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患者・ご家族の方へ Patient & Family
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人工呼吸器を使用している子どもたちが利用できるバギーを寄贈いただきました

肝臓移植を受ける肝臓病のお子さんの中には、肝臓以外にも重症の病気を抱えながら、頑張っているお子さんがたくさんいらっしゃいます。当センター移植外科でお母様がドナーとなり、肝臓移植を受けた武藤優司君もそのお一人です。このたび優司君のご両親から国立成育医療研究センター宛てに人工呼吸器を使用しているこどもたちが利用できるバギーを寄贈いただきました。


人工呼吸器の子どもたちの生きる世界を広げたい

武藤優司君は肺の病気のため、肝臓移植後も人工呼吸器のサポートが必要でした。移植から8カ月後、優司君はご両親の強い希望と熱意により、人工呼吸器をつけたまま退院することができました。自宅で過ごす生活の中、外出時に大活躍したのがこのバギーでした。

こちらはイタリア製で座面の布の色選びからご両親が始められました。人工呼吸器、酸素ボンベ、モニターなど必要なものを載せても安全に移動ができるよう、十分な耐久性を兼ね備えたバギーが出来上がりました。

バギー写真

呼吸器を載せていてもその割に軽く、操作性もしやすく、スムーズに走ります。呼吸器やボンベなど収納抜群です。

バギー写真

バギーにはポールがあるので、おなかに管で栄養剤を入れている間も、移動することが可能です。

バギー写真
バギー写真

背中の角度は自在に変更可能です。フルフラットにもなるので、移動中に寝ていても安心です。

バギー写真

座面はメッシュ仕様なので、長時間のお出かけでも通気性が比較的良いです。

バギー写真

動き出さないようストッパーがついているので、安心です。

人工呼吸器、酸素ボンベ、モニターなど必要なものをバギーに詰め込むと、優司君は家族と一緒に何度も公園にお出かけしました。馬を見に馬事公苑まで出かけたり、水の生き物を見に水族館にも足を延ばしました。将来に備えて幼稚園の下見にも出かけました。そうした時間は優司君と家族にとってかけがえのないものとなりました。

ご家族は優司君と過ごす日々の中で、常に前向きな思考で物事を受け止めるよう、努められました。そしてあたたかい家族の愛情に包まれた優司君は、医学の常識を遥かに超えた時間を精一杯生きて、2018年5月、天寿を全うしてお空に還っていきました。
その軌跡をご家族は手記『ありがとう。ママはもう大丈夫だよ -泣いて、泣いて、笑って笑った873日-』(※)に綴られています。更にご家族は優司君の人生の後半を大きく支えることとなった当院の小児の緩和医療の発展のために、この本の売り上げの一部を寄付されています。

武藤あずさ(2019)『ありがとう。ママはもう大丈夫だよ -泣いて、泣いて、笑って笑った873日-』ライトワーカー



このたび思い出のバギー寄贈にあたり、ご両親は次のメッセージを寄せてくださいました。

幸せかどうか決めることができるのは自分だけ。病気があってもなくても、今ここに目に見える形があってもなくても、大切なことは変わらないのだと思います。
ご縁があって関わったお子様に良い事が沢山あることを願ってやみません。
きっと優ちゃんが導いてくれると信じています。小さな神様ですから・・。



大切なバギーを当院へ寄贈することを決断くださったご両親へ、深く感謝申し上げます。そしてこのバギー「優ちゃん号」が、当センターに入院中の子供たちの、生きる世界を広げるきっかけになることを心から願っています。

2020年9月18日
国立成育医療研究センター 臓器移植センター長・副院長 笠原群生
ご家族と笠原副院長