国立研究開発法人 国立成育医療研究センター National Center for Child Health and Development

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患者・ご家族の方へ Patient & Family

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「前思春期から若者世代に必要とされる健康教育を考えるシンポジウム」が開催されました

11月27日、「前思春期から若者世代に必要とされる健康教育を考えるシンポジウム―プレコンセプションケアの普及のために―」が開催され、医療・教育機関、行政、企業やNPO、メディアといった様々な分野から多数の参加者にお越しいただきました※。

医療者・当事者・教育の立場から各分野の専門家にご講演いただいた後、「学校現場における実践に繋がる健康教育とは」をテーマに、猪狩和子先生(豊島区学校医会副会長、豊島区学校保健会会長)と中村雅子先生(帝京大学准教授、前・豊島区立南池袋小学校校長)による対談が行われました。

医療者の立場からは、産婦人科医の佐藤雄一先生(佐藤病院グループ代表/産科婦人科舘出張 佐藤病院 院長)より「プレコンセプションケアの定義とその普及の必要性について」、月経や若い女性の栄養状態に関する具体的な問題を含めてご説明いただきました。

当事者の立場からは、#なんでないのプロジェクト代表の福田和子さんがスウェーデンよりインターネット中継にて参加。「国際比較と若者の声から考える日本におけるプレコンセプションケア実現に必要なこと」として、①性教育、②避妊の選択肢拡大、③若い頃からアクセスできるケアを日常に(WHO AAAQフレームワーク)、④社会・医療者全体におけるスティグマ払拭(教育・啓発)といった日本の社会への要望とともに、「自分を大切にしたい」という思いを実現できる社会の構築を訴えかけました。

地域・職域保健における教育の立場から、井上従子先生(社会福祉法人二葉保育園理事長、元・神奈川県健康・未病担当局長)の「女性の健康リテラシー、マネジメントの支援をめざして」の講演では、働く女性が自らキャリア設計し、仕事とプライベイトの両立を図りながらキャリアアップを実現していく上で、女性の健康リテラシーを高めることの重要性が強調されました。

また対談では、小学校の学校医と校長先生(当時)の立場で、猪狩先生と中村先生より、国際水準の性と生殖に関する教育を含めた健康教育を実践されている学校現場での取り組みをご紹介いただきました。

閉会にあたり、荒田尚子先生(国立成育医療研究センター 周産期・母性診療センター母性内科診療部長)より、本シンポジウムを総括しつつ参加者・関係者への謝辞が述べられました。

「なぜ 日本でプレコンセプションケアが必要か」の図

なぜ 日本でプレコンセプションケアが必要か

日本は、周産期死亡率・母体死亡率とも世界的に見て非常に低い水準にあります。一方で、上図の中心にあるように、性とリプロ(生殖)に関する教育は国際水準に未到達であると同時に、国民のヘルスリテラシーが低い状況にあります。その影響として自分の健康を自分で守ることができず、周辺の様々な問題につながっています。

プレコンセプションケアを日本で広めるために

本年10月に開催した「プレコンセプションケアを考える会」では、教育・医療・地域保健・職域・企業・若い世代など多様な領域の人々が参画し、社会的ムーブメントを形成する必要性が確認されました。
http://www.ncchd.go.jp/hospital/about/section/preconception/pcc_seminar2019.html

わが国では、すでに「健康日本21」「健やか親子21」といった取り組みが実施されているものの、いまだ不足しているのがプレコンセプションケアといえます。成育医療の基盤、さらに少子化対策の基本としてプレコンセプションケアを広げていくことは、国民の健康増進にもつながります。2019年12月には、成育基本法が施行されます。プレコンセプションケアを大きな柱の1つとして、日本全体で積極的に推進していきましょう。

※国立研究開発法人国立成育医療研究センタープレコンセプションケアセンターと働く女性の健康増進のためのプロジェクト(バイエル薬品株式会社およびMSD株式会社)の共催で行われました。