国立研究開発法人 国立成育医療研究センター National Center for Child Health and Development

代表: 03-3416-0181 / 予約センター(病院): 03-5494-7300
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患者・ご家族の方へ Patient & Family

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アレルギーセンターについて


センター長あいさつ

アレルギーセンター長 大矢 幸弘

アレルギー疾患は、現代文明の発展に伴い、20世紀後半から急増しました。20世紀は日本などの先進国を中心に増加しましたが、21世紀はアフリカの都市部でも急増するなど、ライフスタイルや生活環境の変化と密接な関係があることがわかってきました。

私達が国立成育医療研究センターで生まれた子ども達を対象に行っている成育コホート研究では小学生の過半数が何らかのアレルゲン(環境抗原)に対するIgE抗体が陽性を示しており、現代っ子にとってはアレルギー体質であることが普通の世の中になってしまいました。

アレルギー体質の人が全員アレルギー疾患になるわけではなく、喘息やアトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患は軽症な方の割合が多いため、日常生活に著しい支障をきたすような重症な患者さんの数は限られています。しかし、軽症な方の数が多いことは別の問題を引き起こすことになりました。軽症患者や他の病気の診療に忙殺されている医療機関では重症患者に対する特別な診療を施すゆとりがなく、結果として医療不信を招くという事態が生じました。

こうした背景のなかで、平成26年にはアレルギー疾患対策基本法が施行されました。この法律の第十七条2には次のような記載があります。「国は、アレルギー疾患を有する者に対し適切なアレルギー疾患医療が提供されるよう、国立研究開発法人国立成育医療研究センター、独立行政法人国立病院機構の設置する医療機関であって厚生労働大臣が定めるもの、前項の医療機関その他の医療機関等の間における連携協力体制の整備を図るために必要な施策を講ずるものとする。」平成29年にはこの法律に基づく指針が発表され、国立成育医療研究センターと国立病院機構相模原病院が中心拠点病院として指定され全国の専門的な医療機関と連携してアレルギー疾患医療の提供体制の充実を図ることになりました。

最近の医学の進歩には著しいものがあり、小児のアレルギー疾患はたとえ重症でも健常な子どもと同じような生活が送れるレベルに治療が可能になっています。また、予防に効果のある方法も次々に発見されています。これらは10年以上前の一般常識をひっくり返すような内容もあり、アレルギー疾患への対策は新しい局面を迎えています。

当センターの初診外来は予約をとるのが大変との声を聞きますが、入院治療が必要な患者さんの受入は常時最優先で行っています。最新のエビデンスに基づいて、困っているアレルギー患者さんを治療し最善の未来を提供したい、アレルギーセンターの医師はそうした思いで日々診療を行っています。

アレルギーセンターのミッション

当センターは、2017年に世界アレルギー機構(World Allergy Organization)からCenter of Excellenceに指定され、世界のアレルギー診療と研究のリーダーとして、国内はもとより世界中の専門施設の指導的役割を担うことが期待されています。国内外のアレルギー診療のモデルとなる水準の高い医療を提供するとともに、それを実現するために必要な臨床研究の推進を行っていきます。


アレルギーセンターの概要

わが国を含む先進国では、約半世紀前からアレルギー疾患が急増し、今や国民の約2人に1人が気管支喘息(ぜんそく)、食物アレルギー、アトピー性皮膚炎、花粉症などのアレルギー疾患に罹患していると言われています。さらに1人の患者さんが同時に複数のアレルギー疾患を患うことも多く、症状の重症化・難治化を来たし治療のための入院・通院が必要となるばかりか、学校や保育所において適切な理解や支援を受けることができず長期にわたり患者さんや家族の生活に多大な影響を与えるほか、アナフィラキシーショックのように命を脅かす状況に陥る場合もあります。

しかし、すべての患者さんが適切な治療を受けているとはいえないのが現状です。一方で近年、アレルギー疾患に関わる新たなエビデンス(科学的な根拠)が次々と登場しており、一昔前とは治療内容が大きく進歩しているため、医療者は常に適切かつ質の高い診療を求められています。

その中で、国立成育医療研究センターアレルギーセンターは、アレルギー疾患における国の中心拠点病院として、診断が困難な症例や標準的治療では病状が安定しない重症・難治性アレルギー疾患の患者さんに対し、関係する複数の診療科が連携することで総合的かつ包括的に診断、治療管理を行い、専門診療を提供することを目的として2018年6月に設置されました。

アレルギーセンター総合アレルギー科の前身である国立成育医療研究センターアレルギー科、さらには国立小児病院の時代から、私たちは日本のアレルギー診療の最前線として多くのアレルギー疾患の患者さんの診療にあたり、特にメディカルスタッフ(アレルギーエデュケーター)と密接に関わりながら適切な診療を提供して参りました。これからも中心拠点病院として、アレルギー疾患に関する科学的知見に基づく適切な情報の発信、専門的知識と技術を有する医療従事者の人材育成および研修の受け入れ、そして国立成育医療研究センター研究所・免疫アレルギー研究部との共同研究、およびエビデンスレベルの高い臨床研究の戦略的な推進を継続していきます。


中心拠点病院の役割

平成26年6月にアレルギー疾患対策基本法(平成26年法律第98号)が成立し、平成27年12月に施行されました。法第11条第1項に「アレルギー疾患対策の推進に関する基本的な指針を策定しなければならない」と規定されるため、「アレルギー疾患対策推進協議会」において議論されたのち、平成29年3月21日に基本指針が厚生労働大臣告示としてなされました。

この基本指針の中で、国民がその居住する地域に関わらず、等しくそのアレルギーの状態に応じて適切なアレルギー疾患医療を受けることができるよう、アレルギー疾患医療全体の質の向上を進めることがうたわれております。

さらに国は、国立成育医療研究センターと国立病院機構相模原病院を全国的な中心とする医療機関、つまり「中心拠点病院」として、最新の科学的知見に基づく適切な医療に関する情報の提供、アレルギー疾患医療に関する研究及び専門的な知識と技術を有する医療従事者の育成等を推進することが、基本誌指針に記載されております(基本指針 第3条(2)キ) 。

国立成育医療研究センター・アレルギーセンターは、国の政策に基づき、わが国におけるアレルギー疾患医療の全国的な拠点として、アレルギー疾患医療に関する診療、情報提供、人材育成、研究などに関する以下の役割について求められています。

中心拠点病院の役割

①診療

診断が困難な症例や標準的治療では病態が安定化しない重症及び難治性アレルギー疾患患者さんに対し、複数の診療科が連携し、診断、治療、管理を行うこと。

②情報提供

国民や医療従事者その他のアレルギー疾患に携わる関係者に対し、アレルギー疾患に関する科学的知見に基づく適切な情報を提供すること。

③人材育成

都道府県拠点病院でアレルギー疾患医療に従事する、専門的な知識と技術を有する医療従事者の育成を実施すること。さらに、アレルギー疾患に携わる関係者向けの研修や講習会で活用できる共通教材等の作成や提供を行うこと。

④研究

国は全国的な疫学研究、臨床研究等を長期的かつ戦略的に推進することに協力すること。

⑤その他

全国拠点病院連絡会議を通じて全国の都道府県拠点病院との情報共有、意見交換等を行い、アレルギー疾患医療の均てん化に向けた取組等につき協議を行うこと。


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