国立研究開発法人 国立成育医療研究センター National Center for Child Health and Development

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成育すこやかジャーナル 平成14年度

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成育すこやかジャーナル No.6・7(2003/3/12、4/3)

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3月1日で開院一周年を迎えました。

成育すこやかジャーナル第6号をお届けします。(今号は開院一周年記念合併

号です。来月の配信はありません。)

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◆目 次

●妊娠初期に気をつけること(周産期診療部 産科医長 久保 隆彦)

●診療科紹介 第一専門診療部 神経内科

(第一専門診療部 神経内科医長 二瓶 健次)

 ●育児について(こころの診療部 育児心理科医長 笠原 麻里)

 ●診療科紹介 第二専門診療部 耳鼻咽喉科

(第二専門診療部 耳鼻咽喉科医長 土橋 信明)

 ●アレルギー治療薬(薬剤部主任  蟻川 勝)

 ●「おくすり手帳」のご紹介(薬剤部薬剤師 伊藤 博)

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●妊娠初期に気をつけること(周産期診療部 産科医長 久保 隆彦)

1 妊娠の確認:妊娠を疑うサインとしては、「予定された月経が遅れる」「

基礎体温で高温相が2週間以上続く」「つわり(嘔気、嘔吐、食習慣の変化)

」などが挙げられます。不妊症で病院にかかっている場合はともかく、まずご

自分で妊娠をしたかどうかを確認することをお勧めします。お小水で簡単に正

確に妊娠を診断できるキットが薬局で販売されていますので、妊娠を確認しま

しょう。

2 正常妊娠の診断:市販されている妊娠診断薬はわずかな妊娠反応でも「陽

性」にでますので、正常妊娠以外の病的妊娠(流産、子宮外妊娠、ぶどうご〔

胞状奇胎〕)でも反応します。ご自分で妊娠を確認されれば近くの産婦人科で

「正常子宮内妊娠」であることを診断して頂くことが必要です。この際には、

膣から細い検査器具を挿入し超音波をお取りしますが、妊娠の最も確実な検査

法ですので驚かないでください。すぐには分かりませんが、赤ちゃんの大きさ

が測れるようになれば正確な分娩予定日が分かりますので、お聞きになってみ

てください。先程の経膣超音波検査で赤ちゃんが見え、心臓の動きが確認でき

れば95%以上の確率で妊娠は大丈夫ですので安心ください。

3 ハイリスクのチェック:妊娠初期に産婦人科を受診するもうひとつの理由

は、今回の妊娠におけるリスクの有無を専門医に判断して頂くためです。お母

さんのリスク(糖尿病・腎臓病などの合併症、35歳以上の高齢)、赤ちゃん

のリスク(ふたご・三つ子などの多胎、形態異常)、ご家族に遺伝性の特殊な

ご病気があるかなどです。ハイリスクの場合には設備の整った「成育医療セン

ター」などの病院を紹介して頂きましょう。また、最近は妊娠の12-15週

に赤ちゃんを超音波で観察し、胎児の羊水染色体検査が必要かどうかをチェッ

クすることもできるようになりました。もしご希望であれば先生にお聞きにな

ってみてください。以前実施されていた羊水検査を受けるかどうかを決めるた

めの母体血での検査(トリプルマーカー、クアトロマーカー)は十分に妊婦さ

んがご理解されずに検査して、その結果どうしてよいのか困ってしまう方が多

数見受けられました。現在では日本産科婦人科学会も妊婦さんへはこの検査を

積極的には薦めないように指導しています。もし検査をご希望でしたら、担当

の先生に良くご相談ください。

4 つわりへの対応:つわりは妊娠初期の代表的症状でほとんどの妊婦さんが

経験されますが、これがあることは妊娠が順調に経過していることを示してい

ます。お母さんの卵巣から筋肉を緩めるホルモンがでて、赤ちゃんに十分に酸

素や栄養を供給することを助けますが、このホルモンは腸の動きも悪くするの

で、嘔気・嘔吐を起こすわけです。もし、つわりの症状が起こったなら、「自

分の卵巣も大したものだ」と安心してください。しかし、つわりが長期間続い

た結果、脱水になることがあります。脱水はさらに嘔吐を引き起こすので、水

分が取れなくなれば点滴が必要になります。そうならないように、こまめに水

分を取りましょう。無理に赤ちゃんのために栄養を取ろうと固形物を口にする

ことはありません。この時期の赤ちゃんは糖分しか吸収できないのですから。

人によって好みは異なりますが、水分と糖分が取れればかまいません。

5 病院を受診したほうが望ましい症状:妊娠は生理現象ですから、指示され

た健診間隔(2-4週間毎)で妊婦健診に来られて結構です。しかし、「出血」

「下腹痛」「つわりがひどく水分もとれない」場合には病的妊娠のこともある

ので、必ず産婦人科を受診してください。

6 日常生活:特別普段と変わったことをする必要はありません。規則正しい

生活、バランスの取れた食事を摂り、旅行などの無理をしないことです。また、

かぜなど薬を飲まなければならないときには産婦人科医に事前にお尋ねくださ

い。妊娠と知らずに薬を飲んでも、ほとんどの薬剤が赤ちゃんに問題となるこ

とはありませんので、早まらずに専門医に良くご相談ください。

7 お母さん:お産をしたから「お母さん」になるわけではありません。もう

あなたは立派な「お母さん」なのです。赤ちゃんはお腹の中であなたやお父さ

んなどと一緒に暮らせる生活を首を長くして待っています。早く、「赤ちゃん

」とやさしく呼んであげてください。

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●診療科紹介 第一専門診療部 神経内科

(第一専門診療部 神経内科医長 二瓶 健次)

子どもの神経の病気を扱う場合は、最近では小児神経科ということが多くなり

ました。神経の病気といっても脳だけでなく、脊髄、末梢神経、筋肉などの病

気も含まれています。脳では知能、精神、感覚、運動などの中枢がありますの

で、これらの異常として症状が現れます。脊髄、末梢神経、筋肉の病気では主

に運動面の障害として現れます。

胎児期から乳幼児期にかけて神経系は急速に発達をしますので、この時期の障

害は発達の遅れとして症状が現れます。すなわち、知的な遅れ、言葉の遅れ、

お坐りが遅い、歩くのが遅い、体が柔らかいといった症状です。子どもは痙攣

を起こすことが大人に比べて10倍以上も多く、けいれん、ひきつけもよく見

られる症状です。中でも高熱に伴ってけいれんを起こす熱性けいれんやてんか

んが多いです。神経系の病気の中には、代謝の異常による病気や原因が不明で

進行していくいわゆる難病といわれる病気も数多くあります。筋肉がやわらか

く運動が障害される病気に筋肉の病気(ミオパチー)、末梢神経の病気(ニュ

ーロパチー)があります。これらの病気は脳波、筋電図、末梢神経伝導速度、

事象関連電位、CT,MRI、脳循環検査、生検、酵素生化学的検査などを組み合わ

せて診断していきます。

最近の医療の進歩に伴い、神経の病気以外にも様々な病気も治療され長期のケ

アがなされていますが、その経過の中でも色々な神経症状が見られることがあ

り、このような神経合併症にも対応していきます。

いずれにしても、子どもの病気は一つの臓器にとどまらず、様々な臓器に及ぶ

ことが多く包括的な治療、ケアが必要です。そのために、各診療科との連携を

もって診療にあたり、勉強会、講習会、サマーキャンプ、親の会などにも力を

入れています。

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自己紹介

生まれは、兵庫県神戸市、この年、神戸に大水害があったそうですが、記憶に

はありません。生後8ヶ月のとき重症肺炎で死の宣告を受けるが在宅ターミナ

ルケアで奇跡的に助かる。そのとき、子どもの医者になることを決心する。

出身大学はあまりに昔のことで、忘れてしまいましたが、空気も水もきれいな

寒いところでした。

ピアノを聴くことが好きですが、夢はカサブランカあたりの場末の酒場でジャ

ズピアノを弾くことです。

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●育児について(こころの診療部 育児心理科医長 笠原 麻里)

子育ては、大変です。思うようにはいかないものですし、よしんばうまく育っ

たと思うと期待が大きくなりすぎて、結局親は満足できません。ましてや、お

子さんの発育や発達にちょっとした遅れや変化を感じた場合には、不安や心配

は大きくなるでしょう。さらに、お子さんの状態のいかんに関わらず、お母さ

ん自身のコンディションが整わない場合には子育ての大変さは大きくなります

し、母子関係もむずかしくなってしまうこともあります。

このような時、つい一人で悩んでしまいがちの子育てですが、対応の方法を知

ったり、お母さんが少し元気になるだけでも、随分ラクになることがあるよう

です。お子さんのこころの発達や気持ちに心配なところがあるけれどどうして

いいかわからない、思うようにいかないので親の方がイライラしてしまう、ど

うも叱りすぎてしまう、落ち込んでしまうなどの場合、ご相談にのらせて頂い

ています。お子さんが、その子らしく育っていかれるように、お子さんの発達

とお母さんのコンディションの両面からサポートさせていただくことが大切だ

と考えております。困った時には、ぜひご相談下さい。

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●診療科紹介 第二専門診療部 耳鼻咽喉科

(第二専門診療部 耳鼻咽喉科医長 土橋 信明)

診療科の名前が示すように、「耳」「鼻」「のど」の病気を対象に、お子さま

を中心とした診療を行っています。

小児期のごく一般的な疾患としての急性中耳炎や滲出性中耳炎、アレルギー性

鼻炎や慢性副鼻腔炎、アデノイド増殖症や口蓋扁桃肥大およびこれらに起因す

る睡眠時無呼吸症候群の診断・治療など、新生児を含む小児耳鼻咽喉科領域の

幅広い疾患に対応可能な診療体制を整えております。

また、小児の高度専門医療施設として、様々なハンディキャップを持つお子さ

まの診療にも積極的に取り組むと同時に、言語の発達に重要な先天性難聴の診

断、伝音難聴や慢性・真珠腫性中耳炎の手術、後鼻孔閉鎖症や狭鼻症の治療、

先天性声門下狭窄や声帯麻痺の診断と治療など、極めて専門的・特殊な小児耳

鼻咽喉科疾患に対しても、総合診療科や麻酔集中治療科、形成外科等の関連各

科との綿密な連係を保つ「チーム医療」により、病気のお子さまへの最適な医

療が提供出るように努力しております。

外来は(月)(水)(金)の週3日、救急の場合を除き、予約制で一般診療を

行い、「気道疾患」および「難聴・補聴器」の各専門外来も行っています。ま

た、(火)(木)は手術日で、年間500〜600件の手術が予定されています。

過去の様々な経験から、耳鼻咽喉科の診察が苦手となってしまったお子さまも

少なくないと思いますが、小児専門の耳鼻咽喉科医として、お子さまと良いコ

ミュニケーションを保ちながら、共に病気に立ち向かう姿勢を大切にしたいと

考えております。

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【耳鼻咽喉科スタッフのご紹介】

○川城信子(第2専門診療部長)

小児耳鼻咽喉科領域では、おそらく日本で最も経験豊富なドクターの一人です。

外科系の第2専門診療部の部長という職責を果たしながら、同時に、小児病院

時代と変わらぬ忙しさで、耳鼻咽喉科の外来・手術に奮闘しています。

○土橋信明(耳鼻咽喉科医長)

小児病院時代から10年以上にわたり小児耳鼻咽喉科専門で診療にあたっていま

す。自分ではまだまだ若手のつもりで、外来・病棟・手術と、日夜を問わず病

院中を走り回っています。

○守本倫子(耳鼻咽喉科医員)

当科では最も若いドクターですが、耳鼻咽喉科専門医としてのキャリアを積ん

だ後、小児を専門とするようになって4年が経過しました。家庭では2歳の女

の子のお母さんとして、病院では耳鼻科診療の実務担当の中心として活躍して

います。

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●アレルギー治療薬(薬剤部主任  蟻川 勝)

春の訪れは花粉症の方には辛いシーズンの訪れでもあります。

「花粉症」では、目の痒みや鼻水などの症状を抑えるといった対症療法と言わ

れる治療が主に行われています。

この治療に使われる主な薬としてアレルギー治療薬とステロイド薬とよばれる

ものがあります。

アレルギー治療薬には、痒みや鼻水がでる原因となるヒスタミンという物質を

抑える薬や、その他の体内で作られるアレルギー症状の原因となる物質にはた

らいて痒みや鼻水といった症状を改善する薬などがあります。これらの薬は花

粉症やアレルギー性鼻炎の治療だけでなく、喘息の治療薬として使われるもの

もあります。

一般に、花粉症については、アレルギー治療薬を花粉が飛び始める頃からのむ

と効果が高いと言われています。

アレルギー治療薬をのむと程度の差はありますが、眠くなる人が比較的多くい

ます。中でもヒスタミンを抑える薬は眠くなる人の割合が高いと言われていま

す。大人の方であれば車の運転を行うときには注意してください。また、妊娠

をされている方、或いは妊娠を希望されている方は医師または薬剤師に相談し

てください。

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●「おくすり手帳」のご紹介(薬剤部薬剤師 伊藤 博)

保険調剤薬局からお薬と一緒に「おくすり手帳」をもらった、あるいは購入さ

れたことはありますか?まだ、ご存知でない患者様も多いようですので今回は、

「おくすり手帳」についてご紹介します。

☆「おくすり手帳」ってなに?

「おくすり手帳」は、日本薬剤師会、日本病院薬剤師会、各保険調剤薬局など、

いろいろなところから発行されており、それぞれで多少内容は異なりますが患

者様に処方されたお薬の名前や飲み方、注意点、臨床検査値の記録、診療メモ、

薬局メモなどが記入できるようになっています。さらに、患者様がよく飲んで

いる一般大衆薬、健康食品のことやアレルギー反応、副作用症状がおこったこ

となど記入もできます。

☆「おくすり手帳」の役割は?

「おくすり手帳」は医師、歯科医師が診察時に、薬剤師が調剤(お薬を作る)

時に患者様の安全のために役立てたり、患者様自身がご自分の服用(使用)し

ているお薬の情報を知ることができたりするものです。病院・診療所の医師、

歯科医師、薬剤師と保険調剤薬局の薬剤師の間で患者様の情報が「おくすり手

帳」を介して交換されます。主な目的はお薬の飲み合わせ、同じ効果のお薬の

重複をチェックして患者様を危険から守ることです。

☆「おくすり手帳」はどこで取り扱っていますか?

外来の患者様はかかりつけの保険調剤薬局でご相談下さい。また、当院では入

院中の患者様に対して薬剤師がお薬の説明を行った際に必要に応じてお渡しし

ております。

☆たくさんの「おくすり手帳」をお持ちではないですか?

稀に、「おくすり手帳」を数冊お持ちの患者様がいらっしゃいます。情報がい

ろいろな所に記入されていると相手に正確に伝わらないことがありますので、

そのような場合には、かかりつけ薬局に相談してなるべくまとめてもらうよう

にしましょう。

☆かかりつけ薬局を決めましょう

かかりつけ薬局は、患者様の過去・現在のお薬服用記録、副作用記録また、お

薬を調剤する際の工夫などの情報を管理しています。いろいろな医療機関を受

診されている場合、それぞれの医療機関で処方されているお薬の飲み合わせ、

同じ効果のお薬の重複をかかりつけ薬局が「おくすり手帳」と「かかりつけ薬

局で保管している患者様の情報」とを照らし合わせて確認します。いつもお薬

を出してもらっているかかりつけ薬局とは違う他の保険調剤薬局でお薬をもら

う事に問題はありませんが、その際にも忘れずに「おくすり手帳」を提出しま

しょう。

☆医療機関で医師の診察を受ける時、保険調剤薬局でお薬をもらう時は忘れず

に「おくすり手帳」を提出しましょう。

また、薬局・薬店でお薬を購入する場合もこの手帳を見せることにより、お薬

の飲み合わせ等をチェックしてもらうことができます。

☆質問がある患者様は薬剤部にご相談ください。

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成育すこやかジャーナル No.5(2003/2/20)

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成育すこやかジャーナル第5号をお届けします。

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◆目 次

●アトピー性皮膚炎(第一専門診療部 アレルギー科医長 大矢 幸弘)

●診療科紹介(第一専門診療部 腎臓科医長 飯島 一誠)

●おくすりの種類について(その3)(薬剤部薬剤師 稲垣 博美)

 ●ワンポイントアドバイス (看護部外来看護師長 渡部 みどり)

[病院にくる前にメモしておくと便利なこと]

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●アトピー性皮膚炎(第一専門診療部 アレルギー科医長 大矢 幸弘)

アトピー性皮膚炎はかゆみのある湿疹を主病変とする疾患で、よくなったり

悪くなったりを繰り返す慢性疾患です。アトピー素因(家族歴や既往歴に気

管支喘息、アレルギー性鼻炎・結膜炎、アトピー性皮膚炎のうちいずれか、

あるいは複数の疾患を有するか、IgE抗体を産生し易い素因のことで、いわ

ゆるアレルギー体質)を有する方が多いことからアトピー性皮膚炎と呼ばれ

るようになりました。

湿疹の分布は乳児期には頭や顔からはじまり体幹と四肢に下降することが多

く、幼児期以降は頸や肘、膝に好発します。思春期から成人にかけては上半

身(顔、頸、胸、背)に多くできます。ほぼ左右対側性に分布することが特

徴で、どちらか一方に偏在する場合は他の疾患の可能性もあります。

また、血液検査で特定のアレルゲンのIgE抗体が陽性になっていることが多

いのですが、必ずしもそれが原因物質とは決めつけられません。例えばある

食物の特異的IgE抗体が陽性でもそれを除去するだけでは治りませんし、人

によっては何の改善も認められないことすらあります。もし食物除去で改善

するのであればアトピー性皮膚炎だけでなく食物アレルギーという病気も合

併していると考えるべきでしょう。

そこが、この病気の難しいところで実は原因やメカニズムについて詳しいこ

とはまだ解明されていないのです。しかし、何もわかっていないかというと

そうではなく、多くの複合的な要因によって発症したり増悪したりする多因

子性疾患だということはわかっています。

ただし、食物制限や薬だけで治るような単純な病気ではないので、環境整備、

正しいスキンケア、バランスのとれた安全な食事、規則正しい生活など、日

常生活の見直しを行いつつ薬物療法に取り組む必要があります。

軽症な方は別として中等症以上の方ではステロイド外用薬を使用することが

一般的ですが、こうした総合的な対策を行わずに、ただステロイド外用薬を

適当に塗ったり止めたりしていると、治せる病気もこじれて副作用に悩むこ

とになりかねません。副作用を回避して使用するにはコツがあります。また、

血液検査の結果に関係なく次のような対策はアトピー性皮膚炎を克服するた

めに役立ちます。

環境整備ではダニ対策(布団にダニ不透過の特殊カバーをかける。じゅうた

んをはずす。布製ソファーやぬいぐるみを処分するなど)、カビ対策(窓や

壁の結露に注意、エアコン・洗濯機など)、ペット対策、禁煙などが重要で

す。

また季節によっては花粉の影響を受ける人もいます。スキンケアは1日3回

(朝、午後の帰宅時、夜)石鹸を使用して体を洗い、外用薬をすり込まない

ように丁寧に塗布します。ステロイド外用薬は皮膚がしっかりきれいになる

まで塗布し、徐々に保湿薬へと移行していきます。決して中途半端な状態で

突然止めてはいけません。早寝早起きで充分な睡眠を確保し、甘いものや添

加物の多い食品は避けてなるべく伝統的な和食にしましょう。

この数十年間、先進国で急増したアトピー性皮膚炎は文明病の側面をもって

います。見方によっては今の文明生活が間違っていることを敏感な子どもの

皮膚が教えてくれているとも言えます。従来のライフスタイルや考え方を改

めることなしに、薬だけで治そうしてもなかなかうまくいきません。

文明生活で享受している色々なものは捨てたくないし、ステロイド外用薬や

免疫抑制薬は使いたくないし、という方に満足していただける薬は今のとこ

ろありません。しかし、心の底から真剣に取り組むことで、この病気をほぼ

完全にコントロールしている患者さんは沢山おられます。

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●診療科紹介(第一専門診療部 腎臓科医長 飯島 一誠)

腎臓科は、平成14年3月の国立成育医療センター開設時に作られた診療科

です。

1)学校検尿などで発見された血尿・蛋白尿の診断・管理・治療

2)慢性腎炎や急性腎炎の診断・治療

3)多量の蛋白尿のために血液中の蛋白が減ってしまう病気(ネフローゼ症

候群)の診断・治療

4)膀胱尿管逆流や水腎症などの先天性腎尿路奇形の診断・管理

5)O157によって起こることが知られている溶血性尿毒症症候群などの急

性腎不全の診断・治療

6)慢性腎不全に対する血液透析・腹膜透析

7)腎移植(生体、献腎)

8)様々な病態が原因となって発症する腎障害(例えばチアノーゼ性心疾患

に伴う腎障害)の診断・治療

9)腎疾患を持つ女性の妊娠・周産期の管理

など小児期から思春期、成人期に至るまでのすべての腎疾患の診療をい

たします。

腎疾患の初期には、多くの人は何の自覚症状もなく「血液検査でも腎機能は

悪くないし、どこも痛くないし、体がだるいわけでもないので、ほっておい

ても大丈夫」と考えがちです。しかし、そこが腎疾患の怖いところなのです。

実は、腎臓の4分の3以上が壊れてしまわないと血液検査での腎機能の低下

ははっきりしませんし、そのころになって初めていろいろな自覚症状があら

われてきます。しかも、いったん壊れてしまった腎組織は普通は元には戻り

ません。

また、ここまで腎臓がこわれてしまうと、残った腎組織も今まで以上に働か

なくてはいけない状態になり過労死してしまい、どんな治療をしても結局は

腎不全に進行し、透析や移植が必要になってしまうことが多いのです。

つまり、腎疾患で重要なことは、早期発見・早期診断・早期治療なのです。

もちろん、不幸にして腎不全となった場合でも透析や移植の技術は年々進歩

していますので、けっして悲観することはありませんが、やはり、できるだ

け腎不全への進行を防ぐことが重要です。

蛋白尿や血尿などの尿異常を指摘された方や腎臓に問題があると言われた方

は遠慮なく成育医療センター腎臓科にご相談下さい。

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自己紹介

飯島一誠(いいじま かづもと)

出身地 大阪

出身大学 神戸大学

平成14年4月に神戸大学小児科から転勤しました。大阪生まれ、大阪育ち

で神戸大学を卒業して20年以上が経過しましたが、2年間のアメリカ留学

時代を除いて、関西地区以外で働くのは初めてです。つまりバリバリの関西

人ですので、いまだに関西弁のお母様とお話しするとほっとします。趣味は

映画鑑賞で、神戸大学時代は暇を見つけて年間20本は劇場で映画を観てい

ました。こちらに来てから忙しくて映画もあまり観られないのが悩みです。

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●おくすりの種類について(その3)(薬剤部薬剤師 稲垣 博美)

おくすりの種類について、1回目は内服薬、2回目では外用薬をご紹介して

まいりましたが、今回は注射薬について説明します。

用語の解説

・投与(とうよ)・・・・・薬を使うこと。「のみぐすりを投与する」、

「注射薬を投与する」などと使います。

・部位(ぶい)・・・・・・部分、場所。

・局所(きょくしょ)・・・限られた部分、場所。

Ⅲ 注射薬

薬は人に投与するため、錠剤や注射などいろいろな形に加工されて用いられ

ています。この薬の形(形態)を剤型といいます。中身の薬は同じでも剤型

が異なることにより、効果や副作用のあらわれ方が違ってきます。

なかでも注射薬は直接くすりを体内へ投与するため、

一 必要な場合に速やかに効果を発揮させることができる。

二 胃や腸などの消化管で分解され、効き目があらわれにくくなる薬や吸

収されにくい薬の投与が可能である。

三 意識障害のあるときや飲み薬が使えない場合の投与に適している。

などの特徴があります。

注射薬にはそれぞれの治療目的、薬の種類・性質などによってさまざまな投

与方法があります。

そこで、今回は注射薬の投与方法について説明します。

1)皮内注射

皮膚のすぐ下に薬を注射する方法で、主として診断の目的に使われます。も

んでしまうと皮膚の下のほうまで薬がいってしまったり、注射した部位から

広がったりして正しい診断ができないことがあります。従って、注射部位は

もまないようにして下さい。ツベルクリン反応、アレルゲンテストなどがこ

れに該当します。

2)皮下注射

皮膚と筋肉の間にある皮下組織と呼ばれるところに薬を注射する方法で、薬

は注射部位の毛細血管から吸収され全身にいきわたります。薬の効きは皮内

注射以外の注射方法よりやや遅く、効きが長いのが特徴です。ワクチン、イ

ンスリンなどがこれに該当します。

3)筋肉内注射

筋肉内に薬を注射する方法で、皮下注射よりも吸収が速く、皮下注射では局

所刺激(痛みなど)が強い薬を注射するときに行われます。注射後に軽くも

むことで薬の浸透(滲みこみ)と吸収を助けます。

4)静脈内注射

静脈内(手の甲や腕などで黒っぽく見える血管)に直接薬を注射する方法で、

薬の効果は他の注射方法に比べ最も早く現れます。救急時の緊急処置の目的

などに使われます。

5)点滴静脈注射

たくさんの薬が必要な場合や長時間薬が体内にあるように、静脈内に一定の

速度で持続的に注射する方法です。一般的に点滴と呼ばれるのがこの方法で

す。脱水時・出血時の補液(水分補給液など)、栄養補給などの目的で使わ

れます。

6)中心静脈注射

血管が太く血液の流れも多い、からだの比較的内部にある静脈に薬を注射す

る方法です。手や腕などの血管から注射すると痛みや注射部位に炎症を引き

起こしてしまうような薬を投与するために使用します。高カロリー輸液療法、

IVH、TPNなどと呼ばれ、食べ物での栄養摂取が困難なときに栄養維持・改

善の目的で使われます。

その他にも動脈内注射、硬膜外注射、腹腔内注射等目的にあった投与法があ

ります。

お薬について、ご質問がありましたら薬剤部までご連絡ください。

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●ワンポイントアドバイス (看護部外来看護師長 渡部 みどり)

 [病院にくる前にメモしておくと便利なこと]

診察の時に、医師から尋ねられて、いつだったかすぐに思い出せなかったり、

診察が終わった後に言い忘れや聞き忘れに気づいたりする経験は、どなたで

もよくあることだとおもいます。そこで、次のような項目を病院にくる前に

メモしておく事をお勧めします。

【病状メモ】

1 病院を受診する理由

  (発熱、嘔吐、下痢、腹痛、発疹、咳、鼻水、けがなど)

2 それがいつ起きたのか

  (○月○日の○時ころ、お昼寝の後からなど)

3 症状の程度や部位

  (水を飲んでも吐く、お腹の痛みが強い時と弱い時がある、頭をうった

など)

4 薬を使った場合は、その薬の名前と飲んだ時間

5 他の病院にかかった場合は、もらった薬の種類や病気の名前

【体質メモ】

6 アレルギーの有無

7 体重

  (お子様の場合は、お薬を処方する目安となります)

1~6のような事は、診察の時に医師からよく尋ねられる内容ですので、言

い忘れが無いように順序良くまとめておきましょう。

【質問メモ】

1 お子様の日常生活(食事、入浴、登園登校、運動など)

2 次回の診察が必要かどうか

3 診断書や証明書(登園許可書、治癒証明書など)

など、気になる事やわからない事も、聞き忘れが無いようにメモしておくと

よいでしょう。

【持ち物メモ】

1 保険証や医療券

2 診察券

3 母子手帳

4 お薬手帳

あれば便利なのが3・4の手帳です。発疹などの場合は、予防接種の状況が

すぐにわかりますし、健診や学校などでの身体測定の結果を書き残すように

しておけば、体重で悩む事もありません。調剤薬局によっては、お薬手帳を

準備してくれるところもありますので、お薬に関する心配な事(この薬を飲

んだら下痢をした、発疹が出たなど)は、その手帳に印をつけておくなどし

て活用しましょう。

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成育すこやかジャーナル No.4(2003/1/16)

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新年あけましておめでとうございます。

成育すこやかジャーナル第4号をお届けします。

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◆目 次

●小児白内障(第二専門診療部 眼科医長 東 範行)

●診療科紹介(特殊診療部 特殊診療部長 千葉 敏雄)

●Q&A やけど(第二専門診療部 皮膚科医長 佐々木 りか子)

●おくすりの種類について(その2)(薬剤部薬剤師 冨澤 宣明)

 ●保育士奮闘記(保育士 高橋 みゆき)

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●小児白内障(第二専門診療部 眼科医長 東 範行)

白内障とは?

眼の構造はカメラによく似ています。前から蓋となる角膜、絞りとしての虹

彩、レンズとしての水晶体、そして後ろにフィルムに相当する網膜がありま

す。

白内障という病気は、レンズに相当する水晶体を作る蛋白が白く濁ることで

す。現在の医学では、ひとたび濁った水晶体を透明にすることは不可能で、

手術で取り除くしかありません。

大人と子どもの白内障の違いは?

小児期には視力が急速に発育します。視力は網膜に像が写ることによって刺

激され発育するので、水晶体が濁っているとこの刺激が弱るため、視力の発

達が遅れます。

大人で白内障になるとすでに視力が成長しているので手術をすれば見えるよ

うになりますが、子どもで視力の発育が遅れていれば、手術をしても必ずし

も良い視力が得られません。白内障の程度にもよりますが、混濁が強ければ、

生後まもなくでも視力の発育障害が始まります。

したがって、早期発見、早期治療が原則です。一方で、軽度の濁りではかな

り良い視力が得られるために手術を行わない方がよいこともあり、その判断

には専門医による検査が重要です。

 治療の方法は?

眼の中に細い器械を入れて、混濁した水晶体を切除します。なくなったレン

ズ機能を補うために、大人では替わりに眼内レンズを入れますが、子どもで

は度がすぐに変わってしまうなど、いろいろな問題があります。

眼内レンズを入れられるのは学童以降で、原則的にはメガネやコンタクトレ

ンズで矯正します。視力の発育が遅れていれば、これを促進する視能訓練も

必要になります。

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●診療科紹介(特殊診療部 特殊診療部長 千葉 敏雄)

特殊診療部とは、病院と並んで成育医療センターの柱になっている研究所と

の連携下に、新しい研究成果を臨床的に応用しつつ、高度先駆的医療を他診

療科医師との共同で進めて行くための場です。

組織上、特殊診療部は小児腫瘍科、遺伝診療科、移植免疫科、人工臓器科の

4つの科から成っていますが、現在活動しているのは主に、小児腫瘍科(医

長:恒松由記子)、遺伝診療科(医長:奥山虎之)の二つです。その他、特

殊診療部が深く関る医療として、胎児外科治療(特殊診療部長:千葉敏雄)

が挙げられます。

まず、小児腫瘍科ですが、ここでは“子どものがん”の治療を行っています。

子どもは、“成長する”という点で成人とは随分異なっていますから、その

がんも、種類・性質・薬の効果などあらゆる面で、成人のものとは大きく異

なります。

ただ近年は、子どものがんの7割以上が治癒するようになりました。これは、

小児がんの特徴にあわせた抗がん薬の開発・進歩や、小児専門の他科(外科、

放射線科、病理など)医師や看護師など、スタッフ全員の力を結集する治療

体制ができあがってきた結果といえます。

また、入院・治療期間が時に長期になる患児とその家族が、安心して治療に

専念できる体制が整ってきたこと、更に小児がんにおける分子生物学的研究

の、近年の著しい進歩も大きな力になっております。

次に遺伝診療科ですが、ここでは、遺伝と病気に関するあらゆる疑問・不安・

悩みに関して、専門医と専属の遺伝カウンセリングナースがご相談に応じて

います。

たとえば、“自分や家族が生まれつき病気を持っているが、どんな病気なの

かはっきりしない”、“自分や家族の病気は遺伝するのだろうか?”、“自分や

家族が遺伝病と言われたが、遺伝子検査・出生前診断・遺伝子治療などはで

きるのだろうか?”、などといったことです。

遺伝子検査は、こういったカウンセリングの過程で、必要に応じて行われて

います。遺伝診療科のもう一つの大事な役割は、他の診療科や地域の療育セ

ンターとの連携・調整にもあります。また今後、先進的医療(遺伝子治療、

幹細胞治療、酵素補充療法など)も実施できるように、その情報の収集にも

あたっております。

最後に胎児外科治療です。産科的超音波検査の著しい進歩に伴い、胎児の多

くの形態的異常が、出生前のかなり早い時期に診断されるようになりました。

この場合そのまま妊娠経過を観察し、分娩された後に児の治療を始めるとい

う選択もありますが、胎児の異常によっては、分娩まで待つことで児の病態

が子宮内で進行し、出生後の治療が難しくなる場合があります。

出生前の(外科的)胎児治療とは、こういった場合の新しい選択枝として、

欧米を中心に進められてきたものです。成育医療センターにおいても、胎児

治療チームを中心とした胎児外科治療体制が整い、毎週行われる胎児カンフ

ァレンスでの検討などをもとに、実際の治療が始まりつつあります。

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●Q&A やけど(第二専門診療部 皮膚科医長 佐々木 りか子)

やけどは、「熱傷(ねっしょう)」といって体温より高い熱が皮膚に伝わる

ことによって起きる皮膚の障害を指します。皮膚は、外側から表皮、真皮、

皮下組織に分けられますが、表皮までの障害を1度、真皮までのものを2度、

皮下組織までのものを3度の熱傷と呼んでいます。

ふつう家庭では2度までしかおきません。水ぶくれができたら2度です。そ

して、1度は痕(あと)にならずに治るやけどですが、2度と3度は痕にな

るやけどです。

たとえば高い温度のお湯でも、さっとかかった様な場合は浅いところまでし

かやけどを負いませんが、逆にカイロをしたまま寝てしまったような場合に

は、低めの温度でじわじわと熱が加わるので(低温熱傷という)深くなりま

す。

そのほか、200℃以上であれば障害は深いので、家庭では、炊飯器の蒸気、

熱した油、タバコの火、花火などが治りにくいやけどの原因になります。あ

とは、やけどした皮膚の面積が広い場合には、生命の危険がありますから、

救急で病院にいかなければなりません。

家庭で狭い範囲の皮膚にやけどをしたときに、みなさんがよくやることは、

水道水で少し冷やしてから、薬をすぐにぬってしますことです。あまり知ら

れていないようですが、やけどをうまく治すコツで一番大事なことは、「2

~3時間冷やすこと」です。

まず皮膚に付着しているものがあれば、すぐに水道水で洗い流し、衣類が皮

膚から取れないときは、そのまま保冷パックなどを交換しながら冷やし続け

ます。ただし子どもさんは体温が下がりやすいので、からだ全体は保温しま

す。

病院に駆けつけるときにも、冷やしながら行き、待ち時間にも冷やして待ち

ます。長く冷やす理由は、やけどの深さが1度減るので、2度でも1度にで

きるからです。ぬりぐすりでは、減らすことはできません。

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おくすりの種類について(その2)(薬剤部薬剤師 冨澤 宣明)

前回は内服薬についてでしたが、今回は外用薬について説明します。

Ⅱ 外用薬 

口から飲むのではなく、主に皮膚や粘膜など、からだの表面に使うお薬

です。外用薬は、さらに塗り薬、点眼薬、点鼻薬、点耳薬、吸入薬、は

り薬(貼付剤)、うがい薬(含嗽剤)、坐薬などに分けられます。

まず、お薬の説明の前に簡単に用語の解説をいたします。

・抗生物質・・・バイ菌を殺すお薬で、感染症などに使われます。

・抗アレルギー薬・・・かゆみなどのアレルギー反応をおさえるお薬です。

・抗炎症薬・・・炎症をおさえるはたらきのあるお薬です。ステロイド(

副腎皮質ホルモン)をふくむものとふくまないものがあります。

・気管支拡張薬・・・気管支をひろげて呼吸を楽にするお薬です。

1)塗り薬

おもに皮膚に用いるお薬で軟膏やクリーム、ローションなどがあります。

保湿を目的としたものや、抗生物質、抗アレルギー薬、抗炎症薬などを含

んだものがあります。また口の中に用いる口腔用軟膏や、目に用いる眼軟

膏などもあります。

2)点眼薬

目ぐすりにはおもに抗炎症薬、抗アレルギー薬、抗生物質などが含まれた

ものがあります。液体状のものや、最初に使用するときに付属の液体に溶

かす粉末状のものがあります。

  

3)点鼻薬

鼻にさすお薬で、おもに抗炎症薬、抗アレルギー薬、抗生物質などが含ま

れたものがあります。1滴づつ鼻にさすものや、ガスによって噴霧するエ

アゾールと呼ばれるタイプのものがあります。

4)点耳薬

耳にさすお薬で、おもに抗炎症薬、抗生物質が含まれたものや、耳あかを

やわらかくする目的で用いたりするものがあります。

5)吸入薬

口から吸入するお薬で、おもに気管支拡張薬、抗炎症薬、抗アレルギー薬

などが含まれたものがあります。液体状のものや微粉末を吸入するものや

エアゾールタイプのものなどがあります。

6)はり薬(貼布剤)

貼布剤はⅠ局所用(貼った部分に対して効果のあるもの:湿布薬など)と

Ⅱ全身用(全身に対して効果のあるもの)に分類することができます。

Ⅰ局所用:抗炎症薬や痛み止めをふくんだお薬などがあります。

Ⅱ全身用:気管支拡張薬や、血管をひろげるお薬(狭心症のお薬)や、

ホルモン薬などがあります。

7)うがい薬(含嗽剤)

のどや口の中を洗浄したり、消毒などの目的で用いたりします。顆粒をそ

の都度溶かして使うものや、液体でうすめて使用するものがあります。

8)坐薬

使用する部位により肛門用や膣用などに分類されます。またⅠ局所用とⅡ

全身用に分類することができます。

Ⅰ局所用:痔や、便秘など効果が患部に限定されるお薬があります。

Ⅱ全身用:熱を下げたり痛みをとり除くお薬、抗生物質、気管支拡張薬など、

内服薬と同じ効果があるお薬があります。

そのほか、消毒薬や口の中で溶かすトローチなども外用薬に分類されます。

以上で外用薬の説明を終わります。

お薬について、ご質問がありましたら薬剤部までご連絡ください。

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●保育士奮闘記(保育士 高橋 みゆき)

成育医療センターが2002年3月に開設され、私たち保育士もオープンと

同時に7~9階の小児病棟で保育活動を始めました。みなさん「保育士さん」

「黄色い先生」なんて声をかけてくれますが、黄色いユニホームの私たち6

人をご存知ですか。

今回は私たち保育士が日々行っている保育活動の一コマを紹介したいと思い

ます。

 「ねえ、ねえ、保育士さん。今日は何するの?」

 「みんな、窓の外の木を見てごらん。」

 「わあ!いろんな色のはっぱがある」

 「黄色とか、赤とかいっぱい」

 「すごい、おしゃれしてるみたい」

この日は折り紙を使って紅葉、次の日はみんなでみのむし作りをしました。

http://www.ncchd.go.jp/kango/minomusi1.jpg

 「もうすぐクリスマスだ、ぼくねサンタさんにゲームもらうんだ」

 「わたしはシール」

 「サンタさんにお手紙書かないとね。今日はみんなでクリスマスの飾りを

  作りましょう」

 「うん、つくるつくる」

http://www.ncchd.go.jp/kango/santa1.jpg

http://www.ncchd.go.jp/kango/santa2.jpg

12月は、どの病棟もクリスマスの飾りでいっぱい。リースを作ったり、ブ

ーツを作ったり、ツリーを作ったりと、とてもにぎやかでした。

私たち保育士は『一人ひとりの子どもの病気の経過と成長発達に合った保育

の提供』を目指して日々保育を行っています。これからも子どもたちの笑顔

がいっぱいあふれる、そんな時間を大切にしていきたいと思います。

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成育すこやかジャーナル第4号いかがでしたでしょうか?

今回は病棟の保育士さんにも執筆していただきました。病棟の子どもたちの

毎日の生活ぶりがおわかりいただけましたか。保育士奮闘記はシリーズ化し

て皆様にお届けし、病棟の雰囲気をお知らせしていこうと思っております。

平成14年12月5日「クリスマスツリー装飾」

小児病棟のお友だちみんなでクリスマスツリーの飾り付けをしました。

 

平成14年12月16日「サンタクロース訪問」

サンタさんからプレゼントをもらって、みんな嬉しそうでした。

 

平成14年12月24日「クリスマス会」

クリスマスコンサートではバイオリンとチェロの演奏に合わせクリスマスソ

ングを歌い、保育士による人形劇も楽しみました。最後に演奏者の方にアー

トフラワーをプレゼントしました。

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成育すこやかジャーナル No.3(2002/12/13)

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成育すこやかジャーナル第3号をご覧いただきありがとうございます。

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◆目 次

●診療科紹介(こころの診療部 こころの診療部長 奥山 眞紀子)

●ワンポイントアドバイス 易感染傾向

(第一専門診療部 膠原病・感染症科医長 立澤 宰) 

●おくすりの種類について(その1)(薬剤部薬剤師 石井 真理子)

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●診療科紹介(こころの診療部 こころの診療部長 奥山 眞紀子)

成育医療センター「こころの診療部」は子どもとそのご家族のこころのケア

と治療を目的に作られた診療部です。からだの病気を抱えられたお子さんと

そのご家族へのこころのケア、親子関係の問題への対応、発達に問題を持っ

ておられるお子さんとそのご家族への支援、思春期に特徴的な問題への対応

などを中心に、子どもとご家族のさまざまな問題に対応しています。

これらの問題は、これまでの小児科と精神科のはざまで、なかなか手が届か

なかった問題です。こころの診療部では、小児科医と精神科医がその力を結

集して取り組んでいます。ただ、医師が5人と心理士4人のチームで全力を

投入しておりますが、現在すでに、外来の初診は2ヶ月ほどお待ちいただく

状態です。お一人お一人のお話を聞いたり、お子様との遊びの中で精神状態

を把握することに時間がかかるのも一因ですが、これまで余り重要視されて

こなかった問題の大きさと多さに日々改めて驚かされています。

子どもはこころとからだを分けて考えることがむづかしい時期ですので、か

らだの問題に対応している総合診療部を始めとする多くの科の先生方や看護

師と力を合わせてケアや治療を進めています。また、院内のソーシャルワー

カーと協力して、生活の場である地域の専門家とも十分な連携をとるように

努めています。

こころの時代と言われているこのごろです。多くの皆様方とのつながりを大

切に、子どもとご家族の心の健康に医療の面からできる限りの力を尽くして

いきたいと考えております。よろしくお願いいたします。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

★自己紹介

奥山 眞紀子(おくやま まきこ)

東京生まれの東京育ち、つまり江戸っ子です。

大学医学部を卒業以来、子どものこころの問題に取り組んで来ました。この

十数年は、こころに傷を負うような出来事にあった子ども達の治療を中心に

行っています。

スポーツはスケートやスキーといったウィンタースポーツを好みとしていた

のですが、最近は温泉の方が恋しくなってきました。

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●ワンポイントアドバイス 易感染傾向について   

(第一専門診療部 膠原病・感染症科医長 立澤 宰)

私たちの環境には数多くの微生物が存在するため様々な感染症に罹患します。

たとえば、一生のうちには約200回もかぜをひくといわれています。

かぜの原因となる微生物の種類があまりに多いため、かぜの経過は人によっ

て異なるものと考えられがちですが、麻疹など診断の容易な感染症にみられ

るように、個々のウイルス疾患は、ほぼ一定の経過をとります。

また、感染症に罹患しても、多くの場合は自然にあるいは治療によって比較

的に短時日で治癒します。これらは、ご存知のようにほとんどの人が微生物

から、からだを守る免疫機構を持っているからです。

しかし、免疫の働きにも個人差がみられ、また、中にはその機構の一部に問

題のある患者様がいます。そのときの感染症は一般経過とは異なり易感染傾

向、あるいは易感染性といわれる様相を示します。

易感染傾向の特徴は頻回にかかる(反復感染)、治りにくい(難治性)、経

過が長くなる(遷延化)、重くなる(重症化)、弱毒微生物に感染する(日

和見感染)です。

これらがみられた場合には細胞性免疫、液性免疫、食細胞機能、補体系など

について検査し、異常があれば適切な対応をとることが必要です。

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●おくすりの種類について(その1)(薬剤部薬剤師 石井 真理子)

街はクリスマスのイルミネーションが飾られるようになり、子どもだけでな

く大人も心躍る今日この頃ですが、かぜがはやる時期でもあります。薬のお

世話になる機会も増えてくるでしょう。そこで今回は薬の種類について説明

します。

まず薬には、からだへの使い方の違いにより大きく分けて、Ⅰ内服薬(飲み

ぐすり)、Ⅱ外用薬(口から飲むのではなく、皮膚や粘膜などからだの表面

に使う薬)、Ⅲ注射薬があります。その中から粉ぐすりや水ぐすりなど、い

ろいろな種類がある内服薬を取り上げてみます。

Ⅰ内服薬

 口から飲む薬を内服薬または経口薬といいます。内服薬は形状の違いによ

って散剤(粉ぐすり)、顆粒剤、ドライシロップ、錠剤、カプセル剤、水剤

などに分けられます。

1)散剤(粉ぐすり)

 細かい粉状の薬です。薬の名前に、○○散、××末、△△細粒と付いてい

ます。

2)顆粒剤

 粒が大きめの粉ぐすりです。基本的にはかんだり、つぶしたりしないでお

飲みください。

3)ドライシロップ

 水に溶かして飲むことができる粒状の薬です。(シロップという名称が付

いていますが、水ぐすりではありません。)ピンク色やオレンジ色、イチゴ

味やオレンジ味など、子どもにも飲み易いように工夫がされています。

 また、この薬を水などに溶かして飲む場合には、飲む直前に溶かすように

してください。あらかじめ溶かしておくと変質したり、味が変わることがあ

ります。

これら1)散剤、2)顆粒剤、3)ドライシロップは、年齢に応じて薬の量

を細かく調節できる利点があります。水などに溶かして薬を飲む時は、水は

少量にしてください。溶かす水が多すぎると、飲み残してしまう可能性があ

ります。

4)錠剤

 薬を圧縮して飲み易いように一定の大きさの形状にしたものです。錠剤は

かみ砕かずにのみ込むのが一般的ですが、中には口の中で溶かしたり、かみ

砕いてのむチュアブル錠や、のみ込まず粘膜から吸収させる舌下錠などもあ

ります。

5)カプセル剤

 胃で溶けるものや腸で溶けるものなど、いろいろな材質の容器(カプセル)

の中に薬が詰められています。

これら4)錠剤、5)カプセル剤は、胃や腸で溶ける時間を計算して、効率

よく作用するように作られています。また、つぶすことによって苦味が増す

こともあります。そのため医師の指示がない限り、割ったりつぶしたりしな

いでください。

6)水剤

 薬を液状にしたものです。水剤を飲む時は、容器を軽く振ってからお飲み
ください。水剤は一度開封すると空気中の雑菌が混入してカビが生えやすく

なるため、長期間の保存には向きません。凍結を避け、冷蔵庫などで保管し、

容器のキャップは清潔にしてください。

これで内服薬の説明を終わります。次に内服薬のちょっとした疑問にお答え

します。

Q:同じ薬で同じ量を処方してもらっているのに、薬局(院内と院外など)

  によって出来上がりのみた目の量が違うのはなぜ?
A:1回に飲む散剤が微量で、均等にお薬を分包(1回分ごとに分けて包装)

することが困難な場合、患者様に正確な量を飲んでもらうために、お薬
の効果に影響を与えない粉(たとえば乳糖)を加えているからです。そ
の加えるもの(乳糖など)を賦形剤と呼び、加える量は薬局によって違
うからです。水剤も同様です。患者様が水剤を計りとりやすいように、
賦形剤(たとえば水)を加えることがあるので、1回に飲む量が違って
きます。

Q:何種類かの水剤が処方された時、ひとつに混合してくれない時があるの

はなぜ?

A:長い間保存しているうちに、薬同士が作用して、薬の効き目に影響
が出る可能性があるものは、別々の容器に入れてお渡しします。それぞ
れの薬を一緒に飲むことは問題ありません。

薬について、ご質問がありましたら薬剤部までご連絡ください。

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成育すこやかジャーナル No.2(2002/11/15)

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成育すこやかジャーナル第2号をご覧いただきありがとうございます。

急に寒くなりました。かぜなどに気をつけましょう。

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◆目 次

●食欲の秋に心がけたいこと(栄養係長 永原 里恵)

●診療科紹介 (周産期診療部 産科医長 北川 道弘)

●Q&A 急な発熱(総合診療部 救急診療科医師 上村 克徳) 

●インフルエンザの予防接種(薬剤部主任 蟻川 勝)

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●食欲の秋に心がけたいこと(栄養係長 永原 里恵)

「食欲の秋」というと、一番に何が浮かびますか?

秋の味覚には様々なものがありますが、新米、きのこ類、栗、さつま芋、柿、

秋刀魚に秋鯖などが出回り、食欲を引き出してくれます。

夏の間、不規則になりがちだった食生活も、この季節に生活習慣を正して、

規則正しく食事を摂るようにしていきましょう。

 

その1 新米のすすめ

お米は栄養面からみて優れた健康食品です。消化吸収率が高く、すぐにエネ

ルギー源となり、力を持続してくれます。1日に必要なカロリーの約1/2、

また、たんぱく質の約1/5は主食となるお米などから摂られています。

 その2 きのこの食物繊維
最近では、ほとんどの種類のものが一年中手に入るようになりましたが、こ
の季節は、味、香りともに際立ちます。きのこ類は食物繊維が多く、ビタミ
ンB群や血圧を下げる効果のあるカリウムを多く含み、カロリーはほとんど
ありません。食物繊維については、継続して食事に取り入れることで、血液
中のコレステロールの値を下げる効果があります。さらに、きのこのうま味
成分(グアニル酸)はこんぶやしょうゆのうま味と相性がよく、合わせて使
用することで何倍にもおいしさを引き出してくれます。

 

 その3 青身魚効果
秋から冬にかけて脂がのっておいしくなる旬の魚は、血液をサラサラにする
効果が抜群です。これは、青身魚に多く含まれる脂肪酸(ドコサヘキサエン
酸とイコサペンタエン酸)が有効な成分です。効果的に摂取するには、加熱
した場合、溶け出した成分もそのまま食べる工夫が必要です。煮魚は煮汁も
十分に摂り、焼く場合は、魚を焼いた後のフライパンを使用してそのまま野
菜をソテーしたり、また、ホイル焼等魚から出た脂分を野菜に吸収させるこ

とができる方法がよいでしょう。この脂肪酸は非常に酸化しやすいため、新

鮮なうちに食べ、副菜にビタミンC等、抗酸化作用が強い食品(野菜等)を

組み合わせて、体内での脂質の酸化を防ぎましょう。

食生活のポイント5か条

(1)主食(ご飯、パン、めん等)をきちんと食べる

(2)動物性たんぱく質の食品は魚介類を中心に

(3)副食は季節の野菜を中心に

(4)砂糖、油脂類の摂りすぎに注意を

(5)食事はゆっくりと、よくかんで

秋も深まり、乾燥した冷たい空気を感じます。毎日規則正しい食生活に心が

け、体調を整えましょう。

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●診療科紹介(周産期診療部 産科医長 北川 道弘)

成育医療センターは子どもの病院と思っていらっしゃる方も多いとおもいま

す。事実問い合わせで、初めて大人も診療していることが解ったとおっしゃ

る方もいらっしゃいます。センターでは産科、婦人科、母性内科、なども充

実しています。

私の所属する産科は周産期診療部に属し、正常妊娠の管理、分娩はもとより

ハイリスク妊娠も数多く診療しており、他の医療施設からの母体搬送も可能

な限りお受け致しております。

産科のスタッフ、設備とも充実し、最先端の医療を心がけております。現時

点では2003年4月の分娩予定まで予約を締め切っております。しかし、

当センターでの管理の必要な妊婦さんあるいはセンター宛の紹介状をお持ち

の方はその限りではございません。

産科病棟は80床で妊婦さんのアメニティに配慮したLDR(陣痛・分娩・

回復室)(http://www.ncchd.go.jp/setubi/DSC00002.jpg)が6部屋あり、

陣痛発来とともに入室していただき、分娩後1~2日で一般病棟に戻ります。

産科診療の大きな特徴といたしまして、お腹の赤ちゃんにカルテを作成し、

赤ちゃんのデータは胎児カルテに記載、保存いたします。このことにより、

その子が将来大きくなった時でもお母さんのお腹の中まで履歴を遡ることが

可能となります。将来必ずその有用性が認識されるものと考えております。

もう一つの特徴として分娩時には必ず新生児科医が立会います。妊娠・分娩

経過が順調であってもいつ急変するかわかりません。そのための対応として

新生児科医の立会いとともに手術室直通のエレベーターも完備されておりま

す。

我々は母体のアメニティと母児の安全性を両立させるよう様々な努力をして

おります。ぜひ一度病院を見学にいらしてみてはいかがでしょうか。

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★自己紹介

北川 道弘(きたがわ みちひろ)

 出身大学 東京慈恵会医科大学

国立大蔵病院の時から勤務しております。

専門は周産期医学で胎児診断の研究を行っております。

趣味はスキーで5歳のときからやっております。草スキーの大会で何度か優

勝、入賞したことが自慢です。足腰の弱った今でもシーズンが近くなります

とそわそわしてまいります。

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●Q&A 急な発熱(総合診療部 救急診療科医師 上村 克徳)  

救急センターを受診するお子さんの30~40%は「急な発熱」が理由です。

発熱は体温計で数字としてその高い・低いがはっきり表わされるため、お母

さん方が最も心配する症状といえるでしょう。そこで、お子さんが急に発熱

してもあわてないように、私たちの考えを述べてみます。

※発熱とは?

わきの下で37.5℃以上、鼓膜(耳)で38.0℃以上を発熱と考えてい

ます。発熱はさまざまな原因で生じる一つの症状であって、病気ではありま

せん。

※熱の高い低いで病気の重さを判断してはいけません

高熱だからといって重大な病気であるというわけではなく、また、あまり高

くない熱だからといって軽い病気とは限りません。「発熱の原因が何なのか、

何の病気なのか」が大事です。よく「熱が高いと脳に障害が残る」などとい

われますが、単に熱が高いだけでは脳に障害は起こりませんのでご安心くだ

さい。

※発熱したときどのように対処すればよいか

厚着は禁物です。また、水分を十分にあげてください。お子さんが生後3ヶ

月以下であれば家で様子を見ずに、すぐにかかりつけ医に受診して下さい。

アセトアミノフェン(解熱剤)は生後6ヶ月を過ぎれば使ってもよいでしょ

う。ただし、解熱剤は熱を一時的に下げるだけで、病気の治療薬ではありま

せん。ですから、仮に39.0℃の熱があってもお子さんが元気にしていれ

ば無理に熱を下げる必要はありません。

※発熱症状の見方 ~熱の高さより機嫌の良し悪しが大事~

熱があるときは機嫌の良し悪し、食欲のあるなし等を観察すること、つまり、

熱以外の一般状態が良いか悪いかで判断することが大事です。例えば、機嫌

が悪くあやしても泣き続けている、顔色が悪い・皮膚の色が悪い、意識がも

うろうとしている、痙攣した、おしっこの色や匂いが変だ、などの場合は急

いで受診してください。逆に、熱は高くても笑ったり、食欲もあり、遊んだ

りできる場合は重大な病気が隠れている可能性は低いと考えられます。

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●インフルエンザの予防接種(薬剤部主任 蟻川 勝)

朝夕の冷え込みが日に日に増してきており、冬の到来が近いことを感じさせ

られる今日この頃です。冬の到来と共にあまり歓迎できない流行にインフル

エンザがあります。インフルエンザにかからないためには予防が大切です。

Ⅰ ワクチンによる予防

流行前にワクチンを接種する方法があります。特に、気管支喘息を持つ子ど

もや、高齢者や心臓や肺の慢性的な病気を持つ人は、もともとの病気の重症

化を防ぐためにも、主治医の先生と相談して早めに予防接種してはいかがで

しょうか。

(1)いつ接種するのか

インフルエンザワクチンは、接種してから効果を発揮するまで約2週間程度

(早い人で1週間、遅い人で4週間ともいわれています)かかり、効果は約

5ヶ月持続するといわれています。多少地域差はありますが、インフルエン

ザの流行は12月下旬から3月上旬が中心になりますので、12月中旬まで

に接種をすまされることをお勧めします。接種回数は1歳~13歳未満の人

は2回、それ以上の人は1回となっています。2回接種される場合は、2回

目は1回目から1~4週間あけて接種しますので、1回目は早めに接種しま

しょう。

(2)予防接種を受けることが好ましくない人

ワクチンの接種に不適当と考えられているのは以下のような人です。

1 明らかな発熱(一般的には37.5℃以上)のある人

2 重篤な急性疾患にかかっていることが明らかな人

3 インフルエンザ予防接種に含まれる成分によってアナフラキシーショッ

クを起こしたことがあることが明らかな人(アナフラキシーショック:通常、

接種後約30分以内に起こるひどいアレルギー反応のことで、発汗、ひどい

じんましん、吐き気・嘔吐、息苦しさや血圧低下などがおこることです)。

卵アレルギーの人はアレルギー症状がおこりやすいので注意が必要です。

4 その他、医師が不適当な状態と判断した場合

(3)副作用は

一般的には軽微で、接種部位の発赤、腫脹、疼痛などがあり2~3日で消失

します。また、発熱、頭痛、悪寒、倦怠感などが起こることもあります。極

めてまれですが(日本の統計では約2500万人に1人)、死亡例の報告も

あります。ちなみに、インフルエンザ流行に関連する死亡は、おもに高齢者

ですが、10万人あたり10人を超えるとも言われています。

Ⅱ 日常生活での予防

日常生活では、栄養と休養を十分に取り、体力をつけ、抵抗力を高めておく

ことが大切です。不規則な生活は体調を崩しやすいので注意しましょう。

インフルエンザウイルスはインフルエンザにかかった患者様の咳やくしゃみ

によって空気中に拡散されたものを吸い込むことによって感染します。した

がって感染しやすい人ごみを避ける、マスクを着用する、外出後は手洗いと

うがいを行いましょう。

空気が乾燥しているとウイルスが空気中に漂いやすくなるので、室内は適度

な湿度を保つようにしましょう。

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成育すこやかジャーナル No.2(2002/11/15)

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成育すこやかジャーナル第2号をご覧いただきありがとうございます。

急に寒くなりました。かぜなどに気をつけましょう。

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◆目 次

●食欲の秋に心がけたいこと(栄養係長 永原 里恵)

●診療科紹介 (周産期診療部 産科医長 北川 道弘)

●Q&A 急な発熱(総合診療部 救急診療科医師 上村 克徳) 

●インフルエンザの予防接種(薬剤部主任 蟻川 勝)

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●食欲の秋に心がけたいこと(栄養係長 永原 里恵)

「食欲の秋」というと、一番に何が浮かびますか?

秋の味覚には様々なものがありますが、新米、きのこ類、栗、さつま芋、柿、

秋刀魚に秋鯖などが出回り、食欲を引き出してくれます。

夏の間、不規則になりがちだった食生活も、この季節に生活習慣を正して、

規則正しく食事を摂るようにしていきましょう。

 

その1 新米のすすめ

お米は栄養面からみて優れた健康食品です。消化吸収率が高く、すぐにエネ

ルギー源となり、力を持続してくれます。1日に必要なカロリーの約1/2、

また、たんぱく質の約1/5は主食となるお米などから摂られています。

 その2 きのこの食物繊維
最近では、ほとんどの種類のものが一年中手に入るようになりましたが、こ
の季節は、味、香りともに際立ちます。きのこ類は食物繊維が多く、ビタミ
ンB群や血圧を下げる効果のあるカリウムを多く含み、カロリーはほとんど
ありません。食物繊維については、継続して食事に取り入れることで、血液
中のコレステロールの値を下げる効果があります。さらに、きのこのうま味
成分(グアニル酸)はこんぶやしょうゆのうま味と相性がよく、合わせて使
用することで何倍にもおいしさを引き出してくれます。

 

 その3 青身魚効果
秋から冬にかけて脂がのっておいしくなる旬の魚は、血液をサラサラにする
効果が抜群です。これは、青身魚に多く含まれる脂肪酸(ドコサヘキサエン
酸とイコサペンタエン酸)が有効な成分です。効果的に摂取するには、加熱
した場合、溶け出した成分もそのまま食べる工夫が必要です。煮魚は煮汁も
十分に摂り、焼く場合は、魚を焼いた後のフライパンを使用してそのまま野
菜をソテーしたり、また、ホイル焼等魚から出た脂分を野菜に吸収させるこ

とができる方法がよいでしょう。この脂肪酸は非常に酸化しやすいため、新

鮮なうちに食べ、副菜にビタミンC等、抗酸化作用が強い食品(野菜等)を

組み合わせて、体内での脂質の酸化を防ぎましょう。

食生活のポイント5か条

(1)主食(ご飯、パン、めん等)をきちんと食べる

(2)動物性たんぱく質の食品は魚介類を中心に

(3)副食は季節の野菜を中心に

(4)砂糖、油脂類の摂りすぎに注意を

(5)食事はゆっくりと、よくかんで

秋も深まり、乾燥した冷たい空気を感じます。毎日規則正しい食生活に心が

け、体調を整えましょう。

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●診療科紹介(周産期診療部 産科医長 北川 道弘)

成育医療センターは子どもの病院と思っていらっしゃる方も多いとおもいま

す。事実問い合わせで、初めて大人も診療していることが解ったとおっしゃ

る方もいらっしゃいます。センターでは産科、婦人科、母性内科、なども充

実しています。

私の所属する産科は周産期診療部に属し、正常妊娠の管理、分娩はもとより

ハイリスク妊娠も数多く診療しており、他の医療施設からの母体搬送も可能

な限りお受け致しております。

産科のスタッフ、設備とも充実し、最先端の医療を心がけております。現時

点では2003年4月の分娩予定まで予約を締め切っております。しかし、

当センターでの管理の必要な妊婦さんあるいはセンター宛の紹介状をお持ち

の方はその限りではございません。

産科病棟は80床で妊婦さんのアメニティに配慮したLDR(陣痛・分娩・

回復室)(http://www.ncchd.go.jp/setubi/DSC00002.jpg)が6部屋あり、

陣痛発来とともに入室していただき、分娩後1~2日で一般病棟に戻ります。

産科診療の大きな特徴といたしまして、お腹の赤ちゃんにカルテを作成し、

赤ちゃんのデータは胎児カルテに記載、保存いたします。このことにより、

その子が将来大きくなった時でもお母さんのお腹の中まで履歴を遡ることが

可能となります。将来必ずその有用性が認識されるものと考えております。

もう一つの特徴として分娩時には必ず新生児科医が立会います。妊娠・分娩

経過が順調であってもいつ急変するかわかりません。そのための対応として

新生児科医の立会いとともに手術室直通のエレベーターも完備されておりま

す。

我々は母体のアメニティと母児の安全性を両立させるよう様々な努力をして

おります。ぜひ一度病院を見学にいらしてみてはいかがでしょうか。

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★自己紹介

北川 道弘(きたがわ みちひろ)

 出身大学 東京慈恵会医科大学

国立大蔵病院の時から勤務しております。

専門は周産期医学で胎児診断の研究を行っております。

趣味はスキーで5歳のときからやっております。草スキーの大会で何度か優

勝、入賞したことが自慢です。足腰の弱った今でもシーズンが近くなります

とそわそわしてまいります。

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●Q&A 急な発熱(総合診療部 救急診療科医師 上村 克徳)  

救急センターを受診するお子さんの30~40%は「急な発熱」が理由です。

発熱は体温計で数字としてその高い・低いがはっきり表わされるため、お母

さん方が最も心配する症状といえるでしょう。そこで、お子さんが急に発熱

してもあわてないように、私たちの考えを述べてみます。

※発熱とは?

わきの下で37.5℃以上、鼓膜(耳)で38.0℃以上を発熱と考えてい

ます。発熱はさまざまな原因で生じる一つの症状であって、病気ではありま

せん。

※熱の高い低いで病気の重さを判断してはいけません

高熱だからといって重大な病気であるというわけではなく、また、あまり高

くない熱だからといって軽い病気とは限りません。「発熱の原因が何なのか、

何の病気なのか」が大事です。よく「熱が高いと脳に障害が残る」などとい

われますが、単に熱が高いだけでは脳に障害は起こりませんのでご安心くだ

さい。

※発熱したときどのように対処すればよいか

厚着は禁物です。また、水分を十分にあげてください。お子さんが生後3ヶ

月以下であれば家で様子を見ずに、すぐにかかりつけ医に受診して下さい。

アセトアミノフェン(解熱剤)は生後6ヶ月を過ぎれば使ってもよいでしょ

う。ただし、解熱剤は熱を一時的に下げるだけで、病気の治療薬ではありま

せん。ですから、仮に39.0℃の熱があってもお子さんが元気にしていれ

ば無理に熱を下げる必要はありません。

※発熱症状の見方 ~熱の高さより機嫌の良し悪しが大事~

熱があるときは機嫌の良し悪し、食欲のあるなし等を観察すること、つまり、

熱以外の一般状態が良いか悪いかで判断することが大事です。例えば、機嫌

が悪くあやしても泣き続けている、顔色が悪い・皮膚の色が悪い、意識がも

うろうとしている、痙攣した、おしっこの色や匂いが変だ、などの場合は急

いで受診してください。逆に、熱は高くても笑ったり、食欲もあり、遊んだ

りできる場合は重大な病気が隠れている可能性は低いと考えられます。

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●インフルエンザの予防接種(薬剤部主任 蟻川 勝)

朝夕の冷え込みが日に日に増してきており、冬の到来が近いことを感じさせ

られる今日この頃です。冬の到来と共にあまり歓迎できない流行にインフル

エンザがあります。インフルエンザにかからないためには予防が大切です。

Ⅰ ワクチンによる予防

流行前にワクチンを接種する方法があります。特に、気管支喘息を持つ子ど

もや、高齢者や心臓や肺の慢性的な病気を持つ人は、もともとの病気の重症

化を防ぐためにも、主治医の先生と相談して早めに予防接種してはいかがで

しょうか。

(1)いつ接種するのか

インフルエンザワクチンは、接種してから効果を発揮するまで約2週間程度

(早い人で1週間、遅い人で4週間ともいわれています)かかり、効果は約

5ヶ月持続するといわれています。多少地域差はありますが、インフルエン

ザの流行は12月下旬から3月上旬が中心になりますので、12月中旬まで

に接種をすまされることをお勧めします。接種回数は1歳~13歳未満の人

は2回、それ以上の人は1回となっています。2回接種される場合は、2回

目は1回目から1~4週間あけて接種しますので、1回目は早めに接種しま

しょう。

(2)予防接種を受けることが好ましくない人

ワクチンの接種に不適当と考えられているのは以下のような人です。

1 明らかな発熱(一般的には37.5℃以上)のある人

2 重篤な急性疾患にかかっていることが明らかな人

3 インフルエンザ予防接種に含まれる成分によってアナフラキシーショッ

クを起こしたことがあることが明らかな人(アナフラキシーショック:通常、

接種後約30分以内に起こるひどいアレルギー反応のことで、発汗、ひどい

じんましん、吐き気・嘔吐、息苦しさや血圧低下などがおこることです)。

卵アレルギーの人はアレルギー症状がおこりやすいので注意が必要です。

4 その他、医師が不適当な状態と判断した場合

(3)副作用は

一般的には軽微で、接種部位の発赤、腫脹、疼痛などがあり2~3日で消失

します。また、発熱、頭痛、悪寒、倦怠感などが起こることもあります。極

めてまれですが(日本の統計では約2500万人に1人)、死亡例の報告も

あります。ちなみに、インフルエンザ流行に関連する死亡は、おもに高齢者

ですが、10万人あたり10人を超えるとも言われています。

Ⅱ 日常生活での予防

日常生活では、栄養と休養を十分に取り、体力をつけ、抵抗力を高めておく

ことが大切です。不規則な生活は体調を崩しやすいので注意しましょう。

インフルエンザウイルスはインフルエンザにかかった患者様の咳やくしゃみ

によって空気中に拡散されたものを吸い込むことによって感染します。した

がって感染しやすい人ごみを避ける、マスクを着用する、外出後は手洗いと

うがいを行いましょう。

空気が乾燥しているとウイルスが空気中に漂いやすくなるので、室内は適度

な湿度を保つようにしましょう。

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