国立研究開発法人 国立成育医療研究センター National Center for Child Health and Development

代表: 03-3416-0181 / 予約センター(病院): 03-5494-7300
〈月~金曜日(祝祭日を除く)9時~17時〉

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チャイルド・ライフ・スペシャリスト

チャイルドライフ

お子さんの手術を控えて、ご両親はご心配のことと思います。

同様に、これから手術を受ける心臓病の子供たちは心細く不安を感じています。

お子さんの一番の頼りはご両親です。病気のことは隠すより教えてあげたほうがお子さんの不安は軽くなるようです。

入院前に手術の話をしてあげてください。手術中は麻酔により痛みは感じないこと、術後も薬で痛みをとるので心配はないことを伝えてあげてください。

手術の後は、今より元気になると励ましてあげてください。ICUにいる間はずっと一緒にいることは出来ないけど近くにはいるし、一般病棟に移ってからは一緒にいられると教えてあげてください。

当院には認定チャイルドライフスペシャリストがおり、手術前のお子さんが不安を感じず、入院生活をスムーズに行えるように助けるための活動を積極的に行っております。

認定チャイルド・ライフ・スペシャリスト(CCLS: Certified Child Life Specialist)

こどもの思いや体験に注目して関わり、こどもの不安やストレスを軽減し、こどもが本来もつ『乗り越える力』を発揮できるようサポートする専門家です。

チャイルド・ライフ・スペシャリストは、医療チームの一員として、こどもの入院がよりストレスの少ない、安心できる体験になるよう心理社会的支援をする専門職です。 

こどもにとって、病院は慣れない場所であり、痛みや恐怖の伴う検査、処置、治療を受ける場所でもあります。このような、ストレスや困難が伴う状況下で、こどもの不安を軽減し、医療体験をプラス体験に転じるためには、こどもが本来持っている力を発揮できるように支援することが重要だと言われています。こどもは、ひとりの尊厳ある存在で、力のある存在です。Child Life Specialistは、『こどもの力』(Child=こども、Life=ライフ/活力)を支援する専門職です。
認定チャイルド・ライフ・スペシャリストの画像

◆主な活動内容

  • 手術プログラム(手術の説明、手術前のこころの準備支援、術後支援など)
  • 検査、処置、治療へのこころの準備支援
  • 検査、処置中の心理的支援
  • 病気の説明(医療者と一緒に行っています)
  • セラピュティックプレィ(感情の支援遊びなど)
  • きょうだい支援 など
*その他、必要性に応じ様々な活動を行っています。

◆活動日

国立成育医療研究センターでは2007年4月から活動し始めました。現在、当院にはチャイルド・ライフ・スペシャリストが1名勤務しています。
現在は下記の通り、週4日活動しております。
火~木 8:30-17:15
金  10:00-16:45

お子さんへの説明について

『お子さんが手術を受けることになったとき』
お子さんが、手術を受けることになったとき、お子さんにどのようにお話をしたらよいか悩まれるという親御さんはとても多いと思います。
「こどもは、説明をどのくらい理解できるのか分からない」、
「逆に怖がらせてしまったらいけない」、
「でも、嘘をつくのはいけない気もする」…などなど。
親御さんにとって、手術の説明と気持ちの準備が必要であると同じように、お子さんにとっても、手術に向けた気持ちの準備は、とても重要です。お子さんが、少しでも安心して手術を受けることができるように、お子さんと話し、一緒に気持を準備する機会を設けてください。

ステップ1:親御さん自身の気持ちの準備

お子さんと話をする前に、まず、親御さん自身が、手術について情報を得て理解しましょう。大人にとっても、医学用語というのは非常に難しいものです。病院のスタッフは、日ごろから、医学用語に親しんでいますので、親御さんにとって分かりにくい言葉を使用してしまうことがあります。親御さんが理解していただくことは非常に重要なことだと考えていますので、遠慮をせず、質問してください。医療スタッフにとっても、どのような言葉を使用したらよいのか学ぶ機会になります。
  • 基本的な情報や予定を知りましょう
    入院日、病院到着時間、病棟に上がる前の診察(麻酔科外来、レントゲン、採血など)
    手術日、手術開始時間、手術室の場所、家族待合室の場所
    飲食のガイドライン(食事止めや最終飲水時間)、
    前処置の有無(多くの場合、病棟で眠たくなる内服薬や座薬を使用し、手術室で麻酔をしますが、病棟で点滴をとってから手術室に行くこともありますので、ご確認ください)
  • 術後の様子を知っておきましょう
    術後は病棟に戻ってくるのか、集中治療室(ICU)でお泊りするのか、どのような医療機器が装着されてくるのか、抱っこしてよいのか、どのように触れていいのか、どのような苦痛があるのか、何をしてよいのか
  • 親御さん自身が、お子さんの入院や手術に対してどのように感じているのか知っておきましょう。
  • お子さんが入院中の、きょうだいへの関わりやお世話について準備しておきましょう。

ステップ2:手術を受けるお子さんへの気持ちの準備

お子さんには、隠し事なく、正直にお話しましょう。お子さんが、どのようなことを疑問や心配に思っているのか知りましょう。お子さんにお話するにあたって内容やいつ話をするかは、年齢と発達段階、パーソナリティー、過去の病院での体験、病気に対する理解度などによって変わってきます。以下に、年齢別のポイントを記載しましたので、ご参照ください。これは参考ですので、ひとりひとりのお子さんに合わせて、ご両親で検討してみてください。
お人形の写真の画像

新生児(0-12ヶ月)
親しみのあるものや人がいることで安心することができます。
  • お気に入りのタオルや毛布、おもちゃ、おしゃぶりを持ってきましょう
  • 親しみのある哺乳瓶(プラスティック制?)と乳首、コップを用意しましょう(術後に役に立ちます)
幼児前期(1-3歳)
  • 入院のことは、遅くても1-2日前にはお話するようにしましょう。
  • 子どもにとって選ぶことは重要です。手術室には1つ好きなものを持っていけるようになっています。持っていきたいもの(ぬいぐるみ、タオル)や着ていくもの(どの前開きパジャマにするか)を選んでもらいましょう。
  • 医療者は子どもに触れる際に声をかけますが、親御さんからも医療者が何をするのかお子さんが理解できるように説明してください。医療者とお子さんとの信頼関係を構築する上で、親御さんが関わってくださることが重要です。
    例)お子さんが診察を怖がる場合は、「先生は耳をみるのよ。最初にママの耳を見てもらおう。○○ちゃん見ててね。」や「お胸の音をきくのよ。ほら、くまちゃんもね。」とぬいぐるみの聴診を勧め、お子さんが安心でき、これから受けることが理解できるようにお手伝いしてください。
  • 入院中にお子さんから離れる場合や病棟を出る場合は、どこに行くのか、いつ戻ってくるのかをお子さんに伝えましょう。「トイレに行ってくる。すぐに戻ってくるよ。」と言って何時間も戻ってこないことは、お子さんの不安を強めます。「ママはお昼ごはんを食べてくるから、おやつの時間にもどってくるね。寂しいけど、戻ってくるからね。」と伝えましょう。
  • 手術の説明について。手術室ではお子さんはマスクをつけて寝ます(マスク麻酔の場合)ので、可能であれば実物のマスクを見せ、「マスクでねんねするよ」と話しましょう。また、手術する部位をなでる又は指さし「ここを治してもらおうね」と話しましょう。
  • お子さんが手術室に入る際には、「パパは、あっちのお部屋で待っているからね。また、後で会おうね。」または、手術室ではお子さんはマスクをつけて寝ます(麻酔導入)ので、「ねんねして、起きて、また会うからね」などと伝えましょう。『頑張ってね』は、痛いことをされるのかなと思ってしまうので、『また、会えること』を伝えると良いでしょう。
  • 絶対にやってはいけないこと!
    お子さんが嫌がっているときに、「○○しなかったら、ママ帰っちゃうからね!」「○○しなかったら、おばけが来るよ」「○○しなかったら注射してもらうよ!」と、こどもを脅すようなことは避けてください。医療者や医療行為に対する恐怖感が増大するだけでなく、病気になったことや医療行為が自分への罰だと思ってしまうからです。
幼児後期(3-5歳)
  • 入院のことは、遅くても3-5日前にはお話するようにしましょう。
  • 病院がどんなところかお話しましょう。
  • 正直にお話し、簡単な説明をしましょう。
    医療スタッフがよく使用する言葉:
    • 血圧計(『しゅぱしゅぱ』するよ)…腕にまくベルトで、ちょっときつくなる
    • 麻酔…『眠くな~れ』の風、マスクからいいにおいの風がでてきて眠くなる
    • リカバリー室…起きるお部屋
    • 手術…治すこと(手術によって異なりますのでお気軽にスタッフにご相談ください)
    例)心房中隔欠損症の場合
    ここ(左胸)に心臓っていうものがあります。心臓には、4つお部屋があるんだけど、お部屋とお部屋の間にある壁に小さな穴が開いているんだって。だから、少し走ると疲れたりしちゃうの。穴が開いたままではよくないので、穴を閉じることにしました。
  • 手術の後に、どのようなものがついているか実際に見せ、お話しましょう(眼帯、ガーゼ、ギブス、点滴など)。病棟には、点滴などをしているお子さんもいますので、手術の前から、お子さんも同じものがついてくること、看護師さんがとってくれるまで大切にしてほしいことを伝えておきましょう。
  • 幼児後期の子どもたちは遊びを通して学びます。病院ごっこやお医者さんごっこは、子どもたちがこれからのことや病院での体験を理解し、振り返るのにとても有用です。
  • 絶対にやってはいけないこと!
    お子さんが嫌がっているときに、「○○しなかったら、ママ帰っちゃうからね!」「○○しなかったら、おばけが来るよ」「○○しなかったら注射してもらうよ!」と、こどもを脅すようなことは避けてください。医療者や医療行為に対する恐怖感が増大するだけでなく、病気になったことや医療行為が自分への罰だと思ってしまうからです。
学童期(6-12歳)
  • 入院のことは遅くても、1-2週間前にはお話するようにしましょう。入院や手術の必要性が言われはじめた段階からお話するようにすると良いでしょう。
  • お子さんと一緒に、学校のお友達や先生にお話する機会をつくりましょう
  • 病気、手術について正直に説明し、質問や心配なことをお話する機会をつくりましょう。
    この年代のお子さんは、「手術中に起きることはない?」「本当に○○の手術なの?本当は違うのでは?」「どんな危険性があるの?」など疑問に思っていることがあります。難しい質問もあるかもしれません。不安や疑問がある場合は、「一緒に確認してみよう」と伝え、医師、看護師、CLSなどにご相談ください。
  • 手術の後に、どのようなものを見るのか、どのような状態かお話しましょう(創部、ガーゼ、ギブス、医療機器の装着、痛み止めの方法など)
思春期(12-18歳)
  • 説明時期:日ごろから病気や病状について話をする機会をもち、入院や手術の必要性が言われはじめたらすぐにお話するようにしましょう。
  • この年代のお子さんは親から離れて、自分とは何か、自分は何をしたいのかなど考え行動し、自分で決定していきます。それを見守り、いつでもサポートできることを伝えておきましょう。
  • ボディイメージの変化、プライバシー、友達との関係を大切にする年代です。
  • 何が起こるのかお話し、お子さんが治療の決断に参加できるようにしましょう。
  • 正直に対応しましょう。
  • お子さんが直接、医師や看護師に質問できるよう支え、応援しましょう。
  • お子さんのプライバシーの必要性を守り、尊重しましょう。

ステップ3:きょうだいへどう話しますか

きょうだいも、大好きな弟/妹/お兄ちゃん/お姉ちゃんのことを心配しています。 「どうして、いつも病院に行くの?」 「なんで、病院でお泊りするの?」 「いつ帰ってくるの?」 「病院では、痛いことや嫌なことがいっぱいあるの?楽しいともあるの?」 など、色々な疑問があります。お父さんやお母さんの方からきょうだいへお話をする機会を作ってあげてください。 きょうだいへも、手術を受けるお子さんと一緒にお話をしましょう。年齢の低いお子さんに合わせて、お話する内容を考えると良いでしょう。その後、年長のお子さんの方には、詳しい説明を加えるとよいです。
手術を受けるお子さんの入院中は、きょうだいにもいろいろとお願いすることになります。きょうだいが、なるべく普段通りの生活ができるように準備しておくことが大切です。親が面会のために家を空ける時間やそのときの連絡方法も伝えましょう。きょうだいは楽しいことをしてよいことを伝え、待っていてくれることの大変さをご両親が気付いていること、きょうだいのことが大好きであることをお話して下さい。