてい ます。
  子どもとご家族の苦痛・不安をできるだけ少なくして、治療中も退院後の長い未来もその子らしく
その家族らしく生活できるように、いろいろな専門の職種の人たちによるチーム医療はとても大切
です。私たち看護師は子どもとご家族を中心としたチーム医療の中で 調整役となり、身近でサポ
ートを続けていきたいと思っています。
  がんの子どもたちがつらい治療を受けながらも、とびきりの笑顔を見せてくれて、心も 体も日々
成長・発達している姿を見るたびに、関わる私たちが元気や勇気をたくさんもら います。
ご家族からも教わることがたくさんあります。これからも子どもたちやご家族が 笑顔で過ごすこと
ができるよう、一生懸命、関わっていきたいと思っています。


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●CKDという新しい概念について

                       第一専門診療部 腎臓科 医長  伊藤 秀一

メタボリック症候群という言葉はすっかり国民の間に定着した感があります。日常会話で もメタボと
いう略語(日本人は何でも省略言葉にしてしまいますね)は普通に使われています。先日も登校中
の小学生が、「となりのトトロ」を「となりのメタボ」という替え歌にして歌っていて、思わず こころのな
かでハモってしまいました。

さて、みなさんはCKDという言葉をご存知でしょうか?CKDとは慢性腎臓病(Chronic Kidney Disease:
CKD)の略語で、最近注目されている新しい病気の概念です。CKD(慢性 腎臓病)とは、腎臓の働
き(GFR:糸球体濾過率)が健康な人の60%以下に低下する(GFR が60ml/分/1.73㎡未満)か、
あるいはタンパク尿が出るといった腎臓の異常が持続する状 態を言います。実はこのCKD患者の
数は国内に推定で 400万人はいると考えられています。 CKD の危険因子は、高齢者、高血圧、糖
尿病、コレステロールや中性脂肪が高い (脂質代 謝異常)、肥満やメタボリックシンドローム、腎臓
病、家族に腎臓病の人がいる 場合など です。このようにCKDはメタボリックシンドロームとも密接
な関係にあります。

CKDは透析 を必要とする末期腎不全に進展する可能性があるばかりでなく、心筋梗塞や 脳梗塞・
脳出 血といった心血管疾患を起こしやすいことが知られています。
実は、CKD は心血管疾患の 危険因子としては、高血圧や糖尿病に匹敵します。すなわち、 CKDの
予防や治療は心臓や 脳を守ることにもつながるのです。

わが国の人口は約1億2千万人ですが、人工透析を26万~27万人が受けています。さらに透析患
者は年間 1万人ずつ増加しています。現在、国民医療費全体は年間32兆~33兆円ですが、透析
医療は1兆3千億~1兆4千億と推定され総医療費の4 %に相当し、常に問題になっています。
透析患者は1人当たり年間500万円の治療費を必要とします。わが国が高齢化社会を迎えるにあ
たり医療費の削減は大きな課題です。CKD の予防・治療は大きな医療費削 減にもつながります。
CKD も初期のうちであれば治療や予防が可能であることが分かって きたために、日本腎臓学会
を中心に CKDの概念を国民に普及する努力が始まっています。

このように 400万人ものCKD 患者がいると推定されていますが、一方で腎臓専門医は国内 に30
00人に満たない数しかいません。とてもこの少人数ですべての患者の治療を担当することはでき
ません。昨年、日本腎臓学会は患者や一般医家向けの 100ページほどの簡略な 「 CKD診療ガイ
ド」を発行し、一般医家に CKD診療の重要を提言しました。さらに来年は 専門医に向けに、「 CKD
診療ガイドライン」が発行されます。私も CKDガイドラインの作成委員をしています。

小児のCKD は腎炎・ネフローゼと先天性腎疾患がその多くを占めています。実は、小児で は毎年
1 回行われる学校検尿という制度が昔からあるために、 CKD を早期発見し治療する ことが可能
となっていました。CKD という概念が普及するより 30年も前からある学校検尿 は、振り返ってみれ
ば CKD対 策 として素晴らしい制度なのです。
先人の先見の明には感心 いたします。

メタボにくらべて、ちょっと覚えにくくて地味な CKDですが、 メタボリック症候群に匹敵する重要性
をおわかりいただけたでしょうか。
みなさんも、検診でタンパク尿が出ている、 腎機能が少し悪い(血清クレアチニンが高め)等と 言
われた方は、早めに専門医を受診し て下さい。それが末期腎不全、心筋梗塞、脳梗塞といった
重大な病気を防ぐ第一歩なのですから。
* この記事は、成育医療センターメールマガジン82号に掲載しました。


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成育医療センターのホームページも是非ご覧下さい。
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 『成育すこやかジャーナル第75号』いかがでしたか?
 
   日ごとに日足が延び、春めいてきまし たが、まだ風が冷たく感じられますね。
3月12日(毎年3月の第2木曜日) は、「世界腎臓デー」です。
  これは、腎臓病が自覚症状に乏しく、 またその恐ろしさについても一般的に
あまり知られていないという事で、腎 臓病予防啓発促進のための国際的キャ
ンペーンです。今回は腎臓科の伊藤秀 一医長と亀井宏一先生に、腎臓の病気
を紹介していただきました。   


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    成育すこやかジャーナル     No.74(2009/2/5)
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  ●熱と解熱剤                      総合診療部 救急診療科  植松 悟子
………………………………………………………………………………………………………
  ●ゼロから始まる周産期診療             周産期診療部 母性内科  山口 晃史  ………………………………………………………………………………………………………
  ●<私の背が低いのも遺伝です>      遺伝カウンセリングナース 助産師  李 紅蓮  ………………………………………………………………………………………………………
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 ●熱と解熱剤
                                 総合診療部 救急診療科  植松 悟子

 発熱は、診療中に最もよく遭遇する症状の1つです。多くはウイルスや細菌の感染に伴
って起こります。感染症に伴う高熱とその対応について、よくある質問をあげました。

 1)高熱は脳に障害を起こす?
   ご両親の心配は、熱そのものと熱による脳の障害の心配が多いようです。現在までに高
   熱が原因で脳障害が認められたという報告はありません。発熱は、そのウイルスや細菌に
   対して居心地を悪くし、排除しようという大切なからだの防御反応のひとつです。発熱そ
   のものよりも、発熱には原因について認識することが大切です。
 2)高熱であるほど、熱を出している原因が重症?
    熱の高さよりも、ぐったりしている、または、具合が悪そうであるといった状態の有無
   が大切で、病気の重症度と関連していると言われています。
 3)熱が出ている時には?
    第一に、水分補給です。次に、衣類の調節や室温の調節をして過ごしやすい環境を整え
    ることが大切です。それでも、お子さんが高熱により不機嫌、不快そうである場合には、
    解熱剤を使用します。ぬるめの湯による入浴や冷水による体拭きは、皮膚の血管を縮めて、
   かえって熱が下がりにくくなったり、ふるえの原因となり、不快になる可能性があります。
 4)解熱剤の利点とは?
     解熱剤は、熱を下げることで不快感を取り除きます。また、その時点での、お子さんの
   一番良い状態を観察することも出来ます。熱が下がれば活気が改善する、水分を摂りやす
   くなるといった状態かどうか判断できます。解熱剤が効き、熱が下がったにもかかわらず、
   ぐったりしている場合には、重症な状態の可能性があります。
 5)解熱剤の欠点とは?
   発熱は、ウイルスや細菌の居心地を悪くし、体から排除しようとする働きですから、熱
   を下げることにより、「体内にこれらの生物が長めに残る」=「病気が治るのが遅れる」
   ということが起こり得ます。また、熱の経過が分かりにくくなる可能性もあります。しか
   し、発熱による不快さが認められる場合には、解熱剤を使用することは選択肢の1つです。
 6)適切な解熱剤の種類は?
    アセトアミノフェンが推奨されています。発熱時のみ解熱効果があり、平熱時に体温を
   下げ過ぎることがありません。また、長い歴史の中で、安全でかつ効果がある量も確定し
   ています。腎臓に影響を与える可能性はありますが、生後6か月以上で、所定量を短期間
   使用した場合にはその副作用もほとんど認めないとされています。もう1つは、イブプロ
   フェンです。こちらも、同様に安全性が高いとされる解熱剤のひとつです。
 7)解熱剤が効かない場合には重症?
    とくに発熱初期などには、効果が得られにくい場合もありますが、「解熱剤の効果」と
     「病気の重症度」は関係ありません。
 
   高熱を出しているお子さんにとって、大切なことは、お熱の高さや解熱剤の効果ではな
   く、発熱の原因を知ることと、元気さなどを含めた全身の状態です。


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●ゼロから始まる周産期診療   
                          周産期診療部 母性内科  山口 晃史

 体調をプラス・マイナスで表現すると、健康で元気なときはプラス、病気で不調なとき
はマイナスといえます。病院へ通う多くの方々はマイナスからスタートし、通院、入院な
どで医療介入を受け改善へ向かいます。従って、通常はマイナスからプラス方向へ向かう
事が治療の成果であります。
 周産期診療では、妊娠は病気では無いという認識のもと、スタート地点はゼロで、そこ
から始まります。妊娠中の母体は、胎児の受け入れ、胎児への栄養供給、出産の準備の為
に妊娠前には無かった多くの強い負荷がかかります。十分な身体的な余裕があれば問題な
くゼロのまま出産へ至りますが、潜在する疾患、合併症があれば顕性化、増悪することが
あり、マイナスへ向かう可能性があります。
 一般的にはゼロのまま出産へ至る事が多く、それがあたり前であるという考えが定着し
ておりますが、実は、病気では無いという点でプラスへ向かう方向はなく、マイナスへ向
かう方向のみが残されていることを忘れてはなりません。さらに胎児側の要因が加わるこ
ともあります。
 いかにマイナスを無くし、順調な妊娠継続を維持することが我々の仕事であり、その多
くは予防的治療に始まり、綿密な経過観察とマイナスになった部分の早期対処にエネルギ
ーを費やします。

 一見、妊娠・出産は女性にとってあたり前の出来事のようですが、治療をされている患
者さん達にとってはゼロのまま妊娠・出産へ至る事が最高の目標であり、我々の目標です。
我々は、あたり前のように、妊娠経過に何の問題もなく母児ともに安全な出産へ至る事を 願い、
日々診療しております。

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●<私の背が低いのも遺伝です>
                             遺伝カウンセリングナース 助産師  李 紅蓮

 “遺伝”という言葉について、皆さんはどんなイメージをお持ちでしょうか?
 親子や兄弟の外見・性格・体質に共通点が多いことは、遺伝現象によると理解されてい
ます。
  「背が高いのは父からの遺伝だ」とか、「乾燥肌は母からの遺伝だ」などの話は、日常
の会話に気軽に出てきます。このように私達はふだんから、“遺伝”という言葉を何気な
く使っています。

   さて“遺伝”という言葉が、生まれつきの病気に関して使われる時は どうでしょうか。
  赤ちゃんが生まれつきの病気を持って出産すると、ご両親は「遺伝病だとすると、きっ
と家族が悩むから自分たちだけの胸にしまっておこう」、「友人や職場の人にも相談でき
ない」などの悩みを抱えられます。また、ご親戚の間では「うちの家系にはいないから相
手方の遺伝じゃないか」「会った事ないけど、あそこの○○叔父さんが似た病気だったよ
うな・・。やっぱり遺伝かしら」などと推測し合ったりすることがあります。ここでの
“遺伝”という言葉は、先ほどの外見や性格の話題の時とは、異なる響きをもって使われ
ています。

 私は助産師ですが、昨年4月より当センターの遺伝診療科に勤務し、日々、 「遺伝」に
ついて悩んでおられるご両親から、お話しを訊かせて頂いております。
  来院されるまでは、「全ての生まれつきの病気に遺伝が関係している」と信じておられ
る方が少なくないと思います。「私の血を引き継いだせいでは」「この遺伝子は私の代ま
でで・・」などと悩んでおられます。生まれつきの病気をもった赤ちゃんを出産すると、
お母様は大変気にされ、散歩に出るご気分にさえならないこともあるようです。

 先天異常の中にも遺伝現象が関わらない病気が多くあります。また、病気の原因が遺伝
子の異常によるものであっても、次の子どもが同じ病気になる確率が極めて低い場合も多
くあります。一方、常染色体劣性遺伝と言って、同じ病気の子どもが生まれる確率が25
%の場合、あるいは常染色体優性遺伝と言って、50%の場合もあります。
  ご家族の複雑な心情を私が推し量ることは、本当に難しいと感じていますが、それぞれ
のご家族の気持ちを受けとめながら、「遺伝性疾患は誰にでも起こりうることで、誰のせ
いでもない」というメッセージをお伝えできればと思います。
  人間はおよそ25000個の遺伝子を持っていますが、誰でも10個程度の遺伝子に異
常を持っていると云われています。もし出会った相手の方も同じ遺伝子異常を持っていた
としたら、1/4の確率で病気のお子さんが産まれる可能性があります(常染色体劣性遺
伝病の場合)。お二人が出会ったのは巡り合わせであり、誰のせいでもありません。また
突然変異は、遺伝子がコピーする時のエラーによって起きると云われています。遺伝子の
仕組みも複雑なために、一定の確率でコピーの間違いが起きてしまうことが原因と考えら
れています。ストレスや食べ物が原因となることはないのです。

 「遺伝」について、すべての人が偏見なく、自然に語れる社会がくることが理想です。
  まずは自分にできることからと考え、ご両親自身の誤解を解いて、悩みを少しでも和ら
げて差し上げられるようにと、お子さんやご家族とお会いしております。実際は、ハンデ
ィキャップをはねかえす子どもたちの素直さや明るさ、ご家族が互いを気遣う優しさに接
し、私の方が多くのことを教えて頂いているのかもしれません。これからも経験を重ね、
皆さまから学んだことを還元できるよう、励んでまいりますので、どうぞよろしくお願い
いたします。

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新任医師の紹介
  平成21年2月1日付
   外科医長                北野 良博
   リハビリテーション科医長     橋本 圭司
   心臓血管外科医師        平田 康隆
   胎児診療科医師            穴見 愛

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成育医療センターのホームページも是非ご覧下さい。
    http://www.ncchd.go.jp

 『成育すこやかジャーナル第74号』いかがでしたか?
 
   寒い日が続き、運動不足と着ぶくれで体がかたくなっていませんか。
成城学園駅~成育 医療センターまで徒歩で通っています。
成城学園から仙川の遊歩道を季節の移り変わりを 感じながら、とぼとぼと歩いています。
川の片側しか歩けませんが、以外にも仙川の水が きれいで川底まで透き通って見える
時があります。カモの団体さんがいたり、白鷺がいた り、ちょっとゆったりした気分になります。
  仙川沿いの道は、小金井の東京学芸大学辺りを起点に二子玉川まで約15km位で、仙川は
世田谷を通り抜けたあと野川と合流し、二子玉川で多摩川に合流するそうです。世田谷地
区は、桜並木があるので、春先になるのを楽しみにしています。機会があったら起点から
歩いてみようか。と考えています。

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    成育すこやかジャーナル     No.73(2009/1/8)
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    明けましておめでとうございます。本年もどうぞ宜しくお願いいたします。

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  ●年頭のご挨拶                               病院長  松井 陽
………………………………………………………………………………………………………
  ●こどもの肝臓病              第二専門診療部 移植外科 医長  笠原 群生  ………………………………………………………………………………………………………
  ●RSウイルス感染症                 周産期診療部 新生児科  高橋 重裕  ………………………………………………………………………………………………………
  ●『小児実習をおこなうナースのたまごたち』    臨床教員 副看護師長  石川 陽子   ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 ●年頭のご挨拶                                病院長  松井 陽

 平成21年の年頭に当たりご挨拶を申し上げます。昨年の出来事の中で、国立成育医療
センターの将来にもっとも大きな影響を持つのは、独立行政法人化のための法案が成立し
たことです。この結果、平成22年4月1日から当センターの名称は「独立行政法人国立
成育医療研究センター」となります。どうして「国立」なのか、また「研究センター」に
なると病院はどうなるのかといった疑問をもつ方もおいでになると思います。しかしご安
心いただきたいのは、病院も研究所も今よりも皆様にとって良い形で存続するということ です。
 病院長としては、平成22年4月に独立行政法人として順調なスタートができるように、
今年1年をかけて入念に準備していくつもりです。他の施設ではできない高度かつ先進的
な成育医療をさらに充実します。一方で、現在、要求の高まっている小児救急、産科医療
をはじめとする医療サービスの質をさらに高めて、国立成育医療研究センターの存在意義
を皆様に理解していただけるようにしたいと思います。本年が皆様にとりまして、実り多
い1年であることを願っています。

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 ●こどもの肝臓病               第二専門診療部 移植外科 医長  笠原 群生

 こどもの肝臓病・肝不全は大きく3つに分かれます。
1.肝臓がかたくなって肝硬変に至る場合(胆道閉鎖症、自己免疫性肝炎など)
2.肝臓で酵素が働かず代謝物がたまってしまう代謝性肝疾患の場合(OTC欠損症, CPS1
  欠損症など)
3.突然肝臓の細胞が壊れて働かなくなってしまう場合(劇症肝炎)
 1の胆道閉鎖症の場合、肝臓が固くなる前に手術(葛西手術)で胆汁を腸に流してあげ
る方法、自己免疫性肝炎では免疫抑制剤やステロイドで肝臓の炎症を取ってあげる治療が
行われます。2の代謝性肝疾患では、代謝産物を少なくする方法、違う経路で代謝させる
方法、また血液濾過透析で強制的に除去する治療が行われます。3の劇症肝炎では、弱っ
た肝臓を甦らせるため、免疫抑制剤・ステロイド・血液浄化・血漿交換治療が行われます。
 それぞれの疾患症例数が少ないため、治療方法も施設によって様々です。まずは初期治
療の質を上げることが、予後を改善するためには急務だと考えています。それぞれの方法
が上手くいけば治療は成功し症状は改善しますが、治療が上手くいかない場合は、次の治
療手段である臓器移植が考えられます。
 肝臓移植は不可逆性の肝硬変、繰り返す胆管炎・静脈瘤、繰り返す代謝発作(高アンモ
ニア血症、アシドーシスなど)またそれに伴う成長・発達の障害、QOL(Quality of life
:生活の質)の著しい低下、不可逆性の肝壊死などで適応されます。肝臓移植の適応・時
期はお子さんにより大きく異なるため、移植専門医に早めに相談することが大切です。
 こどもの肝臓病の一部は肝臓移植で根治することができますが、移植医療には問題もあ
ります。それは他人の臓器の一部が必要なこと、臓器を受け入れるための免疫抑制剤を一
生飲まなければならないことです。近い将来、お子さんの細胞から肝臓が作れれば、これ
らの問題が解決されるかもしれません。
 国立成育医療センターでは、お子さんにより優しい移植医療を提供するため、研究所・
病院が協力し再生医療・細胞治療の研究を行っております。臨床で実際に細胞治療が行え
るようになるのも夢ではなくなっています。
 2008年10月から第二診療部移植外科と診療科名が変更になりましたが、今後も肝
臓病のお子さんに対して、各専門診療部・研究所と協力しながら、質の良い医療を提供し
てゆきます。いつでもご相談ください。
出身地:群馬県前橋市
趣 味:妻・娘と砧公園散歩

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●RSウイルス感染症                   周産期診療部 新生児科  高橋 重裕

 女の子のお正月の遊びといえば羽子板ですが、羽子板には、“女の子のお守り”という
意味があるそうで、魔除けの意味を込めて初正月に女の子へ贈られています。正月の遊び
や贈り物として用いられたのは室町時代で、赤ちゃんが元気に育つようにと願い飾ったそ
うです。また、羽の先に付いている玉を無患子(むくろじ)と言い、読んで字のごとく
“子供が患うことがないように”という願いが込められているそうです。羽子板の羽がト
ンボに似ていることから、蚊をトンボが食べてくれるように、子供が蚊に刺されない様に
という意味もあるそうです。蚊は今も昔も、病原微生物を運ぶ厄介ものだったのでしょう。
室町時代の寿命はおよそ35歳といわれており、そのなかでの新生児死亡率は相当な頻度
だったと予測できます。そのような状況の中で赤ちゃんの健やかな成長を願う当時のパパ
やママの切なる思いが伝わってきます。
 さて、私ども新生児科医が遭遇する感染症の中に秋から春にかけて流行するRSウイルス
感染症という病気があります。RSウイルスは呼吸器感染症を引き起こすウイルスで、大人
が感染しても鼻水・咳などの感冒症状で済むことが多いのですが、早産の赤ちゃん、慢性
的な呼吸器疾患を抱えた赤ちゃん、心臓の病気を持った赤ちゃんが感染すると重症化する
ことがあり、我々新生児科医がとても注意しなければいけないウイルスのひとつです。
 RSウイルス感染症は一旦発症した場合、有効な治療法がないため予防することが大切で
す。以前はRSウイルスに対して有効な予防法さえなく、我々もほとほと手を焼いていまし
たが、数年前にパリビズマブ(商品名:シナジス)というRSウイルスの発症を抑える注射
薬が発売されたことで上記のような病気を持つ乳児の入院率を減少させることができまし
た。
 医療は日々進歩し、それまで予防や治療が不可能であった病気を次々と克服しています。
医療の進歩は室町時代のパパやママのように、愛する家族や隣人を思う気持ちが医療に携
わる者を動かすことによって形となって現れるものではないでしょうか?
 現在、日本の新生児医療は世界最高水準にあり、他の先進諸国と比較しても低い新生児
死亡率を維持しています。しかしながら、今なお治癒が困難な病気が山ほどあるのも事実
です。私たち新生児科医は生まれてくる全ての赤ちゃんがお正月に元気に羽子板や凧揚げ
ができるようにという願いを込めて日々診療を行っていきたいと思います。

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●『小児実習をおこなうナースのたまごたち』      臨床教員 副看護師長  石川 陽子

 私は、病院内で、主に小児科病棟で実習を行う看護学生の指導を担当しています。病院
実習は、知識や経験が十分ではない看護学生が将来看護師として1人前に成長していくた
めに必要な看護実践能力を育む場として重要な意味を持ちます。学生は、学校では経験で
きないことや考えられないことを、病院に入院している子どもたちやご家族の皆様から学
びます。今回は、小児実習を行う看護学生の様子について紹介します。
 看護学生は、「子どもと仲良くなれるか」「子どもが泣いたらどうしよう」などたくさ
んの期待と不安を抱きながら、実習初日を迎えます。実習が始まると、毎日戸惑いの連続
です。看護師が、いとも簡単に行う血圧測定ですら、看護学生にとっては、一大イベント
になります。毎日練習と工夫を重ね、子どもとご家族の協力を得ながら、できるようにな
っていきます。「できなかったことができるようになる。」という学生の喜びはとても大
きいようです。1人1人の子どもに合ったケアを考える必要性や、日々の工夫の大切さに
気付く機会ともなっています。
 また、学生にとって子どもたちの成長発達は驚きであり、大きな学びになります。子ど
もが離乳食を初めてスプーンで口に運ぶことができたことや、「まんまー」と初めて言う
ことができたなどの場面に出会うと、子どもたちの成長をまるで自分がその子の親である
かのように、大喜びします。そして、そのことを嬉しそうにご家族に伝え、一緒に喜んで
いる姿を見かけます。学生は、自分が子どもやご家族のために出来ることはないだろうか
と毎日必死に考えます。学生の子どもたちに向き合う一生懸命な気持ちは、私も見習わな
ければと思います。
 実習最後の日、学生は子どもたちにさよならをする寂しさから、なかなか実習場所を去
ろうとしません。2週間の実習が終了した後も、学生は「今日は○○ちゃん、何している
かな?」「○○ちゃんに会いたいな。」と話しています。2週間という短い実習ですが、
学生は子どもやご家族との関わりを通して、看護の喜びを感じ、子どもとご家族の心に
寄り添うことができる看護師に成長をしていきます。これが、机上では得られない実習な
らではの貴重な学びになるのです。
 実習で担当させて頂いた子どもたちとご家族の皆様には、本当にいつも感謝の気持ちで
いっぱいです。これからもナースのたまごたちを温かい目で見守って下さると幸いです。
よろしくお願い致します。

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成育医療センターのホームページも是非ご覧下さい。
    http://www.ncchd.go.jp
  『成育すこやかジャーナル第73号』いかがでしたか?

   「門松」
                     皆様は、どのようなお正月を過ごされましたか。
.       .◎                        1年の始めである正月は春の始まり、立春とも考えられており、
.      ││                昔の人々は春の訪れがもたらす生命の誕生を心から喜び合ったそう
 キ  ◎ ◎                です。「めでたい(芽出度い)」という言葉は「新しい春を迎え芽
  キo │││              が出る」という意味があり、また新年に言う「明けましておめで
. ヾキ.│※│ メ            とうございます」という言葉は、年が明け歳神様を迎える際の
  ヾキ※※メメ∞∴        祝福の言葉だったそうです。神様への感謝の言葉を交わす
∴キ| |∴| |*∞∨          ことにより、心から歳神様を迎えたことを喜びあったとい
∵∴***∵∴         うことです。
  ∵││*││             日毎に寒さが加わり風邪を引きやすくなりますので、
  └┴┴┴┴┘          手洗いうがいを徹底したり、マスクを着用したり、のどの
                           乾燥を防いだり、疲労蓄積や睡眠不足にならないように気をつけましょう。

         本年も変わらぬご購読をお願いいたします。

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    成育すこやかジャーナル     No.72(2008/12/11)
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  ━━━━━━━━━━━━━━━━■ 目   次 ■━━━━━━━━━━━━━━━
  ●― 私の思うこと -

                                                                     総合診療部 小児期診療科  土田 尚
………………………………………………………………………………………………………
  ●“はじめてのめがね”について
                                                                  第二専門診療部 眼科  小林 百合
………………………………………………………………………………………………………
  ●移植医療におけるコーディネーターの役割
                                                     移植コーディネートナース 副看護師長  中里 弥生
………………………………………………………………………………………………………
  ●新しくなった第一専門診療部について
                                                                 第一専門診療部 部長  横谷 進
………………………………………………………………………………………………………
  ●トピックス
  ………………………………………………………………………………………………………
  ●新任医師の紹介

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●― 私の思うこと -

                              総合診療部 小児期診療科  土田 尚

  15年程前のことでしょうか。小児科医になって数年がたっていた私は、第3次救急病
院で1ヵ月に15日もの当直がある日々の生活にとても疑問を感じていました。これで十
分な診療が安心して行えるのだろうかと。今となっては、記憶は定かではありませんが、
当時はまだ今日のように医療安全が声高に叫ばれてはいませんでした。その後、偶然に、
厚生労働省で医薬品の審査をする仕事に就いたのですが、それ以来、“安全に医療を行う”
ということは私が仕事をして行く上でのテーマとなっています。

  ここでは、“安全に医療を行う”ということを医薬品や医療機器の審査の経験と絡めて
お話してみたいと思います。
  日々の診療では多くの医薬品や医療機器が使用されています。これらは医薬品や医療機
器の臨床試験について、計画や実施状況、結果がきちんと評価されているからこそと言え
ます。この臨床試験というものも、単に、出た結果(エビデンスと言います)をそのまま
使うということではなくて、出た結果を臨床現場に安全に還元するしくみ(行政などを通
じて、私たちの健康のためにその結果を正しく、望ましい方向に利用できるように考えて
いく方法。難しいことばですが、例えば医薬品の世界で言うレギュラトリーサイエンスと
いうのはその分野のひとつです)を通じて、臨床に応用していくというところがポイント
です。そのしくみの作り方、あるいはしくみそのものを考えていくことにもたいへん興味
を持っています。
  はじめの段階からどのような臨床試験を考え、行って、どのような結果が得られたら、
その医薬品や医療機器が安全でしかも有効であると言えるのか。ある疾患の診療の中で、
その医薬品や医療機器の位置付けはどのようなところにあるのか。このあたりについて、
きちんと筋道を立てて考えて、臨床試験を計画・実施し、結果などを評価し、安全なしく
みを通じて実際の臨床現場で使って、成果を出していかれるという、一貫した総合判断が
とても大切なことであると考えています。ただし、もしかしたら、一小児科医がこのよう
な思いを持って医療に携わろうとすること自体、まだまだ珍しいことであるのかもしれま
せん。
  医療では須く、得られた情報を臨床現場に安全に還元するしくみが必要で、これらのす
べてが医療安全につながっているはずです。
  最近では、もっと安全に医療を行うことを目指して、これらに加えて、法・倫理につい
ても意識して考えていくようにしています。
  “安全に医療を行う”ということ、これが私の思いであり、願いです。



★・・~・ヽ・。・;☆・・~・ヽ・。・;★・・~・ヽ・。・;☆・・~・ヽ・。・;★・・~・ヽ・。・;☆・・~・ヽ・。・;


●“はじめてのめがね”について

                                    第二専門診療部 眼科  小林 百合

 紅葉の美しい季節ですね。お子様と手をつないで近くの公園に行ってみたり、秋晴れの
青空の下、照葉を眺めに遠出してみたりするのもいいですよね。
  でも、ふと、子どもが見えにくそうに眉をこらし、遠くに掲げてある看板の文字を読み
にくそうにしているのをみると「あら!」と思うことがありませんか。
  一般に赤ちゃんは遠視で誕生し、成長とともに視力を伸ばしながら小学校入学の時は、
目の病気がないかぎり両裸眼視力1.0の子ども達がほとんどです。でも、体の成長とと
もに少しずつ目は近視化していきます。とくにアジア系は近視が多く、日本人の60%以
上は近視と考えられているため、当然のなりゆきなのですよね。「どんなタイミングでう
ちの子どもはめがねをかけ始めていったらいいのでしょうか?」というご質問は外来でよ
く聞かれるものの一つです。
  近視がもっとも進む年代は小学校の高学年から中学生です。この年代は学校に通って勉
強してもらわなくてはいけないのですから、黒板が見えなくては困るのです。教室の最前
列にいつも座れるのであれば遠くの裸眼視力は0.3、後ろの席になる可能性があるなら
ば0.7は見えないと学習視力は悪くなると考えられています。裸眼視力は不思議なもの
で、同じ近視度数でも0.3の人もいれば0.08のような人もいるので、近視度数では
決まりません。まぶたを細めたりすることで一時的にピントを合わせたりして変動させる
こともできます。したがって“学校の後ろの席に座りたいなら0.7以上、前の席なら0.
3以下になったらめがねがいる”くらいの大ざっぱな感覚を持って頂けたらよろしいので
はないでしょうか。また、その子の生活にも必要度は変化します。たとえば、夕方自転車
に乗って習い事へ通っているというような場合、0.6は最低必要と考えますし、映画館
へ行ったり、野球を観に行ったりするのが好きという子どもであったら、そんなときにす
っきりよく見えるめがねをかける方が楽しみは倍増するでしょう。ときに、目をしかめて
にらみつけるようにして眺めている子どもがいますが、せっかくのかわいいお顔が台無し
なのでそういう場合もめがねを作った方がいいのではないでしょうか。
  ただし、お子様の初めてのめがねは、必ず眼科で処方してもらって下さい。いきなりめ
がね屋さんで作成はしないように。お子様の場合、屈折度数によっては目薬をして調節麻
痺を行なってから屈折度数を測定しないと適切な眼鏡度数が出せない場合があります。
  また、子どもは心配かけまいとしたり、面倒臭がったりして、自分からは「見えない」
「めがねがほしい」とは言い出しません。周りの大人達がタイミングよく誘導してあげる
必要があると思います。
  「よく見えるって、楽しいよ。」私は、外来で子ども達にこうやって励ましています。


★・・~・ヽ・。・;☆・・~・ヽ・。・;★・・~・ヽ・。・;☆・・~・ヽ・。・; ★・・~・ヽ・。・;☆・・~・ヽ・。・;

 ●移植医療におけるコーディネーターの役割
               
                    移植コーディネートナース 副看護師長  中里 弥生
<臓器移植とは?>
臓器移植とは、心臓や肝臓、肺、腎臓など、生命を維持するために重要な役割を果たして
いる臓器が、ほぼ、あるいは全く機能しなくなり、臓器を代替する以外に治療法がない場
合に行われる医療です。この医療は医師と患者だけではなく、第三者の善意による「臓器
の提供」がなければ成り立ちません。
  日本では、これまでにも「心臓停止後」の提供が可能な腎臓と角膜の移植は行われてい
ましたが、1997年10月16日「臓器の移植に関する法律」が施行されたことによっ
て、さらに心臓や肝臓、肺の移植も法律上行うことが可能となりました。心臓や肺、肝臓
は、心臓が止まって血液が循環しなくなるとすぐに状態が悪くなるため「脳死」からの移
植が必須となります。

<移植コーディネーターとは?>
移植コーディネーター(transplant coordinator)とは、臓器移植・組織移植・骨髄移植な
どにおいて、提供者と移植者の間の調整をする移植専門職のことをいいます。
移植コーディネーターは大きく2つの仕事に分かれます。

1.ドナーコーディネーター(donor coordinator procurement coordinator)
死体移植において、臓器提供病院に出向き、臓器提供候補者やその家族と会って承諾手続
きなど臓器提供に関する一連の手続を調整する医療専門職をいいます。臓器提供候補者の
医学的な評価を行うこと、家族に臓器提供に関する情報の提供をすること、臓器提供の手
術の調整や立会いを行うこと、提供された臓器を移植病院まで搬送することが役割です。

2.レシピエントコーディネーター(recipient coordinator clinical coordinator )
死体移植において、各移植病院に所属しその病院内で、移植候補者との連絡調整や臓器の
受け入れを調整する医療専門職をいいます。多くは看護師です。また、生体移植において、
臓器提供者と臓器移植者の調整役を担います。 

  成育医療センターでは、子どもを対象とした骨髄移植、生体肝臓・腎臓移植、献腎移植、
アイバンク、骨髄バンク、組織バンク対応を行っています。移植コーディネーターという
役割を通して、さまざまな移植を受ける子どもと家族に出会いました。その中で、移植に
至るまでの家族の苦悩と葛藤を実際に知ることができ、移植過程におけるサポートの重要
性を学びました。移植に関するセミナーや学会などに参加して好きになった言葉は「ギフ
ト・オブ・ライフ」=命の贈り物です。
  コーディネーターとしては、知識も経験もまだまだですが、この言葉を通して、今まで
の経験を活かして、移植を受けようとする子どもと家族のためにできるだけ家族の問題や
悩みを整理して、移植に立ち向かうサポートができればと思い、業務にあたっている毎日
です。
  外来で、移植を受けた子どもと家族の元気な姿と笑顔を見ると、とても嬉しくなり逆に
励まされます。「いのちのリレーの調整役」として、子どもと家族と一緒に移植医療を乗
り越えていけるように努力していきたいと思っています。


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新しくなった第一専門診療部について

                                                                      第一専門診療部 部長  横谷 進

 第一専門診療部は、当センターのホームページにも紹介がありますように、いわゆる小
児の内科系の専門診療部門で、2008年10月現在、11の専門診療科がそこに属して
います。各科の特徴については、ホームページをご覧いただきたく存じます。本日は、こ
の10月から第一専門診療部に属することになった2つの診療科について紹介いたします。
  これまで、いわゆる小児がんに分類される病気は、第一専門診療部の血液科と特殊診療
部の小児腫瘍科が診療してきましたが、10月から、それぞれ血液腫瘍科と固形腫瘍科と
いうように名称を変更して、同じ第一専門診療部に2つの科が属することになりました。
これにより、外から見ても分かりやすい組織になったのではないでしょうか。あえて言え
ば、血液腫瘍科は、血液(造血器)の悪性の病気、つまり白血病やリンパ腫を中心に診療
し、固形腫瘍科は、神経芽腫、脳腫瘍などの、かたまりを作る小児がんを診療します。し
かし、両方とも小児がんを対象としていて、化学療法や造血幹細胞移植などの治療手段が
共通であることから、文字通り一体となって診療しています。また、治療手段は、脳外科、
外科、眼科などによる手術療法や、放射線科による放射線療法などとの組み合わせが必要
になることが多く、病院全体の取り組みとして困難な病気の治療にあたっています。国内
トップクラスの年間50-60人の新規小児がんの診療を行い、細心の注意と高い専門性
により、良好な治療成績を上げています。高度な医療というと、特殊技術や高額の医療機
器に目が向きますが、それだけではなくて、実際には前向きな医療チームの人の手・人の
力がとても重要です。
  特殊診療部から第一専門診療部に所属が変更になったもうひとつの科は、遺伝診療科で
す。遺伝診療科が対象としている病気には、遺伝子の異常や遺伝子を入れている染色体の
異常による病気だけでなく、まだ原因の分かっていない生まれつきの病気も含まれていま
す。このような病気のあらわれ方はいろいろなのでイメージがつかみにくいですが、正し
く診断ができれば、治療が始められたり、合併症を早期発見して治療できたり、見通しを
持って対処できるようになったりします。遺伝診療科では、臨床検査部と協力して染色体
検査や遺伝子検査を行い、多数の病気の診断をしています。診断が確定した後には、関連
する診療科との連携で診療を行い、また、一部の遺伝の病気には酵素補充療法といわれる
治療を行っています。遺伝診療科のもうひとつの重要な役割は、遺伝相談です。遺伝の病
気は、正確な診断に基づいて正しい情報が伝えられることが大切です。遺伝カウンセリン
グのための専門外来も設けて、遺伝の病気の悩みや疑問に答えられるように努めています。


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●トピックス

  2008年11月4日(火)、「アンディー先生のマジック教室」が行われました。
 
  2008年11月19日(水)、シアトル・マリナーズの城島健司選手が当センター
  を訪れました。  

  2008年12月1日(月)、(ボランティア主催)豆の木広場前のエントランス
ホールにクリスマスツリーの飾り付けが行われました。
  

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●新任医師の紹介

   平成20年11月1日付
    第二専門診療部    心臓血管外科    阿知和 郁也

   平成20年12月1日付
    第二専門診療部    心臓血管外科医長  金子 幸裕

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 『成育すこやかジャーナル第72号』いかがでしたか?

  今年もカレンダーが最後の一枚となってしまいました。街にはツリーが飾られ、クリ
スマスソングが流れるようになりました。
  スペースシャトル「アトランティス号」に、ママさん宇宙飛行士山崎直子さんの搭乗
                     が決り、国際宇宙ステーションの組み立て
../⌒ヽ☆☆;:::::☆☆;;;☆;:  任務に当たる事になりました。
(    (⌒⌒⌒⌒⌒ヽ゜;:;°☆☆☆. 野辺山のスキーの帰りの雪景色の中で、
☆―´。―――――′°°☆:;;°°; 眺めた宇宙や太陽を電波で観測できる世界
∫  ☆ ☆°∞☆☆;:☆☆ 最先端の観測施設「国立天文台 野辺山」、45m
;°/\   ;::☆°°。   の巨大なパラボラアンテナと84基のヘリオグラフ
/ °☆   ☆°☆°;   アンテナが並んだ姿は、宇宙の秘密基地のような
/ ° o \  ☆°°;     幻想的な光景だったのを思い出しました。
./   \ :☆   この施設は銀河中心にある巨大質量ブラックホールの発見や
   ̄| | ̄       多数の星間物質の発見、星や惑星系の形成過程の研究、銀河
(⌒⌒⌒⌒⌒⌒ヽ の構造や活動性の研究などで大きな成果をあげているそうです。
          
  寒さに向かう季節、抗ウイルス作用もあるカテキンを多く含む日本茶・紅茶でうがい
をすればインフルエンザの予防効果もあり、飲んで虫歯・口臭予防・イライラ解消効果
もあるそうです。試してみましょう。♪♪♪



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    成育すこやかジャーナル     No.71(2008/11/6)
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  ━━━━━━━━━━━━━━━━■ 目   次 ■━━━━━━━━━━━━━━━
 ●総合診療部って何をしてくれるの?
                               総合診療部 小児期診療科  北岡 照一郎
………………………………………………………………………………………………………
 ●こどもの繰り返す熱:新しくわかってきた病気=自己炎症性症候群
                            第一専門診療部 膠原病・感染症科  小林 信一
………………………………………………………………………………………………………
 ●子どもの事故サーベイランス事業
                            小児看護専門看護師 副看護師長  西海 真理

 
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 ●総合診療部って何をしてくれるの?
                          総合診療部 小児期診療科  北岡 照一郎

  最近はいろいろな病院で、『総合診療部(科)』という文字を見ることが増えたのでは
ないでしょうか。『総合』的に診てくれるのだから、なんだかよさそう・・・と思われますか?
漠然としていて頼りなさそう・・・と思われますか?
  ご承知の通り、成育医療センターには、 数多くの専門の先生がいます。こういった先生
方にしっかり診てもらえば、それでよい・・・ でしょうか?
  実際には成育医療センターを受診されるのは、『こどもの病気』ではなく、 『病気のこ
ども』です。具合は悪いけどどこが悪いかわからないことの方が多いのではない でしょう か?
いろいろな病気や問題を持っていることもよくありますよね。『どの先生に診てもらえばよいか』は、
実はそんなに簡単ではありません。そこで、『どの先生に、どの順番で 診てもらうか』を考える
のもわたしたちの大切な仕事なのです。つまり、“病院の入り口 ”の役割をしています。
救急診療科も総合診療部なのですよ。
  こどもの病気は全部が専門的 な病気というわけではありません。外来治療でも入院治療
でも、一般的な病気の場合は、 わたしたちが中心になって診させていただいています。
( もちろん、適時、いろいろな専門の先生と相談しながらです。)専門的な病気の場合でも 、
同時に他の問題も持っている場合が少なくないので、わたしたちが専門の先生たちと一緒
に診させていただくことは多いです。
  それから、こどもの特徴として『成長する』ということがあります。総合診療部では、 成長・
発達に注意が必要なこどもたちも診させていただいています。また、残念ながらす べての
病気が治るわけでもありません。身体的な対応だけでは不十分で、心理的なサポー ト、社
会的なサポートが必要な場合もあります。わたしたちはこころの専門家やケースワ ーカー
の先生たちや、病院内外のいろいろなこどもの応援団と協力しています。病気を治すことも
重要ですが、一人一人の成長をサポートすることがわたしたちの大切な仕事なの です。
  サッカーにたとえるなら、トップ下の『司令塔』の役割でしょうか?(カッコイイ!! )わたし
たちのチーム(成育医療センター)にはスーパースターが沢山いますので、みん なの力を
うまく引き出して、良い試合が出来ればうれしいです。  どうでしょう、なんとなく『総合診療部』
ってイメージできましたか?

★・・~・ヽ・。・;☆・・~・ヽ・。・;★・・~・ヽ・。・;☆・・~・ヽ・。・;★・・~・ヽ・。・;☆・・~・ヽ・。・;


 ●こどもの繰り返す熱:新しくわかってきた病気=自己炎症性症候群
                         第一専門診療部 膠原病・感染症科  小林 信一

 発熱は、こどもの病気のなかでは最も訴えの多い症状です。一般的には37.5℃以上の熱
を発熱とします。3大原因としては感染症、悪性腫瘍、膠原病が知られていますが、ほとん
どは感染症が原因です。これらの病気の熱は1日の中で変動することはありますが、ほと
んどの場合毎日でます。非常に特殊な感染症、例えばマラリアなどは2日や3日おきに 高熱
がでることが特徴的な症状ですが、外国に行かない限り日本国内で発症することはあ りません。
  最近、上記の感染症、膠原病、悪性腫瘍やその他の明らかな原因が分かっている病気
( 熱中症など)以外に周期的に熱を繰り返す病気のあることが分かってきました。この熱は
乳児期に起こることが多く、38℃以上の熱を3-7日間、1-3ヶ月ごとに繰り返します 。周期性
発熱症候群と呼ばれていましたが、このなかには遺伝子の異常によって炎症を起 こしたり炎症を
抑えたりする蛋白の異常によって炎症=熱を繰り返す病気であることがわ かりました。熱のでる
頻度や程度、熱以外の症状は疾患により異なります。熱以外の症状 としては、発疹、関節、腹部、
胸部の痛み、結膜炎などがありますが、どの症状も特異的 症状ではないため症状のみから診断
することは困難です。
  代表的な病気としては、家族性地中海熱(FMF)、TNF受容体関連周期性発熱症候群(TR APS)
高IgD症候群、慢性乳児期発症神経皮膚関節症候群(CINCA症候群)などがあります。 どの病気も
まれではありますが、遺伝子診断が可能となってきたことから日本人の報告例 も増加傾向となって
います。
  これらの病気の特徴を簡単にあげてみます。
・FMF:発症は5-20歳。発熱発作は1-3日で 発作時に胸痛や腹痛を伴う。関節腫脹 することもある。
・TRAPS:発症は20歳以下。発熱は1-4週で長い。筋肉痛や関節痛、発疹を伴うこと が多い。
・高IgD症候群:1歳以下で発症。発熱は3-7日。頚部リンパ節腫脹や腹痛を伴う。
・CINCA症候群:1歳以下で発症。蕁麻疹、ぶどう膜炎、難聴、関節炎、膝蓋骨の過成長 、髄膜炎
反復など多彩な合併症を伴う。
  これらの病気のなかには炎症が長期に反復することにより臓器障害を引き起こすことも あります。
全てではありませんが、有効な治療も期待できる病気もありますので、乳児期 以降に熱を繰り返して
いるが原因がわからない場合は、まず小児科医に相談してみてくだ さい。

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 ●子どもの事故サーベイランス事業
                           小児看護専門看護師 副看護師長  西海 真理

 1960年以降、50年近くにわたり0歳をのぞいた1~19歳までの子どもの死因の トップを
占めているのが「不慮の事故」です。事故による死亡1人に対して、入院を必要 とするケガの
子どもは35~160人、医療機関の外来を受診するケガの子どもは1,2 00~9,400人い
ると推測されています。子どもにとって「不慮の事故」は大きな健 康問題なのです。
 「不慮の事故」には、「避けることのできない運命的なもの」と「対策を講じれば予防が 可能な
もの」の両方が含まれていますが、残念ながら「不慮の事故」全体像については適 切な調査が
されていません。
  1995年に兵庫県が6300人を対象に行った調査では、3歳3カ月までに病院に行 くほどの
ケガをした子どもは10人中8人近くもいるということがわかりました。また、 2006年の東京都
の調査では、子ども用の衣類が関係した危害・危険・ひやり・ハッと したことがある消費者の中で、
その衣類や表示に問題があると感じているにも関わらず、 メーカーに伝えた人は2.4%に過ぎず、
96%の人がどこへも伝えていないとの結果で した。多くの子どもが生活の場で健康被害にあい
ながら、子どもは自分で文句を言いに行 くわけではありませんから、実情は誰にも伝わらないため
何の改善の取り組みも行われな いままに置かれるだけでなく、全国のいたる所で同じような事故が
毎日繰り返されている のです。                   
  成育医療センターでは、2007年から経済産業省委託事業である「安全知識循環型社 会構築
事業」の取り組みの中で、「キッズデザイン協議会(  http://www.kidsdesign.jp/ )」                   
 「子どもの事故予防工学カウンシル(CIPEC:  http://cipec.jp/#  )」をはじめとする学識者ら
とともに、「子どもの事故サーベイランス事業」に取り組んでい ます。具体的には、救急センターを
「不慮の事故」で受診されたお子さま・ご家族を通じ て“どのような年齢の子が”“どのような場面で
”“どの程度のケガを負っているのか” 情報を集め、さまざまな分野の専門家と“なぜそれが起こった
のか”“どのようにすれば 防げるか”という検討・提案を行っています。
  子どもの事故の多くは、体や認知の発達にともなって一定のパターンがあるといわれて います。
つまり年齢ごとに起こる事故はある程度予測ができ、対策を立てることが可能な のです。2006年
11月から2008年8月までの期間に、成育医療センターの救急を 受診した小児患者は57,271名
であり、そのうち「不慮の事故」による受診は7,2 92名(全体の12.9%)でした。このようなたくさん
の情報をもとに、同事業で収集 された事故の分析の結果や事故予防に向けた映像などの発信する、
子どもの事故予防に向 けた情報発信サイト「キッズデザインの輪( http://www.kd-wa-meti.com/ )」
が開設されています。                  
  このプロジェクトにかかわって私自身も学ぶところが多いのですが、医療者や行政が主 導となるの
ではなく、多くの方との対話の中からより生活に生かせる事故防止についての 知識や手法が生まれて
くるのだと感じています。皆様からのご意見もお待ちしています。

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『成育すこやかジャーナル第71号』いかがでしたか?

  各地から紅葉の便りが届いていますが、紅葉前線は北海道からスタートし、同時に標高
                      の高い山から下りてきて1週間で200キロ近く南下し、また山頂からふもとへは
☆ ★☆                      1週間で200~300メートルの速さで下りて来るそうです。
/☆★ヽ☆///☆★☆/☆☆☆     今年は例年より1~2週間遅れており、東京都心の
☆l☆./☆l//☆/☆/☆★☆☆☆    イチョウは11月下旬から12月上旬に、イロハ
☆.ヽ☆// /☆ //ヽ☆☆★ヽ☆☆  カエデは12月に入ってから紅葉するようです。
☆☆ヽ★l /☆ /☆☆_。☆ヽ/.☆☆  
☆ ☆l / ヽ/ ~~/~~☆☆★☆☆☆☆     東京の街路樹に多いいちょうの木(都シ
☆☆ l/  /★☆∨☆☆ヽ☆/★☆ ☆★☆   ンボルマーク)ですが、現在のような
☆☆/  /ヽ☆☆☆ /☆★☆☆☆ヽ∨☆☆☆   扇型の葉っぱの形状で最も繁殖した時
☆/  /☆☆★☆☆//.☆☆☆        代は約2億5千年前といわれ、今も当時の
☆/ /☆//☆★_∨☆☆☆★.☆     形状を維持し続けている、強い生命力をもっ
/ ///☆.//☆☆☆         たとても珍しい植物で、ありふれていながらも
/ /ヽ.|☆∨☆★☆     「生きた化石」といわれ、日本と中国の一部だけに現存
                                       しているそうです。
  日毎に寒さが加わりインフルエンザの流行が心配ですが、予防接種は流行する前の12月
中旬頃までには受けましょう。
 



★・・~・ヽ・。・;☆・・~・ヽ・。・;★・・~・ヽ・。・;☆・・~・ヽ・。・;★・・~・ヽ・。・;☆・・~・ヽ・。・;

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    成育すこやかジャーナル     No.70(2008/10/9)
  
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━━━━━━━━━━━━━━━━■ 目   次 ■━━━━━━━━━━━━━━━━━

●小児劇症肝炎治療の最前線         第二専門診療部 移植外科 医長  笠原 群生


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●「お子さまたちの麻酔」  
                                手術・集中治療部 麻酔科  遠山 悟史


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●子どもをやけどから守りましょう

                医療安全管理室 専任リスクマネージャー 看護師長  樫原 恵子

 

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●トピックス

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●新任医師の紹介

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●小児劇症肝炎治療の最前線       第二専門診療部 移植外科 医長  笠原 群生

 突然肝臓がその細胞ごと壊れてしまう怖い病気が劇症肝炎です。急激な肝機能上昇を認め、
出血傾向、黄疸(目・皮膚・尿が黄色くなる)、意識障害を伴います。劇症肝炎は原因が肝炎
ウィルス( B型、ヘルペス、EB、サイトメガロ)、自己免疫性肝炎等と言われておりますが、小児
の場合その80%が原因不明です。これは発症した時すでに肝細胞が壊れているため、原因と
なるウィルスを確認することが難しいと言うことが大きな理由です。 治療はステロイド剤・免疫
抑制剤を用いた免疫抑制療法、インターフェロン・核酸アナログを用いた抗ウィルス療法を血液
濾過透析・血漿交換等の人工肝臓補助療法(体外循環) と組み合わせて行います。しかしこれ
ら内科的治療で救命できる可能性は14.3%と報告さ れており、満足できる治療方法ではありま
せん。内科的治療で肝臓の再生が困難であると判断された場合、肝移植が行われます。劇症
肝炎に対する肝移植の全国成績は生存率73% と内科治療より良好ですが、肝移植の長期生
存率80%と比較すると、やはり予後の悪い疾患であると言えます。劇症肝炎に対する肝移植
成績を解析してみると、1歳未満の乳児劇症肝炎症例、原因不明症例で特に成績が悪いこと
がわかりました。小さな乳児だと血管が 細く手術・管理が難しいこと、原因が分からなため肝移
植後に再度肝炎様の病態が再燃することが理由です。
 国立成育医療センターでは劇症肝炎のお子さんに対して、肝移植をバックアップに強力な内
科治療を行っています。小児集中治療部を中心に腎臓科、消化器科、代謝科、感染症科、神経
科、病理診断科、放射線診断科、こころの診療科、麻酔科、救急部、輸血部等、 多くの専門診療
部の協力で、成育医療センターでの劇症肝炎に対する治療の生存率は92% と全国平均を大き
く上回っております。今後は当院の治療をプロトコール化し、広く国内で同様の治療が行われる
よう、また症例が集約するよう努力して参ります。より多くの子供たちを救命すべく、各診療部門
の協力で成績の良い新たな治療方法を開発し、治療方法が成育医療センターを通して広く世間
に受け入れられるよう皆で努力しています。

   出身:群馬県前橋市   
  趣味:妻・娘と散歩、手術見学

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●「お子さまたちの麻酔」
                                         手術・集中治療部 麻酔科  遠山 悟史

  私たち手術・集中治療部では手術や検査における麻酔や鎮静のほか集中治療、疼痛管理、
人工呼吸管理など幅広い診療を行っており、今までにも諸先生方が私たち手術・集中治療部
の診療紹介をこのメールマガジンにて何度か載せていただいております。
 私は1年ほど前よ り当院にて主として麻酔業務を中心に診療しておりますので、繰り返 しに
なってしまいますが 「麻酔」その中でも特に「お子さまたちの麻酔」について簡単に紹介させて
いただきたいと思います。
 麻酔科の基本的な仕事は手術に伴う痛みを取り除いたり、検査にともなう苦痛や不安を軽減
したりすることです。とくに麻酔を受けられるのが「お子さま」の場合には、大人だ ったら我慢で
きるようなわずかなストレスであっても取り除いてあげなければいけません 。というのもこどもた
ちは、小さな子であればあるほど生理的にも心理的にも十分な防御反応が完成しておりません
ので、ストレスはさまざまな有害な身体反応と心理的精神的な障害をきたし、その後の長い人生
に影響を及ぼしてしまうからです。実際に、「痛み」を 感じる機能は、解剖学的には妊娠24週、
機能的には妊娠29週頃と、すでにお母さまたちのお腹の中にいるころからできあがっていると
いわれておりますし、赤ちゃんのころの痛みを伴う処置が無麻酔で行われるとその子の行動に
長期的な影響を及ぼすことも分かっ ています。そのため私たちは、それぞれのお子さまたちに
合った麻酔管理を行うことでこういったストレスを軽減し排除することが重要な仕事となります。
 私たちは1時間以内で終わる短時間の手術や検査の麻酔から10時間近くかかる長時間の
手術の麻酔までさまざまな麻酔を担当しますが、すべての麻酔に共通してよく遭遇する 問題が
「かぜ」ではないでしょうか。いわゆる「かぜ症候群」は主に種々のウイルスによ って鼻から肺
までのいろいろな場所に炎症が起きる状態をいいますが、炎症が「上気道( 鼻からのどの手前
まで)」に限局している場合と「下気道(のどの奥から肺まで)」まで 及んでいる場合があります。
簡単には、上気道の炎症ならばくしゃみや鼻水、のどの痛みなどの症状が主体で、下気道まで
及んでいれば咳や声のかすれなどの症状が加わります。 こういった「かぜ」に罹患しているお子
さまたちは、気道全体の過敏性が増強し、術後の 呼吸器合併症が数倍から数十倍にまで多くな
ると一般的にはいわれています。また、こう いった気道の過敏性は「かぜ」が治った後も数週間
持続するともいわれておりますので、 「かぜ」に罹患していたり治ったばかりであったりした場合
でも手術は数週間延期するのが理想的です。そのため私たち麻酔科は軽微な「かぜ」でも慎重
になることが多いのです 。ただしお子さまたちは年に6~8回ほどウイルス性のかぜを引くともい
われていますので、数週間延期するとまたかぜを引いてしまったり、他の感染症にかかってしま
ったりし てしまいますので、実際には手術の内容や緊急性、お子さまの状態などを総合的に判断
し て麻酔の可否を決定することもあります。
 手術や検査が安全かつ円滑に行えることはもちろんのこと、自分たちの言葉では不安や痛み
などをうまく伝えることができないお子さまたちの代弁者となって、手術や検査を受 けられるお子
さまたちの身体や心を守ってあげることが私たち麻酔科医の大事な仕事と考 えています。

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●子どもをやけどから守りましょう
                医療安全管理室 専任リスクマネージャー 看護師長  樫原 恵子

   子どもの事故は年齢によって違ってきます。0歳~1歳までは誤飲が多く、年齢が上が っ
てくると行動範囲の拡大で水の事故や交通事故が多くなります。周りの大人が注意をするこ
とで多くの事故は防ぐことはできます。秋も深まりこれから寒い季節が近づいて来る とやけど
の事故も多くなってきます。そこで今回は「やけど」についてお話します。

【子どものやけど】
  子どもの皮膚は非常にデリケートで大人に比べて薄いため、より低い温度で、より早く 、よ
り深いやけどになりやすいのです。子どものやけどの8割は家庭内で起こっています 。
そのうち5割は台所で発生しているとの統計があります。特に行動範囲が広がる1歳児のや
けどが多く見られます。原因として多いのが、熱湯や汁物で次にアイロン・ストーブ などの熱
源への接触です。
 6ヶ月位までは、赤ちゃんは動きませんので大人の不注意が事故につながります。
赤ち ゃんを抱きながら熱い飲み物を飲んでいてこぼしたり、ミルクを作るための熱湯をこぼし
てやけどをさせる事があります。7ヶ月を過ぎるとハイハイがはじまり、床に置いてある ストー
ブ・アイロン・ポットなどすべてに興味を持ち触ろうとします。8・9ヶ月はつか まり立ちができ
るようになり、背伸びをしてテーブルの上のものに手を伸ばし、あるいは テーブルクロスを引
っ張り頭から熱湯をかぶったりします。1歳を過ぎると活動範囲が広がり、家にある熱源がす
べてやけどの原因になります。4歳頃からは花火によるやけどが 多くなります。
 次に低温やけどについてですが、よくあるのが、電気毛布・湯たんぽ・ホットカーペッ ト・ファ
ンヒーターです。低い温度でも長時間あたっているとやけどをします。低温やけ どは皮膚の
深くまで届くため重症化します。

【防止対策】
1.熱源は床に置かず、1メートルより上に置くことが原則です。その時子どもが電気コ ード
  を引っ掛けないよう注意しましょう。
2.電気ポットは倒れたときに、お湯が出ないようストッパーを確認しましょう。
3.テーブルクロスは危険ですので子供がハイハイ・つかまり立ちをする頃は使用をやめ
  ましょう。
4.ストーブには柵をしましょう。ハロゲンヒーターでのやけども多くなっています。化繊の
  洋服を着ていた子どもが、ハロゲンヒーターに背中をつけて洋服が燃えあがりやけど
  をした事例もあります。
5.台所で熱湯を扱うときは子どもがそばにいないことを確認しましょう。知らないうちに
  傍にきていて足に抱きつかれ熱湯を掛けてしまうこともあります。
6.片手で子どもを抱きながら、もう一方の手で熱湯の作業は厳禁です。
7.花火など火を使う遊びは必ず大人が付き添いましょう。
8.低温やけどの防止は長時間使用しないこと。電気カーペットやファンヒーターはこまめ
  に電源を切る又はタイマーをセットする。カイロや湯タンポは寝る前に暖めておき、寝
  るときは除去すると良いでしょう。使用する場合は体に直接触れないよう離して使用
  しま しょう。

【やけどの対応】
1.やけどの範囲がせまく皮膚が赤くなった程度であればその部分を流水で痛みがなくな
  るまで冷やし(最低5分以上)、痛みがとれたらきれいなガーゼを当てて下さい。
2.やけどの範囲が広い時は皮膚が赤くなった程度でも病院に受診しましょう。
3.頭や顔のやけどの場合は、冷水のシャワーで冷やし病院を受診しましょう。
4.衣服を着ている場合は、無理に脱がさず衣服のまま冷やしてください。
5.水ぶくれはつぶさないように気をつけ、冷やした後はきれいなガーゼで覆いましょう 。
  手のひら位の時や500円玉より大きいときは急いで病院を受診してください。
6.低温やけどは気がついたらすぐ冷やして病院を受診しましょう。

 子どものやけどは7ヶ月頃から1・2歳頃が最も危険な時期です。子どもから24時間
目を離さないことが一番なのですが、日常生活の中では無理があります。
そこで危険を予知して防止対策を立てる事が必要です。さて皆様防止対策は万全ですか?
すべてのお子様の健やかな成長をお祈りして、やけどのお話を終わります


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●トピックス

 9月11日、講堂・会議室で看護部主催「救急の日イベント」が開催されました
 
 
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●新任医師の紹介

  平成20年9月1日付
    手術・集中治療部   集中治療科    久我 修二
    周産期診療部      産科         加藤 有美
    第一専門診療部    神経内科     星野 英紀
    総合診療部       救急診療科    植松 悟子
   
   平成20年10月1日付
    総合診療部       救急診療科     境野 高資
    第二専門診療部    移植外科      木村 拓也
    手術・集中治療部   麻酔科       金澤 伴幸



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 『成育すこやかジャーナル第70号』いかがでしたか?

   そよそよと涼風が吹くようになり、虫の声が秋を思わせるようになりました。
 9月11日(木)に行なわれた「救急の日イベント」に参加しました。  乳児と幼児の
心肺蘇生及び誤飲時の対処法を習いました。心肺蘇生法は、テレビで何度か 見て
いましたが、体験するのは初めてで、なおかつ、幼児に対しては、大人とは違う注意点
(息を強く入れすぎてはいけない等)があり、勉強になりました。
また、最近駅や自販 機などで見かける“AED”の使用方法についても説明を受けました。
 実際に体験してみて、いざという時に、どれだけ動くことができるのかわかりませんが、
専門家だけでなく一般人でも、より多くの人が、人命救助できる最低限の知識を持ち合わ
せる必要性を感じました。
 誰にでも「命を助けられる可能性」があることに気づくことができ、そして改めて、生きて
いる素晴らしさを実感した、そんな「救急の日」でした。

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    成育すこやかジャーナル     No.69(2008/9/4)
  
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━━━━━━━━━━━━━━━━■ 目   次 ■━━━━━━━━━━━━━━━━━

●心身症とストレス                  こころの診療部 発達心理科  中野 三津子


…………………………………………………………………………………………………………
●赤ちゃんのおしりはデリケート  
                                皮膚・排泄ケア認定看護師  三隅 裕美  


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●「ナベ」の話し                             栄養管理部 調理師長  鈴木 真介


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●心身症とストレス               こころの診療部 発達心理科  中野 三津子

 心身症は、背景に心の問題が大きく関与している身体疾患をいいます。心の問題とは、
一般的に「ストレス」と考えていいと思います。では、ストレスはどのように心身症に大
きく関与しているのでしょう。
  ストレスと心身症は直線的につながっているわけではありません。ストレスは、意識に
上りにくい考え方や生きる姿勢、脳の反応を経て、身体症状を引き起こすと考えられてい
ます。
  心身症の背景に、自分の感情や感覚を意識するより先に、周囲の状況にあわせた対応を
してしまう傾向があると考えられています。このような適応を過剰適応といいます。日常
生活で一般的に感じられるはずの不満や不安、怒りなどの感情があるにも関わらず、個人
の考え方の習慣によってそのような感情を意識で受け止めにくいとき、感情のエネルギー
がさまざまな身体症状となって表れると考えられるのです。
  心身ともにホッとしにくい状態が続いているときは、持続的なストレスがあるためにか
えってストレスに気付きにくく、ストレスを意識せずに強い意志で疲れている身体を動か
していることも考えられます。思い切って一度視点を大きく変えて自分の生活の仕方を見
直してみることが必要な時かもしれません。
  子どもの場合、心身の症状は変化しやすく、多くは大人の心身症のように症状が固定し
てはいません。症状は腹痛や頭痛、嘔気、嘔吐そして微熱、身体の痛みなどさまざまです
。身体的・心理的・環境的な病因が見当たらないことも少なくありません。新しい力を身
につけていく途上で経過していく成長のためのストレスによる一過性の身体症状もあり、
発達とともに症状が少なくなり、いつの間にか身体症状がなくなっていることもあります。
  子どもにストレスによると思われる身体症状が出ているとき、本人が意識はしなくても
「今の自分は周りの期待通りではない」「今のままの自分は受け止めてもらえない」とい
うような不安とともに「期待にこたえたい」という気持ちが症状の背景にあって、頑張り
すぎていること(過剰適応)が多いように思います。周囲の大人が子どもの身体症状の裏
にあるこのような不安を想定して、受け皿となってまずしっかり受け止めると、子どもの
身体の余分な緊張は和らいでエネルギーの流れはよくなっていくと考えられます。エネル
ギーの流れの良い状態で現実的な対策を考えると良いと思います。

  本来、ストレスとは環境からの負荷に対して私たちの内側に生じる力のことで、環境に
対して働きかけて変えていく力を含んでいます。私たちにとって達成可能な負荷は、やる
気につながることにもなり、ストレスの性質は「成長に向かうエネルギー」ともいえます。
  目の前の課題や問題を越えにくいときには、その時点でその子どもが達成可能な小さな
ステップを周りの大人が設定できると、子どもは課題をクリアして小さな達成感をもつこ
とによりに小さな自信を得ます。この小さな自信を重ねていくことで、余分な緊張は減っ
て次のストレス耐性につながっていき、子どもが持っている力を発揮する方向に進んでい
くことにつながります。
  子どもがやる気をもって課題に取り組めるように、周りの大人は焦らず空想力や想像力
を使って工夫してみましょう。子どもへの援助に手ごたえを感じることによって、大人も
小さな自信を得ます。その自信を重ねていくことが家族全体の力をたかめることにつなが
ると思います。



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●赤ちゃんのおしりはデリケート
                                      皮膚・排泄ケア認定看護師  三隅 裕美

  「おむつかぶれ」は、おむつにおおわれた皮膚に起きた炎症で医学的には「おむつ皮膚
炎」と言います。おむつのあたる部分の皮膚が赤くなったりプツプツと小さな発疹が出た
りします。悪化するとただれて出血することもあります。
以前は排泄物で汚れたおむつを長時間使用することにより排泄物中のアンモニアによる接
触性皮膚炎と考えられていました。しかし、近年おむつ皮膚炎は様々な要因が重なって発
症すると考えられるようになりました。
   
1.おむつかぶれの原因

  (1)おむつ内の環境
    おむつの中は排泄物中の水分と通気性の低下から高温多湿な環境となります。また
    、赤ちゃんは発汗も多くこれによっても湿潤環境となります。この高温多湿な環境
    により皮膚はふやけてしまいます。ふやけた皮膚は傷つきやすく排泄物の刺激を受
    けやすくなります。

  (2)「こする」という刺激
    汚れたおしりをみたら綺麗にしたいと思うのは当然です。清潔を心がける気持ちか
    らおしり拭きで汚れをごしごし拭き、1日に何度も石鹸をつけておしりを洗いたく
    なるでしょう。月齢が低い赤ちゃんや下痢の時は排泄回数が多いため、こする頻度
    も増えて皮膚に傷をつけてしまいます。また、熱いお湯の使用や頻回な石けん洗浄
    は皮膚を保護している皮脂を必要以上に取り除いをてしまうため皮膚の乾燥を招き
    ます。想像してみてください。頻回に鼻をかんだ鼻の下。冬場、お湯と石けんで頻
    回に洗った手。皮膚は赤くかさかさした状態となりヒリヒリとしませんか?何度も
    こすったり石けん洗浄したおしりはこんな状態になっているのです。こすって傷
    ついた皮膚は排泄物の影響を受けやすくなります。

  (3)排泄物の刺激
    便中の消化酵素や腸内細菌などの刺激が皮膚に接触することで炎症を起こします。
    特に下痢の時は消化酵素や細菌の刺激性が高くなりますのでおむつかぶれを起こし
    やすくなります。
 
以上のような様々な要因が重なっておむつかぶれを起こすのです。

2.おむつかぶれの予防方法

   おむつかぶれを防ぐには毎日のケアが大切です。

  (1)汚れたおむつはこまめに替えましょう。
    おしっこで濡れたままの皮膚や便で汚れたままの皮膚にしないことが大切です。

  (2)おしりはやさしく拭いてあげましょう。
    1日に何度もおしりを拭く必要がある時は、こすらず、ぬるま湯やオイルを含ませ
    たコットンでやさしく押さえ拭きするかぬるま湯で汚れを流してください。石鹸や
    熱いお湯で頻回におしりを洗うことは避けて下さい。

  (3)外気浴
    おしりを洗ったり、入浴した後は柔らかいタオルで水分を押さえ拭きし、空気に触
    れる時間を作りましょう。

3.かぶれてしまった時

   それまで以上に優しいケアをこころがけて下さい。ホームケアだけでは症状が改善し
   ない場合は早めに受診して下さい。

  皮膚・排泄ケア認定看護師は病棟や外来でこのようなスキントラブルに対するご相談に
応じています。ケアにお困りの場合は担当医や看護師にお声をかけて下さい。


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●「ナベ」の話し
                       栄養管理部 調理師長  鈴木 真介

  先日仕事の帰り、いつも利用している用賀駅でどこかで聞いた声のする方をふとみると
、夏祭りのやぐらの上で何かの抽選番号を読み上げている鼻ひげを生やした人がいました
。特定の番号になるとなぜかオクターブを上げるので注意して見ると『世界のナベアツ』
さんでした。商店街の人達に呼ばれたのでしょうね。
  今日はナベアツさんではなく私たちが使っている“クラッド鍋”と呼ばれる鍋の話しを
します。
  ホウロウ、アルミ、アルミにフッソ樹脂加工した物、鉄、銅と色々な材質の鍋がありま
すが家庭ではどのような物をお使いですか。
  もともとクラッド鍋は電磁調理器用に作られました。この鍋の金属は、外側に磁性のあ
る430ステンレス(クロム18 ニッケル0)内側には、304ステンレス(クロム1
8 ニッケル8)そしてその中間にアルミを、はさみ込み圧着して出来ています。このよ
うな多層構造の金属をクラッド鋼と呼びます。ステンレスは日常の手入れは容易ですが熱
伝導率が悪い為こげやすい欠点があります。アルミは銅についで熱伝導率が良いですが、
卵、牛乳、魚、肉等のタンパク質と反応しやすい金属で、温度があがる鍋の側面はあくな
どが、よくこびり付きます。そこで両方の金属の特質を生かして作られたのがクラッド鍋
です。
  国立小児病院時代は雪平と呼ばれるアルミの鍋を使っていました。最小は直径16cm
で、自分の手より小さく、鍋に付いた汚れを落とすのが一苦労でした。スープ、煮物等を
作る時、前の食材が付着していては、純粋なアレルギー除去食が作れません。調理機器の
展示会でこの鍋を知ってからは直ぐに切り替えました。成育医療センターでは食物アレル
ギーの患者様の人数が多く、個々に適したアレルギー除去食を調理するため、今では大小
30数個のクラッド鍋を保有しています。もともと高価なものですが、最近、この種の鍋
も安価な家庭用が市販されているようです。余談ですが、実はこの鍋「料理の鉄人」でも
使用されていました。


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●イベントのお知らせ

  9月11日、講堂・会議室で看護部主催「救急の日イベント」が開催されます。
  みなさまお誘い合わせのうえ、お越し下さい。
 
 
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●トピックス

  8月25日(月)豆の木広場、東西病棟にてマクドナルドのドナルド君によるショーが
  行われました。


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 『成育すこやかジャーナル第69号』いかがでしたか?


  夏から秋への気温の変化を肌で感じる季節になり、日傘の代わりに長袖のカーディガン
が必需品になってきました。
  例年、9月の前半は、南の九州では、日中の最高気温が30℃を超える真夏日もあり、
まだまだ夏の暑さが残りますが、北日本では山の初冠雪(夏を過ぎて、初めて山が雪で白
くなったのを地元の気象官署がはじめて観測すること)や初霜もみられ、夏と冬が日本列
島にいっしょにいる月です。
  行楽やスポーツに適したうれしい季節でもありますね。
  私事ですが、昨年は、北海道旭川の最高峰2290メートルの旭岳に登り、翌日黒岳の
5合目から雨・雷・霰・雹・雪の中を登り、最後に霧が晴れて紅葉と雪景色を一度に見る
ことができました。危険で怖い体験もしましたが、9合目でのすばらしい景色に感動しま
した。その日に旭岳の初冠雪が観測されました。
  気温の変化に注意し、衣服の調整をして体調を崩さないように気をつけましょう。


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    成育すこやかジャーナル     No.68(2008/8/7)
  
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●健診と心臓の異常                      第一専門診療部 循環器科  金 基成


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●こどもの耳そうじ  
                                  第二専門診療部 耳鼻咽喉科  守本 倫子  


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●よりよい「くすり」を届けるために
                                 治験リサーチナース 副看護師長  清水 裕子


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●健診と心臓の異常

                                     第一専門診療部 循環器科  金 基成



はじめまして。循環器科の金と申します。  循環器科の仕事の中で最も大きい部分を占めるのは、生まれつきの心臓の異常を
持つこどもたちの診断と治療、健康管理ですが、その他にも、こどもの不整脈や川崎病の心臓後遺 なども扱っており、最近では
生まれ つきの心臓病の治療を受けながら成人になられた方のフォローアップの仕事も増えてきました。また他の科で治療を受け
られている患者さんの心臓のチェックも、私たちの重要な仕事です。
このように私たちの仕事の範囲は多岐にわたりますが、今回は乳幼児健診、学校健診 にまつわるお話しをしたいと思います。

<乳幼児健診> 乳幼児健診から私たちに紹介されるお子さんは少なくありませんが、その理由の圧倒的多 数は「心雑音」です。
心臓の音は「ドクッ、ドクッ」と表現されますが、これ以外の音が聞 こえることを心雑音と言います。心雑音と言われると、
イコール心臓に異常があると心配に なりますが、実は心雑音があるお子さんのほとんどは心臓に異常を認めません。
こうした雑音は成長するにつれて聞こえなくなることが多いですが、いずれにせよ心配いらないもので す。心雑音を聞いただけで
問題ないと判断できることも多いですが、心臓超音波検査で異常がないことを確認することもあります。
もちろん心雑音をきっかけとして、生まれつきの心臓の異常が見つかる事もあります。複 雑な病気は出生直後に見つかる事が多
いため、乳幼児健診の時期にみつかるのは、比較的単 純な病気が多いです。心臓の中の間仕切りの壁に穴があいている異常
(心室中隔欠損症、心 房中隔欠損症など)が比較的よく見つかる異常です。こうした疾患は、同じ病名でも自然に 閉じて治って
しまうものから手術が必要なものまで様々ですが、基本的に普段元気に過ごさ れていたわけですから緊急の治療を要する事は
まれです。しっかり診断したうえで、その後 の対応を考えていく事になります。

<学校検診> 小学校、中学校、高校の入学時には、心臓検診として心電図をとる事になっています。心 電図の異常を指摘され
て私たちを受診される方も比較的多くいらっしゃいます。
まず心電図で指摘される不整脈ですが、「心室性期外収縮」、「上室性期外収縮」といっ た単発の不整脈が多いです。こうした不
整脈が続けて出たり、運動した時に増えたりする場 合には注意が必要ですが、そうでなければ(そうでない場合が圧倒的に多い
です)運動制限 もなく通常の生活が送れます。こうした判断をするためにホルター心電図や運動負荷心電図 などの検査を行うこ
とがあります。 前項の「心房中隔欠損症」が、この時期になって心電図異常を契機に初めて見つかる事が あります。(この疾患の
心雑音は聞こえにくい事も多いのです。)ある程度の大きさの欠損 であると治療が必要ですが、昔からの手術に加え最近ではカテ
ーテル治療という胸を切らな くてよい治療も始まっています。よく医師の説明を聞かれて治療法を選んでいただきたいと 思います。

以上が全てではありませんが、健診に関係して私たちが扱うものの大部分をご紹介できたと 思います。健診で心臓の異常が見つ
かる頻度はけっして多くはありませんが、適切に対応す ることでお子さんの健康を守る事ができますから、健診はきちんと受けて
いただきたいと思 います。

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●こどもの耳そうじ

                                           第二専門診療部 耳鼻咽喉科  守本 倫子

今年も暑い夏。子供たちは毎日のようにプールに行きたがりますね。 ところで、プール前の耳鼻科健診で“耳あかがたまって
います”とチェックの入ったお子様 はいらっしゃいませんか? 耳あかがたまっていると、プールに入ったあとに、ふやけて耳が
急に聞こえなくなってしま うことがあります。プール開きの前にはある程度きれいにしておく必要があるのです。 「ある程度」
であって、「完全に」きれいにする必要はありません。 耳あかは実は外耳道を正常に保つための大切な役割があるのです。
耳あかには脂肪分がある ので適度に外耳道を湿潤に保ち、殺菌作用があります。耳掃除をやりすぎて耳が痛くなるこ とは
ありませんか?痒かったからつい・・・となりがちですが、かゆみと痛みを感じる神経 は同じです。ちょっと炎症をおこしていると
痒く感じるし、それがひどくなると痛みに感じ ます。掃除するといつも耳あかがたまっていて・・・というのは、もしかしたら膿が固
まっ たものかもしれません。

最近の育児雑誌の中に「沐浴の後は綿棒で耳の中までふき取る」というようなことが書かれてい
ることがあります。このため、その通りに愛情をこめて耳掃除をしてあげているご両親 も少なくありません。しかし、赤ちゃんの
外耳道の皮膚は、成人の3分の1の厚さといわれ ています。毎日綿棒でこすると外耳道炎になり、臭いのある膿がでてくるこ
ともあります。 毎日掃除する必要はないのです。

では、どのようにして耳掃除をしてあげればよいのでしょうか?
基本的には、せいぜい2-3週間に1回、お風呂上りに綿棒でふき取る程度で充分です。
外耳道には、耳あかを自然に外に排出する働きがありますので、明るいところで見える範囲を 綿棒でぬぐうようにしてきれいに
してあげましょう。奥に入れすぎると反対に耳あかが奥へ 奥へと押しやられていってしまいます。
取れない耳あかがたまってしまっている場合や、し ょっちゅう痒がる、臭いがする、などの症状がありましたら、お近くの耳鼻科
で定期的に診 ていただきましょう。



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●よりよい「くすり」を届けるために


治験リサーチナース 副看護師長  清水 裕子
 

・「くすり」の役割  私たちはけがをしたり病気になると、「くすり」を塗ったり、飲んだりします。「くすり」 は、人々の健康に欠
かせないものの一つであり、「くすり」により、それまで治らなかった 病気が治るようになったり、手術をしなくても「くすり」で
治るようになったりしてきまし た。いま、世界では数多くの「くすり」が使われています。しかし、それでも十分ではあり ません。
健康や生命を脅かすさまざまな病気に対して、今も新しいより良い「くすり」を待 ち望んでいる患者さんが数多くおられるのです。
このため、新しい「くすり」を開発する努 力が日夜続けられています。

・「くすり」ができるまで 「くすり」の開発は次のような過程で行われます。
(1)人工的に合成されたり、天然に存在している物質から抽出された何百何千という物質 の中から試験管を用いた実験などで、
目的とする作用を持ったいくつかの「くすりの候補」 を選び出します。
(2)動物を使って、有効性(効き目) や安全性(副作用の種類・程度)についてくわしく 調べ「くすり」として期待されるものだけ
が最終的に残ります。
(3)動物で安全性が十分確認された「くすりの候補」の有効性と安全性を、人で確認しま す。このような人での有効性と安全
性を調べる試験のことを「臨床試験」と言い、その中で も国(厚生労働省)から「くすり」として認めてもらうために行う臨床試験
のことを「治験」 と言います。

・どうして「治験」が必要か?
人と動物では「くすり」の効き目や副作用の現れかたが違うため、 治験が必要なのです。例 えば、動物では効いたのに人で
は効果がなかったり、あるいは動物では何でもないのに、人 にとっては思いがけない作用を引き起こすことがあります。 また、
海外の国々で使用できる「くすり」が日本では使用できないことがあります。これは 人種により代謝機能などに差があり、場合に
よっては副作用が強く出たりする場合があるか らです。 さらに成人では安全に使えるくすりでも子どもでは副作用が出ることが
あります。 従って、日本人の子どもで「くすり」の有効性や安全性を確認する、つまり「治験」をおこ なうことが必要なのです。
正しい「治験」を行い有効性や安全性を確認することで、多くの患者さんがよい「くすり」 を安心して使うことができるようになります。

・「治験」にご協力ください。 治験と聞くと、「なんとなく怖い」「副作用が心配」などという不安があるかもしれません 。治験への参加
を希望される患者さんには、使用するくすりの効き目や副作用などについて 、医師や私のような治験コーディネーター(CRC:
Clinical Research Coordinator)が分か り易い説明を行います。患者さんの病気・治療・生活・将来など全体を考えて治験に参加
す ることのメリット・デメリットを、ご両親を含む家族はもちろんのこと子ども自身とも話し 合い、納得した上で治験に参加してもらえ
るよう心がけています。不安な点がありましたら どんな小さなことでも納得できるまでご相談に応じます。 よりよいくすりを日本中の
患者さんに早く届けるためにCRCがサポートします。

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 『成育すこやかジャーナル第68号』いかがでしたか?
梅雨が明けたと思ったら、毎日暑い日が続きますね。
夜は寝苦しく、省エネを考えつつ、 つい扇風機や冷房を点けて寝てしまいますね。
夏風邪や寝冷えをしない為に、直接あたらないようにし、室温も低くなりすぎないように注意(適温は26℃ぐらい)しましょう。
人間は一晩にコップ1杯位の汗をかくという事なので、 汗をよく吸い取る木綿や絹などのパジャマを着て、
吸湿性のよいタオルケットなどをかけて休みましょう。
これから、この暑さを忘れさせてくれる各地の、夏の夜空を彩る花火が楽しみですね! 

それでは次号もおたのしみに!
                                                 (編集部)

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    成育すこやかジャーナル     No.67(2008/7/10))
  
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━━━━━━━━━━━━━━━━■ 目   次 ■━━━━━━━━━━━━━━━━━

●“脱腸”、“でべそ”について               第二専門診療部 外科  森川 信行


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●立ち会い分娩について 
                                  周産期診療部 産科  三浦 裕美子  


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●サルにもわかる音楽、ヒトにしかわからない音楽
                              免疫アレルギー研究部 部長  斎藤 博久


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●子どもの夏かぜ
                                  
 感染管理認定看護師  三浦 祥子
                

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●新任医師の紹介
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●イベントのお知らせ           ミュージカル「まるでシンデレラ」他


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●トピックス

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●“脱腸”、“でべそ”について

                         第二専門診療部 外科  森川 信行



みなさん、お子さんをみていて脚の付け根が膨れたり、おへそが膨れたことがありますか ? 
脚の付け根の少し上が腫れていて、押すと‘ぐじゅぐじゅ’といって凹んだら、それは 鼠径ヘルニアという病気です。
おへそがぷっくり膨らんで、やっぱり押すともとにもどった らそれは臍ヘルニア(俗に言うでべそ)という病気です。
 鼠径ヘルニアは、小児外科で扱う疾患の中では最も多い病気で小児の約5%に見られると 言われています。
あかちゃんがお母さんのお腹にいる時に、腹膜の一部が男の子なら陰嚢、 女の子なら大陰唇に向かって突起を
出します。これを腹膜鞘状突起と呼びますが、この腹膜 鞘状突起が普通はくっついて閉じてしまうのですが、開い
たままであると、お腹の中と交通 のある袋が脚の付け根の辺りにできた状態になります。この袋の中にお腹の中
の内容である 、腸や卵巣が入ったりすると脚の付け根が膨れる訳です。腸が出ることが最も多いので俗に 脱腸
と呼ばれています。腸がお腹の中に戻ると腹膜の袋だけになってしまうので見ただけで はよくわからなくなります。
もし、下腹部を見て左右非対称だなと感じたら、お子さんが泣 いたりトイレで踏ん張った後に膨れていないか見て
みてください。腹圧がかかると腸が腹膜 の袋の方に出てくるので発見しやすいです。  もし、鼠径ヘルニアが疑わ
しい場合には小児外科(当院では外科)を受診してください。 腸や卵巣が出たりもどったりしている間は心配ない
のですが、稀に腸が沢山脱出して戻らな くなったり、卵巣が袋の中で捻れて血流障害をおこし、切除しなくてはな
らない状態に陥る ことがあるので、鼠径ヘルニアと診断がつけば手術をすることを勧めています。手術は全身麻
酔をかけて行いますが、約2cmの皮膚切開を下腹部のしわの上において、腹膜の袋を根 元でしばるという手術
で通常30分程度で終了します。  臍ヘルニア(でべそ)は、本来筋膜で覆われるべきへその基部で筋膜の穴が
開いたままと なり、そこから腸が腹膜と皮膚に覆われた状態で脱出する病態です。自然に筋膜が閉じて治 って
しまう確率が高く、1歳までに80%、2歳までに90%のお子さんが自然治癒します 。また、臍ヘルニアでは、鼠
径ヘルニアと違って脱出した腸管が血流障害を起こすことは極 めて稀と言われています。ですから、臍ヘルニア
と診断がついてもすぐに手術をする必要は なく、1、2歳以降に自然治癒傾向がない場合に手術をすれば問題あ
りません。手術はやは り全身麻酔下で、筋膜の穴を閉じて、少しでも格好よくおへそを形成するというものです。
時間はやはり30分程度です。  もし、お子さんの脚の付け根やおへそが膨らんでいたら、心配な病気ではありま
せんが手 術が必要かもしれませんので、是非、外科に相談に来てください。


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●立ち会い分娩について

                         周産期診療部 産科  三浦裕美子

近年、女性の社会進出や、少子化、核家族化などに伴い、妊娠・出産、育児における夫の 役割の変化が起こって
おり、立ち会い分娩を希望されるご夫婦も増えてきています。  当院でも、ご希望がある場合には立ち会いクラス
をご夫婦で受講していただき、立ち会い 分娩を行っております。  では、立ち会い分娩には、どのような利点があ
るのでしょう? 一般的には、「産婦さんの精神的な安定が得られる」「父性が向上し、夫の積極的な育児行 動に
良い影響をもたらす」といった効果があるといわれています。 実際に立ち会いを経験したご主人の感想をみると、
立ち会いをしていない場合に較べ、「妻 のそばにいて安心感を与えられた」「自分も一緒に出産に取り組めたと感
じた」「妻の痛み を和らげてあげられたと感じた」など、出産時の夫の役割を実感できるケースが多いようで す。
また、「今後、育児に参加しようという気持ちが強まった」と父親としての自覚を強く 感じるケースも多く見られました。
 しかし、一方で、立ち会いの決定が夫自身の意思でない(妻や他者の勧めで決めた)場合 、出産後の感想として、
「妻を冷めた目で見てしまった」「お産は生々しくて、怖いものだ と思 った」「無力感を感じた」など、かえってお産に
対するマイナスイメージを持つケースもみ られます。  あくまでも、立ち会いするかしないかはご主人の意思を尊重
し、ご夫婦でよく相談されて 決定するのがよいでしょう。



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●サルにもわかる音楽、ヒトにしかわからない音楽


免疫アレルギー研究部 部長  斎藤 博久
 

小さなお子様をおもちの方に今年 5月に世界最高権威の科学雑誌Natureに掲載された音楽 に関する記事の内容
を紹介します。音楽の要素はメロディー、リズム、ハーモニー(和音) に大別できます。これを認識する仕組みは、
それぞれに全く異なっていることが最近わかり ました。まず、メロディーは耳の奥にある蝸牛の基底膜という鍵盤の
様な組織に接合してい る 350本の有毛神経細胞で認識されます。人間の可聴周波数は約10オクターブです。つま
り 12音階進行であれば 120音階を十分以上、認識できるはずです。ところが絶対音階は誰にで もある訳ではあり
ません。新生児でも音階の上下は認識しますが、オクターブや調性の違い は1歳になるまで理解できません。世界
のどこでも下降する音階が子守歌に使われていて、 誰でも安らぎを感じます。つまり、音階の上下の認識は先天的
ですが、調性の違いや絶対音 階に関しては後天的のようです。新生児のときのモーツァルトはどうだったのでしょう
ね?  リズムに関してですが、やはり、耳の奥にある三半規管で認識されます。アクセントのな い 6つの連続した音
符を聴かせているときに、 2番目の音符と一緒に三半規管を刺激すると マーチに、 3番目の音符と一緒に刺激する
とワルツに聞こえます。三半規管といえばバラン スのための器官であり、破壊されるとダンスなどができなくなります。
リズムの認識とダン スの能力は進化の過程で一緒に獲得したようです。  遺伝子の 98.5%以上を共有するヒトとチン
パンジーの一番大きな違いは、大脳左半球ブロ ーカ領域の有無です。ブローカ領域が破壊されると相手の言うこと
を認識できるものの、自 分で話すことができなくなります。最近の研究で、ブローカ領域は不協和音を聞いて不安に
感じたり、完全5度の和音に安らぎを感じたりすることにも関係していることがわかりまし た。2つ以上の近接する特定
の周波数、つまり和音を聴くことにより、蝸牛の基底膜が干渉 波のように振動し、神経にオンとオフの規則的なシグナ
ルとして、聴覚領域に伝達されます 。そして、そのシグナルはブローカ領域(左脳)から右脳に伝わり情動を刺激します。
類人 猿を含めたサルは、リズムやメロディーはわかるものの、和音・ハーモニーを聴いて気分に 変化がおこることはな
いようです。  西洋音楽の転換点の一つにロマン派の登場があります。ロマン派と古典派の違いは大胆な 不協和音の
使用にあるということができます。今日、私たちは不協和音の後に完全和音が続 く音楽を聴くと気分が高揚します。この
コード進行に対する情動反射は、 5歳までの音楽環 境に大きく影響されます。したがって、若きベートーヴェンなど少数
の人を除き、18世紀の 人たちは、大胆な和音効果を初めて導入したモーツァルトのピアノ協奏曲20番を、理解で きなか
ったのです。どうぞお子様には人類のみが理解できる音楽をたくさん聴かせてあげて 下さい。

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●子どもの夏かぜ 
                          感染管理認定看護師  三浦 祥子
 
梅雨が明けると、本格的な夏がやってきます。元気で楽しく、暑い夏を乗り切りたいもの ですが、夏に流行する
かぜがあります。いわゆる夏かぜです。かぜの80~90パーセントはウ イルスの感染が原因で起こりますが、
そのウイルスの数は 200種類以上あるといわれます。 多くのウイルスは寒くて乾燥した環境を好むため、冬に
かぜ(普通感冒)やインフルエンザ が大流行しますが、なかには暑くて湿度が高い夏の環境を好むウイルスも
いるのです。 夏 かぜは、エンテロウイルス(コクサッキーウイルス、エコーウイルスなど)やアデノウイル スな
ど高温、高湿度を好むウイルスによっておこる感染症で、子どもを中心に流行します。 ウイルスの種類によっ
ていろいろな症状があらわれます。ヘルパンギーナ、手足口病、咽頭 結膜熱は代表的な夏かぜです。 では、
それぞれの“夏かぜの特徴”を見てみましょう。

ヘルパンギーナ:
のどの奥にプクッと膨らんだ赤っぽい水疱が数個から十数個でき、40度近い高熱が2日 ほど出ます。
水疱は約1週間で治ります。のどの痛みのため、 飲み物、食べ物がとれないことがあります。

手足口病:
手のひら・足の裏・口の中に生の米粒大の発疹がで きます。口の中の発疹が破れて口内炎ができると痛み
が強くなり、食事が摂りにくくなりますが1週間ほどで 治ります 。また発症者の約3分の1に、38度くらいの熱
が1~2日ほど出ます。

咽頭結膜熱:
プールで感染することが多かったので、別名プール熱とも呼ばれます。高熱が  3~5日、のどの痛みや腫れ、
目の充血や目やになどの症状は1週間程度続くことが多いです。

治療について  
予防接種や特効薬がないため、脱水に対しては点滴、発熱に対しては解熱剤を使うなど対症療法が中心です。

家庭でのケア
体力の消耗を防ぐための安静と、脱水予防のためのこまめな水分補給が重要です。口内炎 が痛い時は、
軟らかく口当たりの良い、また薄味で刺激の少ない食事(アイスクリーム、 ゼリー、プリンなど)にしますが、
栄養補給のためと無理に食べさせず、まずは水分を摂 らせることを優先しましょう。
発熱し暑がっているときには、エアコンなどで室温を調節 し薄着にしましょう。

予防について
夏かぜの感染経路は、主にせきやくしゃみなどの飛沫感染と接触感染(便に触れた手など から口に入る
ことによる感染)です。このため予防にはうがいと流水と石けんでの手洗い が重要です。
症状が治まった後も2~4週間は便にウイルスが出ますので、子ども本人だ けではなく、家族もオムツ替え
の後などにまめに手洗いをする必要があります。
プール前後のシャワー、 うがい、洗眼も大切です。またタオルの共用は控えましょう。
抵抗力が落ちると夏かぜをひきやすくな ります。エアコンで体を冷やしすぎないことや、 十分な休息、睡眠を
とることが大切です。特に夏休み期間中は、生活が不規則になりがちですので気をつけましょう。
かぜをひくことのないよう、今年の夏を楽しい思い 出でいっぱいにしましょう。


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●新任医師の紹介
  平成20年7月1日付
第一専門診療部 腎臓科医長           伊藤 秀一
第一専門診療部 膠原病・感染症科医長    齋藤 昭彦
第一専門診療部 血液科              塩田 曜子
第二専門診療部 耳鼻咽喉科           南 修司郎 

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●イベント
     ・7月30日 豆の木広場でミュージカル「まるでシンデレラ」が上演されます。
     出演: 東京ミュージック&メディアアーツ尚美 ミュージカル学科
     時間:12:00~12:30  みなさまお誘い合わせのうえ、お越し下さい。

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●トピックス
   ・6月 7日 2008年成育医療国際セミナーが開催されました。↓
     http://www.ncchd.go.jp/center/information/event/080607seminar.html
                     
   ・6月20日 音種コンサートが開催されました。↓  
      http://www.ncchd.go.jp/center/information/event/080620ototane.html  

    ・6月24日 エントランスホールに七夕の飾りつけを行いました。↓
     http://www.ncchd.go.jp/center/information/event/080624tanabata.html

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    成育医療センターのホームページも是非ご覧下さい。

   

     http://www.ncchd.go.jp

『成育すこやかジャーナル第67号』いかがでしたか?

梅雨の晴れ間の青空は、すっかり夏空になりました

7月に入り、子供達もプール・海に!山に!と夏休みをこころまちにしていることでしょう。
 

最近は、夏になると熱中症が心配になりますね! 

「水分を過剰にとりすぎてしまうと、胃酸が薄まり消化能力が低下する。」

「水分の補給不足は、慢性的な脱水状態になり、危険な状態になることもある。」

「水分補給には、糖分濃度が高い清涼飲料水の過剰摂取を避けたほうがよい。」

などといろいろ気をつけなければいけない事がありますが、体液と浸透圧が等しい生理的食

塩水、いわゆるスポーツドリンクでの摂取が一番いいようです。

夏休みが、元気に過ごせるようにバランスの良い食事もとりましょう。

それでは次号もおたのしみに!
                                                 (編集部)
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    成育すこやかジャーナル     No.66(2008/6/12)
  
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●総合診療部って何でしょう?               総合診療部 小児期診療科 小穴 慎二


…………………………………………………………………………………………………………
●「こどもが注射をうけるときのこころのサポート」 
                            認定チャイルド・ライフ・スペシャリスト  相吉 恵  


…………………………………………………………………………………………
●イベントのお知らせ       看護部主催『看護の日』


…………………………………………………………………………………………

●トピックス              研究所の特別講演会
                  服部幸應先生の講演会

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●総合診療部って何でしょう?


                         診療部 小児期診療科 小穴 慎二



国立成育医療センターには、専門診療部、手術・集中治療部、こころの診療部、
周産期診療部などと総合診療部があります。そして、さまざまな疾病を抱えられた方たちが診療にい
らっしゃいます。総合診療部以外の部門は、どういう医療を行うのか分かりやすいのですが
、「はて総合診療部って何だろう?」と思われる方も多いのではないかと思います。私もそ
の一人で、総合診療部に勤めてまだ1年、総合診療部のことをようやく少し分かってきたと
ころです。 当初私は、総合診療部は、専門診療部などで扱わない病気に対応すればいいのだろうと考
えておりました。たとえば、「カゼをひいて熱、咳、鼻水があります。」という時は、専門
診療部や手術・集中治療部で対応した方がよいでしょうか? 病状が悪化した場合はともか
く、おそらくその必要はないと思っていました。下痢、脱水、肺炎、カゼ、あるいは健診や
予防接種などは、専門診療部ではなく総合診療部で対応すべきと考えておりました。他部門
と総合診療部の間には、明確な壁のようなものが存在するのだと思っておりました。
では、「他部門で対応しない疾患を扱うのが総合診療部?」でしょうか。どうも、それだ
けでは不十分だなと思うようになっています。たとえば、手術で入院された方が、日頃近く
の小児科で喘息の治療を受けていたとします。入院されてからの喘息治療は、手術担当科が
行うべきでしょうか? 私は、それも総合診療部の仕事だと思っております。このように、
他科の先生方が、その専門分野に専念できる診療体制を作ることも総合診療部の仕事と考え
ております。
あるいは、発熱や咳で受診をされた方の診療を通じて、実は日頃からお父さんやお母さん
は、体重増加が悪くて心配されていることが分かったとします。体重増加の問題、発達の問
題など子育てに関わる問題の中には、病院で相談した方がよいのかどうかを悩んでしまうこ
とも多いのではないかと思います。風邪などの急性な病気は、治ってしまえば心配はないこ
とが多いので一時的な悩みになるでしょう。ところが、いつも持続的にある悩みは、たとえ
小さな悩みでも、なかなか相談先もありません。子育てをされる中で、実は大きな問題にな
っている事もあると思います。総合診療部では、そういった日頃の問題にも対応していきた
いと考えております。医療をめぐるいろいろな問題の根本は、個々の病気の問題だけでなく
、実は社会の仕組みが問題であることをよく経験します。総合診療部では、診療を通じてそ
れらの問題を抽出し、社会に還元することもできるようにならなくてはいけないと考えてお
ります。
もう一つ大事な仕事は教育です。今、小児科医不足が社会的な問題となっております。総
合診療部では現在40名ほどの後期臨床研修医の指導にあたっております。ここから巣立っ
た多くの研修医たちが、今、日本全国で活躍しております。社会のニーズに即した守備範囲
の広い小児科医を育てていくこと、これもわれわれ総合診療部の重要な任務であります。
まだ設立されてから5年あまりです。まだまだ実力としては不十分な点もあるかもしれ
ませんが、われわれスタッフはよりよい総合診療部をめざしていきたいと考えています。


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●「こどもが注射をうけるときのこころのサポート」

                   認定チャイルド・ライフ・スペシャリスト  相吉 恵

こどもが採血や注射をうけることになったときどうしていますか?こどもをスムーズに病院
へ連れて行くにはと考えて『散歩』と言って連れ出したり、病院の先生や看護師さんに迷惑
をかけないようにと思い『おもちゃを買ってあげるからいい子にしなさい』とこどもに言い
聞かせたり、痛いのはかわいそうだけど甘やかしてもいけないと思い泣いているわが子を叱
ったり・・・親としてどうしたらよかったのだろうと悩んだことはありますか?
この体験をこども側から見ると、親にだまされたことで、もう誰も信じられないという不信
感を抱いたり、何をされるのか分からない中で注射されたことで怒りを感じたりしているか
もしれません。「何をされるか知らない」よりも「何をするか知っている」方が恐怖心が少
なく、痛みも軽減するといわれています。また、「やられた」ではなく「できたよ」という
自信をもつことができれば、その体験はポジティブなものとなりえます。
どうせ話をしてもわからない、泣かれたら困ると最初からあきらめるのではなく、年齢にあ
った伝え方を工夫し感情を分かち合い一緒に乗り越えようとしてみてください。きっと、こ
どもにとっても、ご両親にとっても、前よりポジティブな体験になると思います。
採血や注射が少しでもポジティブな体験になるポイント:
いつ、どのように伝えたらよいのでしょうか?
突然ほど怖いことはありません。こどもに前もって(最低でも、2~3歳には数時間前、4~6
歳は前日、小学生以上には1週間前には)注射があることを伝えるようにしましょう。
(例)
インフルエンザ・・・悪い風邪から守ってくれるんだよ。
予防注射・・・悪い病気がうつらないように守ってくれるんだよ。
採血・・・血を少しとる検査だよ。血を調べると体のことがいろいろわかるんだよ
自覚症状がある場合:なんで頭が痛くなるのか調べるんだよ
「言うこと聞かないとお医者さんにお注射してもらうよ!」というような脅しはけっしてし
ないでください。こどもに誤ったメッセージや恐怖を与えかねません。
より分かりやすく伝えるにはどのような方法があるのでしょうか?
特に2~7歳までのこどもさんは言葉だけでなく、ごっこ遊びを通して理解することを得意と
します。こどもに医療者役になってもらい、人形の診察をしたり、注射をしたり、優しくお
世話をしてあげるごっこ遊びをしてみましょう。遊びを通して、こどもは検査の流れや経験
する感覚(手をだして、ツーンとしたにおいのアルコール綿でふいて、予防注射の場合は腕
をつままれ、チクリと注射を受ける)を知ることができたり、人形の役割(手を動かさない
)がとても大切なことであること、病院はこどもの健康を守るところということがわかるよ
うになります。このような遊びは、リハーサルにもなり、実際のときに何が行われているの
か把握しやすく、自分がどのような役割を担えばよいのか思い出す手助けとなります。
「注射痛いから嫌だ!」と嫌がってしまったらどのようにすればいいのでしょうか?
当然の気持ちです。まずは、「痛いから嫌なのね。」「大切だって分かっているけど、注射
が怖いのね。」とこどもの気持ちを受け止めてあげてください。
実際の採血や注射ではどのようにこどもをサポートできるのでしょうか?
採血や注射をするときに両親が同席できる場合は、こどもを抱っこしたり、おもちゃで遊ん
だり、採血室に飾ってあるものを探すクイズを出しあったりなど気を紛らせることも痛みを
軽減する上で効果的です。風車を吹いたり、体をなでたりしてリラックスするお手伝いもい
いでしょう。「手はまっすぐにね」と穏やかな口調で思い出せるように声かけもしましょう
。手の固定はプロに委ね、両親はこどものこころのサポートに徹していいのです。痛いとき
、怖いときに泣くのは当然のことです。
大切なことは手を動かさないことです。こどもが泣いたとしても腕を動かさないでいられた
のなら、「手をまっすぐしていられたね。」とできたことを認めてあげてください。手を動
かしてしまったとしても、「お注射できたね。」とやり終えたことを認めてあげてください
。そして、ぎゅっと抱きしめて安心させてあげてください。そうすることで、こどもは『ダ
メな自分、恥ずかしい自分』ではなく、『できる自分、頑張れる自分』『愛され、見守られ
ている自分』を確認し安心することができるのです。
*** 大切なことは、こどもの気持ちを受け止め、体験を共有することです ***



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●イベント                        
・5月13日 1Fエントランスホール「豆の木広場」で看護部主催『看護の日』イベント
が開催され、子育て中のパパ・ママを応援しました。
詳しくはこちらから↓
http://www.ncchd.go.jp/center/information/event/080513kango.html


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●トピックス 
                     
・2008年5月26日、がん発生「2ヒット・セオリー」で著名なクヌードソン博士はじめメド
ウ博士、ハウプト博士による特別講演会が当センター研究所において開催されました。

詳しくはこちらから↓
http://www.ncchd.go.jp/center/information/event/080526knudson.html


・2008年5月27日、厚生労働省「健康大使」服部幸應先生による「食育のすすめ」について
の講演会が当センター講堂にて行われました。

詳しくはこちらから↓
http://www.ncchd.go.jp/center/information/event/080527hattori.html


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●新任医師の紹介

 平成20年5月15日付   第二専門診療部  形成外科医師   矢澤 真樹
          6月 1日付   周産期診療部   新生児科医師   垣内 五月
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成育医療センターのホームページも是非ご覧下さい。
    http://www.ncchd.go.jp
 『成育すこやかジャーナル第66号』いかがでしたか?
寒暖の差が激しく、大人でも体調を崩しやすい時期ですね。
晴れると暑くなったり、曇りだと蒸し暑くなったりと食べ物にも注意が必要です。
手洗いが見直されていますが、先日テレビで「手洗いのうた」を歌いながら手を洗う練習を
している園児が写っていました。みんな楽しそうに歌いながら丁寧に手を洗っていました。
外出の後、食事の前と歌の出番は多いことでしょう。習慣づけに試してみてはいかがでしょ
うか。パソコンを使用する大人にも必要かもしれませんね!
 ♪元気に遊んだら キレイキレイ♪          
     ♪お家に帰ったら キレイキレイ♪  ♪パソコン使ったら キレイキレイ♪
 それでは次号もおたのしみに!
                                 (編集部)
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さて、【編集部からのお願い】です。
  近頃、配信先のセキュリティ強化(ファイアーウォール設定等)が 原因と思われる
  配信エラーが増えています。 今一度、設定等をご確認頂ければ幸いです。尚、2回
  連続でエラーとなった場合には配信登録を削除させていただきますので、予めご了承
  願います。
              
   それでは次号もおたのしみに!
                                  (編集部)


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    成育すこやかジャーナル     No.65(2008/5/15)
  
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●就任挨拶

                                 副院長  北川 道弘

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●たばこの害から若者を守ろう

                      成育医療政策科学研究室長
             総合診療部成人期診療科禁煙外来担当  原田 正平

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●うんちの色は何色ですか?


                      第一専門診療部 消化器科  肥沼 幸

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●―トリアージ―  
            “病状の緊急性が高いお子さんから診療するシステム”


      救急センター 副看護師長 小児救急看護認定看護師  林 幸子

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●新任医師の紹介

 

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●イベントのお知らせ      服部幸應先生ご講演会

 

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●就任挨拶


                                     副院長  北川 道弘



4月1日より成育医療センター病院副院長を拝命いたしました。
 これまで周産期診療部長の職についておりましたが、これからは院長を補佐し、これまで以上に
病院全体の運営を考えていかなければならない立場になりました。
 成育はナショナルセンターとして、最新・最良の医療を提供することはもちろんですが、 2年後に迫った
独立行政法人化に向かって収入面にも配慮し、難しい舵取りを担っていかなければなりません。
 また、職員が一丸となって診療にあたり、患者さんやご家族に愛される医療センターを目指したい
と思っておりますのでよろしくお願い申し上げます。
 最近、運動不足なのでちょっとメタボ気味です。血圧は120/80と良好ですが、コレステロール軽度高値、
中性脂肪は危険値!、尿酸も高く痛風も心配です。血液型B(+)
趣味はスキーで、ここ数年はオフピステや山スキーに凝っております。
尊敬する人は三浦敬三(雄一郎の父)さん。
101歳までスキーを楽しんだ人です。
座右の銘『24時間医者たれ』


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●たばこの害から若者を守ろう

                         成育医療政策科学研究室長
                  総合診療部成人期診療科禁煙外来担当  原田 正平

 TOBACCO‐FREE YOUTH (たばこの害から若者を守ろう)、これが今年の世界禁煙デー
のスローガンです。
1988年にWHO(世界保健機関)が5月31日を世界禁煙デーと定め、タバコの危険性、
WHOがタバコ病(Tobacco-related disease)の流行を防ぐために何をしているか などの
広報活動をしています。
今年のサブスローガンは BAN ALL TOBACCO ADVERTISING, PR OMOTION AND SPONSORSHIP
(全てのタバコ広告、販売促進、後援の禁止)となっています。
  日本では1900年から未成年者喫煙禁止法が施行され、喫煙は20歳を過ぎてからしか許され
ていないはずですが、 実態としてほとんどの喫煙者は未成年時期から吸い始めています。
2004年の全国調査でも高校3年生の男子の喫煙経験率は42.0%、女子でも27.0%であり、
その多くが喫煙常習者 となってしまいます。
 タバコの害が広く知られ、学校教育でも「防煙教育(未成年時期の喫煙開始を防ぐための
教育)」が行われているにも関わらず、若者の喫煙率がこれほど高い理由は、日本がタバコ
を吸いやすい環境にあることと、若者ほどニコチン依存症に早くなってしまうからです。カ
ナダでの研究(Tobacco Control 2002;11:228)では、12~13歳から喫煙した場合、ニコチ
ン依存(禁煙に失敗、止められずに吸っている、依存を感じる、渇望感、タバコが欲しい等
)の症状が50%の人に現れるまでの期間は、男子で183日、女子ではなんと21日と報告され
ています。日本ではこのような研究はありませんが、子どものための禁煙外来(卒煙外来)
をされている先生たちの経験から、ほぼ同じだろうと考えられています。
 タバコを吸いやすい環境の一つとして、日本でのタバコ自動販売機の多さが上げられます
。最近の統計では多少減少していますが、それでも全国50万台以上あるとされています。そ
こで未成年者の喫煙防止対策の一環として、2008年3月から「成人識別ICカード(通称、ta
spo:タスポ)」が導入されました。鹿児島県、宮崎県から始められ、7月からは全国のほと
んどで「成人識別たばこ自動販売機」となる予定です。
 世界では、未成年者とは限らず全ての喫煙者を減らすために、様々なタバコ規制が進めら
れています。日本でも神奈川県が「公共的施設における禁煙条例(仮称)」の制定に向けた
準備をしています。こうしたタバコ規制は、2005年2月に発効した「たばこの規制に関する
世界保健機関枠組条約」に対応して、世界各国が自国内の法律を整備することで実現にむか
っています。あらゆる年齢層の方たちがタバコを止めやすい環境を作るためにも、日本でも
法律による「全てのタバコ広告、販売促進、後援の禁止」が望まれます。

自己紹介:「子どもをタバコの害から守る小児科医」を自称しています。       
     4年前に北海道から東京にでてきた「純粋な」道産子ですので、まだまだこちら
     の暑さには順応できていません。 
趣  味:これといって趣味らしい趣味はありませんが、どこに行っても「受動喫煙防止対 
     策」の有無に目がいき、「禁煙マーク」の写真を撮ってしまうのが趣味? かも
     しれません。


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●うんちの色は何色ですか ?  

                   

                         第一専門診療部 消化器科  肥沼 幸

  新緑がまぶしい季節になり、成育医療センターの庭園でもお天気の良い日には半袖で遊ぶ
こどもの姿がみられるようになりました。 今回は、便の色から発見される病気についてふれたいと思います。
あなたのお子さんの便 は1日何回で何色ですか?赤ちゃんは排便をつかさどる機能が未熟なため、
ミルクを飲むと いう刺激でおなかの動きが刺激され、便の回数が多くなります。その回数は赤ちゃん
一人ひ とりで違ってきますが、段々と1日2、3回に落ち着いてきます。ただ中には7、8回と大 目な
お子さんもいます。回数は大目でもミルクがしっかり飲めて、機嫌もよく、体重もよく 増えていれば問
題はありません。 赤ちゃんの便は、最初、胎便といわれるねっとりした濃い緑の便がでて、その後、
緑~黄色 の便に変わってきます。ただし、1ヶ月ころから便が白くなり、一旦落ち着いてきた黄疸
( 皮膚や白目の部分の黄染)が急に強くなってくる病気に胆道閉鎖症があります。この病気の 原因は
まだよくわかっていませんが、便色のもとになる胆汁という消化液がうまく流れなく なる病気です。
胆汁は肝臓で作られ、胆嚢にためられ食事の刺激で腸管に排出されますが、 胆道閉鎖症では、
その通り道がつまってしまい、胆汁がでてこなくなる結果、便の色は白く なってきます。ただし真っ白
ではありません。少し黄みがかったクリーム色の便になる場合 が多いです。 便に胆汁が出ないと
肝臓に胆汁がたまってしまい、徐々に肝臓の働きも悪くなります。その ために胆汁の流れを再建する
ための手術が必要になります。また胆汁は脂肪の吸収を助ける 消化液なので脂肪の吸収が悪くなり、
体重もあまり増えなくなってきます。そして脂肪と一 緒に吸収する脂溶性ビタミンの吸収も悪くなります。
その中でもビタミンkは、肝臓で血液 を固めるための凝固因子を作るときの大切な材料になります。
この凝固因子が不足すると、 怪我などのときに出血が止まらなくなってしまうのです。赤ちゃんは、
もともと血管ももろ く、凝固因子が少ない状態が続くと、頭の中で出血してしまうこともあります。
 胆道閉鎖症以外にも黄疸でみつかる病気はたくさんあります。赤ちゃんの黄疸は皮膚の色 で判断する
ことは難しいことがよくありますが、便の色に注意していただくことで病気に早 く気づき、早く適切な治療を
受けることができます。 最近はどうしても子育てが孤立化してしまい、相談する場が少ないため、
何が正常で、何が 異常なのかを判断できずお母様が不安になられる場合が多いと思います。
胆道閉鎖症のお子 さんのお母様でもお子さんの「便の色は問題ないと思っていました。」と
おっしゃる方が少 なくありません。 自治体によっては、母子手帳に便の色をみる項目を設けたり、
便色を見るチェック表をつけ てくれているところもありますし、乳児検診などの際にも確認してもらう
ことができます。 自分の子どもの便の色は白っぽいのでは、と不安に思われた時には、早めに便を
もって病院 にいらしていただくのがよいと思います。 さまざまな情報ツールがあふれた世の中ですが、
実際の目で見守っていくことが、子ども たちの健康を守ることになるのではないでしょうか 。

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:
●―トリアージ―
“病状の緊急性が高いお子さんから診療するシステム”


         救急センター 副看護師長 小児救急看護認定看護師  林 幸子 



 国立成育医療センターの救急センターには、年間約35,000人の子どもたちが昼夜を問わず
受診しています。受診の理由は、“発熱”“咳”“鼻水”“腹痛”“下痢”“おう吐”“ぶ
つぶつ”などの症状や、“ぶつけた”“ころんだ”“何かを飲んだ”“血が出た”“腫れて
きた”など内容は様々です。 
 子どもの急病の場合、自分で『具合が悪い』『○○が痛い』と具体的に言葉で伝えること
ができないため、何がおこっているのかが捉えづらかったり、病状が急激に変化しやすいな
どの特徴があります。そのため、上記の同じような理由で受診してくる子どもたちの中には
、一見みて具合が悪そうな子どもだけではなく、見た目には極端に具合が悪そうに見えない
子どもの中にも“緊急に診療が必要な子ども”が隠れていることがあります。
 そこで、国立成育医療センターの救急センターでは、来院時に“緊急に診療が必要な子ど
もたち”を見つけ出し、適切に診療がおこなわれるように、“トリアージ”というシステム
を取り入れています。
トリアージという言葉は、災害トリアージがよく知られていますが、病院で行っているトリ
アージは、病院に来院した患者様の「患者評価の過程のひとつであり、治療優先度と適切な
加療場所決定を行うこと」と定義されています。(Textbook of Pediatric Emergency Medi
cien(Fleisherら編)
 では、国立成育医療センターの救急センターではどのように“トリアージ”が行われてい
るのかをご紹介します。
まず、救急センターで受付をされた後すぐに、お子さんの状態をトリアージルームという部
屋で、看護師が病状などを確認しています。今回の受診の理由がどのようなものなのかを伺
い、体温を測ったり、聴診器で胸の音を聞いたりしながら、お子さんに何が起こっているの
かを確認し、“すぐに診療が必要なのか”を判断しています。この判断は、看護師個々のカ
ンによるものではありません。判断基準を設けて、これに準じて判断しています。
救急センターには、次から次へと受診するお子さんたちが続いていらっしゃるので、トリア
ージルームでお話を聞く時間は3・4分と短いものです。そして、判断の結果をもとに、病状
の緊急性の高いお子さんから診療を受けていただいています。その為、必ずしも受付された
順番通りの診察ではなく、後から受付をされた“緊急に診療が必要”と判断されたお子さん
の診療が先に行われることがあります。救急車で病院にみえた方も同様です。お子さんの状
態を確認して、待合室でお待ちいただくことがあります。“病状の緊急性が高いお子さんか
ら診療するシステム”へのご理解とご協力をお願い致します。
 また、待合室で待機中に病状の変化があった際に速やかに対応できるように、トリアージ
を担当する看護師は、基本的にトリアージルームにおりますので、遠慮なくお声掛けくださ
い。
http://www.ncchd.go.jp/hospital/emergency/index.html もご参照ください。


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●新任医師の紹介

平成20年4月16日付
       第一専門診療部  循環器科医長     賀藤 均

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●イベントのお知らせ


  厚生労働省「健康大使」 服部幸應先生ご講演会
    食育のすすめ ~大切なものを失った日本人~

みなさまお誘い合わせのうえ、お越し下さい。
詳しくはこちらから


http://www.ncchd.go.jp/center/information/lecture/hattori.pdf


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成育医療センターのホームページも是非ご覧下さい。
http://www.ncchd.go.jp

『成育すこやかジャーナル第65号』いかがでしたか?

風薫る五月となり初夏のような陽気になってきましたが、まだまだ寒暖の差もはげしい
ので風邪など引かぬよう健康に、気をつけましょう! 

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  さて、【編集部からのお願い】です。
近頃、配信先のセキュリティ強化(ファイアーウォール設定等)が 原因と思われる
配信エラーが増えています。 今一度、設定等をご確認頂ければ幸いです。尚、2回
連続でエラーとなった場合には配信登録を削除させていただきますので、予めご了承
願います。

それでは次号もおたのしみに!
(編集部)




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    成育すこやかジャーナル     No.64(2008/04/10)
  
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●新学年を迎えるにあたって留意すべきこと

         第一専門診療部 アレルギー科  明石 真幸(H20年3月末退職)

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●新たな生活に向けて

                        こころの診療部  直井 高歩

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●新任医師の紹介

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●新学年を迎えるにあたって留意すべきこと

  第一専門診療部 アレルギー科  明石 真幸(H20年3月末退職)



厳しい寒さも和らぎ、桜の花が咲く季節となって参りました。
 今日は、お子様方が新入学や入園など新たな環境を迎えるにあたり、アレルギーに関する
視点から留意すべきことをお話したいと思います。
 入学、入園ではもちろんのこと、お子さまが新しい学年を迎えればそれだけ、保護者の方
から離れる時間は増えてくるものです。これは、お子さまの成長を考えると非常に大切なこ
とではありますが、喘息やアトピー性皮膚炎、食物アレルギーの子供を抱える保護者の方々
にとっては切実な問題であると思います。学校にいる間に突然喘息発作を起こしてしまわな
いか、アレルギーを起こす食事を食べて、発疹が出たり苦しくなったりすることはないかな
ど不安は尽きません。
 そのようなときにまず大事になってくるのは、幼稚園・学校とのコミュニケーションです。
例えば食物アレルギーを持っているお子様では、主治医の診断をもとに食べられるもの食べ
られないものを事前に幼稚園や学校に説明し、さらには誤って食べてしまった際の対処法な
どを伝えておく必要があります。同じ食事によるアレルギーでも、食べられる量や起こって
しまった時のアレルギー症状・対処法は個人によって異なりますので、お子さまの状況を正
確に伝えるようにしてください。また、近隣の病院を把握しておくことも大切です。
 食物アレルギーによるアナフィラキシー反応や、喘息の大発作などは症状が出現してから
処置をするまでの時間が重要ですので、場合によっては予め主治医に紹介状を記載してもら
い、近隣病院へ情報を提供しておくのもよいでしょう。アトピー性皮膚炎に関しては急な対
応を要する場面は少ないと思いますが、汗をかいたり、泥遊びをした後に湿疹が悪化するこ
とがありますので、その際の対処法などを園や学校に伝えておくことである程度予防するこ
とができます。
 アレルギー疾患は全て、その疾患に対する予防と悪化時の対応法が大切です。つまりこれ
さえしっかり抑えておけば、お子様は日常生活を負担なく過ごすことができ、保護者の方の
不安も減らすことも可能になります。
 アレルギー疾患の子供をもつ保護者の方の負担は大きいとは思いますが、アレルギーと上
手に前向きにつきあいながら、お子様が元気に成長発達できるようにサポートをして下さい。

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●新たな生活に向けて
                          こころの診療部  直井 高歩

4月といえば皆さんそれぞれに新たな生活を迎え、心躍る時期ですね。また、自分のこと
ではなくても何となく周囲も浮かれた気分になるものです。誰もが期待と不安で胸を一杯に
しながら・・・。
 さて、環境の変化というのは大きなストレスにもなります。それが嵩じると、幼稚園行き
たくない、学校行きたくない、会社行きたくない(!?)となって周囲を慌てさせるもので
す。皆さんも思い当たることがあるのではないでしょうか?
 なかでも幼稚園や保育園に行く際にこどもが「行きたくない!!」と親から離れなくなる
“登園しぶり”は、ご両親の最初の課題になるかと思います。朝の忙しい時に騒ぐ、なのに
登園した後は皆と遊んでいる、しかし翌日はまた・・・、という繰り返しにいい加減にして
とか、不憫でかわいそうと感じてしまうかもしれません。
 こどもにとって今までは家庭という常に守られた場にいました。最近は集団で遊ぶ機会も
少なくなっており、幼稚園・保育園などでは同年齢の子に対して自分で主張したり、交渉し
たり、譲歩したりという、社会性が必要になってくる最初の試練ともいえます。そこでうま
く対処できなければ、家庭という元の安楽な場所に戻りたくなります。しかしこどもたちは
徐々にその集団生活に順応していき、治まっていくことが多いと思います。
 日中は保育士にお任せし、不安ながらも登園できたこどもを温かく迎え、空いた時間に親
子の絆を是非とも再確認してみてはいかがでしょうか。登園させることや園に対する不安が
あったりすると、児の不安も更に増してしまうかもしれません。
 とはいえ、登園しぶりも一筋縄ではいかないことも多々あります。たかが登園しぶり、さ
れど登園しぶり。その際は、一人で悩まずにお近くの小児科や児童精神科などにも気軽に相
談してみてはいかかでしょうか。

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●新任医師の紹介

   第二専門診療部  皮膚科医長     新関 寛徳
    総合診療部    小児期診療科医師  北岡 照一郎
   総合診療部    小児期診療科医師  藤本 慎一郎
   第二専門診療部  泌尿器科医師    長谷川 雄一
   放射線診療部   放射線診断科医師  岡本 礼子
   放射線診療部   放射線診断科医師  山本 あゆみ
   第二専門診療部  眼科医師      小林 百合
   周産期診療部   不妊診療科医師   齊藤 隆和
   周産期診療部   婦人科医師     青木 宏明
   第一専門診療部  アレルギー科医師  大石 拓
   特殊診療部    人工臓器科医師   田中 藤樹
   手術・集中治療部 麻酔科医師     橋本 学

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成育医療センターのホームページが新しくなりました。
アドレス変更等もホームページから直接できるようになりました。
   http://www.ncchd.go.jp  
  『成育すこやかジャーナル第64号』いかがでしたか?
   今回は、入園・入学特集ということで各先生方に記事を書いていただきました。
 4月から新たな生活が始まる子どもたちは不安や期待でいっぱいになっていることでしょ
うね。子どもたちが楽しく過ごせるようにしたいですね。
 各先生方の記事が皆様のお役に立てていただければと思います。

           さて、【編集部からのお願い】です。
 近頃、配信先のセキュリティ強化(ファイアーウォール設定等)が 原因と思われる
 配信エラーが増えています。 今一度、設定等をご確認頂ければ幸いです。尚、2回
 連続でエラーとなった場合には配信登録を削除させていただきますので、予めご了承
 願います。
                 それでは次号もおたのしみに!
                                 (編集部)

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